2000-03-16

5801 むむむ・・・旗色悪い

>実は私も5801を1690円,1630円と売って持っているのですが、酒田5法の
>通り行けば、明日から下げ足を速めるな、と今日と昨日の足形の組み合わせを頭の中に
>描いて見ているところです。
XXさまが既に売り仕込んでおられたとは・・・(-_-;;

>奇術師さんの古川電、私も一瞬疑いました。どちらか言うと売りたいですね。
>このセクター全般に上値が重たくなってきた印象です。
「大間抜け」さまも・・・(;_;)

>5801古河電工、僕も下げに賭けたいですね。
清春先生まで~・・・(T_T)

うー、根本的に見方が狂ってるのかなあ。
天井打ったというには過熱感が無かったし、出来高も物足りないし、1500まで押しても
上昇トレンドが崩れたようには見えないし、絶好の押し目だと思ったんですけど。。。とほほ

しょうがない、とりあえず今日のザラバを見て考え直します。

2000-03-15

しこり玉さま:

>私見としてはやはり,相場は前者になるべきじゃないでしょうか?
>リスク管理という点で.
>一度大損くらってしまえば,二度と相場に復活できないんですから.

そうかもしれませんね。ただまあ、致命傷さえ受けなければ、相場は
いくらでも挽回の機会を与えてくれますし、やはり人それぞれの
性格に合ったやり方がありますから、、、いずれ、リスク管理(というか
いわゆるマネーマネジメント)については、私なりに思うところを
述べてみたいと思います。

>ブレークアウトを狙うと,株の場合はだましが多いように思うんです.(商品に較べて.)
>ですから,株ではテクニカルがあまり使えない,しかも,証券会社などが相場をリード
>するのでインサイダーだらけ.と言うのが,私の株式市場への感想です.
>いかがなもんでしょうか?

うーん、まず、インサイダーだらけという点については、私は商品先物市場よりは
株式市場のほうがまだましだと思っています。というより、、、そもそも、
商品先物市場は、現物を扱う当業者や商社のニーズの為に出来た市場ですから、
成り立ちからしてインサイダーのための市場とも言えます。彼らだけでは
どうしても売り方が多くなりすぎる(需要家の参入が少ない)ため、取引員会社が
一般大衆を主に買い方として参加させてバランスをとっている、というのが
正直な現状認識だと思います。その証拠に、先物市場にはインサイダー取引規制など
ない(むしろ当業者が極めて優遇されている)のはもちろん、風説の流布や相場操縦なども
事実上野放しになっています。
過日のパラジウム騒動なども、結局、商社筋が「やり過ぎた」のが原因で問題を
大きくしましたが、そこまで問題が大きくならない限り、通常は取引所も見て見ぬ
ふりをするだけです。繭糸や小豆など、トラディショナルかつドメスティックな
商品では、昔から仕手戦の過熱で取引停止や解け合い騒動が起きていましたが、
いつも荒廃した市場のツケを最後に払わせられるのは一般投機家でした。

もちろん、株式市場が透明か、というと、ぜんぜんそんなことはないですよね。
ただ、流動性が高く時価総額の大きい銘柄は力技が利かないため、一部の思惑に
左右されにくい、ということは言えると思います。商品で唯一Goldだけが外電と
現物価格、為替の換算通りに素直に動くのも、同じことではないでしょうか。

次に、ブレイクアウトが騙しに終ることが多いという点についてですが、これは
私も同感です。ただ、よくよく考えると商品でも最近はそういう傾向が
あるように思いますので、単に市場参加者の技術レベルが向上してきて
比較的ポピュラーなシグナルの有効性が薄れてきているだけかもしれません。
もうひとつ考えられる理由は、先物市場はその建玉の99%までが現物の背景を
持たない、いわゆるカラ玉であるのに対し、株式市場の場合、現物取引の方が
比重が高く、しかも(通常は)買いの一方通行なため、内部要因の悪さが価格調整に
つながるのが遅くなるためではないか、ということです。これについては、私もぼんやり
感じているだけですので、今のところ断言的なことは言えません、すみません。

>株式はインサイダーだらけと思ってますので,情けないことですが,投資顧問の情報で
>売買しております.(情けない,トホホ.)でも,それで利益を取ってます.(さらに情けない.)

この世界、勝てば官軍ですので、そういう優秀な投資顧問の助言が得られるのであれば、
きわめて有効な戦略ではないでしょうか。情けない、なんて思いませんよ。

私は、(少なくとも短期売買前提の銘柄については)材料や業績の情報は一切無視して
テクニカル分析だけで判断するようにしています。情報の早さ・確かさで対抗しようと
する限り、我々には勝ち目がないと考えているためです。具体的なデータは
価格と日柄・出来高・信用取組だけです。まれに手口を参照することもありますが。
あと、実は掲示板の書きこみを非常に参考にしています。とは言っても推奨されている
銘柄そのものを参考にするわけではありません。ひとつにはその銘柄の潜在的な人気を
知っておくためです(株価は最終的には広義の需給と人気で決まると考えています)。
もうひとつは仕手筋の介入や大口資金の流入の噂をチェックするためです。手がけている
銘柄にその手の噂が出始めたときは、それが事実であろうとなかろうと、なるべく
手仕舞いの方向で対応することにしています。値動きが擾乱を受け、分析が難しくなるからです。

長文たいへん失礼致しました。

レスです

麻美さま:
>個別銘柄名を出すことはホルダーには嬉しくないですから難しいところです。

ここにいらっしゃる皆さんは、とっても寛容でいらっしゃるし、ご自分の
相場哲学をしっかり持って危機管理もできる方ばかりですから、怒られるような
ことはないと思いますよ。むしろ、自分の見方が偏っていないかのチェックに
なりますから、逆に感謝されることも多いんじゃないでしょうか。
日立については、はっきり言って・・・弱いですね (T_T)
明日もこんな調子なら、売り玉の増強も考えたいです。

XXさま:
いつも有益な情報を提供していただき、感謝しております。5232、さすがですね。
例の文芸春秋の記事は私も読みました。社長さんに関しては
いろいろ噂はあったとはいえ、ここまでボロクソ書かれちゃうと
なんだかちょっと気の毒だなあ、という気もします。
ただし、あの会社の営業のうるささ、しつこさには、正直言って辟易
しています。以前、セールスマンが一生懸命頼むので、しかたなく
コピー機を入れたことがあったのですが、その後さらにひんぱんに
電話がかかってくるようになったのには参りました (-_-;

素人の主婦さま、「おおばかもの」さま:
楽しんでいただけたようで、なによりでした (^^)

>「こんなに高くなっているのに、ノーテンキによく買えるわね」

もしそのとき私が同じ株を見ていたら、
「こんな強い株なのに、何を考えて売ってるんだろう・・??」
なーんて不思議に思ってたりして (笑)
まあ、仮にみんなが同じ感覚だったとしたら、ストップ高安ばかりに
なっちゃって、売買がぜんぜん成立しません。そういう意味では、
自分と反対の相場観を持つ人というのは、実はとっても貴重な存在なんですよね。

清春先生:
安川電、松尾電、おみごとです。

丸善は、なんだかんだで10年間下げ続けてきた銘柄ですから、今後も紆余曲折は
あると思いますが、大きく育ってほしいですね。板硝子みたいに10年分を1年で
取り返すような大爆騰をするのか、それともじっくり息の長い上げ方をしていくのか、
いずれにしても楽しみです。私も頃合を見て参加させていただこうと思います。

今日の相場

今日の相場、あいかわらずぱっとしませんが、日経平均ほど下げている印象は
ないですね。。。引け際にダウが大きく戻せば、なんとか踏ん張った、という
感じになるのですが、どうでしょうね。

あまり動くところでもないのですけど、少しだけ6758 ソニーを売りました。
寄り付きと26000で100ずつ。27000でも指してますが、出来るでしょうか。
分割うんぬんとはあまり関係無く、単なるヤマカンです。日経平均を
0.0000001円ぐらい下げてしまったかもしれません(笑)。
他は7729 東京精に売り乗せたぐらいです。

買いの方では、5801 古河電の1500で指していたのが約定しました。損切り
ポイントは1350ですね。9737 CSKは一旦ショートカバーです。もちろん
戻りは売りでしょうが、窓埋め程度で終るか、それとも10000近くまで
大きく戻すか、しばらく観察したいです。
噂の6506 安川電は、1230で切り返した点が好感されますが、はてさて。

しこり玉さん、お久しぶりです。のちほどレスさせていただきますね。

2000-03-14

思ったことをつれづれに・・・

なぜ世の中にこんなに追証に苦しむ人が多いのだろうと考えたのですが、
個人の投資家には、評価損が膨らむのを嫌う人と、確定損が膨らむのを嫌う人の
2種類の性格というか心理の違いがあるのではないかと。

前者の人にありがちな投資行動のパターンとして、順張り(上がれば強気になって買う、
下がったら弱気になって売る)を好み、評価損が出た株はあっさりと損切って
あきらめてしまう。場合によってはドテンして、有利な側につきたがる。要するに
自分の判断に自信が無い。たっぷり利の乗った玉をたくさん抱えていると安心する。
どちらかといえばリスクに敏感で小心、流れに逆らおうとしない大勢順応型。
好きな格言:『相場は相場に聞け』

逆に後者の人は、逆張り(下がっているところで買いたくなり、上がっている株は
売ってみたくなる)を好み、ナンピンに抵抗感や不安感がない。どちらかといえば
負けず嫌いで、自信があり、しっかりした信念を持っている(ガンコとも言う)。
大底で買うこと、天井で売ることにこだわり、成功すると大喜びする。うまく
行ったときの利食いは早いが、早過ぎて一番おいしいところを取り損ねることも多い。
好きな格言:『人の行く裏に道あり花の山』

私は典型的な前者のタイプなので、なかなか気がつかなかったのですが、どうも
世の中には後者のタイプの投資家が圧倒的に多いらしい。で、観察してみると、
後者のタイプの人は勝率が高く、しかも勝ち方も鮮やかな相場巧者なのですが、
意外な大損をすることもしばしばあるようです。
人の性格はなかなか変えることができないものですが、その長所をうまく利用し、
短所からくる失敗を避けられればベストなんですけどね。難しいものです (^_^;

素人の主婦さま:
昨日のチャンスをうまく捕らえて整理を進められたとのこと、
清春先生もおっしゃっておられましたが、とても素人とは思えない鮮やかな
手腕ですね。きっと大丈夫、それだけの実力がおありなら、すぐにプラス勘定に
持っていけると思いますよ。どうかあせらず頑張ってくださいまし。

今日の相場、地合は決してよくないと思うのですが、とりあえず昨日連鎖反応で
下げすぎた株は反発しているようですね。全体相場が落ち着けば、戻り売り派と
押し目買い派の対決があちこちで見られそうです。

2000-03-13

レスです

「おおばかもの」さま:
そうおっしゃっていただけると助かります。。。なんだか、余計に気を使わせてしまって
申しわけありませんでした。こちらこそ、未熟者ですがどうぞ今後とも、よろしく
お願いいたします。

麻美さま:
6501 日立 弱そうですね。。。
私は日立は現物でかなり持っていますので、常時その何割分かはヘッジの売り玉を持つように
しています。騰がったところで売り玉を増やしてスクエアもしくは若干ショートぐらいに
持って行き、安くなったら一部だけ残してカバー、という感じです。
中期的には、98/10の532、99/3の720、99/5の833、99/10の1000をつないだトレンドラインを
維持できるかどうか、注目しています。

6857 アドテスト 21000ぐらいまで戻って叩かれてくれれば売り易いですね。
個人的には、あまり相性が良くない銘柄なので、観戦するにとどめようと思っています。

4118 鐘淵化 この銘柄、去年大きく上げて出世しましたが、個人的なイメージでは、トレンド型
というよりはむしろサイクル型の株という印象が強いです。だいたい2週間前後のサイクルで、
オシレータを見ながら吹き値売り、突っ込み買いをやっていれば、慣れれば半ば機械的に給料を
もらうような感じで取れました。(あんまり面白くないですが・・・)
化学株や食品株にわりと多いタイプですよね。

9694 日立ソフト うー、さすがにお目が高い。。。
先週末に急落して13500を割りこんでるんですよね。ほんとうなら、何がなんでも売りたいところ
なのですが、いかんせん9613 NTTデータが仕掛かり中でして、ポートフォリオ全体のバランスを
考慮して今回は泣く泣く見送りました (;_;) ざんねん

ところで、今日の相場は相当ひどいな、という印象です。
この掲示板にいらっしゃる皆様は全然問題ないと思いますが、買いオンリーで、しかも銘柄を
絞って勝負なさっている方々はたいへんだと思います。
ちなみに、こういう日にしっかり上げている株は、本当に強い株なので要チェックですね。

