2007-12-25

労働力のアービトラージ

春山昇華さんのブログに興味深いことが書いてありました。
台湾に関する「中国と言葉が同じという点が、中国とビジネスをしやすいというプラスの面よりも、人材流出という点でマイナスに効いています」というコメントへの返事で

労働力は簡単には動けないというのが、労働力ファクターの特性なんですが、それが効かないときは、あっという間にアービトラージされてしまいますからね。

と書かれていました。
これまで漠然と、労働力は動きにくいよなぁ、と思っていたのですが、非常に短くかつわかり易い言葉でまとめてあったので印象に残りました。

2007-12-18

日経先物が昼休みに100円以上上がった記録

1995/7/7 390
1995/8/2 240
1995/9/8 100
1995/10/6 120
1995/10/13 120
1996/1/5 100
1996/5/15 110

1995/7/3の14300から
1996/6/26の22750まで上昇

1997/1/13 120

1997/1/13午前安値の17000から
1997/6/26の20940まで上昇

1997/9/24 140
1997/10/24 200
1997/10/31 120
1997/12/17 100

1997/9/25の18470から
1997/12/22の14470まで下落:アジア危機+消費税アップ

1998/6/16 120

6/16の14560から
7/16の16730まで上昇

1998/8/14 120
1998/8/28 120

8/19の15400から
10/9の12780まで下落:ロシア危機、LTCM崩壊

2000/4/20 210

ITバブル崩壊で下落の最中

2006/6/14 100

反転上昇

2007/11/22 100
2007/11/26 110
2007/11/27 380

反転上昇

2007/12/18

ちなみに、1%以上上がったのは
1995/7/7
1995/8/2
1997/10/24
2000/4/20
2007/11/27
です。

通称「BNF」くん、29歳。資産170億円、でも……

今回の企画で「お金持ちの悩み」を担当した自分。色々なお金持ちに会った。なかでも最もリッチな彼はまだ29歳。そしてその資産額は、なんと170億円……。
 「その男」は東京タワーがきらめく夜景を間近に眺める超高層マンションのペントハウスにいた。通称「BNF」。み ずほ証券がジェイコム株を誤発注した2005年12月の1日で20億円の利益をあげて一躍注目を浴びたネット投資家だ。
 株式投資を始めたのは大学在学中。「軽い気持ちで」バイトなどでためた160万円で開始した。それがわずか6年で1万倍に……。「人生が変わった」。170億円もある人生なんて、そ りゃ変わるでしょ、と思いながら話を聞く。
◇    ◇    ◇
 ところがその人生は「バラ色」でも「黄金色」でもなかった。生活はストイックそのもの。旅行にも行かず、車や服などに大金をはたくこともない。高いものを食べるのは「苦痛」。
 市場が開いている限りパソコンの前から離れず、夜は取引に失敗する夢にうなされ、起きるとまず米国市場の動向をチェック。サブプライムローンの影響で「最近は朝、米国市場を見るのが怖い。朝から、う わーこれで1億の損、と思うとホントにキツい」。
 「1億円か。でも170億分の1億だし。別にいいのでは……」と、だんだんこちらのお金感覚がマヒしてくる。だが彼は真剣そのもの「キツイ」、「つらい」を連発する。「精神的余裕がない。自 分でもお金の奴隷なんだと思う」。例えて言えば賞金より記録を追い求める、アスリートのようなモノか……。
◇    ◇    ◇
 凡人には全く理解不能な彼の悩み。それでも巨額のお金がもたらす「つらさ」はヒシヒシと伝わってきた。結局、お金というものは、ためるのも大変だが、使うのはもっともっと難しい。「BNFくん、君 はまだ若い。今後はお金の使い方が君の生き方、そして人生の軌跡になるのだよ」。そう心の中でつぶやいて記者は彼のペントハウスを後にした。

2007-12-16

MSCI China Tracker

詳細は
iShares社Fund Fact SheetiShares Asia Trust Annual Reportにあります。

MSCI中国ETF(2801)とH株指数ETF(2828)を比べると、

  • カバーする範囲は2801が広く
  • 信託報酬は同じ
  • ETFの売買高は2828が多い
という違いがあります。

ハンセン指数は43銘柄まで増えています。
ハンセン指数ETF(2800)は信託報酬も安く、H株も採用されつつありますが、成熟企業も多く、中国の成長に乗るならH株指数ETFかMSCI中国ETFが適していると思います。

成長通貨の供給停止か

中国の預金準備率が14.5%という、1987年以来の高水準になっています。
春山昇華さん
>つまり、二桁の名目成長率(実質GDP:11%+インフレ率:2%~7%=13%~18%)で伸びている中国経済に短期間ではあるが、急ブレーキをかける効果がある。そうなれば、株価的には、2004年の再現が可能性としては高い。
と仰っています。

一方邱永漢さん
>国内でふえ続ける人民元がストップしない限り、どんな金融引締めをやっても、バブルを止めることはできません。
と仰っています。

どちらかが当たる、外れるというものではなく、急ブレーキをかけたのもつかの間、さらにバブルが拡大した、ということも考えられますが、この両方の意見は頭に入れておく価値があると思います。

日刊スポーツ

  • 1 月の総資産が 150 億円強でしたから、これまでに約 30 億円増やした計算です。
    でも、今年は厳しかった……。
  • 10 月後半にも一時、総資産約 185 億円まで達したのですが、その後 1 ヵ月程度で約 175 億円まで減ってしまった。
    1 日で 3 億円損した日さえありました。
    この時期は食べる気もしないし、体重も 3 キロ減り、本当にキツかった。
    何も手につかず、バラエティー番組見ててもつらいだけで、笑えない。
    ゲームやっててもつらいし、寝ても 1 時間で目が覚めるという、最悪の状況でした。
  • 最近、腰に激痛が走り、歩けなくなった。
    階段も上がれず、家の中もはいつくばって移動してました。
    車椅子で病院行ったほど。
    毎日パソコンの前に座っていて運動不足だからでしょう。
    でも市場が開く時間にははってパソコンの前まで行きました(笑い)。
  • 能力が衰えてきていると感じる。
    キレがなくなってきたし、判断力や反射神経が鈍くなってきた。
    来年 30 だし、年齢のせいかもしれません。
    資金量が、自分の能力をはるかに超えちゃってるからでしょう。
    そろそろこの手法の投資も終わりかなと思ったりしますよ。
    今後大きく損をしたら、いつ(短期売買を)やめてもおかしくない……。
  • 株をやってると毎日が本当につらい。
    でも株やめたとしても、1 億円もうけられる相場の時、手を出さないでいることも同じくらいつらいから結局、「流れ」で続けているようなものです。
    趣味もないし、ほかにやることもない。
    もともと引きこもり体質なんで、旅行に行って「外」にいるほうが苦なんで。
    いくらもうけようという目標もない。
    最近 10 億円取り戻しちゃったから、またやめられなくなった(笑い)。

2007-11-01

「Diamond ZAi ダイヤモンド・ザイ」2007 年 11 月号

  • 異変を感じたのは 8 月 9 日でした。
    普段は急騰しない銘柄がストップ高になり、それまで上昇を主導していた商社などが下げ止まらなくなりました。
    明らかにヘッジファンドの強引な売買で、そんな動きが世界的規模であって——。
  • その晩(銀行株のリバウンドを取り、2 億 6000 万円の含み益を持ち越して取引を終えた 16 日)の NY が一時 300 ドル以上下げてて、明日は 5 億円くらい損するだろうと覚悟しました。
    ところが 17 日は銀行株が高く始まってくれて助かりました。
    輸出株などでは 1 億 1000 万円の損が出たのですが、全部手仕舞って『今日はもう何も買わないぞ』と相場を見守りました。
  • 14 時 35 ~ 38 分に先物が売り込まれた時に 2 分間迷って買わなかった。
    買っていれば 5 億円は獲れたんです。
    この 2 分間の判断が今年最大のミスでした。

2007-10-02

週刊 SPA! スパ

  • ('07 年度上半期は)日経平均がほぼ横ばいで推移するなか、商社、海運、非鉄金属など、業績のいい企業が値を上げる”素直”な相場でしたね。
  • 9 日に”異変”に気づいたんです。
    日経平均は上げているが、好調だった商社は下げ止まらず、逆に普段はあまり動かない銘柄が暴投と、ヘッジファンドと思しき強引な売りと買い戻しで、お金が市場から逃げ出している感じでした。
  • 16 日はこの辺が底値かと、銀行を中心に買いを入れ、含み益込みで 2 億 6000 万円儲けました。
    そのまま銀行株などは持ち越したのですが、夜に米国市場が一時 300 ドル以上も急落、為替も一気に円高が進んだんですが、終値で米国株がかなり戻してくれていたので、翌 17 日の午前には持ち株を処分。
    一晩で 1 億 1000 万円減らしましたが、トータルでは 1 億 5000 万円で利確できました。
  • 17 日の後場はノーポジションでただ相場を見ていたんですが、前日比 600 円も下げていた日経平均が、午後 2 時 35 分~ 38 分さらに 200 円も急落!?
    さすがに買いだろうと、80 億円突っ込もうか迷いましたが、この額だと注文に 20 分はかかる……。
    大引けから逆算して、考える時間はわずか 2 分。
    結局、買えませんでしたが、狙っていた銘柄は軒並み 7 % ほど上昇……。
    この 2 分間が今年最大の判断ミスでしたね。
    5 億円は儲けられていたはずですから。
  • 8 月は取れたはずなのに取れなかった悔しい月。

