1997-02-26

後藤語録

・オプションは実は後藤が一番好きなものです。パンローリングというのは、元々オプション売買専門で設立したものです。
・いわゆるカレンダースプレッドや、オプションならではのさや取りもあります。奥が深くて、さや取り同様はまってしまいます。笑。
・オプションも売り、と、林先生が言っているのではなく、プレミアムのあるものは売りという方が正しいかも知れません。

1997-02-20

後藤語録

・パターンその3を考えているなら、第一弾はどこでもいいですが、理想はさやが限りなくゼロに近づき、再び拡大をはじめてその近辺でstopのサインが出たりするとgood。
・ただ、春の天井圏での逆ざやパターンその3は、期近の買い玉を3番限、2番限、当限へずらすのがこつですが、逆にこの買い玉が踏ん張らずにずるずる落ちるようなら、うまみが一気になくなって、さや取りのポジションより純粋な売りが有利になります。
・だから買い本玉維持のつなぎ売りをしていたひとが、買いを納会で手仕舞うか、ずるずるきたところで手仕舞うかによって、ポジション変化が異なりますが、さや取りを本格的に仕掛ける時期でもありません。
・11月限発会(5月末)あたりからが、さや取り屋がんばろうの時期のはじまりであります。
・日柄の一番短いリズム取り感覚で、さや取りする分には、仕掛けから手じまいまでは思いの外早い。

Q:手数料抜ければさっと逃げる、これでも練習はOK?

・有効ですが、抜けたと思って手仕舞い注文を出したら、不利な値段で付くというのはよくあるのでお勧めしない。
・基本的に相場の練習というのは、実践の中の典型パターンを抽出して、繰り返すわけです。正しい練習方法なら、利益は自然とたまるはずです。授業料だと思ってあきらめろ、などという練習方法は全て嘘。
・不利な場面のつなぎの練習とか、その一部だけを抜き出せば、損益はそのときによりますが、基本的にやればやるほど儲かるものしかダメ。損小利大の考えで行くべし。
・取るべき所をキチンと取ることが一番良いこと。いけないのが、取れないところで手を出して、やっぱり取れなかったというパターン。
・損をすべき所は損をしても、それほど影響しない。儲けるべき所を損する場合は注意信号。流れに乗れていないから。
・恐ろしい動きをした限月は、異常な動きをしたから恐ろしいのであり、さや取り屋にとってはよだれが出るくらいおいしい限月になります。どこかにプレミアムが発生しているわけで、いつかははげる。さや取りで安全で儲けの良いパターンの仕掛けが可能になる。いつもの定番です。

Q:さやグラフはどう書く?

・同市場でもいいのですが、産地と消費地が離れているものは小豆と違って逆ざや慢性状態もあるので、大豆なら同市場で見ているとおいしいパターンが急激に減る。だから異市場専門みたいになるわけです。
・基本は各限月、3番限固定などの基本さや棒グラフを書く。3市場なら3枚。さらにおいしそうな限月のさや棒グラフを書く。
・私の場合組み合わせが膨大になるので、パンスプレッドを使っています。こういう時のために作らせたのがパンスプレッド(PanSpread)ですから。
・そしていくつか(だいたい3組以内に押さえる)をパンスプレッドで折れ線表示させて、おいしそうなものを手書きで書き直してしばらく追って、実際に仕掛けるかどうかを決定します。
・ゴムとゴム指数のさや取りなど、すべてパソコン処理で、手書きなしで挑戦してみましたが、生涯最高の利回りがでた年になりました。その後、税務署というおまけが付いて、生涯最も儲からない年になったというオチがつきましたが。
・まあ順次手作業分をパンスプレッドに取り込んでやろうと思っています。さや取りを本格的にやり始めると、パンスプレッドの怖さがわかる。それ以外はエクセルでも十分可能な機能ですから、たいしたものではない。
・前の相場を引きずらずにゼロにするのを繰り返すのは、馬鹿でも相場がうまくなる秘訣です。

・今日は一日インターネットで遊んでいました。場の最中に相場にひっついて儲かるならそんな楽なことはない。
・一日15分以上、相場にかける必要はありません。その15分とは、新聞切り抜き、場帳整備、グラフ(さや棒まで書いて)つけ、たばこを吸いながらポジションチェック。売買決定まで全てを含みます。
・資料作成したり、調べものをしたり、統計取ったりと、これは死ぬほど時間がかかりますが、ある程度のスタイルが固まってくると、大引けの1時間以内に全作業をして、注文も翌日寄りつき成り行きで出しておけば、10分もかからない。
・後藤がめんどくさがって、かかってくる電話を全部無碍に切っていたら、臨時で雇った事務の女の子に、「なんで後藤さんって、本ばっか一日中読んで働きもしないで、お金が入ってくるんですか? 悪いことしてるんじゃないんですか? 私、そんな会社じゃ働けません」と聞かれたことがある。
・見えないところで死ぬほど苦労して居るんだし、悪いことなどしていない、といくら説明してもわかってもらえず、とうとう急にこなくなりました。
・相場師はみんな切った張ったの勝負をしていると思っている人が多い。株が下がったらみんな損をしていると思っているひとも多いし。
・でも、相場は手を出す前にするべきことがあり、それをふまえて参加すれば、一日することは読書以外無いと思う。
・売買注文を出す前に実は勝負の8割が決まっていたりする。はまってから悩んでも、対応策は損切りしかない。注文を出す前が大事だったりする。