散漫な書きこみになっちゃってすみません。

1999-01-08

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 こんな感じで終わりにしたかったのですが、、、。(男性の質問:聞き取れず)2~3のことが挙げられますね。とても重要なことですね。前のトレードの結果を過去のものとして、次のトレードに移る能力、常に前進することを考えなければなりません。毎朝「また新たな一日が始まる、全く新しい一日が!」と思うようになれなければいけません。これはこのビジネスのすばらしいところですよ。毎朝起床した時、新たな緊張感に包まれ「昨日よりも上手くトレードしてやろう!」という気持ちになれるのです。すべての月が「新たなひと月」であり、すべて年が「新たな一年」なのです。
 トレーディングの奥深さに対する姿勢、要するにどのようにして自分の気持ちを燃え上がらせるかが問題なのです。どのように物事を捉えるかという問題なのです。「今週は先週より良い機会が訪れるはずだ!」「去年よりも上手くやってやるぞ!」という気持ちを持てるかどうかの違いなのです。この原則を年初に考え直すこと、ゼロから再スタートする気持ちに帰るのです。「よし、すばらしいパフォーマンスをあげる機会が訪れるぞ!」と考えるのです。繰り返しになりますが、トレード管理を一歩一歩着実に進めていくことが大切です。これは一日一日の繰り返しです。一つ一つのトレードの積み重ねが重要なのです。これが将来的に皆さんのレバレッジの大きさを決めることになるのです。
 (質問:聞き取れず)。テクニカル分析の元祖4人の話に戻ってみましよう。彼らが言っていることは、「理論と現実は全く異なること」だということです。理論は皆さんがモデルを構築する際に非常に重要になります。しかし、そのモデルは完璧なものであるわけではありません。皆さんの中にもエンジニアの方がいるかもしれませんし、彼らについてあまり否定的なコメントをしたいわけでもありませんが、私の経験からすると、エンジニアとしてのバックグラウンドを持つ方達は、マーケットの動きをブラックボックスに収めたがる傾向があります。あちらにいらっしやる方が笑っていますね。エンジニアの方達はマーケットのすべてをブラックボックスに押し込めたいと考えるようです。不完全さや欠陥というものを認めることは難しいことです。
 長期に渡り利益を上げ続けているシステムというものはすべて、マーケットに現われる常軌を逸した動きを捉えるようにできています。長期のトレンド・フォローイング・システムなどはまさにこの典型ですね。市販されているシステムの中でベストのパフォーマンスを上げているものに、「アバレーション」というシステムがあります。このシステムは標準偏差がかなり大きくなったときにマーケットの動きを捉えるものです。異常事態がマ一ケットに常軌を逸した動きが現れることを知らせてくれるのです。
 ですから、皆さんはご自身のトレードの基となるモデルや、マーケットの構造上現れるパターンを知らなければならないのですが、一方でストリート・スマートのセンスを身につけることが大切になります。ワイコフが指摘しているように、「マーケットは我々を振り落とすような動きをするぞ!」「マーケットは通常の動きを再開する前に我々を陥れるような動きを見せるはずだぞ!」というものです。
 ですから、理論と現実は似て否なるものです。ですから、このゲームを我々自身に合うように変えていく必要があるからです。自分が満足できるようにトレードすることはいいんですよ。例えば「コーンのトレードで1セントの利幅をとってやる!」というのでもいいんですよ。大きなトレンドを逃してしまったからといって、誰もあなたをとがめるようなことはしないでしょう?
 私も時々建玉し、「5分間の日よけセール」のようなもの、いわゆる「叩き売り」のようなトレードを探すことがあります。「ちょっと上昇しただけで50ドル儲けたわよ!」といったトレードです。別に構わないですよね。我々の間ではこのようなトレードを冗談めかして「ピザ・パーティー!」と呼んでいます。
 自分が気分よくトレードできる方法であれば、どんな方法であれ、、、。ビジネス・プランをしっかり構築し、それに沿ってトレードするというように、より真剣に感じられる方法をとる人達もいますが、、、。 この違いは結局「自分自身を知る」ということに尽きるのです。何か我々一人一人にとって最も良い方法かということです。私自身について言えば、これまでの経験からトレード1回につき5回のトレードを逃してしまっていると理解しているつもりです。 トレードする機会が現れておいることはわかるのですが、「もう精魂尽き果てたわ」「もうバテバテ!」「紅茶を入れにキッチンに行かなきや」といった理由で、それらのトレードを逃してしまうことが少なからずあります。しかし、それでいいのです。次のトレードに備えれば、それでいいのです。これがこのトレーディングのすばらしいところです。この先毎日でもトレード機会は現れます。自分が過去に逃したことなど振り返っている暇はありません。
 ですからどんな方法にせよ、自分自身に合ってさえいれば、いったんスタートしたのであれば、もう後悔するようなことはやめてください。5分間マーケットに入ってさえいれば、もう気が楽になるはずです。たったそれだけのことです。「トレンドに乗って建玉し、そのトレンドが続く限りポジションを維持し、トレイリング・ストップを設定しろ」というような壮大なトレード・プランが必要なのではありません。何か常に落ち着けないようであれば、それは自分自身にプレッシャーをかけすぎていると考えられます。そんな状態で上手くトレードすることなどできません。毎回トレードするたびに、毎日マーケットの動きを観察し続けてさえいれば、成長することができるということを理解できるでしょう。また、プレッシャーに対して自分が耐えられるレベルも上がっていきます。そして心理、マーケットに対するときの自分自身の心理についてもよく理解できるようになります。レバレッジの大きさ、トレード・サイズ、そしてポジションを維持する忍耐力も同様に成長していくのです。こういうことは年齢を重ね、経験を積むとともに成長していくものなのです。
 最後に一つある言葉を引用して、私の話を締めくくりたいと思います。実はこれが今日話したことの基になっているのですが、、、。紹介するのを忘れてました。これはトレーディングについて私が初めて読んだ本です。現在でも出版されているか定かではありませんが。もちろんこの本は私の父のものです。だいたいこのビジネスは家族の影響で入ってくるケースが多いようですね。初めてこの本を手にしたのは、まだ私が10歳くらいの頃で、何のことかさっぱりわかりませんでした。父は私にチャートを見せ、そこにあるパターンを見つるようにというようなことを話していました。たぶん父は卵を月の周期か何かを使ってトレードしていたと思います。結局父は破産してしまいましたけどね。私は言いたいのは、卵をメイン・サイクルでトレードするということではありません。
 これは「Treasury of Wa11 Street Wisdom」という本で、偉大なテクニカル分析の創始者と呼ばれる人たちの中の4人、センチメントの研究で有名なドリューや、ダウ、レア、ネルソンなどの短い言葉を一人に対して5つ位ずつ引用している「格言集」のようなものです。ですから彼らが残してくれた黄金律とでも言えるでしょう。ここで一つ引用しますが、これをすぐに忘れてしまい、実際のトレードに生かすべき原則を利用することができないと、トレーディングというものをより難しい方法で学ばなければならなくなるでしょう。
 これはサミュエル・ネルソンの言葉です。彼はダウの弟子の一人です。いわく「トレーディングを始めた当初の成功をというものは、大抵人を誤った道へと導いてしまうものであり、人を欺くようなものです。1年目に成功を収めてしまうような人達のほとんどは、2年目、3年目に失敗してしまう結果となるものです。このトレーディングというビジネスにおける奇妙なことは、かなりゆっくりと徐々に利益を出せるようになるということ、また最後まで持ちこたえられるようになるために毎月毎月努力し続けることが必要だということです。そしてある日突然、最もミステリアスな形で、目の前の霧が晴れていくかのようになるのです。最も難しいと思われていたことが、かなりシンプルなことに思えてくるのです。消し去るプロセスを経ながら、このことを学んでいくのです。」
 このビジネスで1年、3年、6年と長い間悪戦苦闘している方途がいます。また、「マーケットの魔術師」「新マーケットの魔術師」を読めば、「利益を上げられるようになるまで6年の歳月を要した」というトレーダーがいることもわかっていただけるでしょう。トレーダーは皆もがき苦しんでいるのです。しかし、ある日突然、苦労し努力し骨の折れる仕事を経験した末、何かが明らかになってくるのです。突然すべて、とても簡単に感じられるようになるのです。信念を貫き、自信を失うことがなければ、いつかそのようなときが訪れるのです。いいですか、いつか必ずその時が来ますよ。ただ、最初の3年間に関して言えば、毎年毎年首尾一貫して利益を上げ続けられるような人はほとんどいません。
 もちろん大変な仕事であり、長い長い道のりであり、捨て去るプロセスを経て学んでいくような大変なことです。自分のミスや、何か自分に合っていて何か合わないのかという、トライアル&エラーのプロセスの中で、この「捨てる」という作業は何度も起こるのです。
 私自身について言えば、長年の経験を通じブル・フラッグ”がトレードのキーであり、答えだったのです。ですから皆さんも自分自身の道を歩み、粘り強く努力し続け、自分を信じ続けることができれば、いつか道は拓けるはずです。同時にトレーディングというのは、この世界で最もすばらしい趣味でもありますので、そのプロセスを楽しんでいただきたいと思います。学ぶことを楽しみ、またこのようなコンファレンスに参加することもできます。このコンファレンスのように、材料はこれだけ揃っています。ソフトや指標や本が揃っているだけではなく、こうして集まった人達がお互いに話し合える場なのです。トレーディングは孤独なビジネスです。ですから「あなたもですか!」「自分だけの問題かと思っていましたよ!」などと、会話を通していろいろなことを知ることができるすばらしい機会です。
 「えっ、あなたもですか!」と聞かれ、「ええ、もちろん私もそういうミスを犯しますよ。しかも数え切れないくらいね」と私が答えると、皆さん驚かれるようですね。苦しみを分かち合うことで、仲間意識を育むこともできます。他のトレーダーと話すたびに、決まって自分の被った大きな損失について話をしますし、馬鹿げたミスもさらけ出してくれます。それで「あ~、私だけが馬鹿げているわけではではないのね」と救われた気持ちになれるのです。
 ですからこの機会を講演者の話を聞き、出展しているブースを見て回るだけでなく、他のトレーダーの方途と話してみてください。他のトレーダーの方達と共通する経験について話してみてください。そうすれば、我々は皆同じ目的地に向かって前進していることがわかると思います。ただ、その道のりが若干異なるだけなのです。そして願わくは、皆同じゴール、要するに自分自身に合ったプログラムを見つけることができれば最高です。自分自身にあったプログラム、マーケットでしっかり機能するプログラムを見つけることができればですね。
 それでは今週末の残りを楽しんでください。そして今夜はご静聴ありがとうございました。
 最後に一つだけ。皆さんの机の上にあるものですが、もし皆さんがインターネットで私のホームページにアクセスしたい方がいらっしやれば、来週一週間無料でアクセスできるようになっています。そこで先程紹介しだブル・フラッグ”など、実際私がどのようにトレードしているか、“アズテック”と呼ばれるルールも見ることができるようになっています。エントリー・ルールをご覧いただけます。私が感じたこと、私が被ったスリッページのひどさなとについても解説しています。もしよろしければ、来週チェックしてみて下さい。それではありがとうございました。