2007-10-01

「KING キング」2007 年 10 月号

  • (2007 年 8 月 17 日に)一日で 4 円以上も下がった為替の値動きは、7 年間の投資生活の中ではじめての出来事で驚きでした。
    前日の 16 日は、下げのきつい銀行株を中心に 80 億円を 30 銘柄に投資していたんです。
    ところが、買値からもどんどん下げ続けて、持っていた三井住友銀行株は買値の 87 万円からさらに下がり、一時 84 万円まで値下がりした。
    午後 1 時の時点では含み損が持ち株全体で 1 億 5000 万円という状態でした。
    それが午後、急激な値下がりの後、リバウンドを始めた。
    後場が引ける 3 時には逆に 2 億 6000 万円の含み益で終わっていました。
    それで持ち越したんですが、17 日にも乱高下は続いたんで、持ち株すべてを午前中に手仕舞いしていたんです。
    午後からはノーポジ(株を持たない状態)で過ごしていました。
  • 銀行株の戻りはよかったけれど、商社株や輸出関連株の下げがきつくて利益が相殺されてしまった……。
  • 今の資産は 176 億円で、すべて証券口座に入っています。
    今日はノーポジだから現金にしたければ、4 日後には 176 億円を受け取れるはずです。
    通常はだいたい 30 銘柄から 70 銘柄を保有していますが、株価のチャートなどが頭に入っている監視銘柄だけでも 600 銘柄から 700 銘柄くらいはあります。
    資金が多いと買うのも売るのも難しい。
    自分の売買で株価が上下してしまいますからね。
    だから東証一部の大型株くらいしか投資できないんです。
    銀行株だったら一度に 3 億円とか 5 億円は買えるし、三菱 UFJ 銀行やトヨタ自動車、三菱商事や新日鉄だったら一日に 10 億円くらい買うこともあります。
    売りの板情報を見て”三井住友銀に 2000 株”とあれば、20 億の売りということで、それに買いをぶつけていくわけです。
    こんなことを小型株でやっていたら、『なんでこんな買いを入れたんだ?』ということで取引所から電話が来ると思いますよ。
    それこそ誤発注じゃないかって(笑)。
  • 株は世界のさまざまな理由で上下している。
    アメリカや中国、ヨーロッパの株価動向や為替、商品市況、それらを総合的に頭の中で処理して銘柄を選びます。
    たとえば円高が進んだ場合、円高に強い銘柄を買うのではなく、それを悪材料にして売り叩かれる銘柄を狙っていく逆張りという手法です。
    トヨタ自動車とかホンダとか、丸紅、伊藤忠などの商社株とか。
    下げれば下げるほどリバウンドが期待できる。
    もちろん相場によって投資の仕方は違ってきます。
    上げ相場のときは、ただ強い値動きの株を買っていけばいいし、今のように下げ相場のときは、25 日移動平均線から株価が大きく乖離した銘柄を狙っていく。
    この夏の乱高下だったら、乖離率は 30 % くらいが目標です。
    大きく下げたところを狙い、リバウンドするのを待つ。
    下げ相場のほうが、儲けられることも多いんですよ。
  • 基本的には、1 泊から 1 週間くらいの保有をするスイングトレードです。
    株価が 2 % から 3 % 上昇すれば決済します。
    よほど相場がよくない限り、7 % から 8 % まで上昇するのを待つようなことはしないですね。
    株価 1000 円の銘柄が 700 円まで下落したときに買えた場合、とりあえず 750 円から 760 円まで戻れば売りますよ。
    下がった株価が一直線に元に戻ることはないですから。
    100 億円購入していた場合、1 % 値上がりすれば それで 1 億円の儲けですから。
  • PER や PBR などの指標は、短期売買にはあまり関係ないですね。
    でも、まったく気にしないわけではありません。
    商社などは事業の実績がある割には PER が低いですし、その分、資産下落のリスクも少ないと考えているから買いやすい。
    反対に新興市場銘柄は、PER が高いから、値下がりするとリバウンドしにくいと考えています。
    最近は公募割れとかもよくあるし、新興市場株には投資していません。
  • たまたま権利が確定する日に株を持ち越すと配当金が貰えます。
    前回の中間決算のときに入ってきたのは 4000 万円でした。
    それが 2 回あるから、年間 8000 万円くらいですね。
    ただ、配当が欲しくて買っているわけではないし、配当のいい株は権利が確定した翌日、それ以上に株価が値下がりする傾向にあるので、むしろ配当に影響されない配当利回りの低い、値動きだけを重視できる銘柄のほうが買いやすい。
    株主優待は、小売などのセクターに多いんですが、そういう株はあまり値動きがないので買いません。
    時々、優待の商品が送られてくるけど、あれは何株以上持っていると権利があるというだけで、たくさん株を持っていればその分だけ来るというものでもないから、優待品で家中あふれてしまうということはありません(笑)。
  • 海外の株式動向や為替の動きなど、できるだけ重要な要素を考えながら、関連銘柄を探すんです。
    さまざまな要素を組み込んでいけば、勝つ確率も高くなっていく。
    株式投資というのは、勝つ率の問題なんですよ。
    10 回やって 6 回勝てばいい。
    当然、損をすることもありますが、その中で損失額を小さくしていく努力をしていけば資産は増えていくんですよ。
    ただ自分の場合、損失額も 1 億、2 億が当たり前になってきていてそれが辛いんです。
    去年は 1 週間に 6 億損したこともありました。
    やはり 1 億円というのは大きな額ですし、これを稼ぐのは大変なパワーが必要ですから。
  • 大学 3 年の春にはじめたんですが、要は暇だったし、銀行に預けても利息もつかない状況でしたから。
    テレビゲームを始めるようにスタートしたんです。
    それがいつか投資にのめり込むようになって、大学も中退しました。
    卒業まで、あと 2 科目履修すれば卒業できたんだけど、株に夢中になって学業が頭に入らなくなってしまった。
    その頃は若かったし、失敗したら就職すればいいと考えていたんです。
    株を始める前は、就職について考えたこともなかった。
    今でいうニートになっていたかも。
  • お金を使ってまで事業をやるつもりはないです。
    人の上に立って何かやるのは苦手。
    一度はサラリーマンになってみたい気もするけど、どうせ肉体労働系の仕事しか廻ってこないでしょう。
  • (趣味と娯楽は)特にないけれど、ネットをやったり、バラエティー番組を見るくらい。
    株と関係ない番組が好きです。
    漫画はそんなに読むほうではないけど、福本 伸行さんの漫画は好きですね。
    心理的なやりとりが面白い。
    逮捕前なら、ホリエモンにも会ってみたかった。
    酒はそんなに飲まないし、煙草は吸いません。
  • (儲けた日は)外食に行くくらいです。
    それも特別高いものを食べるわけじゃない。
    ファミレスではバーミヤンのチャーハンが好き。
    駅の立ち食いそばも好きで、ついつい入ってしまう。
    天ぷらうどんとコロッケをよく注文します。
  • 高い買い物と言えば、去年の夏に買ったこのマンションくらい。
    4 億 3000 万円でしたが、キャッシュで払いました。
    証券口座から銀行口座に移し替えて、それから振り込みしたんです。
    株で儲けていても、自分のように無職で担保もない場合は、ローンを組めないんですよ(笑)。
    ペーパードライバーだし、車は持っていません。
    都内で生活する場合はタクシーのほうが便利。
    駐車場も少ないし、人をひいたりしても危ないし。
    おまけにガソリン価格も上がっている(笑)。
    着るものにもこだわりません。
    今日の服だって、シャツは実家がある千葉県内のダイエーで買ったものだし、ジーパンも GAP です。
  • 株で損したストレスは、それを取り戻すことでしか解消しません。
    すでに生活レベルのお金が欲しくてやっているわけでもない。
    そこにチャンスがあるからやってしまう。
    株は一度やったら抜けるのが本当に難しい。
    何百もの銘柄のチャートが頭に入っていると、相場の変動を見るだけでやらざるを得なくなるんです。
    投資額を減らせばいいといわれるけど、そんなことは考えられない。
    中毒ですよ。
    それもものすごい刺激で、体が震えるときがある。
    ただ、ひと晩、100 億円分の株を持ちこしたままの時がいちばん怖い。
    ニューヨークが 1 パーセントの下げなんて聞くと、それだけで自分の資産は 1 億円下がっているわけです。
    それこそ頭がキーンとなって圧迫されるようなストレスを感じます。
    株価がわかる経済番組なんて怖くて見られない。
  • 今年の夏は、毎日のように悪い夢ばかり見ていました。
    決まってニューヨーク市場が暴落する夢なんです。
    慌てて持ち株を売ろうとマウスを動かすんだけど、クリックできない。
    慌てふためいているうちに目が覚めて、ああ夢でよかったと……。
  • テロやアメリカの暴落で、いつか大きな損失を被るような気がしてならない。
    そんな危険を冒してまで、株式投資を続ける意味があるのか?
    そう思うときもあります。
    大きく負けて、そこで自分の株投資が終わるのかも。
    一週間後にそうなっている可能性だってある……。

Diamond ZAi ダイヤモンド・ザイ

  • 2 人は「2 ちゃんねる」で 4 年前に知り合っていた!
    • ——日本の短気投資家の頂点に君臨するお二人が、お知り合いだったのには驚きました。
      cis 「2 ちゃんねる」で知り合ったんです。
      03 年の冬に「銀座・千疋屋フルーツ食べ放題オフ会」っていうのをやって、それに BNF が来たんです。
      BNF あの時は僕が 2 億円で、cis は 3000 万円だった。
      cis よく覚えてるなあ。
      俺が覚えてるのは、BNF がフルーツを 1 個も食べなかったこと。
      もしかして果物が嫌いなのかと思って、気を使ってハヤシライスを注文してあげたのに、BNF はそれにもまったく手をつけなかった。
      BNF あれは、別に食事しに行ったわけじゃなかったから……。
      cis 話すのに夢中だった?
      BNF うん、そうだったかも。
      cis 04 年の冬にもう 1 回会った時には、BNF はもう 10 億円を超えてて、その時にノート PC で資産残高を見せてもらいました。
      BNF あの時資産残高は見せたけど、取引履歴を見せるのは無理だったね。
      cis そう、俺が参考にさせてもらおうかと思ってたんだ。
      でも結局ダウンロードできなかった。
      BNF の取引履歴数が膨大だったのと、持ってきたノート PC があまりにしょぼすぎて(笑)。
      BNF PC とかにはあんまり詳しくないんだ。
      自分はトレードができればいいから。
      cis あの時、秋葉原にゲームソフトを見に行ったの覚えてる?
      ゲームが 100 本くらい入ってるパチもんのソフト。
      1 万 2000 円くらいのモノなのに、BNF はそれを買うかどうかで 20 分以上悩んで、結局買わなかった。
      BNF 3 割くらいは持ってるゲームとダブってたんだもん。
      cis それ、10 億円持ってるやつの買い物じゃないよ(笑)。
      あの時は、よっぽど俺が買ってあげようかと思ったんだよ。
      BNF あの後、あんまりゲームをやらなくなったから、買ってもらわないでよかったよ。
      cis 最後は上野駅前の「じゅらく」っていうしょぼいファミレスで食事をして、お開きだった。
      どうです ZAi さん、すごいでしょ、このルート!
      ——ええ、とても億の資金を運用する投資家同士の会合とは思えませんねぇ。
      お二人が実際に会われるのは、それ以来ですか?
      BNF そうですね。
      その後も 2 ちゃんねるには、書き込んだりしてやりとりはありましたけど。
      cis ねえ、もう 2 ちゃんねるには書き込みしてないの?
      BNF たまに「名無し」で書き込んだりしてるよ。
      cis 俺のスレッドにも?
      BNF たまにはね(笑)。
  • 05 年の相場で cis は BNF を抜いたと思った
    • cis じゅらくオフ会の後、大相場がやってきたんだよね。
      BNF うん、05 年はすごくよかった。
      5 月くらいまでは新興市場がガンガン上げて、6 月と 7 月はボロ株が賑わって、8 月からは大型株が本格的に上昇して——。
      cis あの年さ、俺は年初に 1 億円だった資産が、春先に 3 億円を超えたんだよね。
      会社を辞めて専業になって、初めて「これで何とか生活していける」って思った。
      しかもそれが、年末には 30 億円になったんだよね。
      その時は内心「これで BNF を抜いただろう」って思ってたんだ。
      でも BNF は、もっとスゴイことになってた!
      BNF あの年は休む暇もなかったよ。
      常にどこかのセクターが賑わっていて、とにかく忙しかったのを覚えてる。
      cis いかに流動性のあるセクターを見つけて、思い切った資金を突っ込んでいけるかが勝負だったよね。
      ——お二人ともその当時から手法は違ったようですが、手がける銘柄は同じだったんですか?
      cis 賑わっているところに行けば、同じになりますから。
      でも僕はデイトレで、BNF はもうちょっと長く持つスイング。
      (資金に差が開いたのには)その差が出たと思います。
      彼の短気トレードの精巧さは、天才的です。
  • 僕は天才じゃない!下手だから儲かった
    • BNF 違うよ、天才とかそういうんじゃないんだよ。
      自分のことだからよくわかるんだけど、なんていうか、僕はちょうどいい時期に”下手くそ”だったんだよ。
      cis 下手くそじゃ 100 億円とか行くわけないじゃん。
      BNF いや、あの頃は本当にうまい人ならリスクを考えてトレードする局面で、リスクも考えないで全力買いとかしてたから儲かった。
      下手だから、そんなことができた。
      しかも、その時が奇跡的な大相場で恐れ知らずに行ったのがたまたまハマッただけだったんだよ。
      cis でも、あの当時から 50 銘柄くらいに分散してて、リスク管理は完璧だったじゃん。
      BNF 1 銘柄に集中すると、流動性の問題とせっかく NY 市場が上がって全体が上がる地合なのに自分の銘柄だけ上がらないリスクが出てくるから、分散してより確実に増やしたかった。
      大儲けもないけどね。
      資金が大きくなってから、それが役立った。
      cis 俺は 1 銘柄にぶっ込んじゃう手法だから、基本的に持ち越しはしないんだ。
      ギャップアップ狙いで持ち越す分もあるけど、失敗しても翌日の寄付に出ているであろう買い板の、2 枚分くらいで消化できる株数までだね。
      BNF ほらね、cis はデイトレの才能があるし、ちゃんとそうやってリスクを計算してやってるから上手いんだ。
      そりゃ NY 市場がものすごい上げた時には持ち越したほうが儲かるけど、暴落したらつらいよ。
      明日、朝から数億円損するのは確実なのに、手も足も出せないっていうのは参る。
      cis 米国株もやればいいんじゃないの?
      BNF いや、僕も夜は寝なきゃいけないから……。
      でも暴落してたら眠れないし、つらいよね。
      NY 市場だけじゃない。
      結局世界の株式市場は連動してるから、ザラバが引けた後も、台湾→香港→シンガポール→インド→ヨーロッパ→NY って全部追っかけてる。
      それから為替も見てるでしょ。
      どこかで何かの相場が動いている限りは、全部が関係してくるから気が休まらないっていうか。
      見て何ができるわけでもないんだけど、とりあえずほかのことは手につかない。
      (世界の市場が休みになる)土日だけだよ、気が休まるのは。
      cis 俺は持ち越さないから NY は全然見ないし、お酒飲んで寝ちゃう。
      失敗しても「じゃあ次に何するか」って考えるタイプだから、翌日が楽しみだよ。
      でもね、買い持ちして NY 市場が暴落して翌日 5000 万円の損の予感がすると、なぜか下痢するんだよね。
      BNF それ、やっぱり気にしてるからじゃないの?
      cis うーん、そうなのかな。
      頭じゃ気にしてないんだけどね。
  • この年齢で引退しても楽しいとは思わない
    • ——BNF さんは以前から、「株をやるのはつらい」っておっしゃっていますが、もう十分稼がれたので「南の島でのんびり暮らそう」とかは考えませんか?
      BNF 今、この年齢で株取引をやめて、悠々自適に生活しても楽しく感じないと思うんですよね。
      やってもつらいし辞めてもつらいんだったら、やったほうがいいと思ってやってるだけです。
      それに「いくら儲かったら辞めよう」とかいうのを目標にしてたら、175 億円もいってないと思うんですよ。
      cis うん、俺もそういう目標だったら 5 億円くらいで止めてたと思うな。
      でも、俺は目標があって、70 歳までデイトレで稼ぐ。
      それくらいまで手は動くでしょ。
      遊ぶのはそれからでいいや。
      資金は 1 兆円まで作りたい!
      BNF い、1 兆円!?
      それって”目標”っていうのかなぁ?
      cis まぁ実際は、もう 05 年のような相場もそうそうないと思うし、BNF の現在の資産を超えるのも大変そうだけど。
      BNF が年間トータルでマイナスになることってあり得るのかな?
      そうなったら株を辞めちゃいそうだけど。
      BNF まだ致命的な損失を食らったことがないからわからないけど、例えばいま百何十億円持ち越してて全銘柄ストップ安になったら、すぐにでも辞めるかな。
      何があるかわからないから、あり得ない話じゃないとは思うけど。
      でも、そんな心配してる暇があるんだったら、明日の相場をどうするかを考える。
      cis そりゃそうだ。
      ——お二人とも完璧なトレード手法をお持ちなので、このまま続けていけばいくらでも増やせる感じじゃないですか?
      cis 俺の手法は時価総額上位の中の、特に値動きの強い 1 銘柄に粘着して上値を取っていくやり方です。
      一応、その銘柄の 1 日の売買代金の総額が理論上の限界点になるんですけど、今のところは 200 億円くらい回転させてもまだまだ余裕です。
      BNF 僕はそろそろ限界を感じています。
      資金が大きくなりすぎて、短期で回すのが難しくなってきた。
      ここから先は、長期投資も学んでいかなきゃいけないのかなって思っています。
      cis いや長期はムズイって、俺たちには無理じゃないの?
      ——あれ?
      cis さんは長期投資もされてますよね。
      cis ええ、とあるコンドームの会社を(笑)。
      割安でいいかと思ったんですけど大損してます。
      そもそも何で買ったかというと、現金が証券口座にあると全部デイトレに使っちゃうんですけど、ザラバ倒産があると困るんで、1 億円くらいは潰れそうにない会社の現物株にしておこうかと思って。
      BNF そういうお金は株以外の安全な商品のほうがいいんじゃない?
      cis 銀行にも預けてるよ。
      それで、BNF は長期投資するの?
      BNF うーん、資金的にキツイんだよね。
      そろそろ限界。
      僕らが短期投資やってた間も、任天堂みたいな会社を見つけて、ずっと持ってれば儲かったわけだよね。
      まぁ、そういう会社を見つけるのが一番難しいわけだけど。
      cis 長期ならエマージング国の債券が、年 16 % だってさ。
      BNF それって、為替も結構動くじゃない。
      手数料も高いし。
      cis そうだね。
      為替と運用のリスクをとって、手数料と税金を払って年 10 ~ 12 % なら、自分で運用したほうがいいもんね。
  • BNF の手法に限界!?次は外国株長期投資か
    • BNF だから、やるなら株だと思うんだ。
      外国株も含めて。
      cis あれ?
      でもそれだとまた寝る時間がなくなっちゃうよ。
      BNF いや、長期投資にすれば寝れるんじゃないの?
      とにかくさ、最近は大きな下げ材料が出てから持ち株を全部急いで売ったとしても、全部の注文を出し終えるまでに相当な時間がかかっちゃう。
      短期だと、分散してもリスク管理にならなくなってきてるんだ。
      cis BNF の泣き言は話半分に聞いといたほうがいいですよ。
      だって彼は「千疋屋のフルーツ食べ放題オフ会」で会った 2 億円の時も、その次に 20 億円で会った時も同じこと言ってましたからね。
      「トレードがつらい。手法の限界だ」ってね。
      でもそう言いながら、次に ZAi に出る時には 800 億円くらいいってますよ!
      BNF フフッ……。

