2009-07-15

シニョリッジ特権

おかねのこねた : 豊かで、健康で、活動的な、人生のために (春山昇華) : 民主党政権を考える(1)へのコメント
> サムライ債権(円建て米国債)の発行は、米国の逆鱗にふれる発言だ。
に対して
通貨発行権(シニョリッジ特権)と言うのはある条件下では連金術です。ある条件下と言うのは、その通貨の流通圏が経済成長を続けるならばと言うことです。

実は中央銀行の発行する紙幣と言うのは中央銀行にとって負債となるために、バランスシート上はお金を刷ってもプラマイゼロです。しかし経済が成長するのであればその分通過の利用範囲が広まるのですから、そこへ供給した通貨は回収する必要がありません。つまり返す必要の無い借金です。

つまり経済が成長する限り、お金を刷った分だけ中央銀行が儲かります(返さなくても良い借金をすることが出来ます)。基軸通貨だということは、世界の成長によるマネーサプライ増加分を自分のものにできると言うことです。サムライ債ということはその打ち出の小槌をよこせと言うことですから大変なことです。よその国の領土や油田をよこせと言うのと変わりません。

逆に世界経済がシュリンクしてドル経済圏が縮小したり、基軸通貨から転落して既存の経済圏から追い出されたりするとドルが余剰になります。吸収しなければ余剰で暴落します。こういうときが中央銀行が借金を返さなくてはならないときです。ドル安で返すか、ドルを吸収してマネーサプライを減らして返すかだけの違いです。

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