2008-01-31

FRB金利引下げ

FRBは今日未明金利を0.5%下げました。
昨日も書いたように織り込んでいて騰がっていたら日経先物を売るつもりでしたがそうではなかったので売っていません。
米GDPが予想より悪かったことには株価は無反応(FOMC待ち)、利下げで上がってモノラインFGIOの格下げで下がって、結果的には日経先物は窓を開けて下がって始まりましたが、前場では増資成功でプラスになる場面もありました。
まぁこういう値動きを追いかけて売買する時間もないので(でもブログは書く)無視するとして、中国の大雪は単純にマイナス材料ですね。

広瀬さんのFFレートの50bp下げは正しいを読んで思ったこと。
引き下げは株式市場にはすぐ効く、けどすぐ織り込み済みになる。
実体経済に効くには時間がかかる。
このグラフ、株価みたいですね。上がるときはゆっくり、下がるときは急落。
このグラフだけ見ていると、テクニカル的には(笑)2%まで下がりそう。
債券市場を見てもそれくらいまでの下げは織り込んでいそうです。

2008-01-30

利下げ予想後退

ロイターによると
> 今週のFOMCでも追加利下げ観測は出ているが、29日発表された消費者信頼感指数と耐久財受注がいずれも予想を上回ったことから、0.5%ポイントの利下げ予想は大幅に後退している。
> 米短期金利先物FFG8相場では、前日0.5%ポイントの利下げの確率を86%織り込んでいたが、29日は取引中盤までに60%に低下した。

ということで、売りは取り止め。
元々タイミングを測っての売買は時間とすり減らす神経とリスクの割りに利益が少ないのでやりたくなかったけど、どうしても利下げを織り込んでガンガン騰がるなら売らざるを得ないなぁ、と思っていたので、これで一安心。

気になったニュースと現状確認。
知分子的网上家园_光明网中時理財に依ると、中国政府は2008年度のGDP目標を8%に設定し、経済過熱を防ぐ。

ロイターによると、榊原氏は「デカップリングではなく単なるタイムラグ」
感想:デカップリングは去年の騰落率で既に織り込み済み。

春山さんが個人的に感じていらっしゃる「世界景気の年後半のもたつき」は、中国のような輸出の貢献度が大きな株式市場にはリスク。
このお二人は割りと悲観的。

BusinessWeek誌とか野村證券金融経済研究所アジア調査部長山口正章さんによると「サブプライム問題のおかげで中国がソフトランディングできる」
これは、私に投資に興味を持つように勧めてくれた人も同意見。
でもどちらにせよ、目先株価が急騰することは無いという点では一致。
個人的にも(まぁ他の誰かも言っているでしょうけれど)直通車の目的はH株を上げることではなくA株を冷やすためだったので、今しばらくは直通車に期待するべきではないと思う。

一方邱永漢氏は、日本のようにコストダウンによって、元高、アメリカ消費者の購買力低下に対応しようとするから、外貨の大洪水になる。

2008-01-29

1月28日のアメリカ市場

「12月の新築住宅販売の悪化を背景に利下げ期待が改めて膨らみ株価の押し上げにつながった」そうな。
悪い経済指標→利下げ期待による上昇って、売り場だよね。
ITバブル崩壊のときもこんなことあったし。

やはり「金利を下げなければならないとき=株が下がるとき」だ。

現在のポジションは、丁度2年前に日本株から乗り換えた中国株の売り損ねと現金。
今後世界景気が悪化するなら、中国株を売って安いところで買い戻すか、日経先物を売るか。
売ると神経を使うから、急騰もしないけど急落もしない、という感じでじわじわ上がってくれると助かるんだけど、世の中そんなに甘くは無いか。
とりあえず明日、夜の利下げを織り込んで騰がるようなら先物を売っておくか。
となると先物口座を開いている証券会社にお金を戻さないと。

