2008-12-28

砂上の楼閣

ドバイにおける金融危機の波紋 - dxb-Arch-LIFE : ドバイ-建築-生活 - Yahoo!ブログ
時事問題として、やはり世界金融危機のドバイへの波紋をお伝えしておくべきでしょう。

「ドバイバブル崩壊」「やはり砂上の楼閣」
等々日本のマスコミがこぞって騒ぎ立てているようですが、実際建設業界はかなりの打撃を受けています。
資金を調達できないデヴェロッパーが次々とプロジェクトを中止あるいは凍結。
この新聞の記事では、建設会社がデヴェロッパーが資金調達の目途が立つまで、
建設のスピードを遅らせるというようなことが書かれています。

しかし最も被害を被ったと思われるのは海外の投資家たち。
彼らが投資金を引き上げ始め、銀行も資金を貸し渋り、ドバイは今キャッシュがないと言われています。

そしてこれも誰もが噂していることですが、アブダビの援助無しではこの危機は乗り越えられないでしょう。
未だ潤沢なオイルマネーを期待できるアブダビ、UAEの広告塔として頑張ってきたドバイを見捨てることはまず考えられません。
アブダビが助けに入ることはほぼ間違いないですが、しかしそこには政治的な駆け引きが蠢いているようです。
この12月の前半、UAEは異例の長期祝日を発表した訳ですが、これには市場を凍結しその間対応策を練るという政治的配慮もあったようです。まだ政府サイドから具体的な指針は発表されていません。

一方、これで狂気的なまでに過熱したドバイの不動産市場がまともな方向に軌道修正されるという意見も少なくありません。建設業界もこのスローダウンを機に、資材調達難、労働力不足問題から解放されるという見方もあります。

いずれにせよ2009年がドバイにとって試練の年になることは間違いないでしょう。
ドバイだけではないです。
今日のビジネス欄には日本経済後退についての記事が大きく取り上げれれていました。
この相対的に円高の状況は、海外市場を重んじてきたメーカーにとっては大打撃。
日本もドバイを揶揄している場合ではないです。

2008-12-26

公的資金「売り転換」?! 世界最大投資家、“実像”に迫る

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)  川瀬隆弘理事長に聞く
相場急落下で主力株にまとまった買いが入ると、決まって使われる安直な相場解説が「公的資金の買い出動」。中には、いまだに「政府の意を受けたPKO(プライス・キーピング・オペレーション=株価維持策)」といった、“陰謀史観”の抜け切れない向きも。もちろん、10、11月にそれぞれ1兆円以上買い越した信託銀行の動向を踏まえれば、公的資金の買いは容易に想像が付くが、その“実像”は意外に知られていない。公的年金の運用メカニズムなどについて、資産総額100兆円を優に超す「世界最大の機関投資家」、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の川瀬隆弘理事長に話を聞いた。

公的年金の運用資産構成ウエートと「基本ポートフォリオ」
 9月末資産額構成比11月末推計
構成比
「基本ポート
フォリオ」
国内債券87553673.0177.967
(うち、市場運用)60564150.51
(うち財投債)26989422.51
国内株式12560210.478.511
外国債券984288.217.68
外国株式995888.369
短期資金13005
合計1199167100100100
(単位:億円、%、「11月末」は大和総研推計)    

 3月末までどう動く…


――GPIFの運用スタンスは?

「今年度末に、『基本ポートフォリオ』に沿った運用資産構成の実現を目指す(上の表参照)。相場変動によってウエートの下がった資産に新規資金を投入し、配分を見直している」

――日本株の構成比は9月末の「10・47%」から、11月末で「8・5%」に低下したとの試算(大和総研)もある。来年3月末までに、基本ポートフォリオの「11%」まで高めるのか。

「制度上、上下6%の許容幅が認められており、無理にキチッと合わせることはしないが、基本的には目標に近い線での着地を目指している」

 買い付けは通常月2回


――新規資金の額はどのくらいで、いつ配分されているのか。

「そもそも公的年金は、保険料として入ってくる額から給付額を差し引けば支払超過だ。新規資金がどこからもたらされるのかといえば、2000年の自主運用開始前の『財政融資資金への預託金』が毎年償還を迎えている。これが社会保険庁を通じて、おおむね月2回、月初と月半ばに配分されてくる。GPIFに今年度入る資金は、大体年間10兆円強といったところだ」

――買い付けタイミングはどうなっているのか。

「新規資金配分のたびに、ほどなく買い付けている。新聞などでよく『公的資金の買い』といった観測報道を目にするが、『昨日は買っていないのに…』と思うこともしばしばだ。ちなみに、最近あまり『PKO』などと言われなくなったが、運用に際して政治のプレッシャーを受けたことは全くない」

――公的資金は、株式市場で「安定的な下値買い主体」として、その動向が注目されているが…。

「その点で、大きな誤解がある。財政融資資金からの償還は今年度で終了し、新規資金配分はなくなる。年金特別財政のマイナス分はGPIFの積立金を取り崩して対応しなければならない。そのための『積立金』なのだから。株式市場にとって、来年度から公的年金は『売り主体』となる」

――5年ごとに見直す「基本ポートフォリオ」構築の前提として、「厚生労働省が予想利回り(現行3・2%)引き上げで調整」などと報じられている。結果的に、株式ウエート上昇につながるのではないか。

「単に『予想利回り引き上げ』と言っても、各種経済前提や、その時点での債券利回り、年金財政などをどう見込んでいるかによって異なり、一概に株式構成比上昇につながるとは言えない」

――自由民主党の若手議員らが掲げている、「世界最高のプロ」が運用する“日本版SWF”構想についてどう思うか。

「『プロがやったらうまくいく』と簡単に言うが、リーマンは、シティは、そしてゴールドマンはどうだったのか。われわれだってプロの運用機関に委託しているし、そもそも運用成績は『どういう資産にどのくらい配分したか』でほぼ決まり、マーケット変動から逃れられない。例えば、不動産などを含めた積極運用で知られるカルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)の今年上期のパフォーマンスは『▼11%』。単純比較はできないが、GPIFは上半期『▼4%』だ。プロか、そうではないかではなく、リスクの量の差といっていい」(A)

2008-12-22

CPI

週末の定点観測 : アメリカへのコメント
> デフレデフレといいますが、CPIは対前年同月でのエネルギー除くコア指数では、まったく下げていなかったのではないでしょうか?
マクロ統計としての前年比CPiは株式投資の考慮ファクターとしては遅行指標です。これがマイナスになってからでは遅すぎます。企業はメタメタになっているでしょう。
企業に関する項目、特に原材料と出荷製品価格、が前月比でマイナスが続いているので株式投資的にはデフレであることは間違いありません。そういう判断を弊社はしています。パナソニックのリベート拡大は業界でも驚きものです。09年3月の車も相当な値引きの可能性があります。 日常生活者としてもスーパーの商品価格が前月比で若干下がり始めており、09年7月には統計上のCPiも下落している可能性が高いと判断しています。

2008-12-20

Sock and Awe!
麻生首相には、靴投げつけも笑いにするブッシュほどの余裕もない|週刊・上杉隆|ダイヤモンド・オンライン
・「靴に対して失礼だ」(アラブ世界では「犬」「豚」「靴」は侮辱的なモノとされる)
・「あのイラク人記者はとんでもない野郎だ。なにしろ2度も的を外したんだ」
・「みなさん、就任8年目にしてやっと大統領の特技がみつかりました。それは……、ドッジボールです」
・「イラクを訪れていたブッシュ大統領は、当地で外交政策変更を行いました。大きく左に傾いたのです」
・「クリントン前大統領から、ブッシュ大統領に激励文が届きました。『あなたは、私以上に、靴や、皿や、家具を除けるのがうまい』」
「記者のみなさん、本日の会見の前にひとつお願いがあります。どうか、靴を脱いでください」
「結構、身をかわすのがうまいだろう。もちろん、君たち(記者)の質問に対してだが……」

ジェイコム男BNF氏が長期投資する銘柄とは?

ジェイコム男BNF氏が長期投資する銘柄とは? 【2008.12.20発売のZAiより】
ジェイコム男BNF氏のインタビュー記事が、12月20日発売の「月刊ダイヤモンドzai(ザイ) 2009年2月号」に掲載されました。

この雑誌を購入したので、記事の内容の紹介をします↓

ダイヤモンドzai(ザイ) 2009年2月号 44~45ページ

資産215億円達成! BNFが不動産投資と長期投資について語った!

米国発の金融危機で世界中の株式市場が暴落する最中 BNFは米国金融株の売買で18億円の利益を上げ、さらに秋葉原駅前に90億円の商業ビルを買っていた!

▼今回の記事でBNF氏について判ったこと

  1. 取材日は2008年11月下旬と思われます。
  2. 取材日時点での総資産は約215億円。楽天証券の口座に約125億円。また、2008年10月に秋葉原の駅前のビルを90億円で購入。

  3. 記事の写真を見るに、相変わらず楽天証券マーケットスピードを使っている。
  4. 日本株の短期トレードでは100億円くらいの資金がちょうどよいと感じている。買いすぎると、株式市場での売却が大変になる。
  5. アメリカ市場のファニーメイ株とフレディマック株は当初、長期で保有する予定であったが、含み益を見て売却してしまった。
  6. 株のように簡単に売り買いができるものは、含み益があると売りたくなってしまう。そこで簡単には売却できない不動産に目をつけた。
  7. 最初は20~30億円で物件を探していたがあまりいいものがなく、不動産屋に「80億円くらいで」と言ったところ、100億円前後の物件を多数紹介してくれた。その中に、チョムチョム秋葉原というビルがあった。
  8. BNF氏が90億円で購入したチョムチョム秋葉原は、年間数億円の家賃収入が見込める。
  9. ZAiの記者が不動産の専門家に聞いたところ、チョムチョム秋葉原は「今すぐでも110億円くらいで売れる可能性はある」とのこと。
  10. BNF氏は千葉県市川市の出身である。電車といえば総武線で、昔から大きな街に出るといったら秋葉原だった。子供のころは親に連れられてファミコンのゲームを買いに行ったり、学生のときもよく遊んでいた。
  11. BNF氏曰く、長期的に投資できるなら、不動産でなくてもなんでもいい。金(ゴールド)も投資の選択肢の一つだが、泥棒に取られてしまうかも知れないので、今のところは不動産。

最後に、BNFさんの長期投資に関するコメントを抜粋しておきます↓

Q BNFさんが長期投資を前提に株を買うとしたら、どういう銘柄選びをするだろうか?

A 業績好調の株を長期投資することはないです。そういう株は株価も高いはずなんで。僕なら「潜在能力があるのに景気低迷で大赤字になって株価が低迷してるけど、倒産確率が低い会社」を選ぶと思います。でも、そう考えていても結局、含み益が出るとすぐ売っちゃうんで、日本株での長期投資は僕には無理ですねぇ(笑)

 

長期投資するならこんな銘柄

●最悪期ともいえる大赤字の会社

●財閥系など倒産の心配が少ない会社

●株価が100円割れなど大きく売られている

2008-12-19

日本株

人材

10秒で読む日経!視点が変わると仕事と投資のネタになる
日本の雇用は、製造業などの工場が海外移転して国内雇用が激減した一方で、国内ではチェーンストア型小売、外食、サービスが激増した。
付加価値を多くつけるITや智慧を求められる職業は停滞したまま。

日本企業に著しく欠けるのは、コンピュータサイエンスのエンジニアやマーケティングサイエンスやファイナンススペシャリスト達。
(徹底的に欠けるのがマネジメント能力を持つ経営者なのだが・・・)
この3分野の社員が増えるだけで、日本企業の生産性が増し、付加価値が大幅に上昇する。
そして、高卒者の就ける職業の8割は、マニュアル通りにして頭は使ってはいけない、労働意欲が全く湧かない職業であり、継続的雇用もスキルアップも期待できず、社会保障すら不十分な状況。
この現状に対応する教育は、工業高校、商業高校への進学割合こそ減ったもの、単純に工業高校、商業高校から名称が変わった普通高校でしかなく卒業後の就職対応はされていない。

量的緩和

日銀、量的緩和を実施へ : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
BOJも政府も情報統制をしっかりすべし
> どうせ政府側の委員から漏れたんだろうけど,発表前にメディアに載るのは良くないですよね。
> 政府側の担当者はブラックアウトの意識が薄いでしょうか。
> 効果が半減。もし漏れたなら,前倒しで緊急会見しても良いと思うんだけど…

NIKKEI NET マネー&マーケット:国内株-ホットニュース
> 国内株式市場で個人投資家の買いが活発だ。年初からの投資主体別売買動向を累計すると、個人の買越額は1兆2000億円を超え、年間ベースで 1990年以来18年ぶりに買い越しとなる見通し。世界的な金融市場の混乱で外国人が日本株売りを強める一方、歴史的な株安が続く中で、個人は高い配当利回りや割安感から積極姿勢に転じたようだ。ただ足元は企業業績の悪化懸念が増しており、先行きには不透明感も残る。
> 18日に東京証券取引所が発表した東京・大阪・名古屋3市場(1・2部など)の直近の売買動向を加え、年初から12月第2週までで個人の買越額が1兆2407億円。過去最高だった90年の1兆3700億円に迫るペースだ。その間の17年間はいずれも年間で個人は売り越していた。

2008-12-06

やっぱりこの人普通じゃない

週末の定点観測 :全体感①
> 相場が回復を始めるとき、
> EPSの下方修正が終わっていない状態で、
> 株価が上昇を始める
> PERが拡大を始めるのだ。
> 金利が下がって、株価の構成要素の一つである「金利」がドンドン下がるからだ。

> NY:
> 09年のEPSは、▼14%の下方修正、、、PERは、+16%の拡大
> 日経平均:
> 09年のEPSは、▼31%の下方修正、、、PERは、+54%の拡大
> 想定どおりに季節が進んでいると考えている。

2009年を考える : 他人の大金を当てにした計画は修正を余儀なくされるへのコメント
> 私は、07年の10月にすべてを売却しました。チャイナ・ファンドの購入を推薦したお客様全員に売却を進言しました。
> そのときはインデックス・ベースで、▼20%~▼30%、個別株で▼30%~▼40%の下落だと判断したからです。
> 現在は、クリスマス&正月用のメール&カードに、「購入のアドバイス」を書いている最中です。
>
> 色々考えて、
> ①今後30%ほど下がって、
> ②しかも売却してから半年以上ボトムが来ない
> と考えれば売るべきだと判断します。
>
> 逆に、
> (1)半年以内にボトムが確認(=あー、あの時が底だったのだと)できて、
> (2)その後に+30%以上の上昇が期待できる
> と判断すれば、「何かの理由で相場が下がる日に購入する」べきだと判断しています。
>
> 売り買いのニュアンスの違いは、「買いは慎重に、売りは脱兎のごとく」というセオリーによるものです

2008-12-03

あなたの会社は大丈夫!?破綻不安上場企業109社

あなたの会社は大丈夫!?破綻不安上場企業109社
飛島建設、安楽亭、ラオックス…。2008年7-9月期の四半期報告書で、「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に疑義がある」と開示した上場企業が109社に上ることが3日、分かった。同期に新たに開示したのが19社で、4-6月期からの継続組が90社となっている。新規組では、不動産市況の悪化を受けて、不動産・建設業が目立つ。景気後退が鮮明になるなかで、増え続けるイエローカード企業。あなたの会社は大丈夫だろうか。

 上場企業の経営者は、会社が1年以内に破綻するようなリスクを抱えていると判断したら、リスクの中身と対応策を四半期報告書や決算書に明記しなくてはならない。

 また、経営をチェックする監査人も、担当企業にそのようなリスクが存在する場合、監査報告書に注意を促すための「注記」を記載する。投資家にとって注記は、監査人が認めたイエローカード企業という意味合いがある。

 全国の上場3月期決算企業のうち、08年7-9期の四半期報告書で継続企業の前提に疑義を表明した(1年以内に破綻するリスクが存在することを開示した)企業は実に109社に達した。

 7-9期の四半期報告書で新たに疑義があると開示したのは19社。そのうち不動産・建設業は6社で、塩見ホールディングス(東京)、アゼル(東京)、エムジーホーム(名古屋)、ダイナシティ(東京)、フージャースコーポレーション(東京)が名を連ねている。

 エムジーホームとフージャースコーポレーションは現金収支のマイナスなどが理由。マンション分譲でジャスダックに上場していたダイナシティは10月末、資金繰りの悪化を理由に民事再生法適用を申請し、破綻した。

 また、サービス業のジャパンケアサービスグループ(東京)は、コムスンから引き継いだ介護事業が苦戦。金融業のニッシン債権回収(東京)は不動産担保付き債権の回収の減少が響き、それぞれ注記が付いた。

【四半期報告書に“注記”】

 継続組では、東証1部の老舗ゼネコン、飛島建設(東京)が「取引銀行から紹介された工事案件を断り切れずに受けたら発注元の企業が倒産してしまい、損失を出した」(関係者)など、不動産市況の悪化をモロに受けている。

 同社は00年までに計7500億円の金融支援を受けながら、一貫して業績は低迷。08年3月期まで7期連続で最終赤字に陥っている。

 運転資金はシンジケートローンを活用しているが、財務制限条項が付けられており、連結・単体の経常損益が2期連続の損失になるなどしたら、ローンを即座に返済しなくてはならない厳しい条件が付いている。

 同社には08年3月期、4-6期に引き続いて注記が付いた。

 人口減やコスト高などの逆風を受ける外食業では、東証2部の焼肉チェーン、安楽亭(埼玉)が4-6期の四半期報告書に続いて疑義があると開示した。

 世界的な景気後退局面入りで、日本の景気もあと5年くらいは低迷したままになるだろうとみる専門家は多い。今後も、破綻リスクを開示する企業が増えていきそうだ。

2008-11-26

ブルベアファンド

投資信託の怪⑦(ブノレベアファンドの謎)

もう最後だから黙っておとなしくしてようかと思ったのだけれども、たまたま変なものをネット上で見てしまったので、毒舌モード半開でここに書く(笑)。 今回の題材は「ブルベアファソド」だ。 これは、あるインデックス(日経平均やダウなど)に一定倍率で常に連動するように設計されたファンドで、通常は先物などを利用して所定のエクスポージャーを取るようにこしらえられている。

この手のファンドは個人投資家の間でも普段は忘れ去られているのだが、昨今は投資信託しか買わない人は何を買ってもダメだったと言うので、これを薦める「専門家」とやらが最近たくさんいるのだとか...

私は、一般の投信の委託手数料が高いことを除けば、個人投資家の方が自分できちんと調べて状況を理解し、リスクを許容できると判断したのであれば、ロシア株ファンドを買おうが、南アフリカ債券ファンドを買おうが反対したりしない。 それによって儲かることも場合によっては十分ありうるし、どうせ投信を買うのなら、そういった、個人では個別の銘柄にアクセスしにくいアセットクラスのものでなければ意味がないからだ。

だが、日経平均だのS&Pだののブルベアファソドだけはいかなる理由があっても係りあいになってはいけない(ただし、お金が余ってしかたがなくて捨てたい人は別だが)。 ところで、なんでも件の「専門家」連中に言わせれば、ブルベアファソドはハイリスクハイリターンだが、方向性の読みが当たれば大きな利益があがる...らしい(^^;)。 正気か???