2007-09-14

FRIDAY フライデー

  • 商社、鉄鋼など人気株が急落した 9 日には、リバウンドを狙って商社株を中心に 50 億円ほど買い、結果、この日の収支は約 1 億 4000 万円の黒字になりました。
    ところが日経平均が全面安になった翌 10 日は、2 億 8000 万円の損。
    翌週の 13 日は日経平均も反発して、買っていた銘柄も値を戻し、3 億 7000 万円の儲けとなりました。
    悔しい思いをしたのは 17 日です。
    市場が閉まる直前の午後 2 時 38 分過ぎに日経平均が一気に下がったんです。
    これは絶好の買い時でしたが、米国株がまだ高値圏にあって翌日の暴落もあると躊躇してしまったんです。
    あそこで買いを入れておけば 5 億円ぐらい利益が出たはずです。
  • 僕自身は信用取引はせず、オーソドックスな投資だけです。
    上げ相場では上昇する株を狙う「順バリ投資」、下げ相場では下落中の銘柄のリバウンドを狙う「逆バリ投資」。
    これだけです。
    銘柄選定では、米国市場や先物市場の動きを見てイメージをつかみ、後は相場の動きに合わせて投資しています。
    相場に引きずられて下がり過ぎた優良銘柄は狙い目です。
    乱高下相場では、やはり短期投資のほうが利益を拾いやすいと思います。

2007-09-09

ジム・ロジャーズの意見

【 ジム・ロジャーズの意見 】

Market corrections are coming.
Jim Rogers
Founder of the Rogers Raw Materials Index

Source:
Crisis Council
Fortune, September 3, 2007

We've had the worst bubble in credit we've ever had in American history. As the bubble got bigger and bigger, it spread to emerging markets and leveraged buyouts and all sorts of things. And it hasn't been cleaned out yet. I don't think you can have a bubble like this and clean it out in six months or even a year. It has always taken longer.

我々は、アメリカの歴史において、かつてないクレジットにおける最悪のバブルを抱えています。そのバブルはどんどん大きくなり、エマージングマーケット(新興市場)やレバレッジ・バイアウト、その他もろもののことに広がりを見せています。そして、それは、きれいに片付いていません。私は、この様なバブルを抱えて、それが半年、あるいは1年程度で片付けることはできないと思います。もっと時間がかかるでしょう。

Look at homebuilders, for instance. Historically, when an industry goes through a retrenchment like this, you have two or three big companies going bankrupt and most of the companies in the industry losing money for a year or two or three. Well, we haven't gotten anywhere near that in the homebuilding business, so I think that bottom is a long way off. As far as the credit bubble, we have another several months, if not more, of mortgages that are going to reset and people who are going to find themselves with even higher monthly payments. There are many, many more losses to come, most of which we won't know about for weeks or months.

例えば、住宅建設業界を見てみましょう。歴史的に、産業(業界)が今回の様な退潮を経る時、2つや3つの大きな会社が倒産し、業界内の会社のほとんどが、一年、二年、もしくは三年の間、損失を被ることになります。(これは、2001年のテロの後の航空業界の状況が、最近の事例としては近いと思います。)住宅建設業界は、この様な状況に近い形に、まだ(少しも)なっていません。 ですから、わたしは、底はまだまだ先だと思っています。クレジット・バブルに関しては、住宅ローン(の金利)がリセットされ、人々がさらに高い金利を払わなければいけなくなることに気づくまでに、あともう数ヶ月、もしそうでなければ、もっとかかるでしょう。(これは、オプションARMのリセットをさしていると思います。) 非常にたくさんの損失が出てくるでしょう、それらのほとんどは数週間、または数ヶ月では、知ることのできないと思います。 (これは、今回のクレジットバブルを経た空前のバイアウト・ブーム、ヘッジファンド、プライベートエクイティの案件の結果が分かるまでには、あと数年はかかるので、それをさしている、または、それを含んでいると思います。バフェット氏もCNBCのインタビューでプライベートエクイティのブームに関しての意見として、近いような趣旨の発言をしています。)

Normally you have markets go down 10% or so every couple of years. We haven't had a 10% correction in the stock market in nearly five years. I don't know if this is the beginning of it, but we've got a lot of corrections coming. It wouldn't surprise me to see a little bounce--say if a central bank cuts rates. But that will just lead to the markets falling further late this year or next year. It would be better for the market, it would be better for investors, and it would be better for the world if we went ahead and cleaned out the system. If they do cut rates in the U.S., it would be pure madness. Because the market's down 7% or 8% from an all-time high? My gosh, what's that going to say about the dollar? What's that going to say to foreign creditors? What's that going to say about inflation? The Federal Reserve was not founded to bail out Bear Stearns or a few hedge funds. It was founded to keep a stable currency and maintain its value.

普通、数年の間に、市場は10%程度下落することがあります。我々は、ここ5年に近い間、株式市場で、10%の調整も経験していません。私は、それが(今)始まったのかどうかは、判りません。しかし、多くの調整をこれから経験することにならざるをえません。私は、例えば、中央銀行の金利の削減等によって、少々の上昇(反発)があったとしても、驚きはしません。しかし、それは、今年の後半、または来年に更なる下落を招くことになると思います。もし我々が早く(先に)経験し、状況を片付けることが、投資家にとって、そして世界にとって、より良いことだと思います。もし、米国が金利を下げれば、それは単に狂気の沙汰だと思います。なぜなら、(株式)市場は、過去最高の数値から、7から8%程度しか下がっていないだけです。それが与えるドルに関しての影響はどうなるのか?(意訳しています) 海外の債権者に対しての説明は?? 中央銀行は、Bear Stearns、もしくはいくつかのヘッジファンドを救済するために、設立されたのではありません。

I have been and continue to be short the investment banks and the commercial banks. If they bounce up, I'll probably short more. I'm certainly not buying anything. The market's only down 8%. I don't consider that a buying opportunity. The things that I'm short, some people probably think are buying opportunities, but I don't. I've been short the banks for close to a year, and for a while it was not fun. But I added to my positions, and now it's a lot of fun.

私は、現在まで、そして引き続き、投資銀行とコマーシャル・バンク(企業向けの銀行業務を指すと思いますが、良い日本語訳が浮かびません。)に対して、ショート(空売り)を行っています。もし、それらが反発(上昇)したら、多分、さらにショートするでしょう。私は、確実に買うことはないでしょう。市場は、たった8%下落しただけです。私は、それが、買う良い機会とは思っていません。私がショートしていることは、恐らく、ある人たちにとっては、買う機会と思うことでしょう、しかし、私はそう思いません。私は、銀行のショート(空売り)を一年近くしています、そしてそれは、しばらくの間、あまり楽しい状況ではありませんでした。しかし、私は私のポジションを積み上げました、そして、いまは、楽しんでいます。

2007-09-06

システムトレード

今回のように一回の注文で40ポイント以上もやられるのは遡っても2月末の急落以来(このときはバーチャルではありませんでした(汗)
それより前に遡るとバーチャルになりますが、でも1年以上ないです。

2007-08-30

日経金融新聞

  • 同じころ、〇五年のジェイコム株の誤発注事件で二十億円を稼いだ K さん (29) の心も揺れていた。
    商社、鉄鋼、自動車——。
    朝方から好業績銘柄も割安株も売りたたかれる値動きに違和感を覚え、すぐに保有株を売却。
    利益を確定して損失を最小限に抑えた。
    数十億円を一瞬で動かす K さんも、大引け前の「株価崩落」を目の当たりにしてギリギリまで迷った。
    買いに動くか、静観するか。
    〇一―〇二年の下げ相場でも見たことがない下落。
    結局、買い向かわずに大引けを迎えた。
  • その六時間後、米連邦準備理事会 (FRB) は公定歩合引き下げを発表。
    週明け二十日の日経平均は急反発した。
    K さんは「買っていたら利益は五億円。時間と勇気が足りなかった。今年最大のミス」と悔しさをにじませる。

2007-08-27

AERA アエラ

  • 「下げ相場のうえ、世界中の株式市場が見たことないくらい乱高下している。
    自分の場合は資金の 1 % を損しても 1 億円以上が消える。
    食欲がなくなってきました」
  • だが、さすがは B・N・F さん。
    16 日は都市銀行株を中心に買いを入れ、一時は損失が 1 億 4 千万円までふくらんだものの、終値では 2 億 6 千万円の含み益を得た。
  • 複数の指標を使って、株価がその日の底を打つ前のタイミングをはかって買いを入れる。
    この日は円高の異常な進行、米国先物市場の下げで彼の予想以上に株価が下がったが、午後に反発した。
    だが、翌 17 日は再び下落し、結局は売って 1 億 5 千万円の利益を確定した。
  • 「長期的な予想なんてわかりませんよ。
    年末までに戻るなんてことは、希望的観測でしょう?」
  • 根っからの相場師にとって、この乱高下相場は神経も使うが、願ったりかなったりかもしれない。
  • 「この乱高下はチャンスでもある。
    当分ノーポジ(株を保有しない)はありえない」

2007-08-18

東京スポーツ

  • 「全く分からない相場ですね。
    まさか今日こんなに下がるとは思いませんでした」と B・N・F 氏はいつも通り冷静だった。
    まさかこの下落局面で勝っているなんてことはあるまい。
    16 日の結果はどうだったのか。
  • 「今日は朝一番に、銀行株を中心に大量に買いつけました。
    額にして 100 億円分くらいです」という。
    しかし、同氏の思惑に反して、株価は時間がたつにつれ下がる一方。
    「損失は一時 1 億 6000 万円までいきました」
  • ところが、午後 1 時半を過ぎたあたりから突然銀行株を中心に反転し始める。
    猛烈な買いが入ってマイナス 8 % まで暴落していた三井住友 FG が一時プラスにまで浮上したため「売り抜けた」という。
  • 結局、損どころか 2 億 4000 万円以上の利益となり、トレードは大成功だった。
  • 「17 日もまた下がるかもしれないというリスクがありましたから……。
    ホントならもっとうまくトレードしてもっと稼げたんでしょうけど」とちょっぴり悔しそうな同氏。
  • しかし、常に勝っているわけではない。
    「実は最近、今年最大の損失を出してしまったんですよ」という。
  • 先週 10 日の株式市場は想定以上の下落を記録。
    ついには、売り逃げできずに 1 日で 2 億 8000 万円の損失が確定した。
    さすがの同氏も「参りました」というが、200 万円から資産をここまで増やした男は役者が違った。
  • 週明けの 13 日には 3 億 6000 万円のとなり一気に取り戻したのだ。
  • 160 億円の資産は今年に入って 175 億円に増えている。
    この暴落相場で儲けるとは、さすがとしか言いようがない。