1999-01-07

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 もう一つ興味深いことがあります。テクニカル分析の元祖4人は、チャート・パターン、ウェーブ、値動きパターンのシークエンスについて書いているんですが、彼らは皆“テープ”を観察することの重要性を強調しています。自分自身のトレーディングに生かすために。
 私の知る限り、大口トレーダーの95%はスクリーンの前に座り、常に値動きに注意を払い続けています。これは別にCNBCの画面の下に流れている膨大な数のティッカー・シグナルを観察し続けるといったことではありません。通常とは異なる動き、通常とは異なる“スパイク”、または大量の出来高などがマーケットに現れるか観察し続けるといったことです。
 また値段が「ぱっぱっぱっぱ」と一気に上昇していくような場合、注意を引かれますよね。このように値動きを観察し続けることは、何も悪いことではありません。むしろ、この方法がマーケットのインパルスを測る最も基本的な方法だと言えます。インパルスはトレンドの方向を教えてくれます。インパルスは普通さらなるインパルスにつながることが多いです。いいですか、もしある方向に大きな動きが現れたら、さらに同じ方向に大きく動く可能性が高いのです。確率、高い確率でという意味ですよ。スパイクではなく、インパルスが現れる確率という意味です。そして、このインパルスを真っ先に捉えられるのは、我々人間の目だということです。
 なぜこんなことを言うかというと、特にS&P500のスカルパーやディスクレッショナリー・トレーダーにとって、上手く手仕舞いする方法を学ぶことはとても大切なことだからです。損切りするときにはそれ程大きな問題は起きないと思いますが、利益が乗っているトレードに関してはどうでしょう? その利益をさらに伸ばしたい場合はどうでしょう?ある方向にインパルスが現れ続けた後、小規模の中段もちあいパターンが現れたり、横ばいの動きが続くような場合にはそのトレードを維持しようとするのが普通ですよね? 通常、理想ではありますが、“三段階の上昇”や“三段階のインパルズが現れます。しかし、マーケットがわずかでも横ばいの動きに転じ、その後下落し始めるとしたら、仮にま
だそのポジションに利益が乗っているとしても、横ぱいの動きが現れた時点で手仕舞うべきです。このように、かなりシンプルな方法でトレードすることができるのです。
 それではS&P500をスカルプする最も基本的なモデルに話を戻しましょう。これは実際に我々が使っているモデルですが、5分もあれば説明することができるシンプルなものです。皆さん、自分自身で分析し、実際にトレードすることでこのモデルを信頼できるようになるでしょうが、マーケットでどのようなことが起きているのか、そのコンセプトを理解していただきたいと思います。
 一つ目に、、、。私はS&P500が先物市場に上場されたその日から、フロアートレーダーとして、株式オプションのフロアーやCTAとしても、このマーケットでトレードしてきましたが、トレードを始めた当初、私はトレンド・トレーダー”と見なされていました。当時はそれ程“トレンドが現れませんでしたけど。まだ1995~97年のブル・マーケットもまだ経験していませんでしたしね。タイミングが悪かったみたいですね。
 当時私はティックを使ってトレードすることが多々ありました。ティックが“買われすぎ””売られすぎ”を示したら、逆張りのポジションを取るという方法でトレードしていました。そういう方法で、ある程度トレードしていたのです。また、1時間チャートに現れるサイクルやプレミアム・レベルなどに注目していました。
 テクニカル分析に対する私の研究に戻ります。私よりかなり長くマーケットに携わっている方たちは数多くいるでしょうが、彼らもこれから私が話すことに賛同してくれると思います。私が19年の経験を通して見聞きしたテクニカル指標の中で、最もわかりやすく、明確で、すばやくトレードできるパターンは、小規模でシンプルな“ブル・フラッグ”と“ベア・フラッグ”です。このパターンは皆さんがマーケットで確認できる最もシンプルなパターンであり、同時に最も手間をかけずに最大の利益を期待できるパターンと言えます。これは中段もちあいパターンの一種です。要するに、このパターンはすでにマーケットが以前のレンジから抜け出し、トレンドの方向性を示唆してくれている状態にあり、、、。私はマーケットの天底を見極められるほど天才ではありませんからね、、、。最初に上昇し始めると、その後に現れる調整局面で建玉したいと考えがちですよね? 小さな調整、これが“ブル・フラッグ”となり、その後さらに二度目の上昇局面が現れるのです
 “ブル・フラッグ”や“ベア・フラッグ”、時にはトライアングルや横ばいの動きであれ、1分間チャート、5分間チャート、日足チャート、週足チャートなど、どんな時間枠のチャートにも現れます。皆さんはこのパターンだけに集中することを憶えれば良いのです。オシレーターも出来高も気にする必要はありません。ただ、マーケットが活発に動いてさえすれば、十分な出来高があることだけ確認できればいいのです。なぜなら、もう一つテクニカル分析の元祖4人が言及していることに、「マーケットに動きが見られないとき、出来高の薄い時にトレードしてはいけない」というものがあるからです。
 1~2週間前、S&P500のマーケットでは横ぱいの動きが続いており、ビッド・アスクのスプレッドはかなり開いていました。出来高も限られていました。上昇しては下落、という感じの状態で、スリッページと建玉・仕切りの悪さで損失が膨らみ続けるような状態でした。このような場合、マーケットが活発に動き始めるまで待ち続け、、、。最近の、、、。いつだか忘れてしまいましたが、、、。終値も憶えていませんし、、、。今朝はトレードすることもできませんし、、、。1~2日程前、いったんマーケットが動き始めましたが、そのよう場合その後小規模な“ブル・フラッグ”や“ベア・フラッグ”などの中段もちあいパターンが現れる傾向があります。そこで考えてみてください。中段もちあいパターンが現れたことにより、我々にとっていくつかのことが可能になります。リスクを限定することもできますし、トレンドの方向に沿って建玉することも可能です。マーケットはすでに動き始めているのです。ただ一つ我々に必要なことは、この時点で「次に現れる動きに即反応できる状態」でいることです。マーケットは「これから20分程この水準で横ばいに推移しますよ!」などと教えてはくれません。ですから、ブローカーに電話し、プライスについてあれこれ話していることなどできません。私自身、トレードするときは大抵成り行き注文を使います。成り行きで買い、成り行きで売るということです。マーケットが動いているような時に、すばらしいトレード機会を逃してしまうようなことはできないからです。
 S&P500をトレードしている時、5ポイントほどの小さな動きを見逃してしまったとします。このような場合発生するスリッページの費用や、思い通りに注文が入らなかったりすることを考えてみてください。営業マンであれば、何も困ることはないですよね。ピットでの取引が薄い場合、そのくらいの費用を払うことを覚悟すればいいのです。これまで話してきたことについて少し考えてみたいと思います。
 では、中段もちあいパターンが現れた時点で建玉するというコンセプトは、、、。我々には何がありますかね? ベーシックなチャート・パターン、小規模なパターンですね。規模の大きなチャート・パターンではありませんよ。「おい、S&P500が過去2~3ケ月の高値を更新したぞ! これから上昇し続けるか下落するのか、どっちだ?」などというような類のことではありません。
 10回も失敗し続けて、どうして正気でいられるのでしょう? いられませんよね? いられる訳ないですよ。ですから「今日ここで利益を確保しておく」ということが大切なのです。この「今日ここで利益を確保する」ということに関して、小規模の中段もちあいパターンはとても有効です。
 ここで中段もちあいパターンが上手く機能する確率を高める方法について考えてみましょう。これを実現するために我々がすべきことは、より長い時間枠でマーケットを分析するということだけです。一つ上の時間枠です。なぜだかその理由を考えてみましょう。
 皆さんが一つの時間枠だけでチャート・パターンを観察しているのであれば、、、。S&P500を5分間チャートのみで観察していると仮定しましょう。恐らく皆さんの中のほとんどの方がS&P500を見ていることでしょう。または、いつかはトレードしたいと考えているでしょうから、S&P500を例に考えてみたいと思います。
 S&P500を5分間の時間枠で見ていると、過去に起こったことについて確認することができません。理論的には、1時間チャートを見ていて大幅な上昇が現れた、言いかえると過去2~3日間に数百ポイント上昇したような場合です。より短い時間枠で見る限り、その後に軽い調整局面を迎えたとします。このような場合、その後はマーケットはどんな動きを見せるのでしょうか? 底堅く推移し、モメンタムは強く、より長い時間枠で見てインパルスがとても強いのであれば、恐らく再び高値更新を試す場面が訪れるはずです。要するに、若干下落するだけであり、大幅に下落し続けるような可能性は薄いということです。これは何も「日足チャートで見るとトレンドは上昇しているから、1時間チャートで見て調整局面が訪れたときに買い建てよう」という意味ではありません。この考え方にも欠点がありますから。
 何か言いたいかといいますと、1時間チャートを基に買い建てると仮定した場合、2日間大幅に下落した後のような時は、その後ワイコフ・シークエンスのような「試し→反動→試し」という展開になるでしょうから、大幅な利益は期待しにくいということです。砂糖でもココアで何でもいいですから、皆さんが観察しているマーケットで考えてみてください。2~3日間大帽に下落した後、どんな動きを見せるでしょうか? マーケットは狭いレンジの中で横ばいの動きを続けることでしょう。また、より短い時間枠のチャートに現れた上昇にだまされたくはないですよね。そういうことなのです。フィルターという意味なのです。より長い時間枠をフィルターとして利用するということです。
 これで小規模の中段もちあいパターンについて理解していただけたと思います。より長い時間枠をフィルターとして利用することも説明しましたね。そこで、まず注意するべきことは「試し」です。若干調整が入り、ブル・フラッグが現れ、その後高値を更新し、、、。
S&P500では3~4ポイントの調整ですね、、、。こういう場面では、単純にマーケヅトが高値更新を試すかどうかに注意を傾けるのです。そのトレードがすばらしいものであれば、上昇幅は大きく、スリッページもトレードと同じ方向に広がるはずです。
 そして重要なポイントの締めくくりとして、、、。私が発見した重要なこととは、S&P500のマーケットで、それが5分間の時間枠であれ1時間の時間枠であれ、どのような形をとるにせよ、すべての転換点には逆行(不一致)現象が現れるということです。これは私が日中最も注意していることです。ナスダック株価指数やダウ工業平均株価指数もティックに注意しています。そこで常に起こることは、これらの指数のある一つの指標が高値を更新しているにも関わらず、他の指標がそれとは逆行するという現象です。例えば、ティックがそれまでの高値を更新したと仮定します。その後S&P500が高値を更新したにも関わらず、今度はティックが上昇しないというような場合です。特に異なるグループ、セクターを見比べるような場合や、モメンタムグループとダウエ業株価指数を見比べているような場合は有効です。
 このように逆行現象に注意することで常に転換点を捉えられるわけではありませんが、、、。実際こういった状況は現在進行形で確認できることは少なく、それが起こった後に確認できる方が普通です。それでも新たに発生したトレンドの方向にマーケットが動き続けるとの自信を深めることはできます。
 恐らく2~3日前にS&P500は直近の安値を割り込んでいると思いますが、もし皆さんが10分間や15分間チャートを見ているのであれば、S&P500は安値を更新しているにもかかわらず、ナスダック株価指数は安値を更新していなかったことにお気付きでしょう。かなりややこしいですね。ナスダック株価指数はここ数年マーケットの牽引役でしたしね。ですから転換点を突き止めることだけが大切なのではなく、自分のトレードに対して自信が持てるということが重要なのです。例えばS&P500が1時間チャート上で高値を更新する中、ダウ工業株価指数もナスダック株価指数も同様に高値を更新することを確認できれば、そのトレードに自信が持てます。そうすれば後は電話をとり、注文を出しさえすればいい、と考えることができるのです。
 もっと洗練された方法でトレードする方が魅力的かもしれませんが、、、。トレンドの方向が定まり、それまでレンジ下限に近いところで推移していたにも関わらず、すべてのマーケットで高値更新が確認されれば、次はさらに上昇しレンジ上限を上回ってくるだろうとの期待が持てます。こういう考え方ができるのです。
 このように、逆行vs一致、小規模の中段もちあいパターンに注意すること、インパルスを確認しマーケット自身にトレンドの流れを伝えさせることなど、シンプルなコンセプトが皆さんを成功へと導いてくれるのです。皆さんに必要なのは建玉するための引き金(シグナル)を持つこと、、、。例えば逆指値をマーケットの上に置き、損失を制限するために直近の安値近辺にストップ・ロス・オーダーを設定し、そこで建玉し、そのポジションを上手くコントロールすれば良いのです。このようなシンプルなコンセプトを実践に移すだけで皆さんは常に成功する確率を自分の側に引き寄せることができるのです。トレンドの流れに乗っているという意味で優位に立つことができるのです。ですから、トレード管理は精神的安定をもたらし、我々に自信を持たせてくれ、機械的にトレードできるようにするなど、トレーディングに関するすべての要素を結びつける効果があるのです。