どこをどうしたら、こんな見当違いの妄言が吐けるのかわからないが、悪気なく言っているとしたら、原始人なみの無知なので絶対にそういった輩の話は信じないように。 そうでなければ悪質な確信犯なので絶対に係わり合いになってはいけない。 ...っていうか金融庁に通報すべきか(笑)。 

私がこれだけ止めておけという理由は、それが「ハイリスク」だからでも「読みが当たらない」からでもない。 そんなものは最初からわかっているし、同種の問題がある商品は他にいくらでもある。 私がブルベアファソドがダメだという理由はそのマネーマネージメントにある。

目論見書や約款を読めば書いてあるが、このブルベアファソドという商品は常にインデックスに対する一定倍率の連動性を維持するために、毎日リバランス(ポジションサイズの変更)をするのだ。 この点が、各種インデックスの先物を売ったり買ったりしたポジションをそのままに維持しておく場合と決定的に異なる。 

以前のエントリーでヒストグラムで示したリターンの確率密度分布のグラフを思い出してもらいたいが、株式市場において、この「毎日リバランス」は現在考えられる限りのマネーマネージメントのなかで最悪のもののひとつだ(>_<)。

わかりやすく言うと、このファンドは常に「高いところを買い、安いところを売る」という売買をご丁寧に毎日きめ細かく行なっていることになるのだ(大笑)。 これで儲かるチャンスがあると主張するのなら私の理解を超えている。 バカも休み休み言えってんだ! 常識がある人間ならこんなものは他人に薦めない。 今は下げ相場だから、設定来で利益が出ているベアファンドもあるにはある(ブルファンドは基準価額が10分の1くらいになっている(笑))。 しかし、それはこういった強烈に不利なハンディの後に残ったカスであるから、先物をショートしたほうがはるかによいし、途中で乗った投資家は下げ相場なのに損している人もいるはずだ。 

結局のところ、専門家とやらがいう「方向性を当てる」とは、「ほとんどもち合わないで一直線に上げるか下げるかという局面を事前に予測せよ」ということなのだ。 やれるものならやってみろ! >専門家

つまり、このブルベアファソドの本質は、「方向性を当てれば儲かるハイリスクハイリターン型の商品」なのではなくて、「世界最悪のマネーマネージメントによって、じわじわと真綿でクビを締められるように、資金をむしり取られていく商品」なのである。

リチャード・デニスと共にタートルズの師匠であったビル・エックハートが90年代の初めに次のように言っている↓。 
“It is one of the key asymmetric in trading that whereas good money management cannot convert negative expectation into positive, bad money management can turn a winning strategy into a losing one.”

これは本当にそのとおりであって、だから優れたエッジのあるトレード手法の開発と共に、所与の資金を如何に効率よく(あるいは大事にして)運用するのかということが、運用者にとって非常に重要な項目にいつも挙がられるのである。

世の中に出回っている投資信託の大多数は規定されたアセットを高位に組み込んでロングで保有するから、実質的にマネーマネージメントを意識することも、それの巧拙がパフォーマンスに影響することもほとんどない。 だから、投資信託をめぐる話の中でマネーマネージメントがキーになることは普通はない。 従ってこういったブルベアファソドのような特殊なファンドに関して、普通の投信しか買ったことのない個人投資家が、マネーマネージメントの欠陥を見抜くことは難しいかもしれない。

だが、ブルベアファソドはインデックスの(日々の)方向性というエッジのないものにベットし、そこから信託報酬が引かれるという、はじめから期待値がマイナスのトレードなのだ。 だから、そこに最悪のマネーマネージメントを加えれば、結果がどうなるのかぐらいのことは、ホンモノの「専門家」であれば一瞬でわかるはずだ。 そいつらがそれを知っててあえて他人に薦めているのか、それともほんとにその程度のことが理解できない単なる自称専門家なのかはわからないが、いずれにせよまともな人物ではあるまい(>_<)。

2008-11-25

会計士の投資アドバイス

ホンネの資産運用セミナー | 「お金は銀行に預けるな」の間違い
ホンネの資産運用セミナー | 著名会計士の投資アドバイスはやばい
会計士の書く本は、大嘘はないのですが「一部だけ正しくて全体としては間違いが多い」って感じです。
会計の勉強が不要とは言いませんが、値動きの一部を説明できるに過ぎません。会計的、理論的には間違った動きであっても、後から後から同じ動きをする人が増えてくれば先行者は儲かります。丁度ホンネの資産運用セミナー | 「お金は銀行に預けるな」の間違いのコメントにあった理論的には儲からないが実際には儲かるのように。
また、相場の動きが取引相手や社会全体の資金繰りなどを通して売り上げ、利益に影響を与え、結果「安すぎる」「高すぎる」と思われた株価が「その株価で当たり前」となることもあります。

2008-11-21

ビッグ3 vs トヨタ、ホンダ

米国の商業用不動産の市況が悪化 - 石油監査人 - Yahoo!ブログ
米・自動車メーカーの不振の根本原因は、財務的な問題では無く、退職者に対する年金や医療費の負担が大きいことです。

その負担が価格に上乗せされているために、GMやフォードの車は、トヨタやホンダよりも高く、価格性能比が落ちるために、販売不振に陥っています。

また、トヨタが1兆円も利益が出ていたのは、企業努力というよりも、こうした恩恵があったからです。

もし、GMが破産・再生して、退職者に対する保障が無くなると、安く車を作れるようになるために、トヨタに取っては、極めて不利になります。

2008-11-20

米商業不動産 2009年予測

米商業不動産 2009年予測 - アメリカ/米国・メキシコ 不動産投資日記 - Yahoo!ブログ
アメリカの商業不動産の動向で、一番「信頼性のある」といわれている、Urban Land Instituteの2009年の商業不動産の予測が発表されましたので、ここにまとめてみようとおもいます。

Commercial Real Estate Market to Hit Bottom Next Year, Finds Emerging Trends in Real Estate® 2009 Report
http://www.uli.org/sitecore/content/ULI2Home/News/MediaCenter/PressReleases/2008/2009%20Emerging%20Trends%20Report.aspx

* 70ページにも及ぶフルリポートを読みたい方はoyster@yahoo.comまで直接メールください。

アメリカでは「商業不動産」というと、5室以上のアパート、小売店舗、オフィス、倉庫などが、あてはまります。上記のタイトルにもあるように、「2009年には底を打ちそう」だが、現在の市況はとてもよくない、とのことです。

悪い背景としては、2007年までの過剰流動性により、物件のキャッシュフローに基づく商業不動産ローンも、かなりレバレッジをかけたものが多くなり、債務不履行が増えました。その結果として銀行側もしっかりキャッシュフローのでる物件でないと、ローンをつけないといという状況になっています。

商業物件のタイプ別では、アパート物件は(一軒家の差し押さえ増発による)需要の高まりがあり、2009年もそこそこ好調に推移すると予測されています。しかしながら、小売、オフィス、倉庫などの物件は、景気の減速をもろに受けているので、2009年の予測は非常に悪いです。

商業不動産市場の底入れのためには、以下が起こることが条件になると述べています。

- 不動産を高値で仕込んだオーナーは、収益に基づく現実的な不動産価格を受け入れ、早期売却を図ること。
- 厳しい、貸し出しガイドラインに沿った貸し出しと、The commercial mortgage-backed securities (CMBS 商業不動産担保債権)市場の復活。
- 商業不動産担保債権の政府の貸し出し基準設定と保証。
- 経済の底入れ。
- 一般住宅不動産市場の底入れることで、貸し手側が商業不動産の問題に手が回るようになること。

2009年にねらい目の戦略は以下のとおりです。

- じっくり、「お値打ち」の出物物件を待つ。
- 既存の不動産ローンを割引購入。
- 資金繰りに頓挫している開発物件へ、破格の条件で参加・出資。
- 公に流通しているREITの購入(市場の回復時に、価値が一番最初に上がる)
- 海沿いの人、モノ、金の集まる「24時間都市」に集中する。
- 既存の物件の選別し、長期保有、短期保有物件を分け、長期保有物件の価値のアップを図る。
- 街中の便利なロケーションへ、小売、オフィス、住居の集合不動産プロジェクトの企画。
- 光熱費のコストを下げる、グリーン化を進める。
- アパートは購入もしくは継続した保有; オフィス・ホテルは保有; アパート用土地の底値購入。
- 交通に便利な街中で、開発に失敗したコンドプロジェクトの購入。
- 小売商業物件に関しては、食品スーパーとドラッグストアが旗艦店として入居している、ショッピングモールを選ぶ。

2008-11-19

景気対策の公共事業

破綻の危機に直面=米政府につなぎ融資要請-ビッグ3首脳が証言

> 証言で、ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長兼CEOは、世界的な金融危機と自動車販売低迷で「われわれの存続が脅かされている」と強調。これはビッグ3だけではなく、「米経済を破滅的崩壊から救う問題だ」と述べた。
> フォード・モーターのムラリー社長兼CEOは3社のうち1社でも破綻すれば自動車部品、ディーラーの業界にも連鎖し、1年以内に約300万人の失業が発生し、税収減は600億ドルに上るとの試算を紹介。ビッグ3支援の「公共の利益は明らかだ」としている。

別にビック3の車はなくても困らないけれど、ビック3がなくなると雇用、景気に問題なわけね。ならば政府が公用車として買えば?

メディアとCM

クール・クリティーク : トヨタが沈んで、ウンコが踊る - livedoor Blog(ブログ)

「でかでかと一面に報道されているニュースはどうでもいいニュース。小さく片隅に掲載されている記事がより大事なニュース。そして、本当に大事なニュースは新聞に掲載されることはない」

「新聞に書かれていることは全て嘘だとよく言われるが、そんなことはない。たった一つだけ本当のことが書いてある。日付だ。」

ってゆうのはどちらも旧ソ連時代の有名なアネクドートだけど、いよいよ日本も凄いことになってきたなぁ。
まさか国籍法改正がこんなにもあっさりと衆議院を通過してしまうとは思ってもいませんでした。

この間、メディアはとうとう完全に黙殺を続けましたね。オバマが大統領になって小浜市が大フィーバーとか、ホッケを煮て食うか焼いて食うかとか、どうでもいいニュースは垂れ流し続ける一方で、もしかしたら日本の国体のありようが未来永劫に変わってしまうかもしれない国籍法の問題をほとんどのメディアが完全に黙ってしまったというのはどういうことだろう。

メディアはことの重大さに気がついていなかったのだという解釈もありそうだけど、いやいや、「生まれたときからずっと日本に住んでいるのに、日本国籍が取れなくて、かわいそうなフィリピン人少女のひろこちゃん」みたいなニュースをTBSは数日前にやってたわけで、あれなんかは完全に国籍法改正の援護射撃でしょ。彼らは「ことの重大さ」に気がついていた上で、あえて報道をせずに黙殺して、日本の国体を変えようとしたのだ。

自民党のあまりに性急な動きも不可解である。背後に何があったかはおそらく何十年もしないと分からないことだろうし、僕自身がそれを知る日が来るかどうかもわからないが、「大きな謀略」が動いていることは確かだと思う。春に胡錦涛がやってきて池田大作と会談をやったけど、いったい何を語り合ったのだろう。気になる。「日中友好を語り合いました」なんてのじゃない、もう少し生臭い、サシじゃなきゃ話し合えないようなことを話し合ったんでしょ。たぶん。

年金がらみの不祥事を連日連日報道し国民年金に対する国民の信頼を失わせ、一方で、産婦人科医への徹底的なバッシングや、医療裁判への過剰にセンセーショナル名報道で、医師たちを心折れた状態に追い込むということを続けたらどうなるのか、何が起きるのか、少し考えたら分かりそうなもんだけどね。メディアは、自分たちがどれほど悪質な報道を続けているのかさえ気がつかずに報道を続けているのか、それとも、明らかにある狙いを持って「報道機関を使ったテロリズム」が行われているのかは分からないけど、いずれにせよ、「老後は真っ暗、子供を生もうとすることは死を賭けた危険な挑戦」と繰り返し、国民に対してすり込みが行われていることは事実だ。
そして、その果てに、国籍法を改正し、日本の国籍を簡単に取得できるようにして、少子化対策と称して大量の移民の受け入れを画策しているらしい。凄げえよ。

めったにテレビは見ないし、見るとしても前もって見たい番組を録画して、CMはスキップして見ているので、CMを見る機会はほとんどない。でも、たまに見ると、ほとんどのCMが視聴者を向いているわけではないことが分かる。そうではなくて、何らかの後ろめたいものを抱えた企業が、マスコミからバッシングされないために、マスコミに献金をしているとしか思えない。だから、昔みたいに、視聴者から見て「面白いコマーシャル」というのは一切なくなった。CMがらみの流行語というのもなくなったね。サラ金、パチンコ、外資系保険会社、アルコール飲料。。。もう本当に気持ち悪い。

日本が好きなだけなんだよ 日本の国籍法改悪で中国人が興味津々
245 名前:名無しさん@九周年[] 投稿日:2008/11/16(日) 16:08:52 ID:LdwohAlG0

おいおまいら、聞いてくれ。ホームレスが認知なんてずっとネタだと思てた俺

俺の彼女、クリスチャンで、教会の慈善活動でホームレスにおにぎり配ってるんだ。おにぎりが大量に余ったので不思議に思って、ホームレスの親分に聞いたら「最近マル暴風のがきて、日雇いで家賃くらい稼げるがサラ金に追われてて住民票を戻せない(そういう人、最近多いらしい)ホームレスに、アパート世話するから、認知の書類を○十枚書け、サラ金の取り立てからは組をあげて守る、とか言って、ワゴン車に乗せてったらしい。30人くらい」という

住民票あれば、生活保護も受けられ医者にかかれるから、サラ金に追われて住民票いれてない人にとっては嬉しい話だそうだ(彼女談) マジでこれヤバくね?

不利な情報を探す

元機関投資家の「株で生活する方法」 投資日記: 不利な情報を探す。

最近のような時期においては、新聞や雑誌などでも、将来の明るい兆しに関する記事等よりも、「こんな懸念があるよ」、「このままだときっと、こんな酷い事になるよ」といった記事が紙面の多くを占めており(といっても、メディアの報道に関してはこれは今に限らず、状況の良い時も含めて大体においてそうである、というのも正しいように思いますが)、見る人によっては、それらの集合体に大きく影響され、自身の見通しまでも暗く出口の無いものに変わっていってしまう、或いは、悪いニュースを見れば不安になり、良いニュースを見れば希望を持ちといった、市場の動きのように変動性の高い、心理状態で物事を眺めている、方もいるかもしれません。


あまりにそれに囚われてしまうようであれば、そのような情報を遠ざける、というのも現時点での対処策として致し方ないのかもしれませんが、長期的な観点から投資・運用の勉強をしたいと考える方にとっては、むしろ、私からはそれとは全く逆の行動を強くお勧めします。


つまりそれは、「出来るだけ、不利な情報を求める」という事です。


そしてこれは、本来は現在のような状況のみならず、どのような状況下でも、投資家に限らずあらゆる意思決定者が、持っておくべき心構え・行動習性ではないかと思います。


現時点で経済等に関する明るくない情報を目にした時に、それを好ましいと思わない人々は、何らかの形でそれに反するポジション(株を持っている、職業を持っている、確定拠出年金を持っている、など)を取っているからそうであるはずで(逆にTOPIXをショートするのに全財産賭けている人にとっては、経済等に関する明るくない情報は、毎日が大学受験の合格通知のように、嬉しいお知らせであるでしょう)、そのような場合、何の情報も取り入れなければ、恐らく殆どの人が、自分の願望や期待に影響された、「なんとなくの、希望的観測」を自分の考えの中核に置いてしまうものだと思います。


それに対し、世界経済や株式市場は、「貴方がどんな希望的観測を持っているかは知らず」、更に、「貴方がどんなポジションを持っているか、全く知らない」ものですから、皆さんの希望的観測とは全く独立的に、物事を展開していきます。


長期の投資・運用、或いは仕事でもそうだと思いますが、の要諦は、その展開をある程度の誤差の範囲内で予測した上で必要な対処をしておく、事ですが、人はその取っ掛かりとしてまず、「自分の願望というのは物事を予測する上で何の役にも立たない、むしろ、その予測を歪め易いという点からは、意識的にそれを排除する時間を取る必要がある」事を意識すべきではないかと思います。


そしてその為の簡単な方法の一つは、「自分を不利な情報に出来るだけ長い時間囲ませること」です。


そして私が見る限り、こういったプロセスというのは、ある日突然始めてごらん、と言っても普段からの習慣が無い人は出来ないもので、また、いきなりそれらに晒すと、自分の考えを作る前に、それらのネガティブな情報に圧倒されてしまう傾向があるようで、それらを踏まえると、望ましいリスク管理のバランスを学ぶ為には、日頃からそのような習慣を少しずつ、浸透させていく必要があるように思います。


で、今のような時というのは、ある意味ではそのような情報には事欠きませんし、何よりも、その辺の人をつかまえて意見を尋ねても、概ね大体同じような、ネガティブな意見が出てくるような風潮がありますから、「独立して自分の頭で考える」トレーニングをする為には最適な環境だと思います。


結論が同じようにネガティブな見解になったとしても、他の人々の意見の中のどのような論旨に自分は同調しネガティブな意見を固めたのか、或いは反論を固めたのであれば、自分の拠り所とするものは何なのか、それを明確にしていき、それを時間と共に見直して維持したり、修正したり、しながら過ごしつつ、一定の期間経過後にはそれらの評価(正しかったのか、間違っていたのか、どの部分が正しく、どの部分が間違っていたのか、何故正しくあれたのか、何故間違ったのか、今後も正しくあれる為には何が出来るか、今後間違いを減らす為には何が出来るか)を行えば、


これらのことをせずに日々の情報に受身的に触れ続けた場合と比較し、遥かに多くのことを学び取る事が出来るはずで、それは、長期投資・運用の技術向上にも直結するものであろうと思います。

日経平均のEPS

Pletsの投資会社設立への道:日経平均のEPS - livedoor Blog(ブログ)
日経平均のEPSを調べていたのですが、おもしろいグラフを見つけました。
アセットアライブ株式情報のこのグラフです。

グラフは日経225採用銘柄の平均PERなんですが、10月上旬から株価の急落に併せて、PERが一気に急降下しています。その後11月後半から上昇してきてもとの水準に戻っています。

ところが日経平均株価は、10月上旬の10000円台まで戻っていません。

理由は単純で、企業の業績下方修正によりEPSの平均値が下がったからです。
10月上旬の800円台から、今は600円割れですから結果から見れば当然の帰着ということになるんですよね。効率的というかなんと言うか・・・。

下方修正の割合がわからなくて一気に売り込まれ、徐々に明らかになったので元のPER水準に戻るというのはなかなか面白い動きです。

今年度末にはどのような動きをするでしょうか?

下方修正から来年度の業績予想へと続く頃には株価がどういう動きをするのか非常に興味深いところです。

2003年当時も、その一連の流れの中でボトムをつけたのは4月下旬でしたね。

さてさて、関係ありやなしや?(笑)

2008-11-18

典型的な視聴者

古舘伊知郎氏が「格差社会」を語る気味悪さ
私がNC9のスタッフだったころは、「後説は禁止」が原則だった。たいていの後説はニュース映像でできるコメントをスタジオに振り分けているので意味がなく、テンポが落ちるだけだ。欧米のニュースでも、後説はほとんどない。

しかしこういうドライな演出は、日本では受けない。素材の情報より、スタジオでみのもんたが大げさに憤ってみせるコメントのほうを視聴者(特に女性)は喜ぶからだ。私がNHKに勤務していたころ教わったのは、「典型的な視聴者は、50歳の専業主婦で高卒だと思え」ということだった(politically incorrectだが)。

たぶん民放はもっと低く設定しているだろう。それが市場メカニズムでは正解である。1億人の知的水準の平均値は、当ブログの読者には想像もできないぐらい低いのだ。それに迎合する古舘氏の戦略は正しいが、まともな視聴者が見ていて気持ち悪いということは知っておいたほうがいい。

コメント

私自身は地上波は殆ど見ません。BSニュースの方が淡々としているし、朝は世界のニュース番組を放送するので、今はBSオンリーですね。

逆に私の60代の母は地上波しか見ないし、偶にBSやCATVで見るのは、「こんなもの誰が見るんだろう」と疑問だった通販番組です。NHK「クローズアップ現代」に感嘆し、「世界最大の三流誌」を購読して、世の中が判った気になっています。

こういう人間が選挙権を持っているんだから(しかも投票率が高い)、そりゃあ政治もおかしくなります。また、こうした層はお金を持っているので、そこをターゲットにしたビジネスに流れがちです。従来型マスメディアか足の営業を駆使して、古い脳に訴えかける手法です。それじゃあ、この国ではITを駆使したグローバルなビジネス、なんてものは発展しないでしょうね。

2008-11-16

春山さんの「週末の定点観測」

週末の定点観測 : 為替①
> 人民元は、横バイだ。
> 前回のアジア危機の際、人民元は切り下げをしなかった。
> そのことを少し前に自慢げに世界に向かって話していた。

> ならば、今回も切り下げずに頑張るだろう。

> 中国の貿易黒字は過去最高を更新した。
> 輸入の勢いに急ブレーキがかかってきた。
> 原油価格など資源価格の低下も輸入金額の減少に寄与したのだろう。
> この状態で、人民元の切り下げは困難だと思う。

週末の定点観測 : 中国
> 中央政府は1.18兆元の財政支出
> 残額は、地方政府+民間銀行などに期待
> 財政支出=国債の増発
> 地方政府の投資分=地方債の発行を承認を示唆=>画期的なことだ!