2008-01-28

投資の世界の宿命

週末の整理 1月27日 中国HK株
Value株のPERの低さについても書かれています。

2008-01-26

週末の読書

3日連続のじり高が必要です。

緊急利下げ ▼75bp
いつでも売る人と、買う人とは、同じ金額、同じ株数です。
誰かが大底で売り、誰かが大底で買う。

2008-01-24

株安なんの! ジェイコム男“190億円”儲けの極意

損切り恐れず現金を持て…大型銘柄、指し値オンリー

 年明けから続く大幅株安に、世界の個人投資家が青息吐息のなか、億単位で資産を増やし続ける若者がいる。2005年末のジェイコム株誤発注騒動で、わずか10分の間に22億円の利益をたたき出した「ジェイコム男」こと、B・N・F氏(29)だ。世界的株安にもビクともしない、“デイトレの神様”が、儲けの極意を明かした。

 「今回ほどの下げ相場の場合、一日中チャートを見る時間がない限り、『損切り』を恐れずに現金で持った方がよいでしょうね。僕の売買の判断はすべて、これまでの経験に基づいた感覚。アメリカやヨーロッパ、アジア株の動きに加え、為替や先物、雇用統計などの重要指標を常にチェックしながら、総合的に判断しています。手本にしていただく手法なんて、本当にないんです」

 B・N・F氏は、自室に備える6台のモニターを前に淡々と語る。

 それもそのはずか。先行き不透明だった昨年の相場でも約30億円の利益をたたき出し、現在の総資産額は190億円を超えている。未曾有の世界同時株安にも「今が底かどうかは分からないし、知る必要もないですね。分析しようとも思わない」と意に介さない。

 23日の日経平均は3営業日ぶりに上昇。一時は1万3000円台を回復する場面もみられたが、昨年末の終値に比べ2478円安と昨年ほどの回復基調にはほど遠い。

 それでも、B・N・F氏は同日中の取引だけで、約5億5000万円の利益をあげた。

 「21日の時点で保有する全株を売り注文して、翌朝までに現金化しました。いったんノーポジションにしたうえで、寄付と同時に東証1部の大型株50ー60銘柄を約100億円分買い進めた結果、終値では約1億5000万円の含み損になりました。ですから、今日の利益を差し引きすれば、プラス4億円ですか」

 2000年、都内の有名私大法学部3年生だったB・N・F氏は、ネットトレードに着目し、160万円を元手に株取引を開始。大学中退後の05年12月、みずほ証券による「ジェイコム株大量誤発注事件」で、22億6000万円を手に入れた。

 生活は極めて質素だが、千葉県内に2億円の豪邸を購入し、両親には高級車をプレゼント。07年には、4億円の高級マンション最上階の1室を購入し、ここで毎日取引している。ちなみに「B・N・F」はネット掲示板のハンドルネームで、米国の投資家の頭文字からとった。

 投資顧問の依頼は後を絶たず、かつてソフトバンクの孫正義社長から、個人資産の運用を直に依頼されたこともあったが、「自分は株取引がうまいと思ってないし、他人の金の運用はしたくない」と断り続けている。

 そんなB・N・F氏は、これまで後場が終わると疲れ果てて、株の情報は極力遮断していたが、最近は大阪証券取引所で営業日の午後4時30分から7時まで、日経225などの先物取引を行う「夕場(イブニング・セッション)」の値動きをチェックしている。  「日経先物相場は利用価値の高い指標です。ただし、(夕場は)時間的にアメリカ市場が開く前の指標で、あくまでも参考ということです」

 以前の同氏は、下げ相場では「逆張り」が定石だった。常に1泊2日程度の“スイングトレード”を行ってきたが、「その時の地合の見極めが重要で、今回のキツイ下げに直面したからといって、25日移動平均線との乖離(かいり)率だけで逆張りしてもダメ。もともと高難度ですし、上げ相場の順張り同様、多くの値動きを1日中見て、体得するしかないんです」と話す。

 選定銘柄は相場の上げ下げにかかわらず、大型銘柄のみ。発注は指し値オンリーで、多い日には100銘柄近く取引するが、1日の収支目標を定めたことはない。

 B・N・F氏は「相場に自分の思いは一切通用しません。『ここまで儲けたいから、これだけ買う』という考え方は必ず失敗します。厳しい相場では、一番難しいけど、一番大切なのが『売り時』。これが分からないから、傷口を広げてしまう」と話している。