1999-01-06

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 エリオットが指摘していることの二つ目は、トレーディングをする上で最終的に我々が克服しなければならないのは、人間のもろさ、自分の感情だということです。テクニカル分析の元祖4人は、人間の本質的な部分がトレーディングに影響を及ぼすということを指摘しています。徐々に身につけていくような後天的なものか、生まれた時から備わっている先天的なものかわかりませんが、我々には何よりも成功を重んじるという気質があるようです。ですから我々は常に自分の感情をチェックする必要があります。自分の感情に対する最も効果的な予防策は、事前にしっかりとトレード・プランを立てておくことです。これが最も効果的なセーフティー・ネットと言えます。トレード・プラン、売買プログラムなど、マーケットがクローズしている間に次のトレードに備えるために、何かしらの方法を確立しないことには、いずれ問題を抱えることになってしまうでしょう。皆さんがデイトレーダーで1分間チャートを基にスカルピングを行うとしても、事前にトレード・プランを練っておくことの重要性は何ら変りません。仮に私が1分間チャートのシステムを使い、スカルピングを行っているとしましょう。「ショート・スカート」と呼ばれるトレード方法を私自身が行っているとしましょう。そのような場合でも私は実際にトレードする前、マーケットがオープンする前に、そのトレードがどの程度の確率で成功するか予想することができます。例えば、30~40ポイントの大幅な動き、いわゆる「ワイド・レンジ・デー」が現れた場合、急激にレンジが拡大し、ブレイクアウトするような場合には、大抵翌日はその水準でもちあう可能性が高いのです。なぜなら、マーケットは「静」と「動」を繰り返す傾向があるからです。そうすると、先程話した戦略が上手く機能する確率は半減してしまうでしょう。仮に私が1分間チャートを基にスカルピングを行っているとしても、一日という時間枠で見たマーケットの構造を理解してさえいれば、このように確率を自分の側に引き寄せることができるのです。
 先程私は、「常に前進し続けること」の意義を説明しました。過去に起きたことはすべて水に流し、前進することができる能力の重要性について説明しました。だからこそ、大きな損失を回避できるストップ・ロス・オーダーを使うことが大切なのです。皆さんの口座そのものに及ぼす影響のことを問題にしているのではありません。頭の中に常にその記憶が残ってしまうことが問題なのです。一度でもこういった大きな損失を経験してしまうと、精神的に大きなショックを受け、次にトレードする時に恐怖心を抱いてしまい、本来のトレードができなくなってしまうのです。そうなると、もはやトレーディングで生計を立てるということは困難になってしまいます。
 元祖3人(4人?)は三つの基本原則を作りました。第一に「オーバー(過剰に)トレードするな」ということです。このオーバートレードとは、単にトレードする回数で決まるものではありません。 1日に10回トレードすることイコール「オーバートレード」とはならないのです。1日に10回トレードしたいのであれば、それ自体に問題はありません。要するに、オーバートレードとは「レバレッジ」の問題なのです。私は今までプロのトレーダーとして19年の歳月を過ごしてきました。その間に失敗していったトレーダー、フロアー・トレーダー、CTA、その他のトレーダー達の99%はそのレバレッジが原因でした。
 いいですか、5万ドルの口座でS&P 500 を10枚も建玉するようなことが問題なのです。またはアウト・オブ・ザ・マネーのプット・オプションを売ること。皆さんが大きなファンドの運用担当者と仮定して、かなりの量のアウト・オブ・ザ・マネーのプット・オプションを売るとしますね。そこで、そのポジションをクローズしなければならない局面が訪れたとします。そんな場合でも流動性が乏しく、自分のポジションを仕切ることができないのであれば、大きな動きが現れ一気に破産してしまうような状況も考えられます。これが失敗の原因なのです。トレーディングで失敗する第一の原因は、レバレッジの問題なのです。
 皆さんも過去に被った最大の損失を調べることで、このようなリスクを把握することができます。その時のポジションの大きさを単純に枚数換算し、それまでに建玉した中で最も大きいポジションだったか調べてみると良いでしょう。そうすることで自分のトレーディングについてよく理解することが可能になるのです。いいですか、これをしっかりと頭に入れておいて下さいよ。
 私自身トレーディングにおいて堅守していることは、トレードする枚数を1単位として決めていることです。常にX枚数を建てるのです。これだけです。このX枚数を常に建玉するのです。これはコーンでも財務省債権でも同じです。X枚数と事前に決めておくことで、トレーディングをシンプルにすることができます。私はこのX枚数を変えるようなことはしません。そのためトラブルに見舞われることを回避できます。最終的にトレーディングで失敗する原因はレバレッジの問題だということを忘れないでください。1枚の建玉に対して、10ポイント逆に動いてしまったということが問題なのではありません。それで皆さんが破産してしまうようなことはありえません。
 二番目に「ナンピンをするな」ということです。私は10年間これをやり続けていました。でもそこから抜け出すことに成功したのです。これは救いがたい習慣です。こんなことをしなければ、私はこれまでにもっと利益を積み上げることができたでしょう。しかし、「ナンピン」という悪習を改めたことは、ここ6年間で私が最も自慢できることです。いったん建玉したら、そのトレードが上手くいくどうかに関わらず維持することが大切です。そして、そのポジションに利益が乗り始めたら、ポジションと同じ方向にのみスカルピングを試みるのです。しかし、ナンピンするようなことは絶対避けなければなりません。これが第二の点ですが、すでに1900年代の人達に指摘されていることです。
 第三に、私のように話し続け、「他人の意見に耳を傾けるな」ということです。皆さんが自分のデスクに座り、親友や営業マンと電話で話したり、CNBC(経済専門のテレビ番組)を観たとしても、、、。何人かの人達がうなずいていますね、、、。 自分の分析に自信を持つのは難しいですよね。また、自分の方法が間違っていると気付くことも難しいですよね。我々は自分のポジションを正当化するために色々な理由や要因を探し出そうとしますからね。ですから、自分自身の考えでトレードすることを学はなければならないのです。何も自己研鎮という観点からどなたかのセミナー・コースを受講したり、ニュース・レターを購読することが悪いと言っているわけではありません。例えば、建玉するためのシグナルについて学ぶというようなことは全く問題ありません。
 こんなことをするのは私が初めてかもしれませんが、、、。皆さんのテーブルの上に我々が現在行っていることについて書かれたものがありますね。それはインターネットやアンケート調査の類のものですが、、、。実際私がトレードする際に注意しているシグナルが書かれています。また、こんなこと聞いたこともないかもしれませんが、皆さんの最終的な目標ということについて言いますと、「まずひと月程マーケットを観察する。そして最終的には自分で試みる」ということです。自分でトレードし、他人の考えに乗ってトレードしないということが大切なのです。独立したトレーダーとして生きていく術を学ぶ必要があるのです。今週末このコンファレンスで学んだことを自分で組み合わせたり、御自身で開発した売買プログラムなどに少し修正を加えるのです。そして自分自身のプログラムとし、自分だけのビジネスを確立すること、このゲームを行う上で自分が採るゲーム・プランを構築し、ルールを決めるのです。そこで自分の手法に対して満足することが大切なのです。これがこのビジネスで最も大きな成功をもたらしてくれるからです。
 建玉するためのシグナルを見つけ出し、実際にトレードし、上手くいくと、本当に満足できることでしょう。また、仮に資金管理を上手く行ったにもかかわらず、そのトレード方法が上手くいかなったとします。そんな場合でも、その事実を自分自身で確認できたことにより、「よし、この方法を利用するのはやめよう!」という結論に至ることができるのです。そして、毎日どのような結果に終わろうとも、儲けようが損しようが、自分自身に対して「今日はよくやった」と思えるようになるでしょう。これがこのゲームの目的だと言えます。この原則はシステム・トレーディングを行うことと基本的には同じことです。もしシステム・トレーディングを行っているのであれば、ある特定の日に儲けたか損したかということは問題ではないのです。そのシステム、そのルールに沿ってトレードしたかどうかが問題なのです。
 もし「やるべきことはしっかりやった」と言いきれるのであれば、仮にある日のトレードで結果が伴わなくても「やるべきことはすべてやった」という満足感に浸ることができるはずです。これはディスクレッショナリー・トレーダーの場合でも同じことです。

1999-01-05

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 我々が利用したり、市販のプログラムソフトに組み込まれている指標の90%は価格を基に作成されています。これは、それらの指標が常に一歩遅れることを意味します。標準偏差やADXなどのボラティリティー指標、オシレーターやモメンタム・オシレーターなどの指標はすべて一日遅れ、または1バー遅れで初めて利用できるものです。ですから、全体的なマーケットの構造における現在の値位置というものに注意する必要があります。そこでテクニカル分析の出番となるのです。
 テクニカル分析は「どんなトレード機会が現れたのか?」ということを我々に知らせてくれます。我々には建玉するためのシグナルが必要です。例えば、トレンドラインを抜けた時に建玉するとか、パイ・ストップ、ボラティリティー・ブレークアウト・システム、高値引けした時に買い建てる、または安値更新を試した時などに建玉するというように。建玉するための機会が訪れたら、その後は実際に建玉する条件が現れるかどうかに集中すれば良いのです。
 トレーディングを構成する第三の要素とは、もちろんトレード管理です。先程紹介したテクニカル分析の元祖4人は皆、ストップ・オーダーを利用することの重要性を強調しています。その理由はもしかすると、皆さんが考えているようなものではないかもしれません。彼らには人間の本質を見通す能力が備わっていました。もちろん私自身もストップ・オーダーを使います。トレード管理の面から、また自分自身を守るため、自信を失わないため、そして最後に最も重要なことですが、トレードする勇気を得るためにストップ・オーダーを使うのです。なぜなら、先程話したように、テクニカル指標のシグナルというものは、時に皆さんを瀬戸際まで追い込んでしまう可能性を残しているからです。しかし、「よし、リスクは3ポイントに設定してS&P 500 を買い建てよう!」と事前にプランを立てておけば、最悪の結果が訪れて失う金額さえも事前に把握しておくことができるのです。また、トレードに対する耐久性も高まります。トレード管理がどれだけ重要かということを理解していただくのは、もう一つの理由があります。もし皆さんが建玉し、その玉を上手く管理できれば、要するにストップ・オーダーを入れておくということですが、このストップ・オーダーをトントンを確保するところまで引き上げたり(買い玉に対して)、またワイコフが薦めているように手数料をカバーできるところまで引き上げることで、トレンドが変わってしまうという恐怖から、すぐに利益確定に動いてしまうということを避けることが可能になるのです。これはとても大切なコンセプトです。なぜなら、私は「普通のトレーダーはすばらしいトレード機会が訪れた時に、すぐに利益を確定してしまうという最も犯してはいけないミスを犯してしまうものだ」と考えているからです。マーケットが強気のときに売り、弱気に傾いた時に買ってみてもいいでしょう。 10回に1回ぐらいは上手くいくかもしれません。もし週足と日足チャート上にトレード機会が現れ、さらにトレード管理についてしっかりと理解していれば、そのことを理解していない場合に比べ、より長くそのトレードを維持することができます。こういった意味でも、トレード管理は我々の心理的側面をコントロールすることに効果を発揮するのです。
 テクニカル分析の元祖4人は皆、1900年代前半に本を著しています。それらの本のどこかで彼らが言及している「トレード心理の5基本原則」について話したいと思います。第一に、彼らは皆、マーケットに身も心も捧げていたということを理解していただきたいのです。チャートを勉強し、歴史を学び、絶えず執筆活動を行い、アドバイザリー・サービスに従事し、実際にトレードし、、、。四人のうち二人は重い病気を患っており、チャートを勉強することくらいしかできなかったのですが、、、。何を言おうとしているかというと、彼らにとってマーケットは人生そのものだったということです。彼らは真剣にマーケットについて研究していたのです。常にチャートを見て、マーケットの動きを研究しました。そして、マーケットの本質を先程紹介したようなシンプルなコンセプトにまとめあげることに成功したのです。アクション→リアクション、トレンドの定義などですね。ただ、ここで理解していただきたのは、このようなコンセプトはそれ以前に一度も紹介されたことがなかったのです。この点、一般投資家の方途が実際にトレードする勇気を与えられたのも当然と言えるかもしれません。それ以前には彼らも、こういったコンセプトを公表してはいませんので。必然的に一般投資家の方達も株を売買しようという気になったのでしょう。まさに新たな現象といってもいいくらいでした。
 このように彼らは皆、マーケットの研究に没頭していました。そして、その研究はすべて「手書き」で行われたのです。チャートを手書きし、ノートをつけていました。私は個人的には、こういった努力が成否を決める最も大きな要因になると思っています。時間をかけて研究を行い、ノートをつけ、毎日数値を書きとめたり、バー・チャートを手書きしているような人達は、このビジネスで生き残れる人達だと言えます。
 ここで一つ面白い話を紹介しましょう。数年前、シカゴでビジネス・パートナーであるさくらデルシャー証券を訪れた時の話です。そこで以前CME(シカゴ・マーカンタイル・エクスチェンジ)の会長を務めていたレオ・メラメッド氏に会う機会がありました。彼はかなりの期間に渡りマーケットに間わってきた人です。彼のオフィスに一歩足を踏み入れると、50万ドルもするような芸術作品に囲まれ、さくらの木で作ったパネル、ゴージャスなデスクなどが並んでいました。そのデスクにはボタン一つで、5センチほどの隙間から自動的にスクリーンが現れてくるような仕掛けがされていました。そこにあるものはすべてボタン一つで操作できるようなものばかりでした。そんな彼のデスクの上に何かあったかわかりますか? 何かが散乱していたというわけではありませんよ。そこにはチャート、鉛筆、グラフ用紙、それに小さな定規があったのです。彼は「ちょっと見てごらんよ! これが何だかわかるかい? これはヘッド&ショルダーだよ! ヘッド&ショルダー!」なんていう感じでした。ただ彼はいつも売り方に回るというバイアスがかかっていたようでしたけど。私はどうするべきか、それから5分程考え続けましたね。結局、私はそのトレードで失敗することを回避できましたねどね。しかし、同行した私の友人は「見ろよ! あのレオ・メラメッドが手書きでチャートをつけているよ!」と興奮気味に私の袖口を引っ張ってましたけどね。その時、メラメッドは1時間足のチャートを付けていました。
 マーティン・シュワルツというトレーダーがいます。彼はここフロリダに住んでいます。我々の所から3~4時間程南に行ったところです。彼も1時間のバー・チャートを手書きで付けています。手書きでチャートを付けているのです。これまでティックやプレミアム・レベルをつけている人達も見てきました。こういうことは場勘を養う上でとても大事なことであり、マーケットに対する自信を深めることにもつながります。
 そしてテクニカル分析の元祖4人は皆、かなりの時間をこのような紙と鉛筆だけを使った研究に費やしたのです。私はこういう基本的なことが今日では少し過小評価されているように感じています。彼らの文章の行間に隠れていることを読みとろうとすれば、こういう基本的なことを繰り返し言及していることが理解できるでしょう。
 彼らが理論を構築し、マーケットの構造的特徴を見抜いていたことを理解しても、理論と現実の間には違いがあるものです。いいですか、ワイコフあるパターンが起こるシークエンス・モデルを開発したにもかかわらず、「マーケットというのは毎回違う動きをするものなんだよ」と言うに違いありません。
 エリオットがどんな事を書き残しているかご存知ですか? エリオットが書いたことは、、、。実際には彼が書いたわけではなく、他の人が書き残したのですが、、、。彼はその著書で、自分の構築した理論を実践に移すのに3年もかかったと告白しています。彼はあの「エリオット波動理論」を構築した人ですが、その彼でさえ理論を実践に生かせるようになるまで3年の月日を要したんですよ。我々ならどの位の月日が必要になるのでしょうか?
 理論と現実は全く異なる二つのことですが、マーケットの構造、モデルを常に頭に入れておくことは大切なことです。