コメント
> 発電量マイナスで鉱工業生産が8%ものプラスってのが
> ちょっと理解できないんですが・・・
> 劇的に生産性が上がったとしか説明がつかない。
> ・・こういうのを見ると、どうしても私は中国の発表する数字が信用できないのです。
> もし数字を"改竄"したとどこかでバレたら、世界に与える影響はエラい事になりそうですね。
との質問に対し
> 電気の使用量の一番大きかったセメント、鉄鋼など基礎資材産業がしぼんでいるので、伸びが無くなったのです。
> セメントや鉄鋼は非効率極まりない小企業が乱立しました。これらの小企業がこれほどに電気をムダ使用していたという証拠でもありますね
とのご返事でした。

週末の定点観測 : 日本
> 100年に一度、、、という言葉が踊っている。
> 100年も生きるとは思えないのであれば、
> できれば経験したくなかったな
> という事態だと思う。
> もし、ここ数ヶ月で不幸にも投資を終了して現金化する必要があるとしたら、大変なことだと思う。
> 年齢だけが、リスクを引き下げる判断ファクターではない。
> 私は少なくとも自分の投資に関しては、常日頃から、長期投資だから、と安直にすごしてはいけないと堅く心に誓っている。

> さて、今週も、小売株は堅調だった。
> 小売株とは、こういうものだ。
> ディフェンシブな正確がままあるものだ。
> カード銘柄に少し動きが見られる。
> 今週はクレディ・セゾンに良い兆候が出てきた。
> まだまだ騙しの可能性もあるが・・・
> 小売といい、カードといい、・・・投資とは、こんなものだと思う。

コメント
> 長期投資とは、長期間投資活動を継続することです。
> 投資活動とは、売る、買う、休むのバランスだと思います

週末の定点観測 : 全体観①
> 世界は不況に向かってまっしぐらだ。
> 株式は1年前からそれを感づいて織り込んできた。
> 先進国は、半値になり、
> 新興国は、7割引になった。

週末の定点観測 : 全体観② G20は、ブッシュの最後のワガママ米国の象徴だったへのコメント
> レイシーハントの、アメリカ金融・景気指標の読み方、という本で > 有効な景気の先行指標として製造業平均労働日数average manufacturing workweek dataというのが紹介されています
> http://www.nasdaq.com/econoday/reports/US/EN/New_York/employment_situation/year/2008/yearly/10/index.html が、継続的に見るのに適しています

CQを駆使して

PIMCO - IO Gross November 2008 So CQish JPN
今、幕が引かれようとしている時代は、1980年代初頭に、それまでの2桁に上るインフレの終息と民間へのさまざまな規制の緩和で生まれた、たった1世代の強気相場ではありません。それよりもはるかに大規模で、長期間続いてきた時代が終わったのです。

おそらく、半世紀以上にわたる信用供与とレバレッジ金融の拡大の時代が終わったと表現することが最も適切でしょう。

しかし、いずれ民間部門のレバレッジの解消に対して、政府によるレバレッジの積み上げ、すなわち、金融安定化法(TARP)やコマーシャルペーパー購入制度(CPFF)や、マネー・マーケット・ファンド向けの資金供給制度(MMIFF)による数兆ドルの流動性供給がわずかな期間に行なわれることになります。それを機に、原子核は安定し始め、利回りと潜在的なリターンがきわめて魅力的な外辺部に向けて、安全に移動することが可能になると考えられます。その際、PIMCOは次の点に軸足を置くことになるでしょう。

  1. 利回りが6%近い政府系機関モーゲージ債に対する平均以上の配分の継続。
  2. 財務省が資本注入した銀行の債券と優先証券のオーバーウエート。政府のサポートにより、デフォルトの可能性はより低くなると考えられます。
  3. イールドカーブの短期セクターを重視。FRBは長期間にわたり、低金利を継続する一方、政府による救済により、イールドカーブの長期セクターには必然的にインフレ圧力が生じることになります。

デフレ対策

世界デフレが来る? - 池田信夫 blog
要するに、デフレ状況ではケインズ的な「短期」の政策はほとんど無効になり、よくも悪くも「長期」の政策しかないのだ。デフレの最大の原因は投資意欲の落ち込みなので、人々が日本経済の将来に希望をもつことが本質的な解決策である。その意味で小泉首相の改革へのcommitmentは、「日本は長期的には立ち直る」という期待を人々にもたせ、投資を回復させた。「劇場政治」などといわれたが、現代の経済にはメディアという劇場が大事なのだ。
日本の教訓を生かすなら、これから始まりそうな世界デフレにも、非正統的な金融政策などの「魔法の杖」はない。過剰債務をすみやかに整理して金融システムを正常化し、人々を安心させることが最善の策だ。そして何より大事なのは、そういう政策を国民に伝え、信頼を得ることのできる力強い指導者だ――という日本の教訓は、そのまま世界各国にも生かせるのではないか。この時期にオバマが大統領に就任するのは、不幸中の幸いだ。

インデックス・ファンドと効率的市場仮説

僕は「強いインデックス投資家」ってわけじゃありません - 投資信託のブログ|ファンドの海

「強いインデックス投資家」がなぜインデックス型投資信託を選ぶか、というと、彼らの主なロジックとしては「アクティブ型投資信託よりインデックス型投資信託のほうがリターンの期待値が高い」ことがあります。細かい議論はここでは省略しますが、統計的にいえば、アクティブ型のリターンの期待値は信託報酬が高額な分下がってしまい、信託報酬が安いインデックス型投資信託のほうがわずかながら期待値が高い。すなわち高いリターンが期待できるのです。

でもこれには前提条件が2つ。1つは、インデックス型投資信託の信託報酬がアクティブ型より安いこと、そして市場が十分に効率的であること。

だから、僕は「市場が十分に効率的である」という前提条件には部分的な疑義を持っていて、だから「信託報酬が安い」という要素のほうを投資信託選びでは重要視しているのです。そして結果的に選ぶのが「インデックス型投資信託」であるだけです。もしもインデックス型投資信託と同等もしくは安いアクティブ型投資信託があるのなら、僕にとってはそれは十分検討に値する商品になるはずです。

インデックス・ファンドと効率的市場仮説 - ベムのメモ帳
インデックス・ファンドに投資する人の中には、効率的市場仮説を信じている人がいます。市場が効率的であるが故にアクティブ運用は無効だというもの。しかし、私は現実の市場は効率的市場からほど遠いと思っています。人はそんなに賢くないし、市場が効率的ならバブル暴落も起こらないはず。

そういうと「ならばアクティブ運用が有効ではないか」と思われるかも知れません。「市場が効率的ならアクティブ運用は有効でないが、非効率な市場ならアクティブ運用が有効だ」という論法をしばしば見かけるからです。でも、この論法は論理的に誤っています。「AであればBでない」からといって「AでなければBである」ということにはなりません。

市場が効率的であればアクティブ運用がインデックスに勝てるチャンスはありませんが、だからといってそのことが「非効率な市場ではアクティブ運用が有効である」という根拠にはなりません。非効率な市場においても、アクティブ運用が有効とは限らないのです。実際どうなのか、この辺りは山崎元氏の考え方が私にはしっくり来ます。プロも含めて誰もその株(企業)の真の価値など分からない、そして運用は運に大きく左右されるというもの。

山崎元 ホンネの投資教室 第五十四回 「市場の効率性」に対する考え方

現実は、個々の投資家が持っている情報も、判断力も、共に、正しい価格を短期間に発見するに十分なレベルからは、ほど遠い。この点に関しては、理論が求めるようなレベルと比べると、プロも、アマも、お話にならないくらい低レベルで、しかも相対的なレベルは五十歩百歩でかつ不安定だ、というのが、洋の東西を問わず、今も昔も現実だろう。

 「ドングリの背比べ」と喩えると、ドングリどうしの長さは、厳密に測ると差が付くし、その差は固定的だから、より正確な比喩として、「株式市場は『ドングリの影の長さ比べ』のようなものだ」と言ってみたい。ドングリは投資家の能力レベル、ドングリの影は投資家の運用パフォーマンスだ。投資家の能力レベルに多少の差があるとしても、所詮ドングリ程度であって、しかも、ドングリの影は、光の当たり具合や、そもそも不安定なドングリ自体の向きの変動によって、伸びたり縮んだりしていて、どのドングリの影が、全ドングリの影の平均を上回るかについては安定しない。

山崎元 ホンネの投資教室 第五十九回 投資に役立つ? 10大理論(2)

株価は必ずしも正しくないが、投資家の側で、これを発見する能力が弱く、かつ投資家の間で、その能力に大差がないという状況を考えると、何が起こるだろうか。この場合、投資家及び投資戦略同士の勝ち負けは、主に運に左右されることになり、不安定になるし、誰かないしは何れかの戦略が、市場平均を上回ることを事前に予測することはできない。

 (中略)

  それでは、現実の市場はどうなのか、と言うと、ズバリ言って、投資家が持っている情報や解釈力のレベルは低い。個々の上場企業の株価を正しく推定するという意味においては、プロの投資家が持っている能力や情報も、素人投資家が持っているそれらも、「効率的市場仮説」が要求するようなレベルからすると、残念ながら、遙かに下であって、有効性についてはお互いに大差がない、というのが、残念ながら、現実だ

このような市場観に基づくと、低いコストで常に平均点を狙えるインデックス・ファンドが相対的に優れていると言えると思います。

なお、これまで見てきたとおりアクティブ運用の平均パフォーマンスがインデックスに劣るからといって、市場が効率的である証拠にはなりません。優秀とされている学者にもこのような論理的な誤りがみられるようです。逆にアクティブ運用が有効であるとすれば、それは市場が非効率的であるという証拠になります。アノマリーの存在も同様です。

監視の責任放棄、、売りの能力の欠如へのコメント
ありふれたアクティブ投信をお考えならパッシブ投信の購入を薦めます。中には例外的に優秀なファンドマネージャーがいますが、全体の八割以上は我が社をはじめとするパッシブファンドに負けています。優秀なマネージャーは一般個人向けの投信担当から去ってヘッジファンドに行ってしまいましたので、最近はますますパッシブの優位が高まっていると思います。 まあパッシブファンドなら似たような成績ですが、サイズが大きいほうが経費率は小さくなるので有利だと思います。

wha_man3さんの記事へのコメント
あと、個人投資家には有力HFのようなアルファ獲得能力の高いマネージャーにアクセスできず、個人がアクセス可能なプロの能力は平均するとさほど高くない、結局、個人の選択肢としてはパッシブ(ETF)か自分で銘柄選択するしかない、ということですかね。

投資と投機

PERという指標の危うさ
株式投資のいろはの本に必ず書いてあることに、株価収益率で割安・割高を判定する方法があります。つまりPER何倍まで買われているから割高、何倍まで売られているから割安という例のやつです。

数ヶ月前までは東証1部銘柄の平均PERがなにがしなので割安という声が多かったように記憶していますが、ご存知の通りその後株価は大暴落。そして企業は我先にと予想業績の下方修正のオンパレードです。
今8000円台の平均株価ですが、予想値での平均PERは15倍程度になっているようです。
つまり割安だったはずが、実は割安ではなくてちゃんと割高だったから下がったのだということになってしまっています(笑)

同じような指標に配当利回りもありますが、直近の配当実績からは割安でもその後減配やら無配転落やらがあいついで、結局はその時の水準が妥当なものとなってしまうことが多いようです。
これらは市場が効率的であることの証になるのかもしれませんが、こういうこともあるのでPERとか配当利回りはほとんど気にしないことにしています。

ただPBRだけはある程度は参考にしているのですが、それでもトットと解散したほうがはるかに儲かるという企業が破綻してしまうと、原資産価値の大幅な減少やら負債やらで何にもありませ~んってことばかっりなので、こちらも同じようにあまりあてには出来ないように思います。

結局のところこういう指標で判断する方法というのは、株価全体が上げ基調の場合は確かに有効なのかもしれませんが、全体が下げ基調ではまったく無力に近いように思います。もっとも上げ基調であることが確実にわかるのであれば、よっぽど変なものを買わない限りはまずまずうまく行くはずなので、全体の判断がもっとも大切ということになるのかもしれません。

株でいつも勝つ秘訣(アホ話)
上昇相場つまり経済の回復場面では"投資家"になること。ファンダメンタル分析をしっかりやればやるほど成績も良くなるはず。ここは勉強したもの勝ち。つまり博打よりは理論が強い。まあこれが普通の姿なんでしょう。

一方今のような下降相場、つまり経済の減速場面では"投機家"あるいは"ギャンブラー"になること。どこで反転するのかとかいつ回復に転じるのかなどはまったく考えずに値動きがすべてと思うこと。ここは度胸とギャンブルの腕があるもの勝ち。下手な知識はかえって足を引っ張る恐れあり。

じゃあ上昇と下降をどう見極めれば良いかですが、ピンポイントで当てようとさえしなければいっぱい方法はあると思います。以前書いた日経平均株価の月足での移動平均位置判定でも十分だと思います。

(続)株でいつも勝つ方法
先日ファンダメンタル分析による割安・割高の判断をして"投資"するやり方が、上昇相場では有効だけど下落相場ではあまり有効ではない、むしろかえってうまくいかないほうに働くと思っていることを書きました。これについてもうちょっと。

そもそもファンダメンタルによろうと、テクニカルによろうと下落相場では"投資"というのはあまり効率が良いとは思いません。そんなことはない、投資で財を成した人の多くはどん底で勇気を持って買ったからだって反論がありそうですが、買ったものがあまり時間をかけずに値上がりしたほうが効率が良いという意味でです。すぐ値上がりする株を知りたがるのはト~シロの証拠だと、多くの自称プロの方は言いそうですが、すぐに値上がりするほうがいいに決まっています。

また下落相場というのは、たとえ値上がりしたとしても線香花火程度で、やっぱりまた下げてしまうものが多いから下落相場となります。こういう場合はじっくり価値があがるのを待つ"投資"よりは、"投機"のようなヒットアンドアウェイのほうがその時点では儲かる確率が高いという意味です。

また割高・割安という判断は株価と企業の真の価値との乖離を見つけ出し、この乖離が大きいものに投資するということになるのでしょうけど、問題は真の価値の部分です。
今年の春に私はトヨタを買い下がりました。その時同じようなことをやっているお仲間の方と今の株価は超割安だと話したものです。ところが例の超絶下方修正があり、結局は割安ではなくむしろ適正に近いものだったということになっています。
そもそも株式の真の価値の判断基準はその時点で企業が公表しているものということになります(そうじゃないならインサイダーか自分の予想でならギャンブルと同じことになるはず)
つまりその時点での真の価値に対する乖離を狙う"投資"というのは、全体が下方修正するような時にはその乖離そのものが本当に存在したのだろうか?と思うのです。

逆に全体が上昇の時なら、これとは逆のことが起きるように思います。つまり真の価値との乖離が大きいものほど、よく言われる真の価値と株価の収束現象が生じて、こういう投資法が大きな成果を享受できるということになります。

世のこういう株式の王道に関する本などでひとつだけ書いていないことがあるように思います。そしてこのことが出来るならば株で資産が大きく減少することなどないはずです。

それは
「全体が少なくとも下降場面に入った時はいっさい株式投資をしないこと」
です。

2008-11-14

週刊朝日

  • 昨年中ごろまで上げ相場だった日経平均が今年はずっと下げ続けているので、上げ相場のときとは違って今は「逆張り」が中心。
    ドンと下がったところに買いを入れて反発するのを待ってます。
    でも、9 月に入ってからは値動きが尋常じゃない。
    以前は「買い」だった大幅下げでも、そこからさらに下がってくるケースが目立つ。
    今まで経験したことのないような相場で、まったく油断できません。
  • 何パーセントで利益を確定するとか、損切りするとか、そういうルールは特にありません。
    あくまで相場の雰囲気、空気を見ながら判断しています。
    大事なことは欲を出さないこと、それと絶対に無理はしないってことでしょうか。
  • 値動きだけを見るわけではなく、円高による業界への影響とか、個別の前提は頭に入れてるつもりです。
    それと、米連邦公開市場委員会や日銀の金利にかかわる会議とか、11 月 15 日の金融サミットとか、経済に密接したイベントの日程も意識してますよ。
  • (10 月も)かなり儲かってますよ。
  • 株価が急落して、10 月 28 日午前に 7100 円前後になったところで一気に買った。
    60 億円ちょっとかな。
    電機、銀行、商社、自動車……と何でも買ってますね(笑)。
    7000 円を割り込んでから 1 億円以上の含み損が出てヒヤヒヤしたけど、最長で 11 月 4 日の米大統領選まで持つつもりでした。
    政権交代への期待で多少の値上がりがあるかと思って。
    でも、28 日午後に急反発し、29 日に 8200 円前後になったところで 90 銘柄ほどあったのをぜんぶ売った。
    ひと晩で 12 億円の儲けが出た計算です。
    もう少し待てばもっと儲かったけど、腹八分目ってことでちょうどよかったのかな。
  • 9 月に米国株を始めて、リーマン株が暴落したときについ手が出て 7 億円ほど買った。
    そしたら 2 日後に倒産……そのまま紙くずになった。
    他の取引で最後は数億円の利益を出したけど、夜は眠れないし、為替リスクもあるし、手数料も高いので、米国株はもうやめた。
    日経平均が千円以上の下げを記録したとき(10 月 10 日)には 5 億円の損が出た。
    ま、そのぐらいの損切りでよく済んだなと思います。
    損切りした次の日に何百円も下がったとか、そういうのが 2 度くらいあったから。
    値下げ幅が大きくて損切りしづらい状況だけど、いつか上がるという希望的観測は絶対にダメ。
    危ないと思ったらすぐ損切りする。
    数分でも判断が遅ければ 1 億円が吹っ飛ぶことも少なくないから。
    損切りをして次のチャンスを狙うほうがいい。
    いや、損切りしたあとに予想が外れて反発しちゃうことも多いんだけど、今回は運が良かったですよ。
  • (秋葉原駅前のほぼ新築のビルを 90 億円で一棟買いしたのは)転売とか賃料収入とかに期待してるわけじゃなく、あくまで資産の分散が目的なんです。
    現金が 200 億円あると、僕は全部使っちゃうから。
    でも、いざ株を売り買いするときに 200 億円を取引するのは時間がかかっちゃってリスクが大きい。
    100 億くらいが限界かなと思ってて、動かせない資産をつくろうと思ってビルを買ったんです。
  • 人付き合いもしないし、外にも出かけない。
    自分のペースを乱されるのが嫌で、人とご飯も食べてない。
    不動産の購入手続きで出かけたくらいで、休日もずっと家で過ごす。
    もともと引きこもりがちだったし。
    株をやめたら、本当に何もほかにすることがないんですよ。
    毎日が「休日」じゃ、ありがたくないしね。
    大損したらやめようとも思ってます。
    リーマンで 7 億円を損したときにやめてもよかった。
    でも、また取り戻しちゃったから……。
  • (恋人の有無は)ノーコメント。

