テンプルトン卿
【10秒で読む日経】2008/10/17
マネックスグループの松本大社長は16日、ロイターとのインタビュー
に応じ、日経平均が8400円台まで急落するなど国内株式が大幅に
下落している中で、個人投資家からの証券口座の開設の申し込みが通常
の5倍程度に急増しているという現象が起きていることを明らかにした。
大恐慌から時間がたち、第2次世界大戦が始まるという、株価がこれ
でもかと下がっていたときに、これをチャンスと見た若者がいた。
彼は、有り金をすべてはたいて株の買い注文を出した。
「額面の1ドル以下の価格になっている銘柄を、1銘柄につき百株づつ
すべて買ってくれ。その会社が倒産していようがいまいが関係ない。」
彼は、見捨てられていた株式市場の中の見捨てられていた株に注目した
のだ。
このとき買った株のいくつかは紙切れになったが、4年後にこれらを
すべて売却したときには、彼の財産は4倍に増えていた。
この資金を元手に、彼は小さな投資顧問会社を買収し、投資の世界に
本格的に参入した。
その後、彼は世界で有数の投資の達人と呼ばれ、英国女王から男爵の
称号も得るようになった。彼の名をジョン・テンプルトン卿という。
欧米政府による金融機関への資本注入や中央銀行による資金供給拡大に
よって、少なからぬ人が「株価は反発し、混乱が落ち着く」という期待
を抱いているようだ。
しかしバーナンキ議長は、一連の金融安定化策は重大な第一歩ながらも、
広範囲な経済の回復はすぐには起きないと述べ、危機解決に今後も時間
と手間がかかると見ている。
http://www.federalreserve.gov/newsevents/speech/bernanke20081015a.htm
もっとも、アメリカのリセッションはもともと分かっていたことであり、
これをようやく、パニックで冷静さを失ったミスターマーケットが
追認しているだけに過ぎない。
強気相場の最後の局面が、最も値幅が大きく取れて儲かることはご存知
だろう。これと全く逆のことが起きているわけだ。
相場では「夢で買い、実現すれば売り」という格言もよく知られている。
この逆は「(絶望の)恐怖で売り、実現すれば買い」となる。
0 件のコメント:
コメントを投稿