1999-01-04

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 実際昨日、S&P 500 でこのパターンが見られました。朝方大幅に上昇した後、横ばいの動きが続きました。そこで再び上昇し始めるのではなく、まず大幅に値を崩したのです。そして午後に入ると再び上昇するという展開でした。トレーダーとして、横ばいの動きが長引くような時は、その後に転換する可能性があるということに注意する必要があります。ここまで紹介してきたことが、ショーバッカーの貢献分野です。
 次に挙げるのはワイコフですが、彼はさらに踏み込んだ研究を行いました。彼は、単にアキュミレーション、ディストリビューションのポイントを突き止めるチャート・パターンについて研究するのみでなく、将来のマーケットの動きに結びつく一連の動きについても研究し、発表しています。ワイコフはまた、「セリング・クライマックス」などを定義付けた人でもあります。
 マーケットに「クライマックス・パターン」が現れると、その後自動的にリアクションが見られ、上昇し始めることがあります。そのポイントでは、損失を出したトレーダー達が損切りし始め、その後さらにマーケットは崩れます。そして底割れを試すのです。ここまで「試し」、「アクション⇔リアクション」というコンセプトを紹介してきましたが、先程も言ったとおり、一連の流れとして捉えてみました。
 次にワイコフが行ったことは、各チャート・パターンの微妙な違いに目を向けることでした。ショーバッカーは「これがブル・フラッグで、これが横ばいの動きで、これが三角もちあいだ!」というように、より機械的にマーケットを分析しました。一方、ワイコフは「どうすれば、このパターンが暗示している知ることができるようになるのだろう?」、
 「マーケットが上昇し始める前に、それまで積み上げられた買い玉を振り落とすためにどんな動きを見せるのか研究してみよう!」、「そういう場面で出来高の動きに注意すればマーケットの動きが一時的なものであるか判断できるだろう」、「2日前のS&P 500 の出来高を見てみよう。 1220レベルを割り込んだときの出来高を。そして1218まで下落してきたとき、再び出来高を調べてみよう。全く出来てないじやないか!」ということを研究テーマとしました。直近安値を更新し、試しが入り、「振り落とし」作戦が見られ、さらに出来高が減少すると、下降局面が続くと思われがちですが、現実にはその後マーケットは反転し、上昇し始めるのです。そこで、スプリング、アップ・スラストなどのチャート・パターンを分類し、名前をつけてみようじやないか! フックなどのチャート・パターンをね。そうすれば、チャート・パターンから将来の動きを予測することが可能になるのでは?」。このようにワイコフはチャート・パターンについて一歩踏み込んだ研究を行ったのです。
 時代が若干異なるため、これまで紹介してきた人達と同じグループに属しているとは言えませんが、最後にエリオットを紹介したいと思います。ご存知のように「エリオット波動理論」で有名なあのエリオットです。この理論は、実はもともと「エリオット波動理論」などとは呼ばれていませんでした。エリオットは「波動にもパターンは現れる」というコンセプトを発見したのです。いいですか、チャート・パターンだけではなく、「波動にもパターンは現れ、そのパターンは何度も繰り返し現れる」ということを言ったのです。エリオットは「第3波、いわゆる大きな上昇波が現れた。これから下落局面を迎え、再び高値更新を試すことになるだろう」というコンセプトを世間に広めたのです。
 ドッグ・テール、ハンギング・クラブなどがワイコフ・シークエンスと呼ばれるもので、クライマックス・パターンが現れた後に再び上昇し、高値更新を試すことになるのです。
 エリオットの研究の中で、私自身が最も重要性が高いと考えている法則は、「インパルス(衝撃波)」のコンセプトです。私はこのインパルスをかなり利用しています。インパルスはトレンドの方向に沿って現れます。繰り返しますが、こういったコンセプトはすべて単純で当然のことのように聞こえるでしょう。しかし、自分でマーケットを分析し、実際にトレードしてみれば、「マーケットはどうしてこういった動きをするのだろう?」ということをコンセプト的に捉えようとしている自分に気付くことでしょう。「なぜ大豆相場で受渡通知日初日に振り落としが見られたのだろう? その後一時的にマーケットは上昇することになるのに、なぜ再び安値更新を試す展開になったのだろう?」という考え方をするようになるのです。これが我々のトレーディングを磨いていくことになるのです。もし日足チャートを使っているのであれば、マーケットの基本的な構造を理解しないことには、同じチャート・パターンを5分チャートや30分チャートに適用することはできないのです。
 マーケットには役割とでも言うべきものがあります。それぞれのミッション(使命)があります。私の知る限り、最も優秀なトレーダー達は「今日のマーケットの役割とは何だったのだろう?」という考え方をします。「今日もまた上昇し、高値更新を試す場面が見られたら?」「再び振り落としが見られ、下落したら?」「我々をじらすために横ばいの動きを続けるだろう。プレミアム・レベルがかなり高いことはVICS指標で確認できるからね」というように。このVICS指標はインプライド・ボラティリティーの高さを示す指標です。いいですか、普通トレーダーはマーケットが下落する場面を想定しプット・オプションを買い、逆に高値更新を予想する場面でコール・オプションを買います。しかし大きなレンジの中で推移し続けているとします。結果として、プレミアム・レベルが下落するまでマーケットは横ばいの動きを継続し、トレーダー達を“じらす”のです。
 ですから皆さんは「今現在マーケットにはどのような役割があるのだろう?」「今現在のマーケットのミッションは何だろう?」という考え方を常にしている必要があります。最近のようにマーケットがレンジ内で推移しているような場合、私自身がいつも興味深く感じることは、「マーケットのセンチメントはレンジの上限・下限で最も大きく振れやすい」ということです。新高値や新安値レベルに近づくにつれ、テンションが高まる要素があるのです。そこでトレーダー達は尚早にマーケットに対する見方を変えてしまうのです。マーケットに起きていることを理解しようとする時、テクニカル分析は最後の頼みの綱として我々を救ってくれるのです。
 これで我々は、マーケットの動きを理解する上で必要な基本的要素を学びました。「チャート・パターンの見方」、「マーケットの推移の仕方に注意すること」、「全体的な構造における現在のマーケットの位置」、「トレンドが発生しているかどうか」、「支持レベルの位置は?」、「抵抗レベルの位置は?」、週足チャートを見ているのであれば「週単位で見ると、現在のマーケットの位置は?」、またオシレーターが下降していれば「週足チャート上で第4波動にあたる調整局面に突入した」という考え方をすることも可能になりました。また、「トレーディング・レンジの様々なポイントで、センチメント・インディケーターがどのような動きをするか?」ということもわかりましたので、マーケットに働いている力を理解できるようになりました。こういったことはテクニカル分析におけるの基本的な原則ですが、何も皆さんの成功を約束するようなものではありません。では、何か言いたいかというと、「すべての情報は価格に織り込まれている」ということなのです。バー・チャートやテープなどの生データを分析することに習熟すれば、トレーダーとしても上達したと言えます。

1999-01-03

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 ダウは、まずこの研究について書きました。その次に彼が発表したのは、「マーケットは常にアクション(作用、動き)、リアクション(反作用、反動)という流れを継続する」ということでした。当然のことに聞こえるでしょうね。しかし、特にマーケットが自分のポジションとは逆に動いてしまったような時には、このアクション→リアクションのコンセプトが上手く働いてくれると願ってしまうものなのです。ただ、実際にリアクションが現れないこともあるのですが。しかし、一般的な原則としてマーケットは、波動や反復運動のようにアップ・ダウンを繰り返すのです。
 次にダウが指摘したことは、「マーケットにはトレンドが現れる傾向がある」ということでした。ここで皆さんに紹介したい興味深いコメントがあります。私は長い間フロアー・トレーダーとして働き、その後フロアーを離れてトレードを始めてからすでに約10年が経ちます。私は「マーケット・テクニシャンズ・アソシエイション」のメンバーなのですが、そこのメンバーに「ちょっと、テストを受けてみなよ!」と促されて、テクニカル分析についての知識を証明するためのCMEというテストを受けることになりました。「長年実際にトレードしてるから、テクニカルのことはわかっているわよ」という感じでした。しかし、我々は書籍をあさり始めたり、勉強を始め、どれだけ自分の知識が薄っぺらいものであったかということに気付き始めると、ある疑問にぶつかります。「クラシックなテクニカル分析において、トレンドの定義とは?」という疑問です。
 以前ある人が「確かにマーケットは上昇しているね。でも、どうやっでマーケットが上昇している”ということを定義できるの?」と質問してきたことがあります。移動平均線を使うのですか、それともチャンネルからのブレークアウトを利用するのですか? ダウはクラシックなテクニカル分析の意味において、「上昇トレンドとは高値・安値ともに切り上げている状態」と定義したのです。この両方の条件が満たされなければ、「上昇トレンド」とは見なさないのです。逆に下降トレンドは「高値・安値ともに切り下げている状態」と定義しました。このようにトレンドを定義すると、確率を自分の側に引き寄せることができます。確率的にトレンドは継続する可能性が高いからです。 90%の確率とはいかないかもしれませんが、トレンドが継続する確率というのはかなり高いのです。このトレーディングというゲームでは、可能性を数値化して表すことがすべてであると言えます。 先程紹介した通り、ダウはトレンドの定義付けを行いました。ダウの研究であと二つの重要な発見とは、出来高とプライスの関係についてです。ほとんどの方が一般的に、「トレンドが発展していくときには出来高増を伴い、トレンドが反転するときに出来高は減少する傾向がある」ということをご存知でしょう。ダウの重要な発見のうち残り一つは、「マーケットは、それまでのプロセスを修正する時にラインを形成、すなわち横ばいの動きを見せる」ということです。それはライン(チャンネル?)の動きで定義されます。そして、その動きがその後の基本的なトレード・プランについて教えてくれるのです。マーケットが横ばいに推移する局面は常に訪れます。動きが密な箇所、動きがほとんど見られないような箇所とでも言いましょうか。これが、その後、ポイント&フィギュア・チャートが開発されるきっかけとなったのです。その結果、この「横ばい」の動きを具体的に数値化することが可能になったのです。
 ダウの次に現れたのが、、、。彼ら4人はほぼ同じ時期の人で、トレードしたのも本を書いたのも同じ時期なのですが、、、。ほとんどの方が早くに亡くなりました、、、。これが結論ですかね。あまりいい職業とは言えませんね。
 次に現れたのがショーバッカーという人です。彼には3冊の著作があります。彼も30代前半の若さで亡くなっています。もったいないことです。彼はとても賢明な作家でありましたし、3冊の著作のうち1冊しか再出版されていないのです。ショーバッカーはテクニカル分析において、純粋にその科学的側面のみを集中的に研究したという意味での第一人者でした。要するに、彼はチャート・パターンを客観的に分類する上で類まれな能力を備えていたといえます。ヘッド&ショルダー、トライアングル、フラッグ、また異なる10種類のトライアングルすべての名前を考えた、いわば名付け親です。さらに彼は「ギャップ理論」を明文化することにも尽力しました。
 例えば、ギャップをあけて上昇し、そのギャップを埋めることがなかった場合、そのこと自体がそれ以後の動きを予測する上でとても重要なヒントになるということです。また、トレンドラインを使って支持帯、抵抗帯を定義したのも彼です。これはとても基本的な原則です。この単純な「支持・抵抗」のコンセプトをしっかり理解できれば、それだけでトレーダーとして生計を立てていくことも可能でしょう。スイング・ローやスイング・ハイを把握し、そのレベルでの値動きをしっかり見極めることができれば、それで生計を立てていくだけのことは可能です。ショーバッカーはこの分野において多大な貢献をしました。私がショーバッカーの研究を学んだ結果として得た、チャート・パターンの分類上最も重要な二つの要素について話したいと思います。ただ、これもコンセプト的なものであり、単純過ぎると思われるかもしれません。しかし実際トレードする時に、これらの要素をつなぎ合わせ、ゲームプランを作り上げていく方法を最後に話す予定ですので、そのためにも紹介しておきたいと思います。
 彼が研究の結果至った最もシンプルな結論とは、「チャート・パターンはリバーサル・パターン(天底のパターン)、またはコンティヌエーション・パターン(中段もちあいのパターン)に分類される」ということです。言うまでもなく、コンティヌエーション・パターンとはスモール・フラッグ、ペナント、トライアングルなどであり、リバーサル・パターンはヘッド&ショルダー、ブロードニング・トップなどです。そして、おおざっぱに言うと、コンティヌエーション・パターンは、リバーサル・パターンに比べかなり短期間に現れます。横ばいに推移している時間が長ければ長いほど、次に現れるパターンはリバーサル・パターンである可能性が高いのです。
 マーケットが大幅に上昇した後、調整局面が現れ、横ぱいに推移するとしますね。そうすると、ブル・フラッグ、いわゆる再び上昇する兆しだと考えがちですよね。しかし、そこで横ばいに推移する期間が長引けば長引くほど、それまでのトレンドが反転し、下降局面を迎える可能性が高まるのです。