2008-11-13

貿易赤字をプレゼント

とりあえず、4兆元へのコメント
> 春山様、いつも拝見させていただいております。世界の消費を引っ張った国が米国、その対極に生産を引っ張った国に中国があると思います。5年間好景気でしたから、借金による過剰投資が気になります。設備の稼働率低下、在庫の増加、借金返済できず破綻企業続出、アメリカ以上に景気後退が激しくなるというシナリオも考えてしまいます。このあたりはどうお考えでしょうか?
という質問なさった方に対して
> アメリカの商品のへこみ=中国の生産のへこみ、だとしましょう。
> 消費産業(小売・サービス)の利益と、製造の利益も、同じだとしましょう。
> つまり、米中の痛みは同じです。
> であれば、痛みを緩和する策(=経済対策)できるか否かが、痛みを緩和できるか否かです。多分、中国の方が対策が多く打てるので、緩和効果も大きいでしょう。
> ただし、痛む会社や人と、対策で恩恵を受ける会社や人は、同じではなく、ズレがあります。このズレがあるので、恩恵のない被害者は悲惨です。
> メディアは悲惨さを報道し、恩恵者は報道しないでしょう。

> 過去10年で、中国とインドに巨大自動車メーカーができたので、その分誰かが割りを食わねばなりません。
> それが、GM、フォード、クライスラーだという経済の冷徹さですね

中国ダメなら、世界は地獄・・・人気外資系ストラテジストのご神託へのコメント
> なぜ、いつもアメリカ人は貿易黒字をプレゼントするなどいう言い方をするのでしょうか? 彼らが貪欲だから沢山ものを買っているだけで、彼らはやりたいようにやっているのでしょう? それに米国債沢山買ってあげてこちらは損させられているのですから、何を文句言う事ができるのでしょうか?
という質問なさった方に対して
> 貿易黒字をプレゼントと表現すること、、、不満な表現だと感じると存じます。私も投資を始めた最初の10年は違和感を持っていました。
> しかし、世界のマクロ経済的な観点からすれば、過剰な消費による貿易赤字とは、国際政治経済的にはプレゼントと同義語だと、体で理解できるようになりました。
> そう理解して世界を眺めるほうが相場を理解するには適切だと判断して以降は、積極的にこの表現を使うようにしています。

> 中国の本格対策は09年にならないと動きません。
> それまでは、いわゆる補正予算のような規模しか実弾が撃てません。
> でも、口はたくさん言えます。
>市場が持ちこたえられるよう願っています。

週刊新潮

  • (「ビルを購入したのは、ここのところの株暴落でそろそろ株から足を洗おうとでも考えたのか?」と聞かれて)いえ、そうじゃありません。
    現に、10 月も 1 カ月のトータルでは 18 億 2500 万円の利益を出しましたから。
    資産も 200 億円を超えていますよ。
  • そもそも、僕は現金を信用していないというか、株で儲けてもその金の何割かはいずれ他の資産に代えるつもりでいたんです。
    それで、不動産屋に何かいい物件はないかと依頼していたら、たまたま今回の話が飛び込んできた。
    あんな大きな駅前のビルはほとんど不動産会社やファンドの間で売買され、個人が買えるチャンスはめったにないんです。
  • (「これからは株のほかに不動産取引にも手を広げる?」と聞かれて)いえいえ、次々にビルを買っても管理できませんから。
    それにビルを買ったもう 1 つの理由は、運用資産が 200 億円ぐらいになると、売買注文にかなりの時間がかかってしまうんです。
    実際、発注に手間取っている隙に損失を出してしまうことが何度かあった。
    それで、株の運用額を減らさなくてはならないと考えていたんです。
    大体 100 億~150 億円ぐらいが僕にとっては運用しやすい額の上限なんですね。

2008-11-12

幸せとは

景気とは何か
公共投資をしなかったら、景気はもっと下がっていました。

この宗教に入っていたからこそ、骨折だけで済んだのですよ、良かったですね。
死ぬところでしたよ

この二つは同じ。
二つとも幸せを取り違えているのだ。

2008-11-10

個人投資家の腕前

本当のカモは? - ハムハムセブン投資日記 - 楽天ブログ(Blog)
毎週投資家主体別売買動向というのが公表されます。このデータは該当週の買い越しあるいは売り越しの金額ベースでのものですが、これを使ってちょっと強引ですが、以下の検証をしてみました。
・該当週の日経平均株価の始値と終値の平均を単価とする
・これで現時点までの平均単価を計算する(トータル買い越しなら買い単価、売り越しなら売り単価となります)
・生保・銀行などの金融法人チーム
 買い越しで平均単価9.328円です
・次が事業法人チーム
 買い越しで平均単価12,405円
・投信チーム
 買い越しで平均単価11,824円
さてさて個人投資家のしかも現物派チーム
 買い越しで平均単価8,493円
ちなみに外人チームは売り越しで単価は9,800円ほどです。

1割伝説(アホ話) - ハムハムセブン投資日記 - 楽天ブログ(Blog)

頂いたコメント

週末の定点観測 : 日本へのコメント
> 本文でも書かれていたように、常に買いのことしか話題に出ないので、指標として使えないのは勿論、逆指標としても使えない、ということでしょうか。
> 強気の意見が多いと、期待で値が保たれている分が多いのかと不安になりますが、いちいち気にしていたらきりが無いですね。
との問いに
> 指標として、定点観測できるような継続性が無いのが難点です。
> エントリー用に、こんなときにこんな極端な記事が掲載されました、、、という使い方には適していますが、、遅行指標に過ぎません。
とのご返事を頂きました

監視の責任放棄、、売りの能力の欠如へのコメントは
> 投信会社は、残高で食っている会社です。
> 99%の投信には、パフォーマンス・フィーはありません。
> 結局、残高を減らさないことが、収入維持になります。
> だから、「今は我慢、売ってはなりません」となります。
> さらに、ほとんどの投信が、「長期投資=株のウェイトは高いまま維持」となっています。これは、「株が上がるか下がるかは考慮しない」という戦略を採用していることになります。だから、株が下がることに注意を払いません。
> FMの判断で、「長期投資=株のウェイトは高いまま維持」に違反して、株を減らすと、違反行為になって首になります。
> 結論として、個人投資家が株が上がるか下がるかを、自己責任で判断するしかありません。
とのことでした。 生き残りのための「数量優先」へのコメントでデジカメの話が出ました。

2008-11-09

中国の景気刺激策

中国が57兆円強の景気刺激策を発表、2010年末までに投入-国務院
 11月9日(ブルームバーグ):中国政府は9日、経済成長の促進を目的と した総額4兆元(約57兆5300億円)規模の景気刺激策を発表した。米国や欧 州、日本がリセッション(リセッション)の危機にひんする中で、中国の景気 拡大を維持しようとしている。

  中国国務院(内閣に相当)が同日ウェブサイトに掲載した声明によると、 同国政府は2010年末までに4兆元を支出に充当する。

China's 4 trillion yuan stimulus to boost economy, domestic demand

Tsugami Toshiya's Blog
> 今晩の中国の発表で、麻生首相は 「焦る」 でしょう。きっと 「対抗策を打ち出せ」とか言うのではないでしょうか。でも、上述したとおり、日中の「対照」は他の国にとってはもはや自然なことなのです。財政がママならぬ日本にできることは限られているのですから、無理に張り合おうとしないでください。そんなことを考えていると、それこそ財政出動の代わりに円をジャブジャブにして減価必至な欧米の国債を無制限に買い入れる 「国際ヘリコプター・マネー政策」でも約束させられかねないです。
> 以下は憶測ですが、ひょっとすると中国は今日の発表の陰で、この種の 「ヘリコプター」式政策は要請があっても拒否する方針を固めたのかもしれません。「そんなことをするくらいなら、本気で内需と輸入を拡大する。それが中国の『国際貢献』 だ」 (海外に需要を提供する、その代わり資金収支の黒字は減る、米国債の買入額も減るかも・・・)」そんな中国と無理に張り合おうとすると、それこそ日本には欧米からの外債買い込み要求が二ヶ国分回ってきかねませんよ。

恐れるものはマックの恐怖

PIMCO - Investment Outlook Gross October 2008 Fear JPN
マクドナルドのドライブスルーでビックマックを注文するところを想像してみてください。最初の窓口で注文を伝え支払いを済ませ、そこから数メートル進んで、品物を受け取ります。ところが、最初の窓口で支払いを済ませても、次の窓口でカロリーたっぷりのビッグマックを受け取ることができるかどうか、分からなくなった場合にはどうなるでしょうか。顧客は支払いを渋るようになり、通常通りに取引が成立しなくなる可能性があります。現在、資本市場ではまさにこうした事態が進行しています。資本市場はこの「マックの恐怖」に取り憑かれ、正常に機能していません。最初の窓口で注文を受け、別の窓口で「ビッグマック」を渡すと約束していた投資銀行、すなわちCDSやスワップ、その他のデリバティブ取引に関わる数兆ドルの支払いを約束していたリーマン・ブラザーズが破綻した後、機関投資家は資金をリスクに晒して「ビッグマック」を注文するよりも、家に籠もってピーナッツバター・サンドを食べる方が良いと意思表示するようになりました。そして、投資家の資金がマクドナルドのレジには入らず、タンスにしまわれたままになると、失業は増加し、企業収益は落込み、銀行ローンの借入れは一層困難になり、米国経済は支柱を失うことになります。

蒟蒻畑

nikaidou.com: 蒟蒻畑製造中止で野田聖子が一儲け
野田氏の選挙区の岐阜に本社を持つ浪速製菓というメーカーが、マンナンライフの蒟蒻ゼリーにそっくりの製品を開発して、シェア拡大を狙っていました。浪速製菓の社長=野田氏に政治献金している会の相談役です。その2ヶ月後に、野田氏は、マンナンライフの蒟蒻ゼリーだけをストップさせました。これで、浪速製菓のシェア拡大は非常にやりやすくなりましたね。本当に消費者のことを考えてのことならば、すべてのメーカーの類似商品をストップさせるべきなのに、最大手のみをストップさせ、自分の選挙区のメーカーの類似品はスルーって、あまりにも分かりやすい人です。
http://www.chukei-news.co.jp/news/200808/26/articles_6777.php

小室哲哉

金融日記:小室哲哉さん、なぜ・・・
今日は、小室さんのニュースにびっくりしました。

-------以下、NIKKEI NETからの引用-------

小室哲哉容疑者ら逮捕 著作権譲渡、5億円詐取認める
 所有していない音楽著作権を譲渡できるかのように偽り兵庫県芦屋市の個人投資家の男性から5億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は4日、音楽プロデューサー、小室哲哉容疑者(49)ら3人を詐欺容疑で逮捕した。特捜部は同日午前、東京都港区の小室容疑者の自宅などを家宅捜索した。

 逮捕されたのはほかに、小室容疑者が役員を務めるプロデュース会社「トライバルキックス」(東京都港区)の役員、木村隆(56)と平根昭彦(45)の両容疑者。いずれも大筋で容疑を認めているという。

 小室容疑者は「3人で詐欺をしたことは間違いない。弁解は何もなく、被害者に申し訳ないことをした。1日も早く弁償したい。刑事責任は取るつもり」と供述しているという。(14:03)

-------引用終わり------------------------


ネットでは、早速、栄華を誇った天才プロデューサーの転落みたいな記事がそこら中で書かれていますが、僕には不審な点だらけです。

まず、どうしてアレだけのお金を稼げるひとが借金をしなければいけなかったのかと言う大きな疑問です。
ファースト・クラスを一機まるまる全部買って海外旅行とか、ホテルのスイートルームをフロア全部借りて宿泊とか、いろいろと浪費振りが書かれていますが、どう考えたって彼の収入からしてそんなのはした金です。

ファースト・クラス全席買ったってせいぜい3000万円ぐらいだし、ホテルのスイートルームをフロア全部借り切ってもせいぜい一泊1000万円もしないでしょう。
今時、プライベート・ジェットまるごと買うのが富裕層のトレンドなのに、彼ほどの人物ならこれぐらいの出費なんてどうってことないからです。
彼の年間数十億円にものぼる楽曲の印税からしたら、むしろつつましいのではないでしょうか。

そして、もっとぜんぜん分からないのが、どうして海外進出のために作った会社で失敗して莫大な借金を背負えるのでしょうか?
そもそも音楽制作会社なんてタレントをうまく発掘して売り出すだけなので、半導体製造会社とかと違ってぜんぜん設備投資がいりません。
しかも、学生のアホIT社長でさえ簡単に投資家からお金を集められた時代に、彼ほどの人材なら一声かけるだけで莫大な資本金が世界中の投資家から集まったはずです。
つまり、投資家が事業のリスクを負うので、彼自身は何のリスクも負わずに新しい事業を始められたはずです。
株式会社は有限責任です。
こんなことは資本主義経済の基本のキです。


-------以下、毎日新聞からの引用---------

98年1月、小室容疑者は「アジアに総合娯楽事業を」との触れ込みで、香港に音楽制作会社「ロジャム・エンターテインメント」を設立した。中国や香港、台湾などのアーティストをプロデュースし、アジアでの市場開拓が狙いだった。

 当時、小室容疑者はJポップ界の頂点をすでに極めていた。TRFや安室奈美恵さん、華原朋美さんらの曲を次々にミリオンヒットさせ、96年の高額納税者番付は芸能界トップの全国4位。推定年収は20億円と言われた。次の目標はアジア、欧米へと向き、ロジャム社がその足がかりとなるはずだった。

 ロジャム社は01年5月、香港の新興市場に上場。小室容疑者は会見で「アジアの国々に質の高い音楽コンテンツを提供していく」と高らかに宣言した。ところが、株価はわずか2週間で売り出し価格の半値を割り込み、その後も下落。02年度決算は約12億円の赤字となり、海外でのCD販売やプロデュースも伸び悩んだ。

 結局、小室容疑者は04年、持ち株をすべて売却し、会長職を辞任。経営からの撤退を余儀なくされた。「小室は香港の事業に数百億円をつぎ込み、ばく大な損失をこうむったらしい」と話す関係者もいる。

-------引用終わり------------------------


この記事によると、小室氏の会社は上場まで果たしています。
しかも、小室さんは自分の株を売っているので、そこでまたかなりの現金が入ってきたはずです。
どう考えても腑に落ちないことだらけです。

小室さんは関西大震災の被災者に多額の寄付をしたり、慈善事業も積極的でとても詐欺をするような人にはみえません。

ここからは僕の勝手な推測ですけど、小室さんのあふれんばかりの才能の周りには、たちの悪い金融詐欺師がいっぱいいたとしか思えません。
そして、彼らの餌食になってしまったのではないでしょうか。
アレだけの才能があり、アレだけの現金収入と財産があれば人並み(中学生レベルでOK)のファイナンシャル・リテラシーさえあれば永続的に資産を増加させ、社会に様々な価値を提供し続けることができたはずです。
しかし、小室さんの周りには正しいアドバイスをできる人もいなかったし、また、小室さん自身も誰が正しいアドバイザーで、誰が詐欺師なのかを見抜けなかったのでしょう。
そんな詐欺師に騙されてしまうほど、成功者と言うのは時に孤独なのかもしれませんね。
彼の無念を思うと本当に残念でなりません。

オバマ候補大統領受諾演説

びじうのログ:オバマ候補 大統領就任演説の全訳
まだどこかに、アメリカという国ではどんなことでも起こりうるということが信じられない人がいるのであれば、アメリカ建国の理念が今日も生きていることにまだ確信が持てずにいる人がいるのであれば、アメリカの民主主義の力に疑問を呈する人がいるのであれば、今晩がその答えだ。

 その答えはかつてないほどの数の学校や教会を取り囲んだ長蛇の列に並んで、3時間も4時間も待っていた人々によって(そんなのは人生で初めての経験だろう)もたらされた。なぜなら、彼らは今回こそは違うと信じていたからだ。そして、彼らの声こそがその違いになったのだ。


 その答えは語られた。若者によって、老人によって、金持ちによって、貧乏人によって、民主党支持者に、共和党支持者に、黒人、白人、ラティーノ、アジアン、ネイティヴ・アメリカン、ゲイ、ストレート、障害者、健常者によって。世界にメッセージを発信する全てのアメリカ人によって語られた。我々は単なる赤い州(共和党支持の州)と青い州(民主党支持の州)の集合ではないのだと(訳注:スピーチの中では雑多な個人の集合体ではない、という一節がここに入っていましたがテープ起こしに失敗してるんですかね)。我々は今も、これからもずっとアメリカ合衆国なのだ、と。

 その答えは、我々が成し遂げようとしていたことに対してシニカルになれと、あるいは恐れよと、あるいは懐疑的になれと余りにも多くの人々から余りにも長い間言われ続けてきた人々が歴史の琴線に触れ,今一度それをより良き日々への希望に向けるよすがとなるものだ。

 答えが出るまでには時間がかかった。が、今晩、我々が今日行った行為(投票)によって、この選挙で、まさにこの瞬間に、アメリカに変革が訪れたのだ。

 ついさっき、マケイン上院議員からとても丁寧な電話を頂いた。彼は長い間ハードにこの選挙を戦ったが、彼は愛する国のためにもっと長い間、もっとハードに戦ってきたのだ。彼は我々の多くが想像し始めることさえも不可能な祖国への犠牲に耐え、この果敢にして無私のリーダーの下で我々の生活は改善してきた。私は彼とペイリン副大統領候補のこれまでの業績を称え、数ヵ月後にこの国の行く末を刷新するためにともに働く日々を楽しみにしている。

 この旅路のパートナーに感謝したい。心から選挙に協力し、スクラントンのストリートで共に育ちデラウェア行きのあの電車で一緒に家に帰った仲間達のために話した男。合衆国副大統領、ジョー・バイデンだ。

 この人の不屈のサポートがなければ私はここに立っていることすらできなかっただろう。この16年間の最良の友であり、我が家の要であり、我が愛であり、合衆国ファースト・レディであるミシェル・オバマ。サーシャとマリア、二人とも愛しているよ。約束どおり、ホワイトハウスに連れて行く子犬を選ぶといいよ。
 そして、祖母はここにはいないけれど、彼女は家族と共に見守ってくれている。私を今の私にしてくれた家族と。今晩、ここにいないのが残念だ。彼らには、どれほど世話になったことだろう。

 キャンペーン・マネージャーのデイビッド・プラウフ、主席ストラテジストのデイビッド・アクセルロッド、そして政治史上最高の選挙チーム、君達がこれを成し遂げた。そのために払ってくれた犠牲に対し、私は一生感謝を忘れない。

 しかし、何よりも。私はこの勝利が本当は誰のものであるかを決して忘れない。貴方だ。この勝利は貴方のものだ。(訳注:スピーチではit belongs to youが二回でした)

 私が勝てそうな候補者であったことはなかった。資金もなければ支持もなかった。我々の選挙戦はワシントンのホールではなく、デモインの裏庭やコンコードの居間やチャールストンの玄関から始まったのだ。

 それは、なけなしの貯金をまさぐらないと5ドル、10ドル、20ドルも出てこないような労働者達から始まった。次に、若者達が力をくれた。その年代は情熱を燃やすことがないという神話を否定し、安い賃金と少ない睡眠時間で働くために家を、親元を離れて協力してくれた。それほど若くない人々も極寒酷暑の中、全く見知らぬ人々の家をノックして回ってくれた。何百万人ものアメリカ人が、ボランティアとして組織をつくり、2世紀以上を経てもなお「人民の、人民による、人民のための政府」が地上から消滅していないことを証明した。これは、貴方たちの勝利だ。