2007-08-09

幸せを感じる瞬間

北尾 それだけ毎日株のことだけを考えていたら、休む暇もないね(笑)。例えば、どういう時に幸せを感じますか?
B・N・F 幸せを感じるときですか・・・。あんまり、そんなにないですね。全部売り抜けたときですかね(笑)。短期でやってるんで、常に心の余裕がない感じですね。ですから売り抜けた後も、また買う銘柄が出てくる可能性がありますし・・・。株始める前とかは、結構ボーっとしてましたけど(笑)。
北尾 いや、株の世界ってそうですね。僕も機関投資家相手にセールスやっていた時は、もう本当に毎日毎日休める暇なんてなかった。しかし、寧静致遠という言葉があるように、落ち着いたゆっくりした気分にならないと遠大な境地に達することが出来ない。これは諸葛孔明が五丈原の戦場で陣没する時に自分の息子に遺言として残した言葉だけど、そういう時間も持とうとしないといけないね。
B・N・F まあそうですが、なかなか余裕ないですね。
北尾 そういう点では短期は特に厳しいですよ。しかし、僕のお客様で儲かっていた人は、ほとんど短期でやらなかった。最近読んだ「日本経済のリスク・プレミアム」(著:山口 勝業)という本は非常に優れた本でしたが、そこでも50年にわたる実証分析結果、長期投資のほうが良いという結論になっていましたよ。
B・N・F でも、それは資金にもよると思うんですよね。例えば100万円を長期で運用して、3倍になっても300万円とか。これじゃあんまり意味がないと言うか・・・
北尾 それは短期でやった方がいいよ。ある程度の資金がなければ、長期投資を考えるのは厳しいと思うね。
B・N・F だからある程度資金増えてからは本当に長期の方がいいかなとは思いますね。
北尾 そうそう、そうしないと難しいよ。今のあなたのレベルだともう完全に長期の方がいいだろうね、実際問題。
B・N・F 長期でもいいんですけど、なかなかそういうのはあんまり分からないんで。その辺がまだまだと言うか、だから駄目なんですね。
北尾 駄目ではなくて、それは考える暇がないから。だからちょっと落ち着いた雰囲気になって、遠大な境地に達してごらん。それこそウォーレン・バフェットみたいなことになるかもしれないよ(笑)。
B・N・F ちょっと心のゆとりがないんですね、自分の場合。常に何かに追われている感じがするんで。
北尾 やっぱり幸せを感じる瞬間を出来るだけ作った方がいいね。決してパフォーマンスがよかったから、儲けたからって幸せを感じるものではないと思うよ。だから、例えば家族のこととか、子供の成長だとか。そういう幸せを感じる瞬間をどんどん増やしていった方がいいと思うね。
B・N・F そうなってしまったら、あんまり株に集中できなくなってしまう、というのもありますけどね(笑)。
北尾 まあ、それはそれでいいんだと思うよ。そうやって成長していくんですよ。投資家としても。それでいいんじゃないかな。
B・N・F だから先々のこととか色々と考えると、もうちょっと長期投資とかの勉強していきたいんですよ。
北尾 短期投資だけでなく、長期投資でも大いに成果上げてくださいよ。その時にはイー・トレードも使ってくれるとありがたいですね。他のサイトに慣れてしまうと、慣れで使い続けてしまうこともあると思うけど、長期投資だったら使い勝手はそんなに問題にならない(笑)。
B・N・F まあ日本株の長期投資はなかなか考えていないですけど(笑)。
北尾 もちろん外国株も含めてね。そんなに遠い先の話じゃないんだけど、僕の夢は自分のPCの前で世界中の銘柄が自由に買えるようになること。そして日本の投資家がグローバル・アセット・アロケーション(国際分散投資)をやる上で、ためになることを次々とやっていこうと思っている。
B・N・F それは素晴らしいですね。
北尾 でも今まで僕がやってきた中で、一番投資家のためになったことというと、やはりイー・トレード証券を作って手数料を極力下げたことだろうね。それまで大手の証券会社などの高い手数料は、全部自分たちの懐に入ってたわけでしょ。それを全て投資家に返した。
B・N・F そうですね。そのおかげで短期売買が出来るようになった。
北尾 そして、そのおかげでイー・トレード証券も儲かるようになった。だから、これはめぐりめぐっているんだけどね。
B・N・F そう考えるとネット証券ってよく出来ていますね。
北尾 そう。そして今までなら大手の証券会社が株を買う相手として見做していなかった20代、30代の若い人たちのおかげでイー・トレード証券は収益が出てきているわけです。もう一つ大事なことは20代や30代の人は30年経ったら50代や60代になっていく。そうなると富裕層になっていくということです。
B・N・F そうですね。逆に野村證券の顧客の年齢層は上がっていきますからね。
北尾 だから経営は時間の関数なんです。僕は会社を作るときにいつも20年経った時に、この方がいいっていうことが立証されるような、そういう会社を作ってきた。
B・N・F ネット証券やインターネットの会社なんかもそんな感じですね。だから今20代30代の人だったら年をとっても皆インターネットやるんで。
北尾 やるんですよ。もう50代や60代の人も皆PCだとか携帯だとか、そういったものを活用するようになります。今までの常識なんてなくなってきて、もっと新しい世界がくるかもしれない。それまでにもっともっと資産を伸ばして下さい。
B・N・F ええ、まあ(笑)。
北尾 いや今日はどうもありがとうございました。
B・N・F はい、ありがとうございました。

日経金融新聞

  • 東京都港区の高層マンション——。
    ここに連日で巨額の資金を動かすコジンがいる。
    みずほ証券のジェイコム株誤発注で二十億円を稼いだ K さん (29) だ。
  • 眼前には五台のモニターを配し、百―二百銘柄の株価の動きをにらむ。
    チャートで買いと判断するなり、素早い手つきで数千万―数億円単位の注文を次々と執行。
    一日の売買代金は三百億円に達することもある。
    東証一部の売買代金の「一 % を握る男」だ。
  • 金額が膨大なため空売りはしない。
    それにもかかわらず、七月下旬以降の急落局面で大きな損失は発生しなかった。
    不安定な海外株をみて、持ち高を極力減らしていたからだ。
  • 巨額の資産ながら、機動的かつ大規模に株と現金の配分を入れ替える。
    機関投資家には決してまねのできない芸当といえる。
  • 売買の判断に特段ルールのようなものは設けていない。
    その時々によって、様々な要因を総合して判断する。
    いまは米国株、アジア株、円相場、商品市況などをにらみながら反発のタイミングを見定めているという。
  • ただし、取引は一日―一週間程度の短期に特化している。
    本人いわく、「数カ月先の相場なんて、想像もつきませんから」。

2007-08-08

アメリカは本当にすごいですね

北尾 ところであなたの名前は、投資家のヴィクター・ニーダーホッファーから取ったそうだね?彼のどういうところを気に入ったの?
B・N・F ヴィクター・ニーダーホッファーはヘッジファンドを運用していて、高いパフォーマンスを続けていたんですが、破産するくらいまで大損しちゃったんです(笑)。オプションだったんですけど、他の人が皆売ってた時にその人だけはプット・オプションを空売ってたんです。上がる方に賭けてたんですね。他の人が売っている時にその人だけ強気なポジション取って、結果的に追証になって強制決算させられて、それで大損しちゃったんです。でも、読み通りにその後すごく上がっていったんです。あの時、市場が30分早く閉まってしまい、それがなければ大成功だったかもしれません。普通、あれだけ成功してたらオプションであれだけ強気の、破産スレスレのポジションを取るなんてできないじゃないですか?それができるだけで、儲けるポテンシャルが高いってことなんだと思うんですよ。普通の人ができないことをやってるので。
北尾 市場が30分早く閉まる。彼の場合は「運」が無かったんだろうね。僕はこの相場の勝ち負けっていうのは確実に「運」があると思いますね。
B・N・F いろんな「運」がありますね。始める時期とか。
北尾 本当にその「運」に恵まれている人と恵まれてない人と、その差が正直に出てくるね。相場は。
B・N・F 自分の場合だと時期的なものがすごく大きかったですね。ちょうど自分が学生のときにネット証券とか手数料自由化が始まったんで。だから10年早く生まれていたら駄目だったろうし、10年遅く生まれても全然こういう風に儲かっていなかったと思います。
北尾 始めたのは大学3年のときからだっけ?
B・N・F そうなんですよ。ちょうど暇で(笑)。
北尾 そのころから株式には興味持ってたの?
B・N・F そんなに興味無かったんですよ。やっぱりネット証券とか手数料自由化が始まったのが大きいですね。それまではほとんど興味なかったですね。
北尾 まぁこれからだよね。その170億円を1700億円、2000億円にするのか、もしくはまた1000倍にしちゃうかとかね(笑)。
B・N・F それはもう長期でやるしかないでしょうね。個人レベルだと情報の面で限界があるので、なかなか難しいですね。
北尾 情報面での限界ね。でも最終的には自分の持っている情報と自分自身を信じ込むしかないんだよね。バフェットも信じ込んだ。60年代にマンハッタンファンドを作ったジェリー・サイは、当時まだ新興企業だったゼロックスやIBMに次々と投資した。それがどれもものすごく上がって大成功になった。彼はこうした当時の新興企業の将来を信じた。
B・N・F 普通はそこまでリスクは取れないですからね。
北尾 ジェリー・サイの場合はその後また生保を買うんだよね。相場で儲けて事業を買う。その事業を育て上げてまた儲ける。
B・N・F バークシャーなんて完全にそうですよね。普通の繊維会社だったのを買って。日本で言えば、ソフトバンクもそういう風に成長してきましたね。
北尾 結局ソフトバンクが今日まで事業を伸ばせたのは、ヤフーに投資した100億円のお陰ですよ。これが何倍にもなったわけだから。
B・N・F ヤフーは大成功でしたね。ソフトバンクにとって本当に大きかったと思います。でももうアメリカのヤフーは結構売ってしまいましたね。
北尾 アメリカのヤフーは売ったね。売った当時は持っていた方がよかったんじゃないかという議論もあったけど、最近はそういう議論が消えたね。
B・N・F まあアメリカのヤフーは上がっていないですからね。先日の決算発表でも6四半期連続減収減益って感じですので。
北尾 もう完全にグーグルが抜いたからね。ヤフーの人海戦術に対してグーグルの考え方は最初からロボットだった。人海戦術にはすぐ限界が来るけど、ロボットはどんどん進化するんですね。
B・N・F しかし、グーグルは本当にすごいなあと思いますよ。NHKスペシャルを見たときに特集をやっていたんですけど。まあ、アメリカを見ていると本当にスケールが違いますね。最近米国株は自社株買い、ダウに入っている30銘柄の中で自社株買いを発表することが結構多いです。それも何兆円とかレベルで。
北尾 IBMなんか凄いことやっていたね。自社株買いをするために転換社債を出す。そして行使価格を今の株価よりもだいぶ上にした。そしてそれで資金調達をして、それに見合った同じだけの株を市場から買う。だけど行使価格が上だから必ず上に行く、という訳です。面白い方法を考える人がいるんだよね。僕もずっと研究していますが、僕の研究テーマの一つは資金調達と株価、M&Aと株価なんです。
B・N・F アメリカは本当にすごいですね、金融に関しては圧倒的だと思います。製造業が駄目でも、貿易赤字がすごくても結局金融で取り返すんで。日本の場合は株式市場が低迷しているからみんな難しいんですよね。資金の流れが今悪いんで。ライブドアショックが結構効いていますよ、日本は。
北尾 今考えると、僕が登場したこともライブドアショックを起こすようなことにつながったかもしれないね。
B・N・F まあ、色々あって結果的にライブドアショックが起こって・・・、新興市場は一気に低迷してしまいましたね。
北尾 そう、ある意味で自分の首を自分で締めたようなことが若干あるんですよね(笑)。ライブドアはファンドを使って決算操作をしていたので、ファンドについての監査が厳しくなった。そうすると他の新興企業も次々と問題起こしていく。
B・N・F 新興は下方修正する企業がすごく増えたんですよね、あの後。それで新興市場の信頼性が失われたことが、低迷した一番の理由なんですよね。信用がなくなっちゃって、それで株をやめる人がどんどん増えていって・・・。日本株が世界的に出遅れている原因として、個人投資家が元気ないっていうのが一番大きいと思うんです。他の国はあれだけ株が上がっていれば、多分個人投資家もすごい盛り上がっていると思うんですけど。日本はあまり盛り上がっていない。
北尾 日本の場合は機関投資家も原因だね。90年代初頭に始まって2000年に入ってからも続いたあのバブル崩壊の後遺症がずっとあって、毎日毎日株価下がっていくあの経験を忘れられない機関投資家のポートフォリオマネージャーがものすごく慎重になっている。ジョン・ケネス・ガルブレイスが『バブルの物語』で言っているように、これはもう世代交代しないといけないかもしれないね。
B・N・F 自分はちょうど落ちたところくらいではじめているんですよね。80年代の日本はバブルを作っちゃったと思いますが、今の中国がそんな感じになってますね。
北尾 あの時の日本は企業業績が伸びていないのに、株価や土地の価格だけ上がり続けた。中国はそうではなくて業績もどんどん伸びているから、まだまだ伸びる銘柄が沢山ある。
B・N・F 日本も89年に日経平均は天井をつきましたけど、でもその後、本田とかトヨタとか京セラとか業績のいいとこは上がっていきました。今の新興市場でも中にはDeNAのように、業績が良くて上がっているところもあるんで。
北尾 もちろん業績は大事な要素だけれど、結局マーケット全体が下がるときに業績はほとんど影響なかったね。機関投資家は売れるものから売っていく。外国人もあの時はもう日本のマーケットからどんどん売れる株から売ってゲットアウトしていたでしょ。だから出来高の高いもの、そして業績が比較的よいものもどんどん売り出していった。結局全部下がっていったね。やっぱりそれが相場の一つの流れだと思うんですね。
B・N・F それでも長い目で見ればトヨタとか本田とか……
北尾 そう、それこそがまさに「買い場」なんですよ!!
B・N・F そうですよね。そういう銘柄こそが長期的に見れば「買い」なんだと思いますね。

2007-08-03

機会損失をしたくないからやってるという感じ

北尾 でも、160万円を170億円にしてこれ以上儲ける必要があるかって話もあるよね(笑)?
B・N・F まぁ確かに(笑)。それはありますね。
北尾 それでもまだ儲けたい?
B・N・F ーん・・・。儲けたいっていうよりも、機会損失をしたくないからやってるという感じがありますね。日経平均が300円くらい上がっているときに何の取引もしていなかったりして「あぁ、今日やってれば2億円くらい儲かったのかな」って考えちゃうと2億損したのと同じような気分になっちゃう。そういう風に思いたくないから続けてるってところはありますね。だから中毒なのかもしれません。
北尾 中毒ね(笑)。
B・N・F 基本的にそうなんですよ。金額的にはもうやめてもいいんですが、儲けそこなったりしたら嫌だなっていうのがあるから、どうしても毎日画面を見ちゃうんですよね。
北尾 でも見てしまうと集中するから結構疲れるでしょ?
B・N・F そうですねぇ。もう30近くなってきたんで(笑)。今後はもっと長いスパンで、長期とかもやっていかないと資金的にも増えていかないかなと思いますね。短期だと精神的にもきついし、利益率もどんどん悪くなってくるんで、今後は長期投資も取り入れていかないと難しいのかな、とは思ってます。
北尾 ウォーレン・バフェットも基本的に長期だからね。彼の投資した銘柄の中でジレットやコカ・コーラが有名だけど、彼は継続的に消費するようなものに投資したんだね。
B・N・F 長期だと、そうするべきですね。
北尾 ジレットなんかは、本当にうまいと思うよ。普通のヒゲソリ使っていて、しばらくしたら「その替え刃はもう作ってません」なんてこと言うんだから。しょうがないから新しいものを買ってしまう。それから今度は二枚刃、三枚刃ってどんどん商品をグレードアップして出す。でも、どっちがいいかって昔のほうが良かったんじゃないかって気がするけどね(笑)。
B・N・F 確かに上手いやり方ですね(笑)。