1999-01-02

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

 それでは「テクニカル分析は3つの大原則の上に成り立っている」というところから始めていきたいと思います。テクニカル分析を行うためには、この前提を受け入れなければなりません。一つ目は、「マーケットは情報を織り込む」というメカニズム働いているということです。皆さんがテクニカル分析を学びたいと考えているのであれば、「すべての情報は、それがどのような形にせよ、すでにマーケットに織り込まれており、それがパターンを形成している」という前提を信じる必要があります。なぜなら、常にマーケットには我々よりも大きな利害関係によって動いている力が存在しており、彼らの資金量は我々のそれとは比較にならないほど大きいからです。現物業者の動き、最新の統計、物流情報を得るだけのリサーチを行う十分な能力を備えている人達が存在するのです。彼らはそのような情報をすべて握っています。ですから、我々は第一の原則である「すべての情報はマーケットに織り込まれている」という前提を信じることが必要なのです。これが「織り込み済み機能」と呼ばれるものです。
 二つ目は、「テクニカル分析は大衆心理の研究、群集行動の研究に他ならない」という信念を持つ必要があるということです。パターンは常に繰り返し現れます。この原則を信じることができれば、、、。群集行動にパターンが現れるのと同じ理由で、マーケットにも、常に繰り返し現れるパターンというものが存在します。個人の行動には現れないかもしれませんが、群集の行動には必ずパターンが現れます。ですから、「パターンを発見することは可能だ」と楽観的に考えることができるのです。そのようなパターンは繰り返し現れるからです。必然的に我々はそのパターンを利用し、利益機会につなげることができるのです。
 我々が理解すべき三つ目の原則は、「マーケットは常に横ばい、トレンドのどちらかの状態にある」ということです。とてもシンプルなコンセプトですね。いったんマーケットがトレンドを形成し始めると、そのトレンドはそのまま続く可能性の方が相対的に高いのです。
 これら三つの基本前提の基にテクニカル分析という科学は発展してきました。そして、テクニカル分析は単に「科学」とか「芸術」と割り切れる類のものではありません。
 それでは、もちろん皆さんもご存知でしょうが、テクニカル分析における「元祖4人」ともいえる、チャールズ・ダウ、、、。ダウは作家、ジャーナリストであり、1880年代に自分の研究結果ついて書き始めました。 1901~1903年にかけて社説や論説を書いていましたが、その中に彼の研究の基礎を見つけることができます。「元祖4人」のうち、残り3人はダウの研究を理論や法則として確立していくことに貢献したという見方ができます。その3人とは、ハミルトン、レア、ネルソンの3人です。彼らは皆本を書いています。皆真剣にテクニカル分析について研究した方達です。サミュエル・ネルソンは「ABC’s of Stock Speculation」というすばらしい本を書いています。レア、ハミルトンもすばらしい本を残しています。これらの本はテクニカル分析を学ぶ上で非常にすばらしい教材といえるでしょう。
 繰り返しになりますが、彼らはマーケットのテクニカル分析においてのみ、その名が知られていたわけではありません。実際にトレードしていたのです。チャールズ・ダウはトレーダーでしたし、ショーバッカー、ワイコフ、エリオットらも皆トレーダーでした。ですから、彼らはトレードにおける心理的側面もその研究テーマの中にしっかり取り入れていました。皆さんが彼らの本の行間に書かれていることを読みとろうと努力すれば、私の言っていることが理解していただけると思います。
 ダウは自身の研究について社説に書き始めました。そして、それが後により完成した形の「ダウ理論」として知られるようになるのです。ダウが研究した基本的原則は、現在でも様々な点で不変であると言えます。三つの、、、。彼の研究の基本テーマは「マーケットにはどんな時でも三つの異なる動きが現れる」ということです。三つの動きとは、主要トレンド、二次的トレンド、そしてマイナー・トレンドを表します。要するに、デイリーの動き、ウィークリーの動き、そして年間を通したサイクル的な動きの三つということになります。今日においても、私の知る限り、優秀なトレーダーは皆二つ以上のタイム・フレームを基に分析を行う傾向があります。デイリーのタイム・フレームとともにアワリー(1時間)のタイム・フレームを用いて分析する、ということが大切なのです。または、日足チャートを週足チャートとともに利用することが大切なのです。マーケットの本質的な構造を三次元的に捉えようとするのです。そうすると、長期的視野で見る限り、皆さんのトレーディングに違いが現れてくるのです。異なったタイム・フレームを使って分析することで。

1999-01-01

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ

本日はお招き頂きましてありがとうございます。冬にフロリダを訪れることほどすばらしいことはありませんね。聞くところによると、北部では2フィートも積雪があったそうです。皆さんの中にもフロリダまで逃れてきた方がいることでしょう。
 今夜私が話したいと考えていることは、、、まず、テクニカル分析について10分程短いプレゼンテーションを行いたいと考えています。通常、トレーダーがこのようなコンファレンスに参加する時、仮にトレード経験が全くない方でも結構ですが、常に他人とは異なるシステム、アイデア、何か革新的なこと、またテクニカル分析における元祖とも呼ぶべき4人の人達が使った手法についてリサーチしようとします。いつも斬新なアイデアを探しているだけでなく、常に自分のプログラムや売買モデルを改善するための方法を探り出そうとしているのです。ちょっとしたツールやアイデアでも、常に最新のものを取り入れ、モチベーションを高め、イノベーションを達成することができると考えるからです。
 そこで今夜私が話したいことは、まず「テクニカル分析の基本原則とは何か?」ということ、またそのテクニカル分析における元祖とも呼ぶべき4人の発見について、そして彼らのすばらしい貢献について話していきたいと考えています。このようなこと自体、いくつかの点で重要です。彼らは1900年代初頭に研究を行っていたのですが、その時代には大きな変化が起きており、とても興味深いことが起こっていた時代でもあります。もちろん、その時代にはコンピューターもまだ使われていませんし、今日行われているような類のリサーチなども行われていませんでした。ですから彼らが発見したことは、時代の変化とともに変わってしまうようなことではありませんし、今日のマーケットでも十分適用できるものです。そのような発見は最も永続性に優れ、ロバストで基本的なものです。
 私がフロアー・トレーダーを始めたのはもう19年程前のことですが、先程話したようなことを理解し、物事をシンプルに捉えることの重要性理解できるようになったのは、7年程前のことです。彼らの発見はすべてマーケットの基本的構造を簡素化したものであるため、現在でも我々がその恩恵にあずかることは可能です。ですから、まずテクニカル分析の発見についての歴史を振り返り、その後に彼ら4人のリサーチの中で見落とされていることについて紹介していきたいと思います。
 彼らは偉大なジャーナリスト、作家などとして生計を立てていました。彼らのリサーチの半分はマーケットにおけるテクニカル要因についてでしたが、彼らの書いた文章の行間に隠されたものを読み取ろうと努め、時間をかけて理解しようと試みれば、かなりの部分がトレーディングにおける心理、メンタルな面に割かれていることがわかるでしょう。また、活発にトレードされている方であれば、売買ルールを決め、ゲームプランをしっかり立てておくこと自体は、トレードというゲームの中で10%程度に過ぎないということを実感していることでしょう。
 実際にゲームプランを実行し、メンタル面で常にマーケットの次の動きに備えていることが残りの90%を占めると言えます。そうすれば、自ずと単純な結論が導かれることになります。損切りを余儀なくされたり、または上手く建玉できたとしても、、、。マーケットには常軌を逸した動きが現れることが多々あります。ですから、私は皆さんが成功するか失敗するかは、常に前を向き前進し続けることはできるかどうかにかかっていると考えています。直前に仕切ったトレードをすでに過去のものと見なし、常に次のトレードに神経を集中しておく必要があります。これは先程紹介したテクニカル分析における「元祖4人」の人達も指摘していることです。後ほどこのことについても考えていく予定です。そして 最後にトレーディングに必要なこれらの要素をすべてつなぎ合わせていくつもりでいます。
 3時間も話し続けてしまわないように、時計をはずしてここに置いておいた方が良さそうですね。最後に総括を行いたいと考えています。シンプルでどなたでも簡単に利用できるプログラムを紹介したいと思っています。それはS&P 500 をスカルピング、デイトレーディングするためにプログラムです。私自身のプログラム、また私が利用しているアプリケーション・ソフトのプログラムなど、3~4つの基本法則にまとめますが、それらが結局は同じことを根拠にしている事実を確認していきたいと思います。
 現在我々の手に入るアプリケーション・ソフトに組み込まれているツールの数々に圧倒される方もいらっしやるでしよう。しかし、必要なことは「なぜマーケットがこのように動くのか?」ということを考えることが重要であり、単にマーケットに現れるパターンを観察するだけではなく、そのパターンの裏に隠されているコンセプトを理解する必要があるのです。

1998-01-09

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

9.専門と区切り

 極端に言うと、描いたグラフを見て、ヒラメキでもいいから上がりそうだったら買えばいいんです。下がりそうだったら売ればいいんです。但し、3ケ月周期、3ケ月区切り、春・夏・秋・冬でも、大寒とか立春とかそういう区切りでもいいから3ケ月単位で見ていくのが前提です。それから、暇だったら先程の『大正12年以来、平年作の時は9月26日が底になる』と申し上げたことを確認してみて下さい。269日日が9月26日になりますが、これが底になる。その他いろいろな値動きの統計をとってみて下さい。
 この日本では、春・夏・秋・冬の変化が極めてはっきりしています。洋服生地や毛布の値段が高いのは、いつ頃だか知っていますか?秋ですよね。これから使う時に高くなる。安いのはお盆の8月頃です。スイカはどうですか?お盆の頃が安いですね。今、千疋屋(銀座にある店)にスイカを買いに行くと、2000円位すると思います。ひょっとすると、2000円では買えないかもしれませんね。黒豆、かすのこなどは、12月25日が一番高くて、26日になると安くなる。「それなら、26日になってから仕入れたらどうか」と考えてみると、それだと正月に間に合わない。机はどうですか?勉強の机は3月が高い。毎年決まっている。春・夏・秋・冬の季節的な変化というのがはっきりしている日本では、春・夏・秋・冬の変化が物の値段にすごく反映されます。小豆相揚も同じです。
 商品の話に戻りますけど、農産物の一次製品、或いは二次製品、または金属(貴金属と普通の金属)かおりますが、いずれも為替に左右される商品の場合には、とにかく為替の勉強をやってからおやり下さい。また、製造段階を川上、流通段階を川中、小売りを川下と言いますが、川中の段階で商社が強い支配力を持っている商品の場合には流通のことを勉強してからおやり下さい。そうじゃないと統計などに脳されちゃう。
 そして、自分の専門の商品(銘柄)をお持ち下さい。例えば、小豆専門。私のところの会員に、”銀”専門という人がいまして、銀の売買だけで生活している。銀の事についてちょっと触れますと、ウオーレン・バフェットっていう有名なアメリカ人がいる。この人は株ですごい富豪になった人で、この人の本が日本語訳で出ていますよね。あの人が今、世界の銀の、流通の20%を買い占めている。だから「銀に何かあるんじゃないか」と思われている。これは「通貨不安が出て来るだろう」という思惑がその一つだろうと思います。金は、通貨統合を控えてヨーロッパの中央銀行が保有余を売却するだろうとの見方から、オーストラリアの中央銀行や各国の中央銀行が保有余を売却しています。ところが、1オンス=300ドルから280ドル位まで下がった程度で、今、また30Oドル位まで戻ってしまった。
「中央銀行があれだけ金を売ったのに誰が買ったのか?
 「もしかしたら、ソロスじゃないのか」 
 大体、ソロスはあまり金をやりませんから、ソロスではないでしょうが、買った人が不明なんですね。それは、天候不安ではなくて、通貨不安を見込んで買っているんだと思っています。
 今年は、とにかく天候不安になると申し上げてきました。また、インドネシアや韓国などは、とにかく国が潰れそうなくらい借金が有るから財政事情が悪い。それから目本の場合、国民負担がとうとう市場最高の負担率になっている。島民に苛斂洙求(かれんちゆうきゆう)した江戸時代では、農民一揆が起きたんですが、その頃よりも高い負担率なのに何故暴動が起きないのか?みんな仕方が無いと思って諦めているんですね。そういう不安の中では、どうしたって株式市場は活況を取戻せないだろうと思います。だから、商品の時代だろうと思うわけです。
 非常に極端に言えば、あの株のバブルの時のように「今年は、商品で―財産出来る年ではないか」とそんなふ引こ思うんです。皆さんが基礎をバカにしないで、基礎をまず身につけてからやって行けば後々伸びる。
 私のところのグループで後藤という者が居りまして、その人が『絶対のパソコン投資術』という本を書いた。その中に「基礎が確りしていないと、いろいろな技法を取り入れても、または、どんなに作戦を立てたってダメだ」ということが書いてある。基礎というのが一番大事なんです。これは家を建てる時も同じで、基礎が駄目だとその上にいくら良い家を建てても駄目です。とにかく、この基礎固めが大事です。これは、いくら強調しようが強調し過ぎる事はない。
 ところが、一般の人は本を読むと「何だ!こんなに優しいの」とバカにして実行しない。皆さんが私の年くらいになるまでに、上手くいけば10億円、少なくとも5億円なりの財産を築いていたいならば、とにかく『資金に余裕を持つこと』『基礎固めをすること』『専門を持つこと』です。                             十
 それから『専門の持ち技』というのがあるんですが、それは基礎を繰返しているうちに自然に身についてきます。また、それが基礎固めにつながります。そして「ここぞ!」という時は無いんですから、淡々と相場の上げ下げを見ながら価格変動の波に乗る。つまり、相場には『秘訣』というか秘密はないことを皆さんに解かってもらいたい。私は、このことを強調します。
  とにかく、今年は天候不安で商品相場の年になると思います。成功をしたら、お祝いをしなさい。例えば、今持っている500万円が二倍の1000万円になったらお祝いをする。一番良いのは、奥さんを連れて高級フランス料理を食べに行くとか、私の所に菓子折りを一箱持って来るとか……(笑)。フランス料理を食べに行っても、変な女を連れて行っちやっ駄目ですよ! 必ず奥さんを連れて行く。ブスでも何でもいいから奥さん連れて行くのが良い……(笑)。それで、今度1000万円が2000万円になったら、やっぱり同じことをする。そして、それと同時に売買を最低で1ケ月休む。つまり、売買に区切りをつけるわけです。心理的にも区切りをつけることが大事です。これらのことを繰り返していって下さい。
  皆さんの成功を祈ります。
 以上で私の話を終わります。有り難うございました。