 貴方たちは、選挙に勝つだけのためにこれをやったのではないし、ましてや私のためにやったのでもない。貴方たちがここまでやったのは、ひとえにこの先に待ち構えている仕事が莫大であることを知っているからだ。こうして祝福している今日でさえ、明日やってくるであろう挑戦は人生で最も厳しいものになるだろうと知っている。二つの戦争、環境危機、今世紀最大の経済危機。我々が今晩ここに集っている間にも、イラクの砂漠やアフガニスタンの山で勇敢なアメリカ人が我々のために命をかけている。子供が寝た後で、どうやって住宅ローンを返済するか、医療費を支払うか、大学までの教育資金を捻出するか、悩んでいる両親がいる。制御しなければならない新たなエネルギーがあり、創出しなければならない新たな雇用があり、建設しなければならない新たな学校があり、敵が待ち構えていて、修復しなければならない同盟がある。

 この先の道は長く、勾配は険しい。一年では辿り着けないかもしれないし、一期でも難しいかもしれない。だが、アメリカよ、私は今晩ほど希望を抱いたことはかつてない。私は貴方たちに約束する。我々は必ず成し遂げる。
 後退することもあるだろう。道を間違うこともあるだろう。私が大統領として下す判断や政策に同意しない人は沢山いるだろうし、政府が全ての問題を解決できるわけでもない。だが、少なくとも我々が直面する課題に関して私は常に正直でいようと思う。私は貴方の言うことを聞く。同意が得られない場合には特に良く聞く。何よりも、私は貴方に参加して欲しいのだ。過去221年の間、この国がしてきたようにこの国を作り直す仕事に。1ブロックずつ。レンガ一個(1ブリック)ずつ。豆だらけの手で。

 21ヶ月前の冬のさ中に始まったことが、この秋の晩に終わるわけではないのだ。この勝利それ自体は我々が望んだ変革ではない。変革を起こすチャンスを与えてくれただけだ。ここで後戻りしたら何も起こらない。貴方の協力がなければ何も起こらない。

 だから、新たに愛国の精神を、奉仕と責任の精神を呼び覚まそう。我々が問題に一生懸命に取り組み、自分だけではなく互いに助け合えるよう決意するために。この経済危機がもたらした教訓を思い出そう。それは、メイン・ストリートの具合が悪いときにウォール・ストリートだけが繁栄することはできないという教訓だった。少なくともこの国では。我々は一つの国、一つの民として運命を共にするのだ。

 党派心、近視眼、未熟さといった、これまでに余りにも長い間政治が陥ってきた同じ過ちに陥らないようにしよう。共和党の旗を最初にホワイトハウスに持って行ったのはこの州出身の男だったことを思い出そう。共和党は信頼と個人の自由と国家の団結に価値を置く政党だが、その価値観は我々全てが共有するものだ。今晩、民主党が偉大な勝利を手にしたが、我々は謙虚に、そして我々の進行を妨げる断絶を修復する決意を持って、この価値観を共有しよう。リンカーンは現在よりも遥かに分断された国民に向かって説いた。「我々は敵ではなく友である。情熱は友愛の絆をすり減らしたかもしれないが、絆を完全に壊してはいけない」だから、今後、私が助力を必要とするであろうアメリカ人達に伝えたい。私は貴方を選挙で勝たせることはできないかもしれない。だが、貴方の言うことに耳を傾けよう。貴方の助力が必要なのだ。そして、私も大統領の責務を果たそう。
 そして、海の向こうから今晩の様子を見ている人達に伝えたい。議事堂や王宮からうち捨てられた街角のラジオに集う人々まで。我々の物語は別々かもしれないが、我々の運命は共有されている。新しいアメリカのリーダーシップの時代がやってくる。世界を引き裂こうとしている者は、我々が打ち滅ぼそう。平和と安全を希求する者は、我々がサポートしよう。そして、今でもアメリカはそれほど輝いているのかと疑問に思う者よ。我々の強さの源は軍事力でも経済力でもなく、尽きることない理念、すなわち、民主主義、自由、機会、絶えない希望なのだということを、今晩我々は今一度証明したのだ。

 アメリカの真の資質はアメリカは変わることができるという点なのだ。我々の団結は完璧になりうる。これまでに成し遂げてきたことが、明日から成し遂げなければならない事への希望となる。

 この選挙では多くの史上初と多くの物語が生まれ、語り継がれていくだろう。だが、今晩私の頭にあるのはアトランタで投票した女性の物語だ。彼女は、選挙を通じて声を届かせようと列に並ぶ何百万人もの人々となんら変わる所はない。唯一つ、アン・ニクソン・クーパーが106歳だということを除いては。

 彼女は奴隷制直後の世代に生まれ、当時の道路には車がなく飛行機もなかった。更に、二つの理由で選挙に参加することもできなかった。彼女が女性であり、皮膚の色が違ったからだ。

 そして今宵、私は彼女がアメリカで過ごした1世紀を思う。悲嘆と希望。闘争と前進。我々にはできない、と言われ続け、そのアメリカ人の信条を押し付けられた日々。 Yes we can(いや、できるさ)

 女性の声は押し殺され、女性の望みはかき消された時代。彼女は見た。女性が立ち上がり、声を上げるのを。そして今晩、投票所にやってきた。 Yes we can(そう、できるんだ)

 (1930年代)砂嵐の被害に苦しむ中南部には絶望が、そして国中に憂鬱が蔓延した時代。彼女は見た。ニューディール政策、新しい職と新しい公共心によって国が自力で恐怖を克服する様を。 Yes we can

 爆弾が我々の湾に降り注ぎ、世界が独裁者の脅威に晒されたとき。彼女は見た。その世代の人々が偉大にも立ち上がり民主主義が救われるのを。 Yes we can

 彼女は見た。モントゴメリのバスを、バーミングハムの放水を、セルマの橋を。そして、彼女は聞いた。アトランタから来た宣教師が人々に「我々は勝利する」と語るのを。 Yes we can

 人類が月に到達し、ベルリンの壁は崩され、我々の科学と創造力によって世界中が結ばれた。今年、この選挙で彼女は指でスクリーンに触れるだけで投票した。106年もの間アメリカで生活し、最良のときも最悪のときも経験してきた彼女は、アメリカがいかに変われるかを知っている。 Yes we can

 アメリカよ、我々はここまでやってきた。実に多くを見てきたが、実に多くが手付かずだ。だから今宵、我々は自問しよう。我々の子供達が来世紀を見るならば、私の娘達が幸運にもアン・ニクソン・クーパーほど長生きできたなら、どんな変化を目撃するのだろう?どんな進歩を成し遂げているのだろう?

 これは、その問いに答えるべく、我々に与えられたチャンスだ。我々の時、我々の時代なのだ。人々を仕事に戻し子供達に機会のドアを開く、繁栄を取り戻し平和を推進する、アメリカンドリームを再生し根本的な真実を再確認する、つまり、多くの場面で我々は一体である。共に生き、共に望む。シニカルであったり懐疑的であったり、我々にそれは無理だと言い続けるような人々に出会った場合には、我々は人々の精神の総和である朽ちることない信念をもって応える。

 Yes we can(いや、できるさ)

 ありがとう。貴方に神の祝福を。アメリカに神の祝福を。

ネズミ講

風を読む ネズミ講への誘い
付くはずのない、続くはずのない、高金利商品に投資を促し、金利捻出のために、原油をあげ
物価を維持し、消費を回転させ、たくさんのネズミを生んだのは、投資信託である。

すべての原因の大元は、付くはずのない金利に群がった資金なのである。
あの世で多くの破綻を見つめている主はもう一度自身が最後に残した言葉を口ずさんでいるだろう。

「お金万能主義に陥り、お金を追いかけて命をすり減らしていくという金が仇の世の中。
欲が先に立つものは必ず自滅する」

もう一度印せば

無限連鎖講の防止に関する法律

「終局的には波状するべき性質」のもので、地球上の人口に限りがあること、全ての人間が
ねずみ講に参加するわけでは無いことから、無限に会員が増えていき会員全てが儲かる
ことは無い。このような連鎖的でいつかは波状する会員制を禁止した法律」

11月上旬を振り返って

先週の話ですが週末の定点観測 : アメリカ②へのコメント
> オバマは公的資金(=税金)でなんとかしてくれるんじゃないか、、、そんな期待がアメリカにあるのだと思います。
> でも無い袖は振れない、、、ということを後で思い知らされると判断しています。
> ゆえに、アメリカはポジション不要と判断しています。

週末の定点観測 : 全体感
> アメリカでは目減りした株式の割合を、基準割合の戻すための自動的な株式の買い増しが期待されているが、ほとんど出ていない。
> むしろ、「株の時代は終わったんじゃないのか?」という議論が増えているのだろう。

過去と未来のギャップ①
> ただ、鉄道建設は今後の内需拡大の目玉であることは間違い無い。(5番目の記事)
> この株価下落が、過剰な期待を消してくれたとしたら、これからの投資家にとっては朗報と考えられる。

コメント
> 私は、自社株が安すぎると不満をいう企業は投資対象から外します。
> 株価は通信簿ですから、それに文句を言うのではなく、ちゃんと勉強して成績(=業績)を向上させるほうが先でしょう、、、と思うのです。

過去と未来のギャップ②
> 10月13日は、2008年で最も重要な日だったと思う。
> 世界が「これは大変だ!腰をすえた対策を実行するぞ!」と決意した日だった。
> 四季で言えばいわば冬至だった。これからの日照時間は徐々に長くなって行く(PER決定要因↑)、、でも寒さ(EPS↓)はこれから・・・・そんな時期になったのだ。まあ両方↓は終わったということだ。つまり希望はもてるのだ。

生き残りのための「数量優先」
> ①我々庶民の所得がこの数年間増えていないので、家計支出も不変だ。
> ②ゆえに、増えないパイの奪い合いが続いている
> ③値上げ、またはブランド価値喪失などで、一旦失った販売シェアを奪い返すのは困難
> =>ならば、マージンを殺して、シェアを維持
> =>販売量を確保
> という事に帰結する。

週末の定点観測 : 中国
> 今週は、IMFが世界中の経済成長率の予想を引き下げた。
> 欧米株式の投資レポートを見ていると、「新興国でビジネスをやっている企業(欧米企業)は避けましょう」という銘柄推薦が多くなった。
> おいおい、今からですか。。。と思う。
> 日本でも、今朝の日経新聞の証券欄にも、「これからは、ディフェンシブ銘柄の時代だ」という特集が出ている。トップ・ピックは、JR東日本だと書かれている。
> なんか、羹に懲りて膾を吹く、、、、そんな時代の始まりを感じた。

週末の定点観測 : アメリカ
> 昨年秋に最初の本を執筆している時に、「おそるおそる予測した先進国中がゼロ金利」が、現実化しそうになってきた。
> 怖いように思う。
> デフレと紙一重だから・・

> 長期(1970年11月以降)の失業保険受給者数の推移を見ても、現在の景気がいかにヒドイレベルなのかが明確に理解できる。
> 株価の先行性、、、、ため息・・

コメント
> じゃぶじゃぶになったお金は、
> =>安牌へ、、まず、国内の預金・債権、、その後国内ディフェンシブ株、、そして、外債、、最後に外国株、、、という毎度変わらぬパターンだと思います。
> 新興国マニアになった人は、別ですね。
>
> また2009年の2番底はいつごろ
> =>when。。わかりません
>
> どのような背景
> =>色々なことが安定する事が条件ですね。
> volatilityの安定
短期市場の安定
> 国際情勢の安定
> 投資家の多くは心配症ですから

週末の定点観測 : 日本
> 本当に多くの投資雑誌が
> めったにない買いのチャンス
> 100年に一回の買い場

> といった記事を掲載している。
> 証券会社も、投資雑誌も、売りは書かないが、買いは懸命に書く。
> 彼らは、売りは下手だが、買いは上手。。。????
> 違うと思うが・・

コメント
> > 今は歴史的な底値、口座を開いて儲けようという話で盛り上がっていました。
> > また金券ショップでユーロを買いに並んだという話もしていました。
> 私は、そういうことを投資判断に使いません。
> 単純な値ごろ感からくる条件反射的な行動だと思うからです。
> そのような行動が当たった時だけ、メディアで取り上げられるのです。
> ハズレた時のことはメディアは決して報道しません。
> だからよく当たるように思ってしまうのです。 週末の定点観測 : 全体感
> 資源エネルギー系の商品を見る限り、大量に供給されたお金は、銀行が抱え込んでおり、事業会社に貸し出されて、経済の活性化に使われていない。
> この傾向が続く限り、インフレは無い、、むしろ懸念はデフレだ、、ゼロ金利だ。

コメント
> 3年後の状況を根拠にして、08年11月の投資をするのは、少々早すぎるかもしれません。早すぎると、せっかくのポジションを途中で投げ出さざるを得ない辛い時期もありますから。
> そんな短期的な逆風は物ともせず、、、という強靭な精神力と資金力があれば別です。

監視の責任放棄、、売りの能力の欠如
> ①時代にマッチした思想・ベキ論・主義主張が出現する
> ②賛同を得た思想は、賛同者によって、過剰に強調され、捻じ曲がり、変質する
> ③最終的には、変質した思想は大惨事を招く
④そして、新たな思想にとって変わられる。
> 株式投資で言えば、
> パッシブ礼賛・・・(あるものを全部買え! あれこれ考えるな!)、
> buy&hold絶対、長期投資礼賛・・・(株は売るものではない、売りは短期投機家だ!)
> 、に代表される健全な批判精神を欠いた間違った投資行動、売りの欠如だ。

2008-11-08

悲しきすれ違い

悲しきすれ違い

先日古くからの友人達と飲む機会があって昔の話になった。 もうずいぶん前のことになるが、私があるトレードセミナーで話をしたときのこと、その時の参加者の方は300人以上はいたのだが、「ほとんどの方にとっては土屋さんの話はチンプンカンプンで、唯一手を叩いて喜んでいたのはトレーダー仲間のヤギさんだけだった」ということを、その中の一人の方が話してくれた。 

たしかにそのセミナーのことは私もよく覚えていて、受講者の方の反応がまったくなくてとても困ったのである。 私としてはせっかく大勢の方においでいただいたのだからトレードに普遍的に役に立つ話をしたつもりなのだが、みなさんがきょとんとしているのを見て、「ああ、もう自分の話を聞いて喜んでくれるのはもうヤギ氏だけになってしまったのか。」とさびしく思ったものだ。 

セミナー後の打ち上げの席では、ヤギ氏から「今日はとてもいいことを聞いた」と感謝され、「こんなことは黙っていて自分だけで使えばいいのに」と言われた。 優れたトレーダーである彼に自分の話を理解し評価してもらえることは非常にうれしいことである。 だが同時にそれは、私の話はほとんどの人にとって関心がない内容であることをも意味している。

ちょうどそのころ、別の方が講師をされたトレードセミナーを傍聴したことがあった。 その時に少しトラブルが発生したのだ。 その講師はRSIとかADXとかを使った逆張りのトレードを解説していたのだが、売買の閾値(例えばRSIで20とか80とか)がテキストに明記されていなかったことに対し、少なからぬ受講者の方たちが怒って騒ぎ始めたのだ。

彼らのクレームによると、なんでも「この20だの80だのの数字が「魔法の数字」であるのに、講師はそれを秘密にしたいがためにテキストに書かなかった、これは大変ケシカランことだ」とのことで、皆大変な剣幕で怒り、血相を変えて主催者に詰め寄っていた。

私はそれを横で見ていて大変不思議な気分になった。 理由は二つあって、ひとつ目はその講師の解説している手法が実際には全く役に立たないことを私が知っていたこと。 そして二つ目はその20だの80だのの数値には何の意味もないことを私が知っていたからである。 だから、私にとってはそんな数字などどうでもよいものだったのだ。

そして、受講者の方が怒りだすまでは、そんなことは誰でも知っていることだと私は思っていたので、なぜ大勢の人が「魔法の数字を秘匿しようとするのは許せない」と息巻くのかが不思議でしかたがなかった。 だが、少なからぬお金を払ってセミナーを聞きに来ている彼らにとってはそれが何より重要なことだったのだ。

これらのことが立て続けにおこったことで、私は当時やっと個人投資家の方の本当のニーズを少し理解した。 彼らにとってトレードは儲けるためにやるのではなくて、レジャーであり、それにまつわること例えばセミナーに行ったり投資雑誌を読んだりするのはエンターテイメントなのだと。 例によって念のために書いておくが、これは決して個人投資家の方を馬鹿にしているのではない。 儲けるためにトレードをおこなう個人投資家の方もいることは十分知っている。 だが、残念ながらそういった方は現実的には少数派なのだ。

それから数年後に、ある個人投資家の間で売れっ子の評論家(この方はこういった個人投資家相手の相場評論家としては、正直でとてもまっとうな人である)と話したときに、彼が私の理解と似たようなことを言っていた。 彼曰く「ほとんどの個人投資家は儲けることになど本当は全然関心がないんですよ。 彼らにとって相場は楽しみのためにやるマージャンやパチンコ、競馬と同じものなのです。 だから彼らに面白おかしい材料を次々と提供するのが私の仕事です。」 少し悲しいものの見方だが、彼の言っていることが真実に近いのであろう。

さて、私は件のセミナー以来、しばらく人前で話をするのを止めた。 私にはエンターテイメントを提供することはできないし、このブログの読者の方にはお分かりの通り、自分の考えを素のまま見せれば、結局のところほとんど誰も理解しない、喜ばない結果になってしまう。 だから私のセミナーが面白くないのはある程度当然なのだ(>_<)。 「つまらない」と評価されるのはむしろあたりまえかもしれない(笑)。
 
 
 
 
なぜ、長々とこんなことを書いたかというと、もうしばらく前になるが、このブログを読んでいただいているある出版社の方から「トレード本を出しませんか?」というお誘いを受けたことがあるのだ。 そういった声を掛けていただいて大変うれしく思ったし、ありがたいことだなと今でも感じます。 しかし長いことその話は私がお返事を差し上げないままでいた。 失礼をしてしまってすみません。 

ですが、残念ながらやはり私には一般投資家むけのトレード本の執筆は無理なようです。 私が提供できるもの、つまり私がトレードにおいて役に立つと思うものと、一般投資家の方が求めるもの、つまり読んで面白いと喜んでもらえるものとの間には、あまりにも違いがありすぎます。 それは悲しいことですが大きく乗り越えがたい乖離です。 もし出版していただいても、私が身内に20部ほど配っておしまいでちっとも売れない書籍(不良在庫)になること間違いないでしょう。 

従って、私の書くトレード本はそれを承知であえて出しても良いと考える奇特な出版社からしかでないことになりそうです(^^;)。

2008-11-07

投資信託の制約

投資信託の怪5(プロの船員が乗っているのにタンカー座礁のナゾ)

多くの個人投資家の方が考えているのと違って、ほとんどの機関投資家の運用というのはなかなか不自由なものだ。 例えて言うと大型タンカーとか大型貨物船を運航しているようなものなのだ。 この場合、ある地点から別の地点に荷物を安全に運ぶことを目的としているのだが、海には気象や海流の変化があるし、ところによっては海賊は出るし、場合によっては敵国の軍艦に大砲をぶっ放されることもありうるしで、危険がいっぱいなのである(>_<)。 

そして大型船のゆえに、こうした急激な外乱に対応するのは実に苦手なのである。 しかも船の性能や船員の錬度にはばらつきがあり、自動航行をセットした後はロクにワッチに出ない船もある。 だから船が座礁し始めて初めて危険に気づき、大慌てで舵をきるケースが続出するわけだ(笑)。 

もちろん、きちんとしたワッチと迅速な判断により、即座に回避行動に移ることができる船もあるが、船体が巨大であれば回頭するまでに長い時間がかかってしまうのである。 その意味ではモーターボートを操縦しているような感がある個人投資家の投資行動は、変化に対応するという意味では極めて有利なのだ。 
 