資源株は強いですね。

北尾 先日ベトナムに出張に行ったのですが、ベトナムのマーケットを見ていたらどんどん上がっていました。ベトナムくらいになると、アメリカとか中国とかの影響を受けないんですね。マーケット自体が小さいから、他の国からお金が入ってきたらもう上がるしかない。
B・N・F 日本でも海外への投資が増えて、お金が出て行きます。だから円安になっちゃうんでしょうね。そのお金もいつかは戻ってくるんでしょうけど。
北尾 現状ではお金が出て行くだけで入ってこない。だから日本の市場は上がらないんだね。
B・N・F 今の日本の株は一極集中って感じで、上がる株は上がるけど上がらない株は全然上がらない。ずっとそんな感じですね。商社とか世界規模の仕事をしてるところは結構上がるんですが、国内向け企業は中々上がらないですね。
北尾 商社といえば、今資源の値段が上がってるでしょ。私のところでも中国のチタンの会社を買いたいと考えていたのですが、世界中から引っ張りダコみたいでね。昔、世界中でチタンが枯渇するという噂が流れて、日本のチタン関連の会社の株がものすごく上がった時期があった。それと同じような現象ですね。商社株が強いのは、そういった資源系に関わっているというイメージが強いからかもしれませんね。
B・N・F 資源株は強いですね。三菱マテリアルとかも強いし。
北尾 資源は強いですよ。今中国では政府自体が力を入れて資源を買い漁ってる、という状況でしょう。
B・N・F 資源の値段が上がりすぎちゃって、資源を扱ってる会社の株を買収した方が安い、っていう感じだったみたいですね。
北尾 日本の企業はそういったものに対してのアクションがものすごく遅いね。このままじゃ中国の企業のほうが力持っちゃいますよ。
B・N・F 確かに中国は早いですよねぇ。
北尾 びっくりするくらい早いよね。やっぱり華僑の伝統からか、嗅覚がものすごく発達しているように感じますね、お金に対しての嗅覚が(笑)。 日本人はその点のんびりしてる。
B・N・F まぁ島国なので、その辺に無頓着なのかもしれないです(笑)。
北尾 この次くるのは、僕は食料だと思っています。
B・N・F もう来はじめていますね。
北尾 確かにバイオテックの関連で既に来ていますね。ところが、これからもっと健康ブームが世界中で浸透してくると、世界でもトップクラスの長寿を誇る日本の食事が見直されるようになる。そうなると魚類関係が来るわけです。それと、やはり水だね。
B・N・F もう世界的に水不足ですからね。
北尾 中国の黄河が、四大文明の一つである黄河文明の中心となった黄河が、枯れてきているというのだから問題は深刻です。一方、水がある揚子江でも汚染のために飲むことはできない地域があるそうです。
B・N・F その点、日本は雨がたくさん降る国なのでそれが資源になるかな、と思っています。ですから日本には農業とかが良さそうですね。まずは農地を自由化して欲しいのですが。
北尾 食料に関してはやはり食料安保の考え方が基本的にあって、なかなか自由化しないんだよね。お米にしても、それ以外にしても。
B・N・F でも、世界的に人口が増えてしまっているので、どうしても食糧が不足してしまうんです。その中で食料の価値というものが、どんどん上がっていきます。そう考えると日本には「雨が降る」というすごく有利な条件がありますので、日本は資源の無い国ですが農業とかも資源になるんじゃないかと思うんです。
北尾 農業を発展させるという意味では、成長を早める薬とかが重要になるかもしれないね。例えば、林原生命科学研究所が開発しているトレハロースを植物に入れると物凄く成長が早くなる。そういう技術が脚光を浴びてくるのではないかと思うね。
B・N・F 人口は増え続けていますが、食料も資源も無限ではないじゃないですか。ですから、そういった技術や新しいエネルギーは、人類の永遠のテーマとして追求されていくでしょうね。
北尾 現実問題として地球全体が異常気象に見舞われ始めているし、温暖化のために南極の氷も溶け始めている。そうなってくるとやはり省エネも大事になってくるね。
B・N・F 資源を効率よく使えて、地球温暖化にもいいということで原子力も今注目されていますしね。原子力関連銘柄は強いです、東芝とか。
北尾 そうだね。資源というと、以前ベトナムに紙の原料をつくる大プランテーションを作らないか、という話があったね。物凄く広い土地を使って紙の原料である木を栽培する。人類が生きていく上で紙は必要不可欠な材料だから、人口の増加に伴ってこれが不足する前に押さえておこうという話。是非とも出資して欲しいと言ってきてね。
B・N・F 結構儲かりそうですね(笑)。
北尾 でも、紙の原料は栽培はじめてから出来るまでに6年もかかるって。6年もしたら僕はもういないかもしれない(笑)。自分で責任の取れない投資はしないことにしているからね。でも、どちらにしても今は日本国内に投資するよりも海外に投資したほうがずっと効率がいいと思うね。
B・N・F 海外が盛り上がっている中で日本だけ取り残されていますしね。
北尾 僕の考えではお金を儲けるということは全てアービトラジだと思っている。要するに鞘を取っていくことです。例えば日本は先進国なので後進国に行ってその鞘を取ってくる。後進国の方がお金がないので金利も高くつくから金利の鞘だって取れる。これが僕のビジネスの発想の根幹にあるわけ。
B・N・F 日本は先に成長した国なので、日本にいるだけで他の国がどういう風に成長していくかがある程度読めるので、その点では有利ですね。
北尾 そう。そしてインターネットの世界では、かつてアメリカが日本より5年先をいっていた。アメリカで成功したものを日本でやれば必ず成功するだろうという発想で、例えばヤフーやイー・トレードなんかも持ってきたのです。タイムマシン経営なんて言ったけど、これを利用してアビトラージで儲けていくっていうのは、ひとつの儲け方かもしれないね。
B・N・F 会社組織じゃないと難しいですよね。個人レベルだと株を買うとか、まぁせいぜい海外の株を買うとかそういうレベルになっちゃいますね。
北尾 そうだね。個人で出来ることには限界がある。だから、如何に他の人と違う形でいけるか、というのが重要なんだろうね。さっき言われたように、市場に出て行くのが比較的早かったというのは良かったんだろうと思いますよ。
B・N・F はい。そうですね。

2007-08-01

これがあなたの天命、いや天職かな?


北尾 新しくつくるPTSでは取引のスピードがもっと早くなるシステムを導入します。ですから今の東証のシステムでは対応できないような取引が行えるようになるわけです。
B・N・F そうなってくると、東証の場口銭なんかも回避できるかもしれないので競争になりますね。
北尾 そう、競争になるよ。ただ、問題は欧米と比較して日本の取引所は東証、大証含めてあまり儲かっていないことなんです。そして収益力が低いために十分なシステム投資が出来ないという状況になっている。
B・N・F 東証も儲かってないとは思いませんが、欧米と比べるとそうですね。
北尾 だからといって場口銭を上げると大きな反発が出てくるでしょう。一方の我々は場口銭もなるべく下げて、イー・トレード証券をはじめ各証券会社に利益を還元することで、それを手数料などで顧客へと還元できるようにしていきたいと思っている。やはりネット証券になって手数料が安くなったことは個人にとって大きいことだね。
B・N・F それが一番大きいですね。手数料が昔のように高いままだったら短期で取引できないですから。
北尾 今だって野村證券とイー・トレードを比べたら10倍以上違うよ。大手の証券会社のようにリアル店舗を構えて従業員をたくさん雇ったらそのくらい手数料を取らないとやっていけないからね。
B・N・F でも今はリアルからネットへどんどん移行が始まっていますよね。
北尾 うん、でも個人の預かり資産で見たらネットに移行しているのは1割くらいしかない。これを変えていかないといけないね。
B・N・F 高齢の方々は証券マンとの付き合いとかがあってなかなかネットには行かないですからね。
北尾 それも時間との関数で当然変わってくるね。それにしてもまあ、あなたはずっとこの世界で身を立てていくの?これがあなたの天命、いや天職かな?
B・N・F それはわからないですね・・・
北尾 どうしたい?例えばあなたくらいの実績なら、他の人からもお金を集めてもっと巨額のお金を運用することだって出来るかもしれないよ。
B・N・F それは精神的に参っちゃうと思いますので。やはり他人のお金を運用するっていうのが僕には向かないですね。他人のお金を運用する場合はノルマがあるじゃないですか、毎月○○円儲けなければいけないとか。そういうノルマとかがあると、例えば月の半分が経過した時点でまだマイナスだった場合に焦って変な取引をしてしまって、それで損をしてしまう可能性もあるので。ですから、なるべく自分のペースでやりたいというのが大きいですね。なるべく無理はしたくないんです、市場は自分の都合で動かないのに無理して変な売買したらそれが大損になるかもしれないので、そうはなりたくないですね。
北尾 うん、なるほどね。
B・N・F 無理な取引によって失敗した人とかも結構見たりもしてきたので。すごく上手い人でもそうやって失敗することはありますしね。SBIさんもファンドやってるじゃないですか。ファンドマネージャーとかって大変だなって思いますね。
北尾 そうだね、やはり他人のお金を預かるということはそれなりに大変ですよ(笑)。そして今「無理をしない」と言っていましたが、僕も30年以上相場の世界を見てきたけど、やはり無理をしたらダメですね。無理をすること、欲をかくこと、この二つをやったらダメだと思うね。魚と一緒で頭と尻尾は捨てる、身の部分だけ食べればいいんです。ところがついつい「もっと欲しい、もっと欲しい」となってしまうと破滅してしまうんですね。
B・N・F 年間○%、とかノルマを課せられるとそうなってしまう気がしますね。自分のお金だけでも辛いのに他人のお金は無理ですよ。
北尾 でもあなたの場合は自分のアセットだけでもどんどん増えてきてるから、それだけでもきつくなるね。目標はどれくらいですか?
B・N・F いや、目標とかは立ててないですね。
北尾 では、どのくらいまで伸ばせそうですか?
B・N・F 短期売買だともうそんなに増えていかないと思いますね。長期投資もやっていかないとさらに上は難しいと思うんです。短期で続けていく場合だと、200億~300億くらいが限度かと思いますね。
北尾 短期売買で大きな金額を運用しようと思うと、小さな銘柄に投資すると自分の売買だけで値が動いてしまうから、大きな銘柄にしか投資できなくなるしね。そうやって制限されるようになってくると厳しいんじゃないかなって思うね。言われる通り。やはり金額が大きくなってくると長期投資が大事になってくるだろうね。
B・N・F 日本株だけでなく、海外株もやるっていう方法もありますね。今はやってないですけど、海外株もやっていかないといけないと思いますね。
北尾 今、アメリカのマーケットを見ているとM&A関連が結構盛り上がっているね。
B・N・F アメリカは本当にM&Aのお陰でかなり株価が引き上げてられていますね。何兆円単位でのM&Aが次々に出てきて凄いですよ。
北尾 すごいよねえ、今回のマードックさんの一件とかは。
B・N・F 先日、ブルドックの件あったじゃないですか、あれは日本株全体にとってはあまりよくないですね。
北尾 あれによって、スティール・パートナーズのようなところは買収に出てくるのは難しくなったね。
B・N・F ああいった形で買収防衛策を行うと、世界レベルでのM&Aの流れには中々追いつけない部分がありますね。ほかの国の株価はM&Aで上がっている部分がありますから。
北尾 今回のような判例が出てしまうと、グリーン・メーラーやそれに準じたような買収行為は難しくなってくるね。あのような結果になると予想はしていたけど、今回の司法の判決はきわめて日本的だったね。アメリカではあのような結果にはならない。
B・N・F 投資家から見ると、M&Aは株価が上がるので期待が持てます。日本ではそんなに何兆円とかいうレベルのM&Aはほとんどないですからね。やはりアメリカは規模が違いますね。
北尾 アメリカと比較すると、アメリカはお金が入ってくる国だからやっぱり強いね。中国を見ても中国は輸出超過型の貿易でどんどん外貨をためていって、その外貨をドルに変える。そうするとアメリカにドルが行く。そのお金はまず債券市場に行くわけだけども、その債券市場が溢れ出してくる。今サブプライムローンの問題があるけれども、こういったものが売れなくなってきます。そうなると、結果として株式市場にお金が入ってくる。この流れが大きいですね。そしてオイルダラーもありますね。産油国にたまったお金はアメリカに行く。残念ながら日本には来ないんです。
B・N・F まぁ多少回りまわってくる分があるくらいですよね。
北尾 それでも、昔なら日本にも来たんですよ。世界第二位のマーケットだった頃は。ところが今は中国やインドに行ってしまう。これは昔はなかった現象ですね。
B・N・F 日本だけ蚊帳の外ですね(笑)。先日なんか、他の国は全体的に上がってたのに、日本だけ下がっていましたしね。

2007-07-27

7年で160万から170~180億円に!