1998-01-08

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

8.確実な利益を積み重ねる

 去年の6月の講演会(先物情報クラブのセミナー)で、皆さんには「一般の人の間違った考え方」のお話をしました。一般の人の間違った考え方というのは、例えば『今、資金が500万円しかない。だから-一応の目標は5000万円とする。5000万円になるまでは「仕手株」とか「値勣きの激しい商品」とかを選んで取引をし、多少の危険はあるけれ何か早く目標を達成しよう。その目標を達成したら、『その内の1割くらいの1000万円は、危ないス リルのある株でもやってみよう』といったようなことです。まあ、これ はまだマシな方だが、もっと良いのは最初から確実な利益を積み重ねていくことです。だから、先程のような『とにかく目標の1億円を達成するまでは、多少危ない橋を渡っても早く達成しよう』ということでは間違いなんです。
  一番バカなのは「とにかく目標の1億円を達成するまでは、多少危ない橋を渡っても早く達成しよう」「そうじゃなきや、相場をやっている意味が無い」といろいろやる人です。その次に馬鹿なのは「目標の1億円を達成したら、1割位は危ない株でもやってみよう」と思っている人です。
  コツコツと1億円を達成した人の中で「そうか!相場というのはバクチではない」「経済行為であるから、そんなにポロ儲けができるわけがない。危ない相場をやろうと思ったのはやめた」「これからもコツコツとやっていこう」というような相場のコツを会得した人は、1000万円が年間3割増えていったとして、9年で1億円になる。ところが、1億円から10億円になるのには、不思議なことに9年かからない。もちろん、もったいない位お金を余らせての話ですよ。そして、利益率は資金全体に対して計算するんですよ。この世界はとても皮肉にできていて、お金のある人ほど儲かる。お金が無くてガツガツ儲けようという人ほど損してしまう。
  とにかく先程申し上げた三つの管理『資金管理、建玉管理、危機管理』これらが大切です。この中の危機管理というものについて少し詳しくお話します。危機管理には二種類あります。一つは『火の用心』の危機管理です。あらかじめ危機に陥らないように管理を万全にしておくものです。もう一つは『初期の消火』の危機管理です。ボヤのうちに消し止めるということです。玉を建てて失敗したかなと思った時点で仕切る。
 精神的には、もう普通の状態ではなくなるのだから、焦れば焦るほど結果は悪くなる。ところが失敗したかなという感覚が身につくまでには、ある程度の経験が必要なんです。先程申し上げた単純な売買を何度も何度も繰り返しているうちに、いわゆる変動感覚というのが身についてくるからです。
 お配りした資格の中に『一体、目場の上手・下手は何で決まるのか』ということが書かれています。売買技法と作戦と言う人がいます。これはさっきのゴルフと同じことです。私は相場技術論者ですから、売買技法と変動感覚が必要と言います。ピアノなども同じで、ピアノを弾く時には、指使いの技術とそれから音感が必要です。この場合の音感は絶対音感ではなくて、普通の音楽感覚という意味の音感です。これを相場にあてはめると、相場技法とヨミという人もいます。どちらにしても先程のゴルフの話のような技術と作戦のことです。
 我々の目的は、相場の評論家になる事ではない。価格変動の波に乗る事ですから、それ以外の事はやる必要はない。例えば、定年になったら第二の人生を相場で過ごそうと考えている人がいるとします。定年前から準備をしておいて、定年になったら相場一筋でやって行こうと考えている人のことです。相場が好きで、そういった人が結構いるんですよね。その場合、その人は商品会社の店頭には絶対行かない方が良い。店頭に行くと各商品銘柄の値段が示してある電光掲示板がありますが「その前にいる人は儲からない」とよく言われてるんです。電光掲示板が悪いんじやなくて、雰囲気に巻き込まれちやうんですよ。だから、朝起きたら新聞で場帖をつけて、グラフを描いてみて、それで今日は玉を動かすべきかどうかを5分考えれば良い。そうすると、後は1日中仕事が無い。売買伝票が来た場合はそれを玉帖につけますけれども、それ以外の時は仕事が無い。グラフ描いたり、資料を整理したり、それから趣味でいろいろな事をする人はいいですけれど、そうでない人は暇でしょうがない。
 こんな話がありました。暇でしょうがないから、朝から酒飲んじやって胃を悪くした人がいます。それで、その人が「どうしたらいいのか?」と相談に来たことがあります。「あんた、何か習いごとでもしたらどうか?」と聞いてみたら「尺ハが好きだ」と言うので、実際に尺八を習い初めた。そしてようやく胃が治ったそうです。
 何を申し上げたいかというと、意外に相場というのは時間が少なくて済むということです。相場なんて、考えたらキリがない。先程申し上げた『月曜日に新規売買をしない』というのもこの事を言っているのです。土曜日・日曜日に大きく引かされた玉を持って「ああでもない、こうでもない」と考える。或いは、その相場の動向が心配で「どうしよう。買うべきか、売るべきか」と考える。土曜日曜と考えに考え技いた挙げ句、月曜に最悪の手を打ってしまう。それを避けるために、「月曜日に新規の売買をするな」と言うんです。とにかく、考えたってどうにもなるもんじやないんだから、それなら考えない方が良い。

1998-01-07

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

7.期節と先見性

 それともう-一つは、相場というものは先見性がありますから、早目・早目に動きます。今、小豆の先物は8月限です。8月限と言えば、夏ですから暑い盛りです。それを今から先見して早目・早目に動いて行くんですから、豊作の時は早目に下がってしまう。これを青田ボメって言いますけど、まず間違いなく下がる。そうすると9月26目よりも3ケ月くらい早目に底を打つ。すると、6月26目。あるいは、何かの関係で1ケ月ズレると7月26目になる。
  それから、遅れた秋の底。つまり作柄が悪くて早目に相場が上がった時は、秋の安値が遅くズレ込んで12月になる。だから、ああいうグラフ(10年分描げる程の大きなもの)を描いてみるとよく分かる。12月26目に買っていれば、儲かったという罫線が頻繁に出てくる。
 全体として言えることは、1年とか半年、またはその半分の3ケ月といった波が見られる。これは、春夏秋冬、いわゆる四季によって描かれる波です。それから24節気というのがありますね。大寒とか、立春とか、そういうのを24節気と言いますね。
 それからもう一つは年度というのがある。日本は4月が年度変わりで、アメリカは10月です。金の相場などは、アメリカのFRBの金融政策で変わるから、グラフを描いてみるとよく分かる。4月か10月で底になったり、天井になったりしている。
 株の場合は、今、政府が株価維持政策PKOで無理してやっているけれども、12月と1月、または5月から月、それが天井になったり、底になったりしている。バブルの大天井は12月28目です。それから一昨年の年間高値は、5月の連休直後です。去年もそうでした。今年もそうなるでしょう。          
 ところが今年は、先程申し上げたデフレが非常に深刻化してきているため、政府は遮二無二公的資金で買い支えて3月決算を乗り切るうとしだけど、この相場の予想ってのはアテにならないから、あまり信用しないようにして下さい。
 ところが、商品相場というのは株とは違います。先程申し上げた農産物の一次製品の場合は、保存が効きません。例えば砂糖、ゴム、あるいえは綿糸といった二次製品の場合には、工場で生産調整ができますが、小豆だとか、大豆だとか、とうもろこしは、生産調整ができません。先程申し上げた大相場師の晴披の言った言葉で「お天道様には勝てない」という言葉かある。ある文庫本で人生訓集というのがありますが、その中にある言葉です。「豊作凶作は、人為的に左右できない」ということですね。
 ついでに申し上げますと、商品相場の銘柄には十数種類ありますが、やりにくいのは為替に左右されるもの。それから、流通段階で商社が強い支配力を持っている商品。これは本当にやりにくい。在庫だとか、生産だとか、そういう統計もあまり信用できない。その上、そういう統計は遅いから相場は先に行ってしまう。在庫・生産・輸入、そういうのは皆遅れて発表される。発表された時はもう織り込み済みで、あまり役には立たない。相場は先見性が命で、先へ先へと見て行くものです。私も小豆のいろいろな統計を沢山持っておりますが、それよりもやっぱり値動きそのものを重視したい。その値動きは、先程申し上げたように、成功者が口を揃えて言っている「春夏秋冬」「波」に気をつける。3ケ月ですね。だから、よく見ると3ケ月毎の上げ下げ、そういう波がある。あとは、先程申し上げたようにゴルフで言えば「確実に球を打つ」といったような、基本的で一番単純なやり方である価格変動の波に乗る”乗り方”を身に付けることだ。それはお配りした資料②にあるように、1枚買って、次にもう1枚買う。それで2枚ですね。それを2枚一括して手 仕舞いをする。あるいは、1枚売る、そしてもう1枚売る。その両方のやり方を辛抱強く続けなさいと書いてある。更に上手になろうとか思ってはいけない。上手になりっこないんだ。なりっこないと言うより、目に見えて上手にはなりっこない。ある目、「俺は上手になってた」と気づく。結果的にそうなる。
 上手になろう、上手になろうと思っているうちは、ちっとも上手にならない。辛抱強く同じことを続ける。先程申し上げたが、5番アイアン1本で1目300発打つ。それを3ケ月間続ける。続けているうちに芯に当たるようになるし、あるいは打ち分けられるようになる。打ち分けるというのは、例えば、右カーブを打とう、左カーブを打とう、または、グリーンに落ちてから右転がりの球、左転がりの球、そういう打ち分けが出来るようになるには、辛抱強く同じことを繰返した結果でなければ出来ないんだということです。
 相場でも全く同じです。「1枚買い、1枚買い、2枚売り」そういう基礎の基礎を馬鹿にしないでやってごらんなさい。そして、その時に1枚買いと1枚買いで合計2枚だから、資金は50万円で十分だろうというのではなく、最低でも300万円から500万円を預けなさい。つまり、資金を余らせる。そういう癖をつけなさい。それも馬鹿馬鹿しいくらい余らせる。
 私が、今、証券会社に預けてあるお金は全部で2億円程あります。それで、今、たくさんカラ売りしてますが、カラ売りしている銘柄を丸代金で計算しても6000万円くらいにしかなりません。つまり、預けてあるお金の2割くらいしか使っていないということです。余っている一部は中国ファンドなんかにしてありますけれども、8割は遊んでいるということです。中国ファンドなどは証券会社だから出来ますけど、商品会社だったら利息つかないお金ですが遊ばせておく。
 講演の前半に申し上げたように、私自身も以前は、1000万円近くまで儲かっては大きくヤラレていた。それから、また1000万円近くになって「今度こそは!」と思っても、同じようにヤラレていた。それを繰返していた時に「お前さん自分じゃ絶対だと言ってるけど、他人から見たら絶対じゃないんだから、そういう時には建玉を控え目にしなさい」と言われたことがあって、それからは建玉を控え目にするようになった。それも馬鹿馬鹿しい程お金を余らせた。
「そんな、商品会社に利息のつかないお金を預けマおくなんて勿体ないだろ」「定期預金にしておけ」と、よく言われたが、私はそのまま預けておいた。資金を余らせておいた。それで、ようやく預けていたお金が1000万円を超えた。まあ、それからは順調で来ました。