ところで、ここでは機関投資家の運用を輸送船に例えたが、投資信託の運用の場合はもっと自由度がないのである。 なぜなら、運用の細部の99%は約款やオファリング・メモランダムで縛られているからである。 例えていえば、出航前にインストールされた決め打ちのプログラムで、大型のタンカーが自動操縦されているようなものなのである。 そしてそのプログラム(約款など)を選んだのは受益者である一般投資家なのである。

もちろん航海士であるファンドマネージャーは、ワッチにも出るし船体の整備もする。 状況に変化があれば刻々と報告をするし、献身的に安全な航行のために働く。 しかし、彼にできることは非常に限られているのである。 いや逆に余計なことをしてはいけないのである。 船の航行は目論見書に開示された運用計画に既に記述されているからである。 それを逸脱することは絶対に許されない。 

だからこのままでは船が座礁するとわかっていても、そのまま浅瀬に突っ込んでいかなくてはいけないし、前方にハリケーンが待ち構えているとわかっていても、彼にできることはせいぜい積荷を縛るロープをきつく縛りなおすことぐらいなのである。 船の行方は既に受益者である投資家によって選択・プログラムされているのだから手出ししてはいけないのだ。

この点は一般投資家の間で大きく誤解されている。 投資信託のファンドマネージャーは運用のプロフェッショナルだからありとあらゆる手を使って危険を回避してくれるだろうと考えるのは大きな間違いなのである。 彼に許されているのは「船にこんな危険が迫ってますよ!」と投資家に報告したり、積荷の点検をしたりすることぐらいである。 

浅瀬を前にタンカーの航行プログラムを止めて船を停止させたり、ハリケーンを回避するために180度回頭させたり、乗り込んできた海賊と武器を持って闘ったりなどはしないのである。 いや、してはならないのである。 そういうルールなのだ。 それが投資家との間に結ばれた契約なのである。

だから、下げ相場の時は投資信託の基準価額がどんどん下がって当たり前なのである。 むしろ、マーケットが下がっているのに、損をしない投資信託があったら、何らかの規定違反が行われている可能性があるとして、一般投資家は金融庁にでも通報すべきなのだ。 あなたがそのファンドの受益者ならば「皆が損しているのに、自分が買っている投資信託は利益を上げている。絶対に許せない!」といって訴え出るべきなのだ。 

いや、冗談じゃなくてほんとにそういう仕組みになっているのだ。 運用する側はあくまで受益者との約束に基づいて粛々と運用するだけなのだ。 好き勝手な裁量は絶対に許されないのである。 あなたが買った投資信託という金融商品はそういうモノなのである。

なんとも奇妙な話だが、もし下げ相場でそんな奇妙なことに巻き込まれるのがいやならば、船の航行プログラムを止められるのは受益者であるあなたしかいないのだから、自分で判断を下し行動すべきなのだ。 つまりさっさと解約するのである。 ゆめゆめ損をファンドマネージャーや販売会社のせいにしてはいけない。 まあ、フツーの投資家ならば投資信託を買ったりしないだろうから問題ないとは思うが...(^^;)

ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー概説

ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー概説①
ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー概説②
ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー概説③

以前の「ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ーのナゾ」は少々わかりにくいとのご指摘をいただいたので、ここに再度概説を試みることにします。

ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー・システムは、大雑把に言って次の3つの要素からなります。
①リターンの確率密度分布の非効率性を捉える統計的モデル
②リスク・リワードを最適化するポートフォリオ理論
③リスクを管理するルール

では順番に見ていきましょう。
①リターンの確率密度分布を捉える統計的モデル
これは前回のエントリーでも見たように、商品のリターンの分布はテイルが太いということを理解するということに尽きます。

図1を見てください。 これはある商品の銘柄の5日間のリターンのヒストグラムです。 プラスの側でもマイナスの側でもテイルが太くなっていることがわかると思います。 そして、この場合非常に重要なことは、人間というのは一般的に、確率的に発生する頻度が低い現象は、それを「起こらない」つまり確率ゼロもしくは限りなくゼロに近いと認識しがちだということです。
例えば実際には0.数%~数%の確率で発生する事象でも、自分の認知においてはその可能性を消し去り、発生しないかのような投資行動をとるのです。 これがダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー・システムの収益源泉の非効率性の由来です。 

実は数年前まではこのような非効率性のフロンティアは長期時間枠のトレンド、つまり確率密度分布のテイルにおけるトレードの他に、非常に短い時間枠のトレードにも存在したのです。 なぜならそれまではそのような短い時間枠のトレードについて詳細を知っている人はほとんどいなかったからです。 当時は多くのトレーダーがそれに着目して驚異的なリターンをやすやすとあげました。 しかし、その事実が大勢の人に知られるようになると、その非効率性は徐々に失われてしまったのです。

さて、対照のために図2を見てください。 これは20年分のUS$の対日本円のレートの5日間のリターンのヒストグラムです。 これは尖度が高くテイルが小さいことが見て取れると思います。 従ってFXにおいては商品とは逆にリバーサル狙いでいくのが基本的にはやりやすいのです。 しかしここで気をつけなくてはいけないことに、「FXがリバースする」という現象は非常に高い頻度で発生するために、人々の認知と実際の確率密度分布との間にズレが発生しにくいのです。 つまりそこにはなかなか非効率性が生まれないのです。
それどころか逆に、「小さいけれどもゼロではないテイルの部分」を「まったくのゼロ」であるとみなしてしまうところに大きな危険が潜んでいるのです。 今回の▲10%近い下落(10/20―10/27)はヒストリカルには▲6σ近いレアな現象です。 しかしゼロではありません。 ここに実はFXにおける非効率性があったのです。 しかもFXはほとんどの期間はコンソリデーションだが、走り始めるとトレンドが自己強化されるという特性を持ちます。 これに多くのFX投資家が捉まったのでしょう。

話を戻しますと、商品のリターンの分布においてはテイルが太く、人々がそれをなかなか認知しないために収益機会があるのです。 そして、このために値動きがテイルの部分、つまり「人々が潜在的に思っているよりも実は発生確率が高い領域」に値動きが入ったことを認識するためのモデル(シグナルといってもいいかもしれません)が必要になるのです。

それは昔であれば単なる長短の移動平均のクロスであったり、一定期間のチャネルブレイクアウトでよかったのです。 ただ、現在はそれらの概念は広く人口に膾炙しており、そういった単純なモデルでテイルを捉えることは難しくなっています。 そのためにトレンドフォロアーであるCTAは独自のトレンド認識モデルを持っているのです。

②リスク・リワードを最適化するためのポートフォリオ理論
さて、個別の銘柄でトレンドを認識できたとして、次に必要なのは多くの銘柄からなるポートフォリオを効率よく管理することです。 なぜなら、ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー・システムは、元々の定義により値動きの予測を行なわないこと、そしてポジションを分散させることによって何処かで発生するトレンドを捉えることが不可欠になるからです。 そのために適切なポートフォリオ管理をしなくてはなりません。

ところで、ここでいう「ポートフォリオ理論」とはマコーヴィッツの言うところのポートフォリオ理論とは趣を異にします。 なぜなら、フルインベストメントでロングオンリーの伝統的な運用と異なり、ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ーにおいては、ロングもショートも、そしてマルもあるからです。 さらに、株式のマルチファクター・リスクモデルと異なり、銘柄の特性が多種多様な商品においては、代表的な複数のリスク・インデックスにリスク成分を分解して認識するという作業も困難なのです。 

従って、一般的にはより単純化されたアプローチを取ることになります。 まず各銘柄に等しいエクスポージャーを取るために、ボラティリティに応じてポジションサイズを調整します。 これはヒストリカルな一定期間のボラティリティをそのまま使っても良いでしょうし、タートルズが使っているNの概念を用いてもよいでしょう。 

次に各銘柄間のリターンの相関性を考慮します。 しかし、これについてはメジャーなCTAの間でも異論があります。 つまり、相関性の高い銘柄において同方向にポジションを建てる場合、リスクを考慮してポジションサイズを落とすべきだという考え方と、そうする必要はないとする考え方です。 

ここで単純化のために2銘柄からなるポートフォリオを考えてみましょう。(2銘柄のエクスポージャーは等しいとします) 
銘柄Aの分散をVa、銘柄Bの分散をVbとすると、ポートフォリオ全体の分散は、Va + 共分散*2 + Vb で表されます。 ここで、相関係数は共分散を両銘柄の標準偏差で除して得られるので、銘柄Aの標準偏差をσa、銘柄Bの標準偏差をσbとするとポートフォリオ全体の分散は、σa^2 +相関係数*σa*σb*2 + σb^2 のように書くこともできます。 従ってもし2銘柄間の相関が非常に高い場合には、ポートフォリオ全体のポジションサイズは小さめにしなければならないとわかります。

しかし、ここで問題が2つあるのです。 まず最初は、もし上記の理屈を認めるなら2銘柄間の相関が高く建玉の方向が逆であれば、それぞれ独自に算出したポジションサイズよりも大きなポジションをとっても良い(取るべきだ)と考えるのが合理的とせざるをえなくなるのです。 そして2つ目の問題は、商品の相関性は短期間のうちに大きく変動するということです。 例えば、通常ガソリンと灯油、原油は原料とそこから精製される製品として通常は高い相関性を持ちます。 しかし冬季の灯油需要が高い時期にはガソリンは灯油と比べだぶつき気味になることがあります。 あるいは、地震等の理由により原子力発電所の稼働率が落ち、火力発電所の重油需要が高まれば、原油とガソリン、灯油との相関性が一時的に崩れることもありうるのです。 そして、こういったファンダメンタルな背景によって発生するトレンドはダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー・システムが捉えたいと意図するもののひとつなのです。 

従って、銘柄間のヒストリカルな相関性を無視するという方針も十分成り立ちうるのです。 そしてこの場合も、リスク管理については別のルールの導入が必要になります。

③リスクを管理するルール
最後のステップとして、銘柄間の相関性を考慮してポジションサイズを調整する場合でも、そうでない場合でも、ポートフォリオ全体としてのリスクを管理しなければいけません。 プリミティブな方法としては、それぞれのポジションのボラティリティを建玉の方向性に関係なく絶対値を和することによって全体のリスクとし、それを一定以下に抑えるというやり方があります。 たしかにこれならポートフォリオ全体の真のリスクは、この値を常に超えないのですから、保守的な管理方法としてはそれでよいのかもしれません。

しかし、例えば、「ガソリン10枚買い+灯油10枚買い」というポジションと「ガソリン10枚買い+灯油10枚売り」というポジションが同じリスクを持っていると考えるのは少し難があります。 もっと言えば、「小豆10月限5枚買い+小豆12月限5枚買い」というポジションと「小豆10月限5枚買い+小豆12月限5枚売り」というポジションが同じリスクであるというのはあまりにも変です。

従って、ここではポートフォリオのリスクの管理方法として、一般的なVaRを用いることにします。 ところでVaRには、一般的に3種類の計算方法があります。 ヒストリカル・アプローチ、分散・共分散アプローチ、モンテカルロ・アプローチです。 個人投資家にとっては実務的に一番わかりやすいヒストリカル・アプローチを使うと良いでしょう。 つまり現在のポートフォリオのNAVをP(t)とすると、P(t)の日次リターンはP(n)/P(n-1)-1もしくはLog(P(n)/P(n-1))で表され、このリターンの時系列をさかのぼって一定期間観察することにより分布を把握します。 次に得られたリターンを順位付けしそのデータが示す階級値を持って、99%、もしくは95%の信頼水準におけるVaRを出し、これを一定以下にすることでリスクを管理するのです。

...こんな面倒なことはしたくないという場合には、単にポートフォリオの日次リターンのボラティリティを一定以下に抑えるという方法でも良いと思います。 ただし、リターンの確率密度分布に正規分布を仮定する場合にはリターンの分布の形状をヒストグラムなどで見ることや基本統計量を出すことによって、テイルが極端に太くないことを確認する必要があります。

以上が、ダイバーシファイド・卜レンドフォ口ー・システムの概説です。 今回はわかりやすかったかな?(^^;)

2008-11-04

新型インフルエンザ対策

厚生労働省:健康:結核・感染症に関する情報

 新型インフルエンザとは

○新型インフルエンザウイルスとは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスがヒトに感染し、ヒトからヒトへと効率よく感染できるように変化したもので、このウイルスが感染して起こる疾患が新型インフルエンザです。

○このような例の一つとしてスペイン風邪(スペイン・インフルエンザ)(1918年-1919年)があります。世界では人口の25~30%が罹患し、4000万人が死亡したと推計されており、日本では2300万人が感染し、39万人が死亡したと記録されています。その記録から、大流行が起こると多くの人が感染し、医療機関は患者であふれかえり、国民生活や社会機能の維持に必要な人材の確保が困難になるなど、様々な問題が生じることが考えられています。

 新型インフルエンザ発生前に準備すべきこと

(1)うがい・手洗い・マスクの励行

新型インフルエンザに対する対策は通常のインフルエンザ対策の延長線上にあります。熱、咳、くしゃみ等の症状のある人には必ずマスクを着けてもらうこと、このような人と接する時にはマスクを着けることが大変重要です。咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗うことも必要です。これらが、インフルエンザ予防のために必要な「咳エチケット」です。外出後の手洗いを日常的に行い、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることも重要です。

(2)食料・水・日用品の確保・備蓄

パンデミックは日本だけのものではなく、海外でも同時に発生しますので、海外で大流行すれば、輸入が減少したり停止することによって、種々の生活必需品も不足して、手に入らなくなることがあります。

パンデミックになると、このような生活に欠かせない活動にも影響が出ることも想定されますし、感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則であることから、災害時と同様に外出しなくても良いだけの最低限(2週間程度)の食糧・日用品等は準備しておくのがよいでしょう。
個人での備蓄物品の例はこちら

(3)発熱時の対応の相談

本人、家族が感染し、一定期間の自宅待機になった場合、こどもの学校が長期に休みになった場合、また勤務状況の変更が余儀なくされた場合などで、どのように家庭内で役割を分担し家庭を維持していくか、などについて、各家庭で計画を立てておくことが勧められます。また、突然仕事を休まねばならなくなった時の連絡についても勤務先と相談しておくべきでしょう。

 新型インフルエンザ発生後に取るべき対応

(1)情報収集

情報には、(1)国・地方自治体の提供する情報、(2)企業が提供する情報(商業ベースのものとそうでないものがある)、(3)マスコミが提供する情報、(4)噂・デマ情報などがあり、媒体も広報・新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど様々です。

しかし、中には情報の信憑性・根拠に関して問題のあるものもあり、特に噂情報には虚偽のものが含まれることが多く、こうした情報を過度に信用してパニックが起こらないように正確な情報を収集し、冷静に対応することが重要です。

(2)発症者の家庭における留意事項

発熱・咳・全身痛など通常のインフルエンザと思われる症状がある場合、事前連絡なく近医を受診すると、万が一新型インフルエンザであった場合、待合室等で他の患者さんに感染させてしまう「二次感染」のおそれがあります。その場合はまず、保健所等(発熱相談センター)に連絡し、都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来など)を受診して下さい。都道府県や、市町村、保健所から、情報が提供されますので、随時チェックをするようにしてください。

*発熱相談センター:

発熱を有する患者さんからの相談を受ける施設。都道府県・保健所を設置する市又は特別区が保健所等に設置する。

*発熱外来:

発熱を訴える患者さんに対し、直接通常の外来を受診するのではなく、他の症状の患者さんから隔離した場所で外来診察を行うシステム。新型インフルエンザ感染・発症を否定されれば通常の外来での診察になり、新型インフルエンザであれば感染症指定医療機関等に入院措置等が取られる。

特に自分自身が発熱・咳・のどの痛みなどの「かぜ症状」を呈した場合には、その症状が新型か否かにかかわらず、インフルエンザによるものか否か、またインフルエンザであってもどの型であるかは、検査をしなければ分かりません。したがって、上に挙げたような医療機関を受診する必要がありますが、医療機関を受診するときはもちろん、外出時、家庭内でも、咳をする際には「咳エチケット」に十分注意をして、周囲に感染させないように心がけることも必要となります。

(3)医療の確保への協力

パンデミック時には一時的に大量の医療に対する需要が起こるため、医師を始めとする医療従事者や薬剤・医療資材の供給体制等、医療を支えるインフラが極端に脆弱になることが予想されます。

また、パンデミック時であっても、生命に関わる救急の患者さんや人工透析などの継続的な治療が必要な患者さんもおられます。

したがって、不要不急の医療機関受診や軽症での救急車要請は控えて、通常の医療の確保に協力することが重要です。

(4)不要不急の外出の差し控え

感染拡大を極力回避するために、食料等の生活必需品の買出しや独居家庭への見回りなどのやむをえない外出以外の不要不急の外出は極力差し控えることが望まれます。(地域によって事情が異なることが多いため、市町村が主導となり、各コミュニティ等で自主的に決定する)

 個人での備蓄物品の例

○食糧(長期保存可能なもの)の例

主食類


乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料

その他

レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料

○日用品・医療品の例

常備品

常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど) 薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認してください。

対インフルエンザ対策の物品

マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール

通常の災害時のための物品(あると便利なもの)

懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)

トレーダーズ・ウェブ

外資系動向
投資主体別売買動向

「お前らの作品は所詮コピーだ」――富野由悠季さん、プロ論を語る

「お前らの作品は所詮コピーだ」――富野由悠季さん、プロ論を語る(ITmediaニュース) - Yahoo!ニュース

「機動戦士ガンダム」の監督として知られる富野由悠季さんが10月27日、「東京コンテンツマーケット2008」(独立行政法人・中小企業基盤整備機構関東支部主催)のトークセッションに登場し、「プロフェッショナル・クリエイターの条件」というタイトルで自らの“プロ論”を披露した。

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 「自分流の言葉づかいしかできなくて本当に申しわけない」と言いながら、集まったクリエイターに刺激的な言葉を投げかける富野さん。セッションは、コンテンツ関連のコンサルティングを手がけるQPRの清田智社長との対談形式だったが、事実上富野さんの独演会だった。

●「コンテンツ」という言葉はおかしい

 セッションのタイトルは「プロフェッショナル・クリエイターの条件」ですが、これは無理やりつけたタイトル。ここにいる人(コンテンツマーケットの出展者など)はプロクリエイターの条件を満たしてますから。ぼくみたいなロボットアニメの専門家がぐだぐだ言うことは一切ありません。

 コンテンツコンテンツと言うが、コンテンツは趣旨とか内容という意味。それがない作品はあり得ない。作品はコンテンツがないと作品にならないんですよ。でもなぜこの10年ぐらい、コンテンツという言葉を表に出すようになったのか。とってもおかしいよね。

 コンテンツビジネスと言うけれど、ビジネスにするためには中身がないとビジネスになりようがない。なんでコンテンツという言葉が流通して、そんな言葉を平気で使えるのだろうか。みんな慣れちゃっているけれど。

●CGで独自のものが作れるわけがない

 みなさん方の時代は不幸だ。コンテンツマーケットの会場にはCGを使った作品が多いが、同じソフト使ってたら独自の物は作れるわけないと思う。みなさんはそう思ってないでしょうが。

 水彩絵の具や鉛筆、コンテ、油絵の具などで描いていた時代は、多様な描き方があったんです。だがCGを使って描き始めた時、みんな基本的にほとんど同じじゃない? 質感の違いを誰が突破してる? どこかのソフトメーカーが作ったものを使ってその上にぺたぺた貼り込みしているだけでしょ。

 キャラクターのことで言えば、みんなが好きなキャラを作って、それが全部売れているかというと、売れていないじゃない。それでもキャラクターを作ったと思っているのは、めでたいよね。それがクリエイティブなアートだとなぜ思うのか。それは今、みんながそういう言葉使いをしているだけ。

 技術や言葉はとても恐いことがあって、自分はとても独自なことをやってるつもりでもほとんどコピー、まねのレベル。そこから抜け出すために……プロクリエイターになるにはどうするか。プロで重要なことは金もうけできるかどうか。食えないとしょうがないんだから。食えてなんぼ。