2008-01-23

BNF神、1億5,000万の損→翌日1/23 3億1,500万の利益

BNF神、世界同時株安でも「無傷」 しかも22日の大底で100億円分買っていた

ジェイコム男、世界同時株安でも「無傷」

 05年末のジェイコム株誤発注騒動で巨額を稼いで話題になった個人投資家「ジェイコム男」こと「B・N・F」氏(29)は、22日まで激しく続いている世界同時株安をほぼ「無傷」で乗り切っていることが分かった。資産総額は約1カ月前より数億円増やしていた。

 22日の東京株式市場は、米サブプライムローン問題をきっかけにした世界の景気後退懸念などを受けて全面安となり、日経平均株価は前日比752円89銭安と今年最大の下げ幅。終値は1万2573円05銭で、終値で2年4カ月ぶりに1万3000円を割り込んだ。

 同氏は21日までにすべての保有株をいったん売却し、大暴落した22日は朝から1つも株を持っていない「ノーポジション」状態だった。この日は前日比500円安くらいまで下落したあたりで、短期的な“底値ゾーン”と判断。東証1部の大型株50~60銘柄を計約100億円分一気に買ったという。その後日経平均は少し下がった。同氏は「22日に買った分は約1億5000万円の含み損になっていて、少し早かったかもしれない。ただ短期的には、もう十分下がっていてリスクがない株価と判断した」と説明した。

 同氏は日本市場が乱高下した昨年も、約30億円の利益をたたき出したカリスマトレーダー。昨年12月上旬の時点で総資産約185億円だったが、現在は「約188億円くらい」。株暴落連鎖に揺れる今月も順調に利益を確保しているようだ。同氏は「短期売買では、下げ相場には下げ相場のやり方があり、下がりきったところを狙う。ただ長期的には今が『底』かどうかは分からない」と話した。

「日刊スポーツ」2008 年 1 月 23 日付 21 面

  • 22 日に買った分は約 1 億 5000 万円の含み損になっていて、少し早かったかもしれない。
    ただ短期的には、もう十分下がっていてリスクがない株価と判断した。
  • (総資産は)約 188 億円くらい。
  • 短期売買では、下げ相場には下げ相場のやり方があり、下がりきったところを狙う。
    ただ長期的には今が『底』かどうかは分からない。
  • 05 年末のジェイコム株誤発注騒動で巨額を稼いで話題になった個人投資家「ジェイコム男」こと「B・N・F」氏 (29) は、22 日まで激しく続いている世界同時株安をほぼ「無傷」で乗り切っていることが分かった。
    資産総額は約 1 ヵ月前より数億円増やしていた。
  • 22 日の東京株式市場は、米サブプライムローン問題をきっかけにした世界の景気後退懸念などを受けて全面安となり、日経平均株価は前日比 752 円 89 銭安と今年最大の下げ幅。
    終値は 1 万 2573 円 05 銭で、終値で 2 年 4 ヵ月ぶりに 1 万 3000 円を割り込んだ。
  • 同氏は 21 日までにすべての保有株をいったん売却し、大暴落した 22 日は朝から 1 つも株を持っていない「ノーポジション」状態だった。
    この日は前日比 500 円安くらいまで下落したあたりで、短期的な“底値ゾーン”と判断。
    東証 1 部の大型株 50 ~ 60 銘柄を計約 100 億円分一気に買ったという。
    その後日経平均は少し下がった。
    同氏は「22 日に買った分は約 1 億 5000 万円の含み損になっていて、少し早かったかもしれない。ただ短期的には、もう十分下がっていてリスクがない株価と判断した」と説明した。
  • 同氏は日本市場が乱高下した昨年も、約 30 億円の利益をたたき出したカリスマトレーダー。
    昨年 12 月上旬の時点で総資産約 185 億円だったが、現在は「約 188 億円くらい」。
    株暴落連鎖に揺れる今月も順調に利益を確保しているようだ。
    同氏は「短期売買では、下げ相場には下げ相場のやり方があり、下がりきったところを狙う。ただ長期的には今が『底』かどうかは分からない」と話した。

「日本経済新聞」2008 年 1 月 23 日付 朝刊 18 面

  • 「今日だけで一億五千万円の含み損が出ました」。
    みずほ証券のジェイコム株誤発注で二十億円を稼いだ個人投資家のKさんは元気がなかった。
    日経平均の下げ幅が五〇〇円を超えたところで買い向かい、損失が膨らんだという。
    とはいえ下値の押し目買いが奏功し、運用資産は約百九十億円と昨秋から四十億円増えている。
    「売られすぎは明白。短期的に株価は回復する」と前向きだ。