北尾 どうも、はじめまして。
B・N・F どうも。
北尾 孫さんに会われたそうですね。孫さんが僕に言っていましたよ。孫さんは自分のお金を運用してもらおうと頼んだとか。
B・N・F そうですね。
北尾 それで断ったそうですね(笑)
B・N・F まあ、そうですね(笑)。自分のお金だけでも厳しいのにそれ以上は・・・。
北尾 7年前に160万円でスタートして、現在は170億~180億円も運用している?すごいね、このパフォーマンスは!
B・N・F ええ、まあそうですけど・・・、地合が良かったというのが大きいですね。自分がトレードを始めた時というのは、ネット証券が始まったばかりだったので短期売買をやっている人自体がほとんどいなかった時代だったので。
北尾 そうだよね。ネット証券の誕生とその売買システム、例えばマーケットスピードのようにトレーディングルームにいる機関投資家と同じようなシステムを個人が持てるようになったのが、いわゆるデイトレーダーが生まれてきた一つの背景だね。
B・N・F ええ、ですから始めた当初はライバルが少なかった、ということはありますね。その頃は値動きが素直でしたね、下げ相場でしたが。
北尾 動きがわかれば「売り」から入ろうと「買い」から入ろうと、どちらでも大丈夫だからね。
B・N・F 自分の場合は「売り」からは入らないですね。
北尾 だいたい「買い」から入ってるの?
B・N・F そうですね、「売り」はほとんどやってないですね。
北尾 ああ、そう(驚)?両方やるのかと思っていました。
B・N・F 「売り」はほとんどないです。
北尾 なるほど。今は資産が大きくなりすぎてしまっているので、値動きの激しい銘柄、例えば新興銘柄は手を出さずに大企業に集中しないといけないだろうね。
B・N・F 現在新興市場は盛り上がっていないですし、逆に大型株の方が盛り上がっていますから、そういう傾向はありますね。でも2005年前半までは新興市場は良かったので・・・。
北尾 そう、ライブドアショックまでは良かったんですよ。
B・N・F ええ、ライブドアショックまではボリュームもあったので金額も結構いけたので、取引していましたね。
北尾 確かにライブドアショックが起こるまでの新興市場は、東証一部よりも儲かったと思うね。
B・N・F 自分の場合は始めた当初からずっと新興も東証一部も並行してやっているので、どっちが盛り上がっていても大丈夫ですね。
北尾 そう。ジェイコムの時はかなり話題になったけど、よく気がついたね?
B・N・F まあ、あれは・・・、すぐに気がつきましたね。
北尾 「おかしいな、これは誤発注だ」と思って、7,000株くらい買ってそれだけで22億円くらい儲けたわけですね。
B・N・F でもまあ・・・もっといけば良かったと思いましたけどね(笑)
北尾 もっといけた(笑)?なるほど・・・。では普段はどうやって銘柄は決めるの?やはりボリュームと値動きを主に見る?
B・N・F そうですね、基本的にはそうですけど・・・
北尾 ファンダメンタルズは基本的に見ない?
B・N・F いや、そんなことはないです。ファンダメンタルズと、世界情勢を見ていますね。
北尾 マクロ的なことは見ているわけだ
B・N・F かなり見ますね。米国株がどうなっているか、中国株がどうなっているか、為替がどうなっているか・・・。短期で取引しているので、短期的に影響する項目、例えば選挙とか、そういったものは気にしながらやっていますね。
北尾 つまり、セミマクロの状況、例えば半導体がどうなっているかとか、そういうことまで見ているわけだ。
B・N・F そうですね。例えば先日アメリカのインテルの決算発表があって、そういったものは短期的な株価に影響が出ますので。インテルの件で見ると、決算があまり良くなかったので日本株も連れられて売られました。米国株の先物が下がった、ということで売られたので・・・、インテルの件は次の日になればもう関係ないわけです。
北尾 なるほどね。
B・N・F そういう短期的な株価に影響しそうな目先の重要なイベントを考えながら、世界情勢がどうなっているか、を見るわけです。今はけっこう為替に敏感なので為替を注意して見ていますが、その前は中国に敏感だったので中国株をすごく気にしていました。そこまで見た上で、後は値動きですね。それらを含んだ上で買える状況であれば買う、という感じですね。
北尾 今は昔と違って世界中の情報がインターネットを通じてリアルタイムで入ってくるからね。昔はインターネットなど無くて、テレックスで情報を仕入れていた時代だから、アメリカのマーケットの影響が出るまで時間がかかった。そういう意味では反応が早いだけ難しくなったのかもしれないね。
B・N・F でも、それが個人からするとチャンスにもなるわけです。
北尾 そうだね。あなたのようにアメリカの影響がどう出るのかが読めているのであれば、インターネットの情報を元に日本の市場の動きも読みやすくなるね。アメリカの影響で一時的に下がった株を買い、次の日に戻したら売る、そんな方法が考えられるね。
B・N・F そうですが、僕の場合はもう少し長く持つこともありますね。
北尾 だいたいどの位のスパンで見るの?
B・N・F 1日~1週間くらいですね。
北尾 なるほど、デイトレードはしないんだね?
B・N・F そういうのはあまり得意ではないんです。いろんな要素を含みながらもう少し長いスパンで、まあ長いと言っても短いのですが、取引をしています。
北尾 160億円以上の資産の運用となるとかなりの流動性が必要になってくるね。
B・N・F まあ、2005年~2006年前半までは結構いけたんですが、今年に入ってから売買代金が減ってきてしまい、値動きもアメリカに影響されて朝は動くんですけど場が始まっちゃうとあまり動かないんですね。
北尾 今は何時間くらい相場を見ているの?日本のマーケットだけを見ているの?
B・N・F 取引しているのは日本株だけです。外国のマーケットで取引はしていないので情報として見るくらいですね。
北尾 夜間取引が始まったらどうする?
B・N・F いや、夜間取引が始まったら・・・、やっぱ見るんじゃないですかね(笑)。でも、出来高次第ですね。今カブドットコム証券がやっている夜間取引では出来高が全然ないので。
北尾 我々が作るPTSでは結構な出来高になるかもしれません。ただ、出来高に関しては法律で上限が決められているので、取引が増えてきたらPTSから取引所にならないといけないという状況になるかもしれないね。まあ我々のPTSは参加証券会社が多く、規模は大きくなる可能性が高いので、そういったことまで考えなくていけない。現在は5社で合意していますが、他にも入りたいという話が多く来ているのです。
B・N・F 楽天証券も入っているんですか?
北尾 ええ、ですから規模が大きくなる可能性は大いにあります。本当に規模が大きくなってきたら、やはり夜だけではなく昼も視野に入れなければいけないね。

2007-07-19

Sankei WEB

  • 急速に拡大し、消えていった村上ファンド。
    市場関係者の目には、どう映っていたのか。
  • 「テレビなどのメディアを使って株価を上げるのがうまかった。阪神電鉄がそうだが、マスコミが飛びつくような株を狙っていた」
  • 新規上場したジェイコム株をめぐる「みずほ証券」の誤発注に絡み 20 億円を稼ぎ出した男性デイトレーダーは、村上ファンドをそう見ていた。
  • さらに、「こうなってしまった以上テレビももう取り上げないだろうし、この手法はもう使えないでしょう。村上さんの今後は興味がない」と続けた。

2007-05-25

星ひとつの夜

2007 年 5 月 25 日 21 時に、フジテレビ「金曜プレステージ 山田 太一ドラマスペシャル 星ひとつの夜」が放送されました。

ドラマ「星ひとつの夜」
脚本 山田 太一
音楽 海田 庄吾
企画 中村 敏夫
プロデュース 長部 聡介
樋口 徹
中津留 誠
演出 田島 大輔
出演(役名) 渡辺 謙(野々山 廣治 (52))
玉木 宏(岩崎 大樹 (26))
国仲 涼子(宮下 奈津 (25))
井川 比佐志(内藤 彰介 (70))
赤座 美代子(内藤 文子 (67))
笹野 高史(池尾 憲一 (65))
福田 沙紀(佐伯 美紀 (18))
今村 恵子(布川 亜衣 (30))
いしだ あゆみ(岩崎 由江 (50))

ドラマ「星ひとつの夜」のあらすじ

11 年間の刑期を終え、コンサート会場の清掃員をしている野々山は、ある日の終演後、座席に忘れられたコートを見付けた。

コートのポケットには 47 万円の現金と封筒が残されており、その住所が会場の近くであることを知った野々山は、持ち主である大樹の高級マンションを訪れる。

大樹は「お礼」と言って約半分の 1 万円札を野々山に差出すが、野々山は「金が目当てだったら届けていない」と断ってマンションを後にした。

翌日、大樹は野々山の仕事場を訪れて昨夜の非礼を詫びるが、野々山は迷惑がる。

保護司の内藤夫婦に「若い人と付合った方がいい」と薦められた野々山は大樹と交流を始めるが、2 人は自分のことを詮索されたくない様子だった。

やがて、大樹から「毎日、株の取引をしている」と聞いた野々山は、その額が「90 億円」と知り絶句する。

一方、大樹は野々山が殺人犯だったことを知らされるが、野々山は「冤罪だ」と主張した……。

はじめに

世代も、たどってきた人生も、そして現在の生活もまったく違う二人の男。
しかし彼らには、“他人との接触を避け、固く心を閉ざしている”という共通点があった。
そんな、人間関係に臆病な二人がふとしたきっかけで出会い、お互いに興味を持ちはじめていく…。

このドラマは、家族、友人、恋人、などの人間関係がどこか希薄になっている現代に人と人が関わるということはどういうことなのか、他人を理解し、受け入れるということはどういうことなのか、という今を生きる我々誰にとっても切実なテーマを描いた作品です。

脚本の山田太一は、「岸辺のアルバム」(1977年TBS系)、「早春スケッチブック」(1983年フジテレビ系)、「ふぞろいの林檎たち」シリーズ(1983年~TBS系)をはじめ、数多くの心に残る脚本を書き下ろしている、日本を代表する名脚本家。
今回のドラマは、企画の段階で渡辺謙に熱いラブコールを送って実現しました。

主演の渡辺謙は、3年ぶりのドラマ出演。
1987年NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」で人気を確立。
2003年12月にトム・クルーズと競演する「ラストサムライ」が公開され、ハリウッド映画進出を果たしました。
そしてこの作品が、2004年第76回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、海外でも実力が認められ一躍注目されました。
その後2006年、映画「明日の記憶」ではエグゼクティブプロデューサーとしても参加、第30回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞ほか、多くの賞を受賞。
また、クリント・イーストウッド監督による全編日本語のハリウッド作品「硫黄島からの手紙」でも熱演。
2007年第79回アカデミー賞作品賞にノミネートされました。

ほかには、フジテレビ系「のだめカンタービレ」の千秋役で今や人気、実力共に若手ナンバーワンの玉木宏。
NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」をはじめとして活躍中の国仲涼子、また、「武士の一分」で第30回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した笹野高史や日本を代表する名女優のひとり、いしだあゆみなど、豪華キャストが出演します。

ものがたり

あるコンサートホール。
コンサート終了後の客席を数名の清掃員たちが黙々と清掃している。
野々山廣治(渡辺謙)は担当エリアのひとつの椅子を清掃中、男物のコートの忘れ物を発見。
忘れ主の手がかりを求めて探ったポケットの中にダイレクトメールとむき出しのまま突っ込まれた50万もの大金を見つけた。
とその時、同僚の池尾憲一(笹野高史)が背後から声をかけてきた。
もちろんこのまま自分の懐に入れるつもりなど毛頭なかったが、一瞬ドキリとする廣治。
そして仕事を終えた廣治は、この大金を持ち主に返すため、ダイレクトメールの住所へと向かった。

コートの持ち主は、岩崎大樹(玉木宏)。
豪華なマンションに住む大金の落とし主は廣治が想像していたよりはるかに若い青年だった。
そして、コートを届けた廣治に、お礼だと約半分、つまり20万円以上の札束をこともなげに差し出してきた。
そんなことは全く予想していなかった廣治は、金持ちの息子かなにか知らないがバカにするなと礼金を拒否し、その場を立ち去った。

翌日、大樹が廣治を訪ねてコンサートホールにやってきた。
昨晩の失礼を詫び、そしてお礼の金をいらないと断った廣治に対して“オーラのようなものを感じる”と切り出す大樹。
廣治は戸惑いを感じながらも、大樹を振り切った。
数日後、廣治は内藤彰介(井川比佐志)の元を訪れた。
実は廣治は3ケ月前に刑務所から仮出所したばかりで、内藤は廣治の保護司を務めていた。
他人との関わりを避け、孤独に生きる廣治がこの年で清掃員として働く自分に興味を持つ大樹の話をすると、内藤も妻・文子(赤座美代子)も若い人とはつきあった方がいいと言うのだった。
そして、廣治はもう一度大樹のマンションを訪ねた。
今度は部屋に招き入れられ、少しの酒もご馳走になった。
自分は決して金持ちではないという大樹だが、その部屋は、一人暮らしにしては広すぎる、全く生活感のない部屋で二人はぎこちない会話を交わし始める。
廣治と大樹。
二人の間には、相手のことは気にかかるが自分のことは詮索されたくないという空気が漂っていた…。

大樹と知り合ってから、自分の心に微妙な変化を感じ始めていた廣治の前に、今度は大樹の恋人だという女性・宮下奈津(国仲涼子)が現れた。
奈津は、大樹からのお礼の金(今度は1割分だけ)を廣治に渡しにきた。
そして、自分は未だに大樹のマンションに入れてもらえないことの理由を問いただしたところ、部屋は海外に行った知り合いの留守番を頼まれているので、女は連れ込めないと言われたことを話した。
それからしばらくして、再び大樹の部屋を訪れた廣治は、奈津に嘘をついていることを指摘。

大樹に、どこか普通でないものを察した廣治は、何か自分に助けを求めているのではないかと切り出した。
すると大樹は、意を決したように隣室にある仕事部屋へと廣治を案内した。
そこには数台のモニターと端末が。
大樹は、デイ・トレーダーとして毎日モニターを睨み、数十億もの金を動かしていたのだ…。
自分の金に群がる人間への嫌悪と恐怖から自分をさらけ出すことを恐れ、人との交流を避けている日々。
それが大樹の素性だった。
自らの秘密を廣治に打ち明け、次第に心を開いていく大樹。
しかし廣治には大樹に知られたくない秘密があった…。