 食えるための方法は、時代に振り回されたらダメですよ。左右のブースと似たようなことをやっちゃだめ。「自分のは独自性があります」と言うかもしれないが、お前程度の価値基準で独自性があると思っちゃダメなんだよ。所詮(しょせん)それはコピー。だってCGでアニメやってるんだろ。今アニメなんて国でさえ持ち上げてる。それに乗ってるだけじゃない。

●みんな生き延びられないところで仕事している

 私が鉄腕アトムのアニメを始めたとき(富野さんは虫プロダクションでアトムの制作に関わっていた)、「アニメ」っていう単語で青色申告できなかったの。税務署行くたびに「これどういう職業ですか」と聞かれて一から説明しないといけなかったの。

 今はみんなアニメを知っていて、みんなやってる。1万人の中で1等賞になるのは大変。1等賞ならこうやって(私のように)生き延びられますが、みなさんがたは基本的に生き延びられないところで仕事している。そりゃ大変でしょうね。

 まわりの1万人をぶっ倒す。それぐらい力のある、それこそ“コンテンツ”を作るにはどうしたらいいかというと、いやぁ、コツコツやるしかないですよ。それだけ。おしまいです。

 手塚治虫先生もそうだったと思うんですが、人一倍寝ないで人一倍ペンを動かす。なぜ腱鞘炎にならないか謎でした。5時間寝たら寝過ぎという体になっちゃっていました。それくらい働いていたというだけ。基本的に体力勝負なんです。

●僕の場合は「ガンダム」で逃げ切れる

 と言っては身も蓋もないので、少しトークの場にふさわしい言い方をすると、要点としては毎日コツコツやるしかないのだけれど、「独自性」の考え方の問題もある。

 みんな「私が好きなものは固有なもの」と言うかもしれない。確かにそうだが、重要なのはそれがビジネスになるかどうか、お金もうけの原資になるかどうかを考えなきゃいけない。そういう機能を持ったキャラクターや作品はどういったものかというと、基本的にはそれは、よくできたものでしかない。

 僕の作品の場合は半分以上はまぐれあたりだと思う。問題は、まぐれ当たりが当たった時にどう続けるかということが、そこで本当のビジネスになってくる。死に物狂いでを前のコピーをえんえんとやっていくわけです。ただオリジナルがあるとコピーやっても他人から「えんえんコピーやってる」とののしられないわけで。

 僕の場合は「ガンダム」という名前を付ければ全部逃げ切れるというめでたいところにいるっていう意味では幸せだなと思っています。そういうのを手に入れるしかないんです。

 そのための方法論は、説明できたらとっくにやってます。次の作品2、3本作ってます。作れないから大騒ぎしてるわけです。これが実態です。

●11、12歳まで好きだったものにこだわれ

 そうは言っても、全部を好きに作って済むかというとそんなことは絶対ありません。手塚先生の場合は、子ども向けの漫画を描いていく中でハウツーを学んだ上で、鉄腕アトムに結実させたというプロセスは間違いなくあります。そのプロセスに関して言うと、コツコツやるしかないんです。

 そこでもう1つ重要なモーメントは、他人のコピーになってしまうかどうかは、その人が本性的にもってる指向性や方向性に合致しているかしていないかです。11、12歳ぐらいまでにあなたが好きだったものにこだわれ、ということです。その延長線上にあるものと今やってる仕事がフィットするとかなりいい所に行くだろうと言えます。

 高校卒業以降の技術論で手に入れた物は時代に振り回されます。時代の技術論に振り回されるところがあって、オリジナルなところに行けない。いいアイデアだと思っても、アイデアを3つ4つ重ねても、あまりうまくいきません。よほどのまぐれあたりとか、人との出会いでもない限り。

 自分が子どものころにこだわっていたある方向性、指向性、目指すべきものです。重要なのは目指すべきもの。あの時ぼくは昆虫が好きだったが、解剖とか分類とか全部正確にやりたいんだけどできなかった。そういう方向性と、18歳までに身につけた技術論がドッキングするようなものを見つける必要があるんじゃないか。

●ルックスの良さでごまかされていませんか

 この会場のブースを見て思ったのは、みなさんがたが、なまじ現在の技術を手に入れてしまったのでかなりきれいにまとまっているのだが、力が見えないんです。メジャーになるサムシングがない。

 そのサムシングは「俺が、私が一番やりたかったのはこれなんだ」というものが張り付いていない気がします。特にCGは手描きよりきれいに仕上がりすぎます。ルックスの良さでごまかされていませんか、ということがすごく気になっています。

 そうなると「これ描くのに1カ月かかったかもしれない」という鉛筆の線の方が力ある。PCのコピーで済ましているようなものとの違いは何なんだというと、生身の皮膚感を持った作品には勝てません。デジタルワークの一番恐い部分は、きれいになってしまう、動きが良くなってしまうことでごまかされていることです。

 出資者という素人はアート、作りのことを知りません。「大手メーカーのCMのようなルックスだからいいよね」ということでOKを出す。それは所詮、その時代の判定でしかありません。それでは突破できないということは言える。

●きれいなだけのものはすぐに飽きる

 客は徹底的に素人です。素人は絶対に自分の好みを揺るがしにしませんから。きれいな絵、きれいなねーちゃん、きれいなヌード……きれいなもの、ぱっと見れば見た瞬間は気持ちいいです。が、2回見ますか? 不思議と2回、3回見ていいものは、きれいなだけのものでは絶対にないんですよ。そこは忘れていただきたくない。

 われわれの世代で好きな言葉に「魂を入れる」という言葉がありますが、魂というような面倒な言葉は今日は使いません。

 おそらく、クリエイター、アーティスト、作り手が生身に持っている「俺はこれが絶対なんだよね、お前ら!! これ!」というものが封じ込められていないものは、どんなきれいなキャラクターやストーリーを作ろう、やはりだめなんじゃないのかな。

 僕はまさかこんな話を長々とするようになるとは思わなかったんです。この2週間で経験して自分でもびっくりしたことがあります。なんで自分がガンダムのようなロボットアニメを作れるようになったのか、30代前半の人に教えられたんです。

 自分は中学1、2年生まで宇宙旅行が本当に好きで、宇宙旅行の研究しかしなかったんです。それは自分の趣味だから、軽くおいていたんです。

 ところが30代の雑誌の編集者の子たちが、小中学校の時に僕が書き散らしたものを見て「これなんですよね」と。そばで見ていて「なんでこいつら、僕の書き散らしたものにそんなに感動しているのだろう」と分からなかったんです。僕にとっては当たり前のことだったから。

 でもこんなことを小学校の5、6年から中1、中2の時にやってて、そりゃ高校受験にも落ちるよね、というぐらいやってたらしいです。好きってのはそういうものなんです。「ちょっと好き」は認めません。

●臭くなければ客は付かない

 デジタルやインターネットが決定的に有利なのは、マンツーマンの作業が可能だけれど、そのスタッフが目の前にいる必要がないという部分。それ以上の機能は基本的に認めたくないと思っているぐらいです。便利だから全部利用するのはいかがかと思うが。技術は全否定しているわけではないということも了解していただきたい。

 その上でどう融合させていくかは、現在から10年、20年後の成功を目指すなら考えて下さい。ぼくは10年後には死んでます。だからもう努力する必要あるんです。が、みなさんがたは不幸にしてまだお若い。不幸にしてあと50年は生きたい。できたら男性も女性も、いい愛人が欲しいと思っているなら、獲得しに行かないといけないんです。

 問題なのは、獲得するためのそのための欲望をどう充足させるか。自分の欲望を素直に見つめないで、迂回路をとってきれいなもの、かわいいだけのものを触っていたらクリエイティブは完成しないんです。生身が匂わなければ、臭くなければ絶対に客は付かないんですよ。

 これだけ技術が発達したにも関わらず、ライブの演奏会や演劇が絶対にすたれないのは一体どういうことかということも思い出してほしい。デジタルワークの時代にそういうものをどう手に入れるのか、どう表現するかは、技術を手に入れたわれわれの永遠のテーマなんです。

●初めて手に入れたワープロで、エロ本を書いた

 僕が初めてワープロを手に入れた25年前、最初にやった挑戦はエロ本を書くことなんです。キーボードで「アハン、ウフン、私やってしまいましたわ」って絶対書けないと思ってた。あれは手書きのものと思っていて、キーボードで書けるか本当に恐かった。1年ぐらい、おかあちゃんに隠れてひそかに練習してました。それでキーボードを覚えたんです。

 バットマンシリーズの映画「ダークナイト」のバイクは全部CGなんです。それを考えた時「あんなものをCGでやってる暇あるか」と思ってほしい。もっと上手に人肌を描くこともできるかもしれない、と。人肌を描く、で誤解しないで下さいよ。ヌードがきれいに描ければいいというものではないですよ。

 CGというのは絶対に、触れないわけです。触感も匂いもないわけです。映画というのは、映画的な機能が持っている重要なのは、「触感があるかもしれない、触ったかもしれない、ぞくっとするかもしれない」という体感を感じさせる物語を付け加えられるのが映像の機能なんです。

 そういう映画的な機能を、ただアクション映画、活劇映画ということだけで理解していないか。ハリウッドの大作だけを見て「あれがCGの仕事だよ」と思い過ぎていないか。映画ってそんなチャチなものかということも反問していただきたい。

 客が見たがってるのは何なんだろうかというとき、知った風なモブシーン(群衆が登場するシーン)も、爆発シーンも、人間が飛ばされるようなのも見飽きてるでしょ。見飽きてるのになんでやるの?

 それ以上のことを思いつくクリエイターがいないだけの話です。だからそれをやればいいだけです。だからといって死体ギンギンの映画がいいのか? それが生々しいということではないんですよ。物語ですから。映画ですから。デジタル画像で作る物語というのはどういうものか、改めて自分の中で反問していただきたい。

 そういう反問の中で、10年後か15年後ぐらいにヒットするタイトルなり物語なりを作るのがちょうどいいと思う。こつこつやってると10年ぐらいすぐ。こんな不景気だったら死ぬかもしれない。だが運不運はついて回ります。それは変わりませんから覚悟して下さい。それくらい過酷な職業をみなさん方が選んでしまったんです。

●お前程度の技能や能力でメジャーになれると思うな

 チームワークやスタジオワークは決定的に重要です。こういう所に集まって仕事しようとしている人たちはほとんど我が強いんです。隣の人の言うことは絶対聞きたくないという人がほとんど。だからダメなんです。お前程度の技能や能力でメジャーになれると思うな、なんです。

 僕の場合はおもちゃ屋のスポンサー(バンダイ)がいて、安彦(良和)くんというキャラデザイナーがいて、大河原邦男というメカデザイナーがいて、その出会いを許してくれる制作会社というプロダクションがあったから。漫画家主宰の虫プロダクションのような所ならこの出会いはなかったでしょう。そういう基盤になってるものとの出会いが絶対必要です。

 宮崎駿は1人だったらオスカーなんか絶対取れませんよ。個人的に知っているから言えるんですが。彼は鈴木敏夫と組んだからオスカーが取れた。組んだ瞬間僕は「絶対半年後に別れる。こんな違うのにうまくいくわけがない」と思いました。知ってる人はみんなそう思ったんです。

 それがこういう結果になったということは、あの2人が半分は自分を殺して半分は相手の話を聞いたんです。みなさん方も、お前ら1人ずつじゃろくなもの作れないんだから最低2人、できれば3人か4人。スタジオワークをやる気分になってごらん。そしたらあなたの能力は倍、3倍になるはずだから。オスカー取りに行けるよ、という見本をスタジオジブリがやってくれているんです。

 当事者はそういう言い方しないから脇で僕がこう言うしかない。宮崎さんが公衆の面前で「鈴木がいてくれて助かったんだよね」と本人は絶対言いません。どう考えてもあの人、1人では何もできなかったんです。「ルパン三世」レベルでおしまいだったかもしれない。本人に言ってもいいです、知り合いだから。

 そういう時期から知っているから、そこでの人の関係性も分かってますから。我の強い人間のタチの悪さも知っています。みなさんもそうですよ。隣の人に手を焼いているとか、「あいつがいなけりゃもっと自由にできる」と思ってる人はいっぱいいるだろうが、若気の至りでそう思ってるだけだから。若さ故の過ちというやつですよ(笑)。これ、笑わなかった人は笑った人に理由を聞いて下さい。それは絶対にあるの。

●フィールドを手に入れよ

 一番目指さなくちゃいけないのは、34~35までに、40になってもいいと思うけど、パートナーを見つけるべきだということです。もっと重要なのは、その人とキャッチボールができるフィールドを手に入れていくこと。

 ビジネスを大きくしたいなら、そこで必要なのはチームワーク。悔しいけど相手の技量を認めるということです。僕は例えば安彦君の技量は全部認めます。あの人の人格は全部認めません。大河原さんの技量は認めません。大河原タッチは大嫌いです。でもそれは絵のタッチのこと、デザインはまた別です。「惚れたら全部正義」と思うのがいけない。何を取り入れて何を捨てるか、ということをしなくてはならないんです。

 僕の場合はサンライズという制作者集団があって、その上にフリーの人間が乗っかって1つの作品を作るという構造があったから良かったと思います。1人の人間の365日の生活費を保障するのはとても大変なことです。ですからそういう関係でない、スタジオワークを完成させていくということはとても大事なことです。

●自分が手の届く範囲のことを一生懸命やれ

 まさか僕は70近くになってこんなふうに話ができるような身分になれると思ってなかったんです。40年前、30年……20年前までそうでした。税務署で「アニメの演出」と言うと「何やってるんですか」としょっちゅう言われましたから。そういうことから考えたらめでたいと思っています。

 めでたさを自分のために手に入れるにはどうすればいいか。宮崎駿さんがある講演会で言っていた、同じことを言わせてもらいます。「自分が手の届く範囲のことを一生懸命やることが一番の宝だ」というのは本当だと思います。年寄りの忠告になるんですけど、それを信じてやってほしい。どういうことかというと、男の人に特に言うが、エロサイト見てる暇あったら自分の技量を磨け。

●大人の嘘が許せなかった

 原理原則の話をします。自分の立たされている立場や職業、技術が何に則っているのかが分かればいい。僕の場合はテレビアニメの仕事しかできなかった時に、それでも「好きだった映画の仕事ができていい」と思ってた。でも「鉄腕アトムじゃ嫌だな」ということはえんえん思っていました。

 小学校5、6年のとき日本初の怪獣映画「ゴジラ」が許せなかったんです。ゴジラが出ている画質と人物だけの画質が違いすぎるのになぜ同じ作品と見なくてはならないのかというのがあって。

 自衛隊、当時は保安隊と言ったかな、のF86の戦闘機のミニチュアが出てきたんです。でも木製のミニチュアがミサイルを撃っている時に揺れるんだったら、それは絵にしないほうがよかったんじゃないかと思った。ミニチュアを見せるならそれはやめてほしかった。そういう配慮がない。

 配慮がない円谷の特撮が「すごいすごい」と言っている大人がいたりすると嘘だろうと思った。見れば分かるのに、見て分からないふりをする。「大人の嘘つきを信用しない」と思った。

●SF好きが作ったSF映画はつまらない

 SF映画は一番好きなジャンルのはずなのにみんなつまらなかったのね。ロケットや宇宙人が出てこない映画の方がなぜか面白いんですよ。

 なぜか。中学ぐらいではっきり分かったんです。SF好きのヤツは物語を作ることを知らない。演劇というものに興味を持ってないだけに、人を動かして劇を作っていくという一番根本的な作業を知らないのではないかな、ということに気がついたんです。

 高1ぐらいで見た「禁断の惑星」という映画も、タイトルで「ぞくぞくっとしたものを見られるのかな」と期待したのに何が禁断なのか全然分からないことにまず愕然(がくぜん)とした。

 もっと愕然としたのは、SFってもっと画面が広くないといけないのに「セットで撮影しています」というカメラワーク。死ぬほどつまらなかった。でもお金を払ったので我慢して最後まで見たんです。

 高1にもなっていると別の見方ができるようになっていて、「この役者は演出家の指示に従ってなくて、自分で芝居してるな」というのを見つけることができたんです。「役者ってこういうことをやるんだ」とか「映画って注意深く見るとそういう目線がある」と分かって。

 ロケットや宇宙人、ロボットが出てくればいいというだけじゃないという見方が分かってきた時、「SF映画が好きだって言うヤツの映画は絶対見ない」と確定したわけ。だってここ50、60年で作られたSF映画の名作は「2001年宇宙の旅」でしょう。あれはSFマニアの監督が作ったものではないんです。それを悔しいと思え! というわけです。

 単一色で攻めた時はマニアに好かれるものは作れるかもしれないが、ジブリがやっているように、異能の組み合わせが当然大事なこと。ハーフのほうが美人じゃん、と。全部が全部そうじゃないですよ。

 そういうところにクリエイティブな作業があるんじゃないかというときに、単一思考が一番危険なんじゃないかと思います。ここにいるみなさん方の立場は単一なんです。そこに違うものを入れていくということを、かなり恣意的にやらないといけない。

●志は高く持て

 僕の場合はテレビアニメは嫌で嫌で仕方なかったんです。だって動かないんだもん。それで映画を作れったって無理だよね。

 それでも、止め絵のカットを並べていくことで、映画の論理もあるということが分かったんです。映画論で言うモンタージュというものの意味が分かりました。この止めの絵が何秒あったら映画的にいいか悪いか本当に分かるようになったんです。

 そういうことを理解するために、高みも知る必要もあるんだけれど、一番最低限の技術論を知る必要がある。異能のもう1つの別の言い方は、志を高く持てと。自分は今ここにしかいない。残りのリーチをなんとしてもはい上ってみせるという覚悟が必要。覚悟というのは気合いではなく、毎日毎日階段を上っていくという作業でしかない。これが原理原則です。

●コミュニケーションと原理原則

 僕は自分流の言葉づかいしかできなくて本当に申しわけないと思っています。

 まとめます。第1がコミュニケーション、第2が原理原則で考える。原理原則というのは、技術論もそうですし、自分自身の悟性や趣味のあり方、根はどこにあったのかを原理原則的に考えるということ。子どもの時の自分がどうだったかを反芻(はんすう)するということも含んでいます。

 その上で重要なのは、オーガナイザー、スタジオワークです。経営者、出資者の問題や、その人たちがアーティスティックな作業にどう対応するかということにもお気をつけいただきたいなということです。今回の金融危機でも分かる通り、必ずしも流行のものが正義ではないということです。

 スタジオワークを嫌わずに、スタジオで仕事することをおっくうがらずに進めていただきたいというふうに思います。

2008-11-03

ジム・ロジャーズ氏インタビュー

コモディティ市況について

1:世界的な景気減速等により、コモディティ価格は大きく調整しており、WTI期近物も70米ドルを割り込む水 準まで下落しています。また、ゴールドマン・サックスによるWTI原油相場見通しも、08年10-12月期は、120 米ドルから85米ドル/バレルに、09年は110米ドルから75米ドル/バレルに下方修正されました。世界経済の 混乱は長引くとの予想もあり、原油を初めとするコモディティ需要の減少を懸念する声があります。 前回(2008年8月)のインタビューにおいて、ロジャーズ氏は、75米ドル/バレルの水準の下落があったとして も、その後また上昇に転じるとのお考えでしたが、コモディティに対する需要懸念が高まる中、今後の価格 動向についてどのような見解をお持ちでしょうか?