2008-01-13

The State Street Investor Confidence Index

春山さんのブログで興味深い指標が紹介されていました。
The State Street Investor Confidence Indexといって、投資家へのアンケートではなく実際にどれくらいリスクをとっているかという数値です。定義は
Definition
The State Street Investor Confidence Index measures confidence by looking at actual levels of risk in investment portfolios. This is not an attitude survey. This index is current since it uses data collected at the close of the previous Wednesday and is reported on the second to last Tuesday of each month

2008-01-08

フィルターの効果

フィルターの効果(百発百中ノ一砲ヨク百発一中ノ敵砲百門ニ対抗シ得ルヲ覚ラバ)②

ここに、あるトレードシステムがあって、「素の売買ルール」では単位期間におけるトレード回数が100回で勝率が56%としよう。 そしてこれにあるフィルターを掛けて、「フィルターを入れた後の売買ルール」ではトレード回数が40回になり、勝率は5分向上し、58.8%になったとしよう。 曜日フィルターなどを掛けて、特定の曜日にしかトレードしないケースなどに見られる数値だ。 ここでは話を簡単にするために単位期間ごとの結果のみを見ることにし、勝った時と負けたときの損益幅は同一とする。

さて、もし、バックテストどおりに現実のトレードが再現するならば、結果はグラフ1のとおりになる。 「フィルター後」の勝率は高いが売買回数が少ないので、トータルの損益では「素のルール」に劣後してしまう。 しかし、それでも手堅い(?)結果が出ているので、思い切って(^^;)売買回数の比に応じたレバレッジ(100/40 = 2.5倍)をかけることにすると、これらの優劣は逆転し、結果はグラフ2のようになる。

これだけを見ると、やはりバックテストで優れたフィルターを探し出して勝率等の高いルールにレバレッジを掛けてトレードするほうが良いように見える。 だが、話はここで終わらない。 なぜなら、バックテストにおける勝率等の数値(平均値)はあくまで有限個のサンプルから得られたもので、その真の値の不偏推定値は、サンプル数の2分の1乗の逆数に比例した分布を持つこと、そして、フィルターを用いることは、すなわち変数が増えることを意味し、自由度の高いシステムはカーブフィッティングの陥穽に陥りやすいものとなる...からである。

従って、バックテストと比べて実際の勝率が、「素のルール」の場合1割だけ悪化するものとして再考察しよう。 つまりバックテスト時の56%の勝率が50.4%に減少するわけだ。 さて、同様に「フィルター後」の現実の勝率の悪化度合いは、サンプル数の比を考慮すると、0.1 x SQRT(100/40) = 15.8% になる。 つまりバックテスト時の58.8%の勝率が49.5%に減少してしまうわけだ。

結果はグラフ3のとおりになる。 ここにおいて「素のルール」と「フィルター後」の優劣は逆転する。 「素のルール」はかろうじて試行回数に応じて微増しているが、「フィルター後」はやればやるだけジリ貧だ。 これはレバレッジをかけた場合(グラフ4)だと、もっと顕著になる(ToT)。

どうだろうか、一見、検証段階におけるナイーブな考察では素晴らしいように見えたフィルターも、母集団の平均値の不偏推定値を考慮すると、条件によっては、現実のトレードではまったく逆効果になる場合もあるということだ。

旧日本海軍の戦艦大和の46センチ砲9門が斉射された際の射距離30kmでの散布界は、設計段階の想定では300mであったが、実際には800m以上あったという。 これは戦艦数で劣る日本海軍が、その射撃精度においてもアメリカ海軍を凌駕できないことを意味した。 つまり戦艦、巡洋艦による艦隊決戦においても、日本海軍ははじめから勝てる見込みがなかったのだ。 当時これを知って宇垣海軍少将は、「この状況は寒心に堪えない」と語ったという。 まさに「百発百中ノ一砲ヨク百発一中ノ敵砲百門ニ対抗シ得ル」ことは、理想ではあるが現実にはなかなかに難しいものなのだ(^^;)。