登場人物

  • 野々山 廣治 (52):渡辺 謙
    • 11 年間の刑務所暮らしを終え、出所。
    • 他人との関わり合いをさけて暮らしている孤独なコンサートホールの清掃員。
    • ある日、清掃中に 50 万円近い大金の入ったコートを拾い、その持ち主である大樹と知り合ってから心に微妙な変化が起こる……。
  • 岩崎 大樹 (26):玉木 宏
    • 自宅で、デイ・トレーダーとして株を売買し何十億もの大金を毎日動かしている。
    • その金額が多額であるがゆえに、他人のみならず、恋人や家族にも心を許すことができない。
    • ある日、コンサートホールにコートを忘れ、廣治と知り合ってから大樹の心にも変化が……。
  • 宮下 奈津 (25):国仲 涼子
    • 大樹の恋人。
    • しかし、秘密の多い大樹に対して魅かれながらも信じきることができずにいる。
    • そんな時、大樹が知り合った廣治の存在を通して 2 人の関係も次第に変化していく……。
  • 内藤 彰介 (70):井川 比佐志
    • 廣治の保護司。
    • 唯一、廣治が心を開いている人間。
    • 真面目に働く廣治を温かく見守っている。
  • 内藤 文子 (67):赤座 美代子
    • 彰介の妻。
    • あまりによくしゃべるのが、玉に瑕。
  • 池尾 憲一 (65):笹野 高史
    • 廣治と共にコンサートホールで働く清掃員。
    • 廣治の元に若い男女が訪ねてくることを面白くないと思っている。
  • 佐伯 美紀 (18):福田 沙紀
    • ドラマの終盤に登場するキーパーソン。

ジェイコム男 B・N・F さんとドラマ「星ひとつの夜」

玉木 宏さんが演じる岩崎 大樹は、B・N・F さんをモデルにしたことは明白です。

大樹が株を取引する様子は B・N・F さんそのものだし、性格や喋り方も雑誌やテレビに出演したときの B・N・F さんそっくりでした。

山田 太一さんは、B・N・F さんの記事か番組を見て構想を練ったのでしょう。

ドラマ 2007年 06月号 には、「星ひとつの夜」の台本が全文掲載されており、「三台の端末に五台のモニター」などのト書きがあります。

「星ひとつの夜」は気になるところで終わりましたが、視聴率も同時間帯 1 位だったので、続編に期待しています。

2007 年 5 月 25 日夜の各番組の視聴率
NHK 総合 日本テレビ TBS フジテレビ テレビ朝日 テレビ東京
ニュースウオッチ 9
9.8 %
金曜
ロードショー
「紅の豚」
15.0 %
中居 正広の
金曜日の
スマたちへ
14.8 %
金曜
プレステージ
「星ひとつの夜」
18.4 %
生徒諸君!
6.8 %
世界卓球 2007
5.0 %
プレミアム 10
「フランス料理
世界一決定戦」
5.8 %
特急田中 3 号
8.5 %
報道ステーション
13.6 %
たけしの
誰でもピカソ
5.2 %

2007-04-30

日本テレビ「20年大河バラエティ!」

▼BNF氏のトレード環境について

  1. BNF氏は、いつもどおり楽天証券マーケットスピードを使っている。液晶モニターに「黒をバックに赤や黄色の文字」が映し出されているが、これがマーケットスピードの画面。
  2. 液晶ディスプレイは全部で5台。机の上にまず3台置いている。また、机の上にスチールシェルフ(スチールラック)を置き、その上にディスプレイを2台置いている。基本的には全てのモニターにマーケットスピードを映している模様。
  3. 正面に置いてあるモニターは、三菱製の19インチ型液晶ディスプレイMitsubishi Display Monitors | RDT197V(BK)である。他の液晶4台もおそらく19インチ型。
  4. 左側に机を置き、その机の上にノートパソコンを1台置いている。ノートパソコンの画面にもマーケットスピードを映している。
  5. 取引時間中、外国市場の動きも観察している。リアルタイム世界の株価指数と為替というウェブサイトを見て、韓国株、シンガポール株、中国株などの値動きを観察している。中でも中国株が一番重要と述べていた(当時は中国市場の値動きが日本市場に大きな影響を与えていた)。
  6. キーボードは5台。マウスはおそらく4個。
  7. パソコン本体は机の下に置いている。
  8. 机の上に電波時計を置いている。電波時計のメーカーはSEIKO。
  9. 取材当日BNF氏がマケスピで観察していた銘柄・・・楽天、新日鉄、住友金属工業、神戸製鋼所、日立、富士通
  10. 取材当日、NTTドコモ歩み値(あゆみね)を観察していた模様。

▼その他、この番組を見て、BNF氏について判ったこと

  1. BNF氏は番組内で、ジェイコム株大量誤発注事件の際、「ジェイコム株の取引でわずか16分の間に20億円儲けたジェイコム男」と紹介されている。
  2. 2007年4月時点での資産は165億円
  3. 注文は基本的に指値。
  4. 取材当日、200件の売買が成立
  5. 取材当日、100億円ぐらい売買して約3000万円の利益
  6. 楽天証券の手数料体系は「ワンショットコース」を選択している。
  7. 取材当日の昼食はカップうどん。ブランドは日清食品の「どん兵衛きつねうどん」。
  8. トレーディングルームは、都内某高級住宅街のマンションにある。
  9. マンションには20畳分のリビングあり。マンションの窓からは東京タワーやレインボーブリッジが一望できる。

▼BNFさん語録

B・N・F氏:(リアルタイム世界の株価指数と為替を見ながら、)日本の場中(取引時間中)でも韓国の株価がとかシンガポールの株価とか、あ、中国株いちばん見ていかなきゃいけないんで。

~~~場面転換、昼食風景へ~~~

B・N・F氏:(どんべいを食べながら、)昼飯は早く簡単に食べられるのがいいんですよね。あんまりお腹いっぱいになり過ぎるのも好きじゃないんで。株取引に集中できなくなっちゃうとイヤなんで。

~~~場面転換~~~

B・N・F氏:今日は100億円くらい売買して3000万円くらいの利益です。

記者:儲けは何に遣いますか?

B・N・F氏:お金はほとんど、家買ったくらいで他には使ってないです。お金使って何か欲しいとかそういうものは余りないんで。

記者:株をしていないときの過ごし方は?

B・N・F氏:まあ、ひきこもってることが多いんで、ネットやったり、うーん、テレビ見たりマンガ見たりとか。

2007-04-16

日経ビジネス

  • 最近はネットトレードで巨額の資金を蓄え、単独で市場に影響を与えられるような資産規模になった「巨大な個人」まで出てきた。
  • 代表格は 2005 年末、東証マザーズに上場した人材サービスのジェイコムの株を巡り、みずほ証券の誤発注に絡んで約 20 億円を儲けた小川拓也(仮名、ハンドルネーム BNF)だろう。
    2000 年秋にわずか 160 万円を持って本格的にネットトレードを始めたという小川は、ジェイコム事件の 2005 年に運用資産を一気に 100 億円に増やし、今はさらに 165 億円に積み上げているという。
  • 規模が大きくなった分、昨年からは東証 1 部の大型株を中心に売買するようになったが、口にするのは「上昇力のある強い銘柄が少なくなった」こと。
    だから、市場全体の強弱に目を向ける。
    例えば、米ニューヨークダウとナスダック市場の株価が上昇し、日経平均先物も上がれば、その日、日本の株式市場も強くなると予想する。
  • 「米国を中心にした外国人の資金が日本株に入りやすくなる」(小川)から、主力銘柄の中でも特に強いと思うものに買いの手を入れる。
    そこで鉄鋼株を検討する場合は、米国の US スチール株の動きも見る。
    そして上昇していれば、日本の鉄鋼株を買う確信を強める、といった方法で入るのだという。
  • 「全体の流れに乗る」売買法だが、ネットトレーダーの中からは「あそこまで大きくなると存在そのものが、株価を動かすことにもなるのでは」という声も漏れる。
  • 昨年 4 月 12 日にヘラクレスに上場した精密部品メーカー、クラスターテクノロジー。
    上場直後に株価が下落したところで小川は買いを入れ、翌日に再び上昇したところで売りを出したのだが、実はこの買いが大きすぎた。
    発行済み株式数の 5 % を超える株式を保有した格好になり、財務局に届け出が必要になってしまったのだ。
  • 小川には意図はなかったが、ちょうど小川の売りと同時に株価が下げたため、個人投資家の一部から「大量の売買が株価に影響を与えたのでは」といぶかるような視線を送られる結果となってしまった。
  • 東証 1 部の大型株ではこんなこともなさそうに見えるが、そうとも言い切れない。
    例えば小川も最近、しばしば売買する三菱重工業。
    3 月 1 日~ 4 月 5 日の 25 日間の平均出来高を元に小川の「力」を測るとそれがよくわかる。
  • 小川が、その総資産 165 億円をかけて、仮に 4 月 5 日の終値で買うとすると、平均出来高(6874 万株)の 31.7 % にも相当する。
    実際に小川がそんなことをするわけではないし、本当に買い進めれば株価が上がるから、31 % は無理な相談だが、それだけの力を持っているのは間違いない。
  • 小川ほどの規模ではないが、最近は 1 人で 10 億~ 20 億円もの運用資産を持つまでに大きくなった個人投資家も珍しくはなくなった。
    個人が市場と企業に及ぼす影響の大きさは、もはや無視できないものになりつつある。

2007-04-09

WEEKLY プレイボーイ

  • 長塚 智広 ども。
    競輪選手の長塚です。
    B・N・F 初めまして。
    以前、テレビで見たことがあるんですよ。
    自転車を漕ぎながら携帯でトレードしてるとこ。
    おもしろい人だなーって。
    長塚 ああ、あれはテレビの演出も入ってますから(笑)。
    それにしても 160 億円ってすごいですよね。
    まったく想像がつきません。
    B・N・F 自分でもよくわからないです。
    現金は配当でもらった 1 千万円が最高で、それ以上は見たことないですから。
    長塚 持ってても、置き場に困りますよね。
    B・N・F 邪魔ですね(笑)。
    あえて見ないようにしているってのもあるかな。
    現金を見ちゃうと実感が湧いてしまうじゃないですか。
    1 億円の実感を知ってしまうと、1 億円損した時にショックがでかくなってしまうんで。
    そうなると、どんどん臆病になってリスクが取れなくなるでしょ?
    長塚 わかります、それ。
    B・N・F だから、トレードの手法云々より、そういうメンタルな部分が実はけっこう重要なんですよ。
    ボクが株を始めたのは学生時代ですけど、年齢的に若かったってのもあるし、損したら就職すればいいや、くらいの軽い気持ちで始めた。
    これで食っていこうなんて思ったわけじゃなくて、とりあえずやってみようかな、と。
    だからリスクも取れたし、ただ楽しいだけだった。
    20 代で 1 億円くらい稼いだ人はいっぱいいると思うけど、それは精神的に楽だってのが大きいんじゃないかな。
    長塚 確か 160 万円の元手で始めたんですよね。
    楽しんでこれだけ増やせるんだからすごいですよ。
    B・N・F 2001 年頃はまだ株をやる人が少なくて、ライバルが全然いない状態だったんです。
    儲けるのが簡単だった。
    時期が良かったんですよ、新興市場がとにかく強くて。
    だから、その後、専業の投資家が増えたんですけどね。
    でも、楽しかったのは 1 億円くらいまでですかね。
    年齢的なものもあると思うんだけど、金額が大きくなるにつれて損する額も増えるわけだから。
    やっぱりキツイですよ。
    長塚 十分稼いだんだから、やめて他のことをすればいいのにって言う人もいるんじゃないですか。
    B・N・F 親なんかはずっと言ってますよ、2 億~ 3 億円くらいの時から。
    でも中毒みたいになってるようなところもあるし、儲けられるうちはやめられないんじゃないかな。
    例えば 1 億円儲けるチャンスがあるのにやらなかったら、1 億円損したことと同じになっちゃうでしょ?
    そういう思いを味わいたくないからやってる部分が大きい。
    長塚 1 億円くらいの損なら大したことじゃないんじゃないですか。
    B・N・F 1 億は 1 億ですからね。
    でもまあ、1 千万や 2 千万くらいの勝ち負けだと全然アドレナリンが出なくなったのは確かで、10 万、20 万の儲けで喜んでいた昔には戻れなくなってる。
    長塚 慣れちゃうんですね。
    B・N・F そう。
    少しずつエスカレートしていく。
    どんどん慣れていくから、感覚的にはあんまり変わらないんですよ。
    いきなり 80 億円を手にしたらうれしいけど、160 億円が 80 億円になったら「160 億あったのに」って思いながら生きていくわけで、あんまり幸せな気持ちになれない。
  • 長塚 そんな贅沢な悩みを抱えてみたい週プレの若い読者に、株に関してのアドバイスをしてほしいんですが。
    B・N・F そういうの、あんまり意味ないと思うんですよ。
    ボクはスイングトレードがメインですけど、短期で勝っている人もいれば、長期で勝つ人もいる。
    どれが正解ってのはないし、要するに自分に向いているやり方を見つけないと意味がないでしょ?
    長塚 ボクらスポーツ選手が、自分に合ったフォームを見つけないと意味がないってのと同じですか。
    B・N・F そう。
    イチローが「ボクのフォームはこうです」ってアドバイスしても役に立たないじゃないですか。
    あえて言うなら、先ほども触れたようにメンタルな部分ですよね。
    精神的に楽な状態でいかにリスクを取れるか。
    30 代で妻子がいて、月 30 万円稼がなきゃ……なんてプレッシャーの中でやってると、そのノルマを達成するために月末に無理な売買をしたりして結局負ける。
    市場は自分の都合では動かないですから。
    できるだけそういう都合を持ち込まず、フリーな状態でやるのが実はすごく大切なことだと思いますね。
    長塚 なるほど、そのとおりだと思います。
    今日はどうもありがとうございました。