・難しいところはプロがやっても難しい。だいたい難しいところを華麗に取るのがプロではなく、簡単なことを確実にやるのがプロです。
・株式1銘柄は、はっきり言って難しい。まだ、小豆1銘柄の方が現実的な気がする。まわりのプロを見ていると、特にそう思う。
・逆に言えば、難しいところでは手を出さないだけで、利益率が上がることが判明したといってもよい。

Q:さや取りでは、1週間ぐらいの周期の建て玉と手じまいでしょうか?

・リズムで取る場合は短いことがおおいですが、異市場さや取りの場合はけっこう長い。それこそ大きな仕掛けは1年に4回くらい。30日以上保持するポジションも当然ある。
・同市場異限月は、短めが多い。

1997-02-18

後藤語録

・大豆のさや取りポジションは継続中。異市場さやとりは結構大ざっぱっで良い。
・さや取りは天井、つまり片バリのピークとさやの拡大と微妙にずれることも多い。
・2番天井からのさや取りでもおいしいのですが、これは今話を聞いているだけで、いつか実感できたらいいやくらいでかまいません。
・下げ相場と上げ相場では、上げ相場の方がさや取りはなれていない人でも取りやすい。
・後藤も最近、こりゃいいやで大豆をおお仕掛けです。こんなにいいかげんでいいんだろうか? 笑。
・東大以外に関大、中大まで可能なら、おもしろすぎて仕事どころではありません。
・練習をしているひとは、ゼロを入れて休み(1日でも良いが、本来は1ヶ月くらい)を取って。
・どこがおいしくて、どこがおいしくないか。自分なりの得意パターンができれば、利益も安定します。
・利益が出たときほど、生活レベルを下げた方が良い。うちの組織でも下の下で顔も見たことがないほどの若いやつに限って、BMWやポルシェに乗っています。後藤が贅沢は全然していないのに。
・相場ではダメならバンザイ。得意パターンになれば確実に大きく取る、の繰り返し。
・さやの動きが片バリに比べておとなしいといわれますが、世界3大利殖の一つといわれるのは伊達ではありません。
・さや取りの方が、片バリより安全でかつ利益が大きいのは珍しくない。
・さや取りだけで、億のカネは絶対稼げます。

1997-02-08

後藤語録

・さや取りで注意点が一つ。値幅はあまり気にしない方がよい。周期は見ても値幅は無視(本当は無視できないが)。いくら開いたから仕掛けようと言う出発点より、15本、30本目だから仕掛けようというのがよい。
・大豆のさや取りのノウハウも、小豆のさや取りが基本。

Q:15本、30本は、小豆にだけ通用するやり方ですか?

・基本が15本で、その半分、その倍が基準。異市場だと、さらに倍の60本も結構ある。異市場のほうがさやの開きがあり、周期が長いことが多い。
・異市場の方が、さやがいびつな分儲けも大きい。昔の小豆と手亡のさや取りでも、年何倍とれた話は、異銘柄だから可能だった。
・あと、拡大で一度開いて、閉じて、さらにもう一度開いた次の縮小をとる仕掛けは、成功率が高いとされる。小豆の場合は、この2段目の開きとか閉じるとかがわかりにくい(一気にとじるから)。
・これでパターンその1(b)パターンなら、仕掛けなければ損。非常においしい。