1998-01-06

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

6.心理的に負けない

 次に進みます。皆さんの中で、ゴルフの上手な方がいると思います。ゴルフの上手・下手は何で決まるのか?球の打ち方の正確さ、それと作戦ですね。例えば、池がある。他を越すのか、それとも他の手前で球を止めるのか。そういうが球の運びとか作戦ですね。ところが、前提条件として球を確実に打てなければ、そこへ飛ばないんだから作戦を立てても無駄でしょう。
 ゴルフは、まず確実に球を打つこと。芯に当てるって言いますが、このクラブの重心に球を当てることが大切です。例えば、皆さんがゴルフを正式に習いに行くと、プロに習うわけですが、そうすると単純なことから教えられますね。これは、ゴルフに限らず何でもそうです。単純なことを何度も何度も繰り返す。飽きるほど繰り返す。例えば、5番アイアンというのがありますが「5番アイアン一本で1目300発球を打ちなさい。そして、それを3ケ月間続けなさい」と言われる。そうすると嫌になってくる。 5番アイアン一本じゃつまらない。もっと長いドライバーで打ちたい。ところが、5番アイアンー本だけ打っているうちに、確実に球を打てるように-これを捕まえると言いますが一捕らえられるようになる。それで初めて『池の手前に止めようか』『池を越そうか』の作戦が立てられる。
 ところが不思議なことに、相場においては、まず作戦を立てる。玉を建てられないクセに作戦だけ立てる。これは、本末転倒だ。これは、皆さん良く解るでしょう。先程ゴルフの喩えで申し上げたように、作戦というものは基礎を身につけてから立てるものである。
 売買をするということやマネーゲームというのは、トランプゲームやジャンケンよりも遥かに単純だけれども簡単ではない。玉の建て始め、玉の増やし方・減らし方、限月毎の玉の配分、そして最終的に玉をゼロにするという過程が何段階もあるのですから、作戦を立てるのは簡単なことを繰り返し繰返しやって基礎を身につけてからすれば良い。これは当然のことなのに、皆さんそれをやらない。
 前に、会報(林投資研究所の会員向け)で、小豆の相場で生活し、そして5億円の資産をつくった人を紹介した。その人は、商品会社に3000万円預けてある。ところが、玉を建てても最高30枚までしか建てない。今、小豆の証拠金は1枚あたり6万円だが、約10万円と計算しても30枚分で300万円。つまり、預け金の9割が遊んでいる。余っている。そうなると「もったいない」「もっと玉を建てりゃいいのに」と思うかもしれないが、そうじゃない。それだけ余裕を持っているから、心理的に負けることなく儲けられるのだ。
 自分のことを言えば、私は小豆を散々やりましたが、一番最高に建て九時で320枚くらいでした。その時ちょうど相場が上がっていて、儲かっていた。道行く人が馬鹿に見えた。 ところが、東京駅から帰りの電車に乗った時、ふと表を見たら何か景色が違うんです。新しい建築工事が始まったんだろうと思ってましたが、実は反対方向の電車に乗っていたんです。それに気がついたのは10分後だった。私はその時儲かってたんですよ。儲かっている時でさえ、そんなもんだ。もし、逆に引かされていたら、精神的に正常な状態でいられない。だから、とにかくそういう悪い玉(引かされた玉)を持ってはいけない。
 お配りした資料にも3つの管理一資金管理、建玉管理、危機管理-について書いてある。資金管理は、今言った精神的に負担にならないように玉を建てること。建玉管理というのは、どういうふうに玉を動かしていったら良いかということ。例えば、朝、新聞が来たら、それで場帖をつけてグラフを描く。                         あんなグラフ(注:壇上のホワイトボードに貼り付けた、今日の参加者の方が手描きした折れ線グラフ)ですね。これは小豆のグラフで、10年ぐらい描いて巻いてあります。
 少し話が変わりますが、小豆に関する話で、大正12年、小樽に雑穀取引所というのが出来まして、当時は農産物の取引が盛んに行われたものです。その名残なのか、今でも小樽の町には、小豆御殿というのが幾つもある。一つは、現物の小豆で儲かった人、ポロ儲けした人の御殿です。
 第一次大戦の頃、ドイツ軍がロシアに攻め込んだ時、新鮮な野菜が無かったので兵隊達は脚気(かっけ)になって動けなくなってしまった。そこで、当時はまだビタミンが発見されていなかったので、世界中の文献を取り寄せてみたところ、その中に「江戸患い」という項目があった。江戸時代、地方の人は粟(あわ)とか稗(ひえ)とか玄米を食べていましたが、江戸の人は白米を食べていた。白米は胚芽(はいが)が落ちますから、ビタミンBが不足して脚気になってしまう。それが「江戸患い」と言われていた。江戸患いを治すには、小豆を水煮にして食べるとよく効く。砂糖を入れるとビタミンが破壊されるので、砂糖を入れない水煮を食べていた。すぐ治るものだから「これだ!」というわけで、ドイツ軍は日本に来て、値段に構わず小豆を買って行った。 ドンドン値を吊り上げたから、小豆で大儲けできた。それで、今でも小樽の町には小豆御殿というのが残っている。それからもう一つは、小豆の定期相場で儲けた人の御殿がある今の小豆相場と同じです。これも小豆御殿と言います。私が、赤いダイヤの買い占めをやった頃です。買い占めといっても、その頃の私は若造ですから使い走りだったんですが、その赤いダイヤの頃、私は小樽に何度も行づてたんですが、戦前に雑穀取引所に勤務していた人に、小豆の成功者、つまり小豆のプロ、あるいは小豆で財産を残した人達を何人か紹介されてお会いしたことがある。
 小樽で小豆で生活していた人、小豆で財産つくった人に何人もお会いしましたが、皆さん言うことは決まっています。季節的な変動に注意しなさい。1年に1回収穫されるものだから、収穫される時が安いに決まっている。しかし、相場は早目に動くもので、普通は次の年の収穫直前が一番在庫が少ないはずなのに、その時には春の高値から下がって秋の安値というのが出来る。秋の安値は、平年作の時で9月26目。これは毎年決まっている。だから、9月26日に買えば馬鹿でも儲かる。ところが新聞を読むと、今年はもっと安値があるとか書いてあるから買えない。

1998-01-05

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

5.個人プレーにおける注意

 マネーゲームというのは『不特定多数×不特定多数のゲーム』と言われます。ただ、このゲームに参加するとか、退場するとかいうのは個人の自由ですから個人プレーと言っても良い。それから『ゼロサムゲーム』とも言われます。例えば、一対一で勝負するボクシング、または将棋や碁、或いは、チーム対チームで勝負する野球などでもいいですが、これらは全て点数を勘定しますが結果は勝ち負けで決めます。5対1でも10対1でも勝ちは勝ち、負けは負けです。ところが『ゼロサムゲーム』と言われる相場の特徴は、勝った点数と負けた点数は必ず同じになります。つまり、売り方が100億円損したら、買い方は1 0 0億円儲かるわけです。但し、人数は違います。ところが、点数が違うと思っている人がほとんどです。個人プレーであるということは、ゲームに参加するか、退場するかの選択は自由ですから、どうしてもわがままになります。
 わがままにならないようにするという注意点がいくつかありますが、そのうちの―つが月曜日に新規の売買をしないということです。ホームトレードというものが在りますが、その時に注意することは月曜日に新規の売買をしないということです。何故かというと、土曜日・日曜日の間にとにかく考えて、考えて、考え抜いて最悪な手を打つ(売買をする)のが月曜日だからです。だから、月曜日には新規の売買をしない方が良いのです。ホームトレードで売買するときに注意する一つですね。それだけでも随分救われます。絶対ということは無いのだから、常に反対意見を考えていく。
 それから、何故こういう場帖をお配りしたかというとですが、場帖は相場をやっていく上で大変重要な道具だからです。場帖で値動きを辿るのはデジタル感覚で、アナログ感覚のものとしてはグラフがあります。今日、参加した方のグラフが在りますので、後でそれを広げますが、これらは売買をするための道具の一つですから、例えば大工の『ノコギリ』やお料理の『包丁』などと同じです。また、道具は『業務用の道具』と『趣味用の道具』の二つにハッキリ分かれています。 日本料理だったら板前、フランス料理だったらシェフと言いますが、コックになるには家庭用の包丁で死ぬ程努力しても駄目です。だから、相場をするにあたっても『趣味用の道具』『アマチュア用の道具』でいくら死ぬ程努力しても利益には絶対につながらない。
 この場帖は『業務用の道具』の見本としてお配りしたんです。ここでの注意点としては、目が疲れないように場帖の線は薄いもので、字は濃い目の黒で書き込むことが大事です。また、終わり三桁の比較し易いように書くことも大事です。
 こういった道具に間しての詳しい説明は、10分休憩してからお話します。質問のある方は、何か紙に書いて先物情報クラブのスタッフに出しておいて下さい。休憩の後でお答えしたいと思いますが、時間の関係上、この会場でお答えできない場合は、後で手紙なりで返事を差し上げます。 
 それでは10分間休みます。

1998-01-04

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

4.ホンネは嘘と思われる 

 とにかく、我々の周りには相場についていろいろな考え方を持ち、いろいろなやり方をやっている人が沢山いるけれども、先程申し上げた『絶対損する』という種類の人が圧倒的に多い。そのような人達は、自分を信じ込んでいるものだから、こちらがいくら本音を言っても「ウソだろう」と言って人の話を聞こうともしない。
 お配りした資料③の中に、林輝太郎投資研究所の会員の話が書かれています。その人はフランス料理のシェフなのですが、今から十数年前、テレビのお料理番組に出たことがあります。その人はテレビに慣れていなかったものですから、うっかりプロの本音を言ってしまったのです。そうしたら「あのインチキ先生を降ろせ」という投書がワンサカきたそうです。それで、その人は腐ってしまって、その後は段々慣れてくるにしたがって、そういう程度の低い人が理解できるような嘘をテレビで言うようになってしまった。そして、とうとうテレビを降りてしまった。嘘を言わないと理解されない。本音を言えば言うほど嘘と思われる。そんな世界で嘘を言っている白分か嫌で嫌でしょうがなくなったんですね。
 この壇上でも、私が皆さんに「なるほど」と納得するような嘘を喋れば、皆さん喜んで帰るでしょう。しかし、私は本音を言う。私の言う本音とは、一般投資家の欠点とか、そういう欠点を指摘するようなことですから、皆さんには聞き苦しいかもしれない。
 例えば、先程私は『ここは絶対だ!という時でも玉を多くしない』というお話をしました。「それはお前さんは絶対と言っているけれど、他人から冷たく見れば、確率二分の一だよ」「お前さんが絶対と言っているけれど、それは一人よがりなんだよ」と言われれば、「そんなことはない。需給はこうこう、相場はこうこう、ここは絶対に取れるんだ」と反論したくなる。ところが、現実には上手くいかない。やはり、1000万円近くまで儲けても、損して減らしてしまう。また、1000万円近くになっては、損する。このような事を繰り返していたわけです。当時私は、自分のどこが悪いんだと思っていた時だったから、そういう偉い相場師に言われて「なるほど!」と納得したから良いですけれど、その時「どうして1千万円を越えないんだろう」と思っていなかったら「何を言ってやがる!このじじぃ」と言っていたと思います。
『どうしても納得できない』という気持ちだけは仕方がないんですよね。テレビで、碁や将棋の解説をやっていますよね。私の碁の腕は9級で一番下ですから、9級なりの理解しか出来ない。ところが初段の人は初段なりの理解をするでしょう。私の研究所の会員で6段(碁)の人がいまして、日本アマチュア選手権でチヤンピオンになった程の人ですが、その人が「どうすればいいのか?」と間きに来たことがありまして、私は「あなたが初段になったころを考えなさい。同じことを何回も繰り返したでしょう。定石の本を100冊読んだって駄目だったでしょう。盤に並べてみなければ駄目だったでしょう。」と言いました。すると、その人は「わかった」と言って、それからその人は上手になりました。このように受入態勢があればいいのですが、大抵の人は受入態勢がない。私は建前論が嫌いですから、本音を言います。殊に私の本を読んでわざわざ会社や自宅に訪ねてきた人には、建前論を言いたくないから本音を言います。しかし、ほとんど理解してもらえません。理解してくれるのは大体2割位です。
 それから、私の周りにも相場で生活している人がいますが、もし、そういう人に教えを受けても最初のうちは理解できない。大抵の人は「ウソだろう」と思ってしまうからです。誰にも騙されていないのに、自分で勝手に騙されたと勘違いしているんですね。または、自分で失敗しているのに、誰かに騙されたから失敗したんだと思い込んでいる。そのように、今まで自分を偽ってきた。だから、人の話を信じようとせず「コイツもまた俺を駒すんだろう」と疑うようになっちやうんです。
 情報とか統計、または新聞とかいろいろな情報があって、普通、フアンダメンタルズやテクニカルズに分けますけれど、とにかくたくさん読んでみるのがよい。相場というのは、マネーゲームです。トランプゲームやじやんけんゲームとは違い、遥かに単純です。売りと買いしかないからです。ところが『資金との関係』とか『玉の限月毎の配分』とか、或いは『王を建て、維持し、玉を増減させ、そして、それを手仕舞ってゼロにする』それだけの過程を考えると、単純だが簡単ではない。それなのに一般の人は「当てりやいいだろう」と簡単なことのように言います。もちろん当てればいいですけれど「(なかなか)当たらない」と言っている。もう40年間やっているプロのベテランが予測しようが、今日始めたばかりのアマチュアが予測しようが、相場の予測の確率は全く同じで『二分の一』なのです。それを絶対に超すことはありません。
 例えば、計算はちょっと複雑だが、パソコンでやればすぐ出るRSI(相対力指数)やRCI(順位相関係数)等のいろいろな指標かおりますが、この指標に従って売買シミュレーションをしてみると、あまりにも当たるので驚きます。ところが、それで財産を残した人はいない。何故か?このような指標というのは、実際の値段ではないからです。まず、指数や実際の値段をアレンジした移動平切線のような別の値段を造る。そして、その指数や値段を見ながら売買をするわけですが、売買するのは実際の値段です。こういった売買の仕方を間接法と言います。つまり、先程『ギャンブラーの誤謬』の話でも触れましたが、確率が落ちるわけです。それも驚くほど落ちる。それで、儲かる人が少ないわけです。
 先程申し上げたように、こういうのを講演会でもらうことはほとんど無いと思います。もし、今後、皆さんがダイワフューチャーズの先物情報クラブで何か主題を決めて討論をする機会があれば、この中のどの項目でもいいですから、その主題を決める時に使って下さい。「果たして、林の言っていたことは本当なのか?」「俺はこの点が違うと思う」「俺は本当だと思うけど、この点に関してはちょっとあやふやじやないか」といったように議論をするためにこれを作りましたから、是非皆さん議論して下さい。