1997-02-08

後藤語録

・さや取りで注意点が一つ。値幅はあまり気にしない方がよい。周期は見ても値幅は無視(本当は無視できないが)。いくら開いたから仕掛けようと言う出発点より、15本、30本目だから仕掛けようというのがよい。
・大豆のさや取りのノウハウも、小豆のさや取りが基本。

Q:15本、30本は、小豆にだけ通用するやり方ですか?

・基本が15本で、その半分、その倍が基準。異市場だと、さらに倍の60本も結構ある。異市場のほうがさやの開きがあり、周期が長いことが多い。
・異市場の方が、さやがいびつな分儲けも大きい。昔の小豆と手亡のさや取りでも、年何倍とれた話は、異銘柄だから可能だった。
・あと、拡大で一度開いて、閉じて、さらにもう一度開いた次の縮小をとる仕掛けは、成功率が高いとされる。小豆の場合は、この2段目の開きとか閉じるとかがわかりにくい(一気にとじるから)。
・これでパターンその1(b)パターンなら、仕掛けなければ損。非常においしい。

Q:今回の下げは結構とれたのですが、つなぎで期近に買いを入れたのですが、何かうまくいっていません。期先がよく上がっています。

・平均値がそこそこ高いならそのまま継続、もしくは利食い。つなぎも何もしない手がある。(シンプル・イズ・ベスト)
・先の売り以外にこの期先の上げを見て、期近買いの期先売りを新たに仕掛けることは良くやります。というよりすでにそういうポジションを持っていることが多い。
・この作戦は昔トウモロコシでとった奴。天井くさい逆ざやで、期近買いの期先売り。それも買いの期近は、3番限よりも2番、当限がよい。それとは別に、2対1くらいの比率くらいの売りを期先に建てるというやつ。
・期近2枚買いの期先3枚売り、または期近1枚買い期先2枚売り、くらいが簡単で効果的。これをバラバラにして考えて、最終的にここに持ってこようと企むことが多い。
・過去にもあって、現在もあるということは、将来も天井くさい逆ざやそれも玉締め風なら、定番でこれと言うことになる。
・期先の売られすぎの反動をとるのは間違いではないですが、自分が下げ相場に乗っていて、その戻りまで狙うのは、いわゆる相場のあやまで取ろうとするわけですから、少し消極的にした方が良い。
・言い換えると、下げは必ず取る。上げはとれたら取る、というスタンス。
・売り屋は、上げには不利をさけるようにつないだり、玉を減らしたりしますが、積極的に買いに行くことはあまりない。
・いずれにせよsimple is bestです。複雑になったなと思ったら、一番玉面をおかしくしている玉を切るとすっきりする。その玉を切ったために全体がわかりやすくなって、利益が伸びます。
・ポーカーの格言の「一度だけ大きく勝て」です。いかに本玉を大きく取るかが大事。

Q:春の天井について?

・秋の底が9月末(統計から言うと26日)に付けやすいように、春の天井は1~2月が多いというのがまず基本にあります。理屈から言えば60日周期を基本に相場が動くなら、立会日数が240日前後なら、1年のうち底が2回、天井が2回あるわけなのですが、実際は格言通り春は売りから、秋は買いからというパターンが多い。
・つまり底・天ともに1回。
・そして日柄と値段なら、どちらを重視するかと言えば過去の経験から言って日柄の勝ち。(7:3くらいで)
・小豆みたいに上値下値が決まっているものは、値頃の影響が他のものに比べて高いという点はあります。

Q:3月またがり60日ですね。

・実際は45~120日くらいと相当幅がある。プロにはこの波のことが根底にあって、泳ぐタイプと、大きな流れは解らんからリズムだけの短期を細かく取るというタイプに分かれる。
・それで理想はさや転換がキチンと起こること。もともと上げ下げはだましが多くても、さや転換にだましなしというくらい、さや転換が相場の転換になりやすい。
・当然不作などで秋の底が後ろにずれると、春の天井も後ろにずれがち。
・もう一つ、