Q:今回の下げは結構とれたのですが、つなぎで期近に買いを入れたのですが、何かうまくいっていません。期先がよく上がっています。

・平均値がそこそこ高いならそのまま継続、もしくは利食い。つなぎも何もしない手がある。(シンプル・イズ・ベスト)
・先の売り以外にこの期先の上げを見て、期近買いの期先売りを新たに仕掛けることは良くやります。というよりすでにそういうポジションを持っていることが多い。
・この作戦は昔トウモロコシでとった奴。天井くさい逆ざやで、期近買いの期先売り。それも買いの期近は、3番限よりも2番、当限がよい。それとは別に、2対1くらいの比率くらいの売りを期先に建てるというやつ。
・期近2枚買いの期先3枚売り、または期近1枚買い期先2枚売り、くらいが簡単で効果的。これをバラバラにして考えて、最終的にここに持ってこようと企むことが多い。
・過去にもあって、現在もあるということは、将来も天井くさい逆ざやそれも玉締め風なら、定番でこれと言うことになる。
・期先の売られすぎの反動をとるのは間違いではないですが、自分が下げ相場に乗っていて、その戻りまで狙うのは、いわゆる相場のあやまで取ろうとするわけですから、少し消極的にした方が良い。
・言い換えると、下げは必ず取る。上げはとれたら取る、というスタンス。
・売り屋は、上げには不利をさけるようにつないだり、玉を減らしたりしますが、積極的に買いに行くことはあまりない。
・いずれにせよsimple is bestです。複雑になったなと思ったら、一番玉面をおかしくしている玉を切るとすっきりする。その玉を切ったために全体がわかりやすくなって、利益が伸びます。
・ポーカーの格言の「一度だけ大きく勝て」です。いかに本玉を大きく取るかが大事。

Q:春の天井について?

・秋の底が9月末(統計から言うと26日)に付けやすいように、春の天井は1~2月が多いというのがまず基本にあります。理屈から言えば60日周期を基本に相場が動くなら、立会日数が240日前後なら、1年のうち底が2回、天井が2回あるわけなのですが、実際は格言通り春は売りから、秋は買いからというパターンが多い。
・つまり底・天ともに1回。
・そして日柄と値段なら、どちらを重視するかと言えば過去の経験から言って日柄の勝ち。(7:3くらいで)
・小豆みたいに上値下値が決まっているものは、値頃の影響が他のものに比べて高いという点はあります。

Q:3月またがり60日ですね。

・実際は45~120日くらいと相当幅がある。プロにはこの波のことが根底にあって、泳ぐタイプと、大きな流れは解らんからリズムだけの短期を細かく取るというタイプに分かれる。
・それで理想はさや転換がキチンと起こること。もともと上げ下げはだましが多くても、さや転換にだましなしというくらい、さや転換が相場の転換になりやすい。
・当然不作などで秋の底が後ろにずれると、春の天井も後ろにずれがち。
・もう一つ、昔からの格言で春の買い占めは成功しないというのがあります。
・いつかは落ちてくる、というスタンスで割と安い値段でも大きめの玉を建てるプロもいる。

Q:玉締め崩れ後の1000円以上の下げの反発は成功しやすいと思ったのですが?

・逆ざやは本来市場が不透明なときに発生しやすく、流通に異変が起きているときや誰かがイタズラをしているときに起こりやすい。それなら買うなら先限ではなく、モロ期近。当限でもOK。そのまま納会まで寝かして落としても可、というやつです。
・というのは崩れるときは先からの可能性が高いので、逃げ遅れることが多く、実は当限のほうがリスクが少なかったりする。
・よく引かされた玉を納会まで持って、とうとう損切るという経験はあっても、利が乗った玉を納会まで持つ人はまずいない。ここらへんがおもしろい。
・わざわざ当限になってから売買する必要もないですが、ああくまでもリスクとリターンの関係。意外とリターンが期待できないなら、リスクは先限につないで。
・これは仕掛けているやつにちょうちんを付けるという、仕手株に乗っているのと性質は同じ。暴落しても文句は言えないところが怖い。
・もっとも、相場全体が下がるときは先も下がりますので、確率的に割がある。過去の相場の春の天井パターンを洗い出すと解る。

Q:1989年納会で3000円下落しましたが。

・あるある。それが怖いなら納会前に手仕舞う。あの暴落は例外中の例外でしたが。
・さや取りのパターンその3というとき、買い本玉維持の売りつなぎという形で、純粋なさや取りではない。リズムで仕掛けているわけではない。
・ですから、12月から買い玉があって、それを先に売りつないだら、パターンその3、いわゆる逆ざやの時期の順ざやとりだな、というだけ。
・分解して言うと、1.買い玉を入れる、 2.売り玉でつなぐ(買い玉そのまま)、 3.買い玉手じまい、今度は売り玉が本玉になる  です。
・逆ざやの時はひたすら休んでいても良い。
・この1~3までのうち、2.の瞬間だけはさや取りと同じになり、端から見るとつなぎかさや取りかがわからない。さらに2.からはいって3.に移行しようと企んでも良いわけです。

Q:中源線の素人でも解る応用例を教えて下さい?