2007-03-27

ウィリアム オニールのCAN SLIM

C=Current Quarterly Earnings
当期4半期の1株当たり利益

A=Annual Earnings Increases
年間の収益増加

N=New Products,New Management,New Highs
新製品、新経営陣、新高値

S=Supply and Demand
株式の需要と供給

L=Leader or Laggard
主導銘柄か、停滞銘柄か

I=Institutional Sponsorship
機関投資家による保有

M=Market Direction
株式市場の動向

2007-03-17

産経新聞

ジェイコム男 B・N・F さんの名言集からの転載です。150万円の元手を150億円に増やしたので、邱永漢先生の仰る「100億円稼いだ人の話でなければ聞くに値しません」の条件も満たします。

  • 「株式市場は先を予想して動いていくもの。
    LD は市場では過去のもので、判決による影響はまったくないと思う」。
    そう言うのは、新規上場したジェイコム株をめぐる誤発注に絡んで約 20 億円を稼ぎ出した男性 (29) だ。
  • 有罪判決も既に織り込み済み。
    「無罪という”サプライズ”のほうが、逆に新興市場には影響があったかもしれない」と分析し、自身の投資行動にも「まったく影響しない」と語った。

2007-03-09

産経新聞

  • 東京都港区の超高層マンション。
    その最上階の一室の窓からは、まばゆいばかりの夜景が眼下に広がっている。
    幻想的な夜景をながめていると、まるで日本中の富を独り占めしているかのような錯覚に捕らわれる。
  • 「ライブドア (LD) 株でいくらもうけたかって。
    計算できませんね。
    あまりに短期の売買を繰り返し過ぎて」
  • 部屋の主は資産 160 億円を誇る 29 歳の男性デイトレーダー。
    新規上場したジェイコム株をめぐる「みずほ証券」の誤発注にからんで約 20 億円を稼ぎ出し、ネット社会では羨望とねたみを込めて「ジェイコム男」と呼ばれる。
  • 「LD は株価を上げる話題作りがうまく、値動きが激しいのでもうけやすかった。
    僕の目からはそれ以上でも、それ以下でもないです」
  • 計 4 回の株式分割、プロ野球球団やニッポン放送の買収劇。
    LD 元社長、堀江貴文 (34) は公判で「LD 株を購入し、興味を持ってもらうことで会社の業績を上げるため」と“騒動”の理由を語った。
  • だが、ジェイコム男の視点に堀江の思惑が入り込む余地はなかった。
  • 「愛着を持ったら売り時に手放せない。
    判断材料は『もうけが出るか』。
    堀江にも LD にもそれ以上の感情はありません」

2007-02-28

テレビ朝日「報道ステーション」

B・N・F氏:大体こんな感じで今日は下がってるんで、もう今日は取り戻せないですね。まあ、この証券会社(楽天証券)に預けているのが75億で、この証券会社の分で損した分が1億ってことですね。

記者:今日一日でですか?

B・N・F氏:1億円損したところですね。

記者:別の証券会社でも?

B・N・F氏:他の証券会社でも1億くらい損しているので合計2億円くらい今日は損しました。今日はけっこう特別な感じですね。だから2億ですんでよかったって感じですね、自分の中では。下手すると、ほんともう2、3億損しておかしくなかったんで。

2007-02-03

「親より稼ぐネオニート ~『脱・雇用』時代の若者たち~」今 一生

  • やめられないんです。
    中毒なんですよ。
    これまでに 100 回以上、やめたいと考えましたよ。
    でも、買えば儲けられる株だったと後で知ると、損した気分になるんです。
    いくら儲かっても嬉しさに慣れてしまってますから、むしろちょっと損するほうがショックで、すぐにでも取り返したくなる。
    だから 1 日が長いんです。
    長くて、本当につらいんです。
    でも、大損するまでやめられないんでしょうね。
    相場が悪いときは毎日『就職しよう』と思ってましたし、25 歳をめどにやめようと思ってたんですが、2003 年 5 月から日経平均が上がってるんで、そのままやり続けて今に至るって感じ。
  • 今一番の望み?
    普通の生活がしたいですね。
    株をやってなかった大学生時代のような。
    就職しないままずっと実家でパラサイト生活ですし、『株ニート』と批判されても、市場経済の社会ですから仕方がないです。
    でも、今は相場がいいんで、『もう儲からない』と思うまでは、やるんでしょうね。
  • 株の儲けで買ったもの?。
    この家、新車のマジェスタ、パソコン 3 台……。。
    お金を使うのは好きじゃないし、使い方もよくわからないんです。
    今は株のことで土日も頭がいっぱいで落ち着かなくて、誰かと付き合っても集中できないから、外出も近所を 5 分ほど散歩する程度。
    旅行もしないですね。

2007-02-02

東京スポーツ

  • 実際にイベントがあるまでは、その株が下落するリスクは低いんですよ。
    持っていて安心感があります。
  • (機会受注や GDP など株式相場に大きな影響を与える数字について)2 ちゃんねるに圧倒的に早く書込まれます。
    もちろんタダです。
  • (日経平均)先物の数字を見ておけば、日経平均株価がどうなるかある程度の予測がつく。
    上がりそうなら、その流れに合わせて銀行、造船、鉄鋼などの大型株を購入する。
  • 目標を立てない。
  • 相場は自己の都合で動かない。
    相場に自分の都合を持ち込まない。
  • ひたすら株に打ち込んできたのが良かった。
  • 本物の 1 億円は見たことがありません。
    現金を見てしまうと臆病になって、投資に悪影響がありそうですから。
  • ダビスタのオタクだったので馬の血統が好きですね。
    (160 億円の資産で)投資事業や M & A、会社乗っ取りをすることはないですが、馬主になる可能性はあると思います。
  • お金を使うことに全く関心がない。
  • 必勝法その 1 は”イベント前の売り”だ。
    任天堂の Wii が発売されることが決まれば、事前に仕込んでおいて発売数日前に売却する。
    利上げ観測のニュースが出れば、銀行株をすばやく売買。
    買った株を、数日から 1 ~ 2 週間で売却するスイングトレードがメーンだ。
    「実際にイベントがあるまでは、その株が下落するリスクは低いんですよ。持っていて安心感があります」というのがその理由だ。
  • その 2 は”情報は無料で入手せよ”。
    情報源はネット証券が無料で配信するニュースと、日本最大のインターネット掲示板「2 ちゃんねる」のみだ。
    特に、機会受注や GDP など株式相場に大きな影響を与える数字について「2 ちゃんねるに圧倒的に早く書込まれます。もちろんタダです」。
  • その 3 は日経平均先物のチェック。
    これは、日経平均株価と連動しており「先物の数字を見ておけば、日経平均株価がどうなるかある程度の予測がつく。上がりそうなら、その流れに合わせて銀行、造船、鉄鋼などの大型株を購入する」。
  • 最後のその 4 は「目標を立てない」。
    例えば今月の目標を 30 万円プラスと設定し、28 日時点で 15 万円しか儲けていない場合、無理な取引をしてそれが大損につながることがある。
    「相場は自己の都合で動かない。相場に自分の都合を持ち込まない」。

2007-01-15

日経金融新聞

  • ライブドア (LD) ショックからまもなく一年を迎える。 とうに過去の出来事になったかのようだが、市場の景色は様変わりし傷跡の深さをうかがわせる。
  • 個人の売買意欲のバロメーターでもあるソフトバンク。 昨年十二月の累計売買代金は八千億円台に落ち込んだ。 昨年一月の約四分の一の水準だ。 株式市場全体に占める個人の売買代金シェアも急激に縮小した。 信用買い残、売買回転率。 どの指標をみても熱狂相場を演じたかつての個人の面影はない。 だが……。
  • 昨年暮れ、空前の大商いで相場を引っ張った新日本製鉄株。 「鉄の舞い」の陰にひとりの個人が躍っていた。 みずほ証券のジェイコム株誤発注で二十億円を稼いだ B・N・F さん (28) だ。 買い注文は三百万株(二十億円)に達するときもあった。 インパクトはヘッジファンド級だ。 B・N・F さんの昨年の利益は約五十億円。 運用資産は百五十億円を超えた。 高層マンションの一室にディーリングルームを構え、大型株を中心に売買している。 住友金属工業、神戸製鋼所など鉄鋼株の取引が多いという。
  • 元野村投資顧問ファンドマネジャーの伊藤 道臣さん(47) は昨年運用資産を二倍に増やした。 通信会社に勤務しながら人気 WEB サイトを手掛ける夕凪さん (39) は四〇 % のリターンを得た。 ちなみに追加型日本株投信約六百五十本の昨年の運用成績は平均でマイナス二 %。 運用のプロが苦戦を強いられる中で「すご腕」ぶりを見せつけた。
  • 株名人の共通点は研究熱心なこと。 盛 学志さん (32) の狙いは低 PBR 銘柄だが、手あかのついていない「薄商い」も条件にさらにふるいをかける。 B・N・F さんも深夜ニ時まで米国株をチェックする。 「わいてでてきたような個人は(ライブドアの)いかがわしい話にだまされ深傷を負った。 相場をきちんと勉強した個人が相場とつきあえる」(木村 喜由・日本個人投資家協会理事)。

2007-01-11

Dennis Gartman’s Not-So-Simple Rules of Trading

ここがオリジナル

1. Never, Ever, Ever, Under Any Circumstance, Add To A Losing Position… not ever, not never! Adding to losing positions is trading’s carcinogen; It is trading’s driving-while intoxicated. It will lead to ruin. Count on it.
2. Trade Like A Wizened Mercenary Soldier: We must fight on the winning side, not on the side we may believe to be correct economically.
3. Mental Capital Trumps Real Capital: Capital comes in two types: mental and real, and the former is far more valuable than the latter. Holding losing positions costs measurable real capital, but it costs immeasurable mental capital.
4. This Is Not A Business of Buying Low and Selling High: It is, however, a business of buying high and selling higher. Strength tends to beget strength, and weakness, weakness.
5. In Bull Markets One Can Only Be Long or Neutral, and in a bear markets, once can only be short or neutral. This may seem self-evident; few understand it however, and fewer still embrace it.
6. “Markets Can Remain Illogical Far Longer Than You Or I Can Remain Solvent.” These are Keynes’ words and illogic does often reign, despite what the academics would have us believe.
7. Buy Markets That Show The Greatest Strength; Sell Markets That Show The Greatest Weakness: Metaphorically, when bearish we need to throw rocks into the wettest paper sacks, for they break most easily. When bullish we need to said the strongest winds, for they carry the farthest.
8. Think Like A Fundamentalist; Trade Like A Simple Technician: The fundamentals may drive a market and we need to understand them, but if the chart is not bullish, why be bullish? Be bullish when the technical and fundamentals, as you understand, them run in tandem.
9. Trading Runs in Cycles; Some Good; Most Bad: Trade large and aggressively when trading well; trade small and ever smaller when trading poorly. In “good times,” even errors turn to profits; in “bad times,” the most well research trade will go awry. This is the mature of trading; accept it and move on.
10. Keep your Technical Systems Simple: Complicated systems breed confusion; simplicity breeds elegance. The great traders we’ve know have the simplest methods of trading. There is a correlation here!
11. In Trading/Investing, An Understanding of Mass Psychology is Often More Important Than An Understanding of Economics: Simply put, “When they are cryin’ you should be buyin’! and when they are yellin’, you should be sellin’!
12. Bear Market Corrections Are More Violent and Far Swifter Than Bull Market Corrections: Why they are is still a mystery to us, but they are; we accept it as fact and move on.
13. There Is Never Just One Cockroach: The lesson of bad news on most stocks is that more shall follow… usually hard upon and always with detrimental effect upon price, until such time as panic prevails and the weakest hands finally exit their positions
14. Be Patient With Winning Trades; Be Enormously Impatient with Losing Trades: The older we get, the more small losses we take each year… and our profits grow accordingly
15. Do More Of That Which Is Working and Less Of That Which Is Not: The works in life as well as trading. Do the tings that have been proven of merit. Add to winning traders; Cut back, or eliminate losing ones. If there is a “secret” to trading (and of life), this is it.
16. All Rules Are Meant To Be Broken… but only very, very infrequently. Genius comes in knowing how truly infrequently one can do so and still prosper.

2007-01-01

日刊スポーツ

  • 1 億円いくまでは楽しかったんですが、その後はずっと精神的にキツイです。
    今は 1 日だけで 3 億円もうかかったり 3 億円損したりしますが、1 億円以上損した日は何もする気がしなくなります。
    そういうのを毎日耐えていくのは「楽しい」よりも圧倒的に「キツい」。
    95 対 5 くらいで「キツい」方が大きい。
    取引後、もうかれば散歩したり、テレビを見たりしますけど、損した日は家に引きこもっているしかないですから。
  • 株をやめても、もっとつらいんです。
    例えばテレビで「日経平均が 300 円上昇」と見ると「1 億円もうけるチャンスをなくした」と思ってしまう。
    それは 1 億円損したのと全く同じ気分なんです。
    そうした気分を味わいたくないから、毎日続けているというだけ。
    結局やってもやらなくてもキツい。
    完全に中毒です(笑い)。
  • 日経平均先物の動きなどを見ながら、流れに合わせて「これは買いだな」と思った大型株を売買していくだけ。
    別に複雑なことはしていません。
  • (神と呼ばれるのは)嫌なんですよね。
    自分はうまいと思っていないし、自信もないですし、普通に売買してるだけなんで。
    ただ、内向的な性格が向いていたと思うんですよ。
    内向的な方が、株に没入できるんで。
    あと「損したら就職すればいいや」くらいの軽い気持ちでやっていたのも大きかった。
    毎日ピコピコやるのを繰り返して、数字が増えていった感じで。
  • 今着ている服も 3000 円くらいだし、旅行も好きじゃなく、パスポートも持ってません。
    昼食もカップラーメンなどインスタント系。
    趣味……ないですね。
    お金を使うことにあまり興味がないので。
  • 目標はつくらないんです。
    目標を決めると、無理してしまい、結局、損しちゃうので。
    今後、社長をやったり起業することも、それらとは真逆な内向きの性格なので、絶対にありません。