私のコモディティに対する強気な見通しは全く変わっていない。皆さんも覚えているだろうが、原油の強気 相場は1999年に始まり、以来40%~50%の値下がりを3回経験している。それらの値下がりは、強気相場の 終焉ではなく、単なる価格の変動であり、その度に価格は上昇に転じた。今回の50%の下落は、4回目だ。 今は強制的にポジションを整理させられている時期で、どこかでコモディティ価格の下落は止まる。ファンダ メンタルズに関係なく、全てを売却することを強いられたのは、過去150年の間に8、9回しかなかった。コモ ディティのファンダメンタルズは、依然として非常に強固だ。実際、新たな原油の供給は行われていない。ま た、借り入れができないため、農家は肥料を施すことができないし、誰も新しい鉱山の開発ができない。この ようなことを考え合わせると、今後コモディティの価格は上昇する。ご存知かもしれないが、国際エネルギー 機関(IEA:International Energy Authority)は、原油の供給が年間6~9%の割合で減少しているという調査 結果を発表している。単純計算でも数年後には、我々が非常に深刻な問題に直面することがわかる。このよ うにコモディティのファンダメンタルズは、今後更に改善が見込まれる。従って、現在の状況下で投資すると すれば、それはコモディティだけだ。

2:昨今のコモディティ市場への関心の高まりとともに、高リターンを獲得しているCTAが注目を集めていま す。ロジャーズ氏はCTAへの投資についてどのような意見をお持ちでしょうか?

ロジャーズ国際コモディティ指数™(RICI®)は、1998年8月から2008年9月までに317%のリターンを挙げて いる。一方、Barclay CTA指数は、81.80%のリターンだ。RICIは、CTAの平均収益の約4倍もの収益を獲得 した。他の手法よりインデックス運用が優れていることを様々な調査結果が示している。コモディティも例外 ではない。もし、非常に優れたCTAを見つけたら、お金を預けても良いだろう。しかし、今後どのCTAが上手 く運用するかは誰も分からない。

世界経済、日本経済について

3:米国、欧州による、金融機関への公的資金注入等の対応策についての評価をお聞かせ下さい。また、 昨今の金融危機の見通しと今後とるべき対応策についてもご教示下さい。

私は、日本が1990年代に犯したのと同じ誤りを米国やヨーロッパの政府もまた犯していると思う。日本は破 綻を受け入れることを拒絶し、体力のなくなった企業を残したため、簡単な問題を解決するのに長期間を要 した。破綻する企業は破綻させるべきだったのだ。今回の米国もヨーロッパも同様だ。 強者が、競争力のない弱者から資産を譲り受け、最初からやり直すことが今回のような状況下では本来行わ れるべきだ。ところが実際には、競争力のない弱者が強者から資金の援助を受け、そして強者と争っている。 これは経済的にもモラル的にもよろしくない。政治家がモラルを懸念しないことは知っているが、不適切な経 済政策であることは間違いない。 次に政府が行うべきことは、救済を中止し、破綻している企業は倒産させることだ。すでに政府は、破綻企 業に救済を施し、混乱した状況を作り出してしまった。これは間違いであり、今後悪化するだろう。直ぐに止 めるべきだ。

4:中国の水源問題や、メラミン混入等による食の安全性などが問題視されています。ロジャーズ氏は中国 の未来は約束されているとの見解をお持ちのようですが、このようなインフラ上の問題が、中国の中長期の 成長へ与える影響についてどのようにお考えですか?

確かに、中国には問題がある。誰にでも問題はあるものだ。米国は、19世紀に15回の不況を経験した。南北 戦争があり、路上での惨劇も行われた。公民権は認められていなかった。米国は、このような様々な悲惨な 問題や深刻な問題を克服し、繁栄への道を進んだ。中国もまた多くの問題を抱えている。汚染問題はその 一つだ。水の問題は中国では深刻だ。しかし、これらの問題は全て一時的なものだ。中国も米国と同じよう に問題を克服し、発展の道を歩むだろう。

5:今回の世界的な株安により、日本株の過剰な割安感が目立ちます。ロジャーズ氏は現在、日本株への 投資についてどのようにお考えでしょうか?また、日本経済の見通しにおいて、危惧されている事柄はありま すか?

米国よりも日本に投資したいと思う。私は、今がコモディティ投資の絶好の機会であるので、コモディティを 買っているところだ。歴史を通して、このような状況にあるとき最も優れた投資先は、ファンダメンタルズが損 なわれていないものだ。そして、今日ファンダメンタルズが悪化していないのは、コモディティだけだ。前にも 言ったように、新たな追加供給がないため、コモディティは強気相場にある。そういう訳で、私は、現在、株 式よりもコモディティを買っている。もし、株式に投資するのであれば米国よりも日本を選ぶだろう。

通貨について

6:イランやベネズエラが原油取引時に米ドルでの決済をやめるなど、基軸通貨としての米ドルの地位が低 下しつつあります。米ドルもかつてのポンドのように、基軸通貨として成り立たなくなるのでしょうか。そうであ れば、今後の基軸通貨として可能性が高いものはどれでしょうか?

米ドルが、その基軸通貨としての地位を失いつつあるのは、疑いのないことだ。英ポンドの衰退と同 じ道を辿るだろう。現在は、米ドルの売りポジションの解消のため、一時的に買われているが、10年 後、15年後あるいは20年後には、基軸通貨の地位を失うだろう。しかし、どの通貨が米ドルにとって 代わるかは分からない。もし、今日米ドルに代わる通貨を求めるのであれば、それはユーロだろう。 しかし、ユーロが15年後に存在しているかどうかわからない。5年後、10年後の基軸通貨が何かは分 からないが、15年後には人民元かもしれない。しかし、人民元は封鎖貨幣なので、今それを論じる のは現実的ではない。

7:Bloombergのインタビューにて、日本円、スイスフランに対して強気であるとのコメントを拝見しましたが、そ の魅力をお教え下さい。

キャリートレードは、必ず巻き戻されるので、私はスイスフランと日本円に強気だ。今、誰もがポジションを解 消することを強いられている。ポジションの解消が続く間は、日本円の上昇は続く。スイスフランは、日本円 程は上昇しない。何故ならスイスは他国と同じ誤りをおかしつつあるからだ。政府が金融機関を支援し始め ているのだ。これは、私の人生でも初めてのことで、スイスフランは売らずに依然として保有しているものの、 心配している。 今後、円の急上昇がどれくらいの期間続くのかは分からない。日本円は、多分、過去の最高値まで届くだろ う。非常に多くの人が円キャリートレードを行っているので、80円/米ドルまで行くだろう。キャリートレードの 巻き返しの後に何が起きるか、今の時点では分からない。しかし、キャリートレードが全て巻き返されるには 長い時間がかかるので、それを懸念する必要はない。

2008-10-28

オーラ

あなたは”Baby Mama”を観ましたか?(情報求ム)
今日は(今日も(笑))相場とあまり関係ないお話。
このエントリーはしばらくしたら消すかもしれません(^^;)。
 
 
柳川昌弘氏は稀代の空手家である。 私は流派が違うので教えを受けたことはないが、氏の著書「空手の理」「続空手の理」は若い頃に何度も繰り返し読んだ。 よく知られているように、柳川氏は幼少の頃の不幸な事故で目がほとんど見えない。 だが、空手家として柳川氏が成功したのはなにより氏の若い頃の超人的な鍛錬があったからである。 そして柳川氏が空手界でも特異であるとされる理由は、その「オーラ」を見る能力にあると一般に認識されている。

さて、私は自然科学を信奉する学徒であるから、いわゆるオカルト的なものは全く信じない。 狂信的な新興宗教の連中の言っているたわごとも一切聞かない。 だからいわゆる世間でいうところの「オーラ」なるものもデタラメだと思っている。 彼らのいうオーラとは漫画やアニメなんかにでてくる炎の形をしたアレである(笑)。 なんでも選ばれた人のみが身につけられるもので、しばしば霊能力と関係があり、特殊な力を持つらしい(^^;)。

どうやら柳川氏の言うオーラも世間で言うオーラと同じだと思われているらしく、Wikipediaの柳川氏の解説にも「オーラが見えるなどの霊能力があるという。」と記述されている。 しかし、私は確信を持って言うが、柳川氏のオーラと世間で言うところのオーラとは全く別種のものであり、霊能力とも全く関係がない。 世間で言うオーラはオカルト的なインチキなのに対し、柳川氏のオーラは純然たる物理現象なのである。

なぜそんなことが断言できるのかというと、私にも同じものが見えるからである。 私は20年近く前に柳川氏の著述によってその方法を知り、すぐにそれが見えるようになった。 それ以来私にとっては当然のこととしてオーラが見えるので、それは単なる物理現象に過ぎないと判ったのである。 そしてそれは世間で言うところのオーラとは全く別のものであることにも私は絶対の確信を持っている。

詳しくは柳川氏の著述を参照していただきたいが、オーラの見方は簡単である。 最初に背景ができる限り白色のところに見たい対象者を持ってくる。 そしてまず「居つかない目」で対象を見る。 これは武道の経験がある人なら簡単にできるだろう。 特定の部位に意識を集中することなく、相手を全体的にボォっと捉える視線の送り方である。 さらにそこから、焦点を無限遠にずらすのだ。 すると対象者の周囲に光の帯が見えてくる。 これが柳川氏が記述し私が見えるところのオーラである。 この光の帯は薄い色が付いている場合もあるし、そうでない場合もあるが生命体には必ずある。 そして柳川氏は書いていないが、無機物は単体ではオーラを放たないものの、人間が手に取るとオーラを放つ。 例えば剣道の稽古のときに、相手が竹刀を持てば、その瞬間に文字通り竹刀の先までオーラが走るのが見えるであろう。 

繰り返すが、これは摩訶不思議な現象でもなんでもなくて、単なる物理現象である。 柳川氏は「見るのに特殊な能力など必要としない」という趣旨のことを書いているし、私が見たところ人間ならそれぞれ色や幅、強さは違えど誰でもオーラを放つので、格段ありがたいものでもない。 極々フツーの現象だ。 もちろん炎の形もしていないし、オーラの力(?)でモビルスーツなんかが動いちゃったりするわけでもない(笑)。 霊能力なんて全然要らない。 あくまで単なる純粋的に光学的な現象だ。

ところが、この方法を数人の友人に話して試してもらったが、過半は私と同じオーラが見えなかったのだ。 一方、私はまったく練習もしないですぐに見えた。 どうしてそういった個人差があるのかずっと謎であった。 私は実は子供の頃の怪我が原因で右目がほとんど見えない。 物の形や色は判別できるが余程近寄らないと、人の顔の区別もできない。 左目は近視だが普通に見えるので日常生活では困らないし、コンタクトレンズやメガネを使えば運転もできる。 だが、右目は全くダメだ。 なので、ひょっとしてこのオーラを見るためには、何かそういった障害のある人だけが持つ脳内のニューロンの特殊な働きか何かが関係しているのかと思ってみたりもしていた。 

自分にとっては当たり前の物理現象だと思っているから怪奇現象でもなんでもないが、原因やその仕組みがわからないし、すぐに見える人はともかく、見えない人に「見える」と言っても奇妙がられるだけなので、これまで親しい人にしかこれを話したことはなかった。 もちろんこの柳川氏の言うオーラに関しても、武道家で似たようなことを書いている人はいるし、画家の中にも見える人はいる。 現にいろいろな人物画を観ていると、日本画でも洋画でもこのオーラを書き込んだ絵に出くわすことがあり、「ああ、この画家には見えるんだな」と思ったりするのである。 だから私だけが特殊なのでは全くないことはわかっていた。 しかしハッキリと見える人に出くわすことは稀であるし、オカルト的なそれと間違われても困るので、あまり詳しく探求できずにいた。 だが、いつかそれの真実を知りたいとずっと思っていたのである。
 
 
 
 


さて先日、新作映画”Baby Mama”を観た。 http://movies.yahoo.com/movie/1809873023/info
映画自体はどうということのないコメディだ(失礼)。 だが、この映画のなかに私にとってとても重要なシーンがあったのである。 代理母役のAmy Poehler が主役のTina Feyに最初に会う場面である。 Amy PoehlerはTina Feyにこう言うのだ。 「オーラの色は人それぞれ違うのよ。」「ちょっと観てあげる。」「夕日に似たいい色ね!」 そして、そのオーラの見方が、柳川氏が記述し私が行なうところのものと全く同じだったのだ。 Amy Poehler は白い壁の前にTina Feyを立たせ、無限遠に焦点をあわせたのである。 私にとっては、これに驚かずして何に驚くのかという出来事だ!(@_@)

はたして、この映画の脚本家か監督は柳川昌弘氏にこれを教わったのだろうか? それともこのオーラの見方は普遍的なもので、アメリカでは当たり前なんだろうか? 詳しいことは判らないけれど、少なくとも一般向けの映画のシーンに自然に取り入れられるほど、海の向こうでは普通のことなのだろう。 そして多くの人が当たり前のように友人や家族のオーラを観て、それについて話をするのだろう。 ならば私はもうマイノリティではない(笑)。 長年の胸のつかえが取れたような感じだ。 

”Baby Mama”を観たことは、こうして私に驚きと同時に少しリサーチに対する意欲をもたらした。 アメリカではそれは普通のことならば、調べれば色々なことがわかるに違いない。 
 
 
 
最後についでに書いておくと、私の限られた観察結果からいうと、トレーダーに向いている人は緑か青のオーラの人である。 暖色系のオーラのトレーダーにたまに会うことがあっても、しばらくするとその人は例外なくトレードを止めている。 なにか因果関係があるに違いないと思っていたが、これまではいかんせん自分で見ているだけだからサンプル数が少なすぎた。 こんなこともアメリカでは研究済なんだろうか? もし何らかの情報を知っている人がいれば教えてください。 <(_ _)>

皆様、たくさんのコメントの書き込みありがとうございます。
こんなにも自然に(笑)、抵抗なく反応をいただけるとは思っていませんでした。 本当にありがとうございます。 m(_ _)m

ちょっと念のために再度書いておきますと、柳川昌弘氏の言うところの「オーラ(オーラAとします)」と、世間でいうところのオカルト的な「オーラ(オーラBとします)」とが全然別のものであると、私はずっと思っていました。 つまり、一般的に私達が認識する光学的な現象はもちろんオーラBとは関係がなく、そしてオーラAは単なる物理現象としての光だと私は思っていたのです。

ただ、オーラAが視覚障害者の脳内でのみ認知される仮想現実ではないかというご指摘は、その可能性を排除することはできないですね。 しかし、視覚障害を持たない人でもオーラAを見ることができた体験があるのと、それが単なる仮想現実だとすると私の個人的な観察とつじつまの合わないことがあるのです。

例えば、もし仮想現実だとすると、以下のようなことが説明できないのです。
・ 生命体はオーラAを放つが、単なるモノは全くそれを放たない。
・ もちろん例えば体温に近い温度(36度C)くらいに何かを暖めても放たないことは同じ。
・ 単なるモノでも人間が持つとオーラAを放つ。
・ 女性と男性でオーラAの形や濃度に特徴がある。(日本人の場合、女性は幅が広くて薄いケースが多く、男性は幅が狭くて濃いケースが多い)
・ 色が人それぞれで異なる。(柳川氏の著書にも区分けが書いてありますが、私の観察ではそれほどきれいにはっきりと色別に特徴があるわけではないのですが、そもそもなぜ人によって違って見えるのでしょう?)
・ これがすごく顕著なのですが、私が出会った大陸出身の中国人の人は、ほぼ例外なく黄色いオーラAを放つ。

ここで、柳川氏の言うオーラAが本当に視覚障害者の脳内でのみ認知される仮想現実だとすると、もっとプレーンな見え方になるのではないかと思うのです。 従って、オーラAは現実に存在する物理現象だと個人的に確信しているのですが、それでも既存の光学的な観点からは説明の付かない部分が多すぎるのです。 これまで長い間自分ひとりで考えてきたのですが、ちっとも解析できなかったところへ、件の映画を見て人に意見を聞いてみる気になったわけです(笑)。
 
 
みなさんの情報を読んでみますと、物理現象というよりも生理学的な現象で、オーラAを観るときの方法は速読の時に使われる技術と同じらしいというのが一番妥当な線のように感じます。 やはり聞いてみるものですね。 今回皆さんに教えてもらって知らなかったことがたくさんわかって感謝しています。 引き続きこれからもよろしくお願いいたします。 


前回と今回のエントリーは適当な時期が来たら消そうと思ってます。 それまでに何か思い当たることとか、ご存知のことがあれば教えてください。 <(_ _)>。

人民元NDF

CCN+12M
スポットはUSDCNY=X: Basic Chart for USD to CNY - Yahoo! Finance

ジェイコム男、株大暴落でも25億円の儲け

 05年のジェイコム株誤発注騒動で巨額を稼ぎ話題になった都内の個人投資家「ジェイコム男」こと「B・N・F」氏(30)が、最近の株価大暴落の中でも資産を増やし続け、今月中旬には一時、昨年末から約25億円多い「資産総額約210億円」に達していたことが27日、分かった。現在も資産総額約200億円。今月には東京・秋葉原駅前のビルを約90億円で「1棟買い」し不動産に進出していたことも判明。世界的金融危機の大嵐の中、カリスマトレーダーは“1人勝ち”していた。

 B・N・F氏によると、同氏の現在の資産総額は株、不動産合わせて約200億円。日経平均株価がバブル崩壊後最安値を更新した27日も無傷で、前週末比プラスで終了した。株価が大暴落を続ける中、資産総額が過去最高を記録したのは、日経平均終値が前週末比約1171円高となった今月14日で、その日に計約210億円に達したという。

 同氏は昨年12月初めの時点で資産総額約185億円だった。米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的金融危機の嵐が吹き荒れ、大手金融機関も次々経営危機になる中、同氏は利益を着実に出し続け、昨年末以来、資産総額で最大約25億円を増やしていた計算になる。同氏は今年の取引について「『かなり順調』ではないですが(総資産は)増えています。こんな暴落は今までに経験がないので、少しでも油断するとあっという間に10億、20億は損しそうなので、かなり相場に集中しています」と述べた。

 ただ、何度か「ミス」もしたという。9月に入って米国株の取引も始めたが、米大手証券会社リーマン・ブラザーズ株が急落した際に約7億円分購入。しかしその直後の9月15日に同社の経営破たんが発表され、損失を出した。また先週、日本株で油断した売買をし、約5億円の損を出したという。「(今年の日本株取引では)この5億円の損が最大です。また、米国株はほかの銘柄で利益が出たので合計はプラスになりましたが、日本株との両立はきついので今はやめています」(同氏)。

 また、同氏は最近“アキバ不動産”投資に乗り出していたことが分かった。同氏によると今月、秋葉原駅前のビルを約90億円で購入した。現在の資産総額約200億円のうち、約90億円分がこのビル。現在の株の運用資金は約110億円という。同氏はビル取得の理由について「駅前の物件を個人が買うのは、市況がいい時では難しいと思ったので、めったにないチャンスと思いました」と話した。

 最近、ネット上の個人投資家らの間で、株価暴落をめぐり、同氏の「巨額損失説」「退場説」など根拠なきうわさが多数流れていた。しかし実際は、カリスマトレーダーは健在だった。

ハムハムセブンさんの御意見
BNFさんとてさすがに毎日順調だったわけではなかったようです。リーマン本体で損をしたり(7億投資したとあるので、これに近い損だったのかもしれません)、先週は日本株で5億も損したようです。
また日刊スポーツに口座の損益が載っていましたが、プラスとはいえ口座残高比ではわずかなものでした。

こういう記事を総合すると今回の利益は14日一日でほとんど稼ぎ出しているものと推測されます。そして他の日は出来るだけ損を小さくするようにしているためトータルで利益を確保しているのだと思います。

今回の過程でBNFさんと同じ銘柄を同じように買った人は大勢いたと思います。しかし同じように買ってもちゃんと利益に出来た人もいればそうじゃない人もいるのだと思います。つまりBNFさんは上がる銘柄を見抜く力があるということではなく(もちろん普通の人よりははるかに上だとは思いますが)、手仕舞いの優秀さがその秘密なのではないかと思った次第です。

私も今回は投機モードのほうはなんとかかんとかやってきましたが、その利益を投資モードや塩漬けモードへ垂れ流ししていたようなものでした。

とまあこういうことで長期とか塩漬けとかのほうは出来るだけ縮小しようと思ったわけです。