・中源線でも225より債券先物が儲かって、さらにそれより儲かるのが為替とわかっていますから、これに乗らない手はない。よく225がそこそこ成績がよいと言ってくるやつがいますが、実は為替がべらぼうによい。
・中源線建玉法で一番儲かる為替がドルーポンドらしいのですが、後藤はポンドの動きがよくわからないので、ドルー円でいいやと考えています。

Q:225も個別銘柄の指標ベータ値とかの世界は無理ですか?

・ベータ値で投資してもかまいませんが。それでカネもっているやつは見たことがない。
・脱アマ相場師列伝でさや取り屋のページがありますが、そこを読めば何をするべきかがわかります。実はそれだけで他にやることがない。

Q:大雄社

・業界のやつと喧嘩したくはないですが、客殺しばりばりの店です。金とプラチナのストラドル? それで稼いでいるやつが何人いるのか。いまどきそんな低レベルの話をする商品マンは、私は馬鹿ですと言っているのと同じです。
・実は被害者が知り合いに一杯居る。だまされてから知り合いになったひとばかりですが。

Q:ストラドルは別におかしくないはず?

・だまされる方が悪いと後藤は言い切りますが。金と白金のストラドルは、損をするさや取りもどきで有名な、非常に危険なさや取りです。
・さや取りでも大きく張るパターンは少なく、あとは取れたらラッキーくらいで少ない枚数で仕掛けているのも多い。さや取りで借金してでも大きく張らずにどうするんだというのが、パターンその1(b)。
・金と白金なら証拠金の倍率と手数料を計算して、実際どの程度さやが開閉するかをチェックすればよい。往復の手数料の3倍以上さやが開閉してくれるのが理想です。
・それなら乾繭と生糸のさや取りだといいはじめる輩が多いのですが、取引量の多かった昔はともかく、衰退市場では薄くて値が飛びやすい。机上の空論です。
・(b)は順ざや時期の順さやとりであり、期近もあがって期先もあがって、それも2段階以降が非常においしい。

1997-02-01

後藤語録

Q:いまポジションゼロで、パターン4を仕掛け、様子を見ながらパターン3で行こうという虫のいい考えなのですが?

・単にパターン4をねらうのならそれでOK。ただ比率的には、パターンその3の3分の1以下をお勧めします。つまり利回りアップより、流れに乗るのが第一目的。
・パターンその3は大好き。パターンその1と同じくらいにすき。ボラティリティが高くなる、天井の時期になると特に好きでやる。

Q:パターン2と4がなかなか理解できません。原則は期近買い期先売り?

・それが原則?? 売るのが基本の3番限なら、6番限のさやが-310円として、トラッキングエラーの可能性を計算して、手数料を抜くといったいどれくらいかな、と最初に大まかに考える。
・買いは元々その限月に居座らせて、それとは別にさや取りを仕掛けて、よく考えたら同限月に売りと買いがある場合は問題がない。
・成功率はパターンその1が一番高いとして、実は儲けとしてはパターンその1(b)で、次にパターンその3であり、出現確率ではパターンその3の方が断然多い。
・底値にきたという判断ができれば、さや取りよりもしっかりした買い偏重のポジションを取ればいい。(底の判断はなんでするんですか?)
・さや取りやつなぎをする人で、これはつながずにしっかり玉を寝かすか、ダメならすぐバンザイして逃げるべきだよと言うのがある。
・言いたいのは反対玉を建てて、自ら儲けを減らして、リスクはそんなに減らないというパターンが怖いと言うことです。はたからみて、上手だねと言ってもらえるためにやっているようなのがいる。
・まあパニックは常に投資チャンスになるのは確かです。株なんか久しぶりにボラティリティが高く推移しているのでおもしろいと思います。
・毎日の小刻みな動きは気にする必要がないです。特にさや取りポジションの場合は。
・ストップ高安の日はさや取り屋にとっては結構意味があって、今後に役立ちます。(利益的には当然ゼロですが)

Q:大豆のさや取りは、閉じるより開く方が安全だと思うのですが?

・リスクとしてはどちらも同じ。あえていうなら、開きから閉じをとる方がリスクが少なく大きくとれるほうが多い。これは長くやっていないと解らない。
・ただ異銘柄の場合同銘柄に比べてさやがいびつ。
・基本的に2段に開いて2段に閉じる法則があって、小豆の場合もこれに当てはまるはずなのですが、閉じの場合にはまず解らない(大引けごとでは)。
・今のことは忘れてもらっていい。段階によってはピンとこないことの一つ。さや棒グラフを付けているうちにすっと耳に入った知識が良い。
・過去のグラフを付けることには何かしらの意味があります。
・大豆の場合は東京を当然メインに考えて、これを基準に関西大豆を絡ませる。中部は考えなくて良い。
・儲けても損をしても、ひと相場あった後はプロは休みを入れることが多い。機械的(システム)売買実行者でも、休みを入れた方が良い場合も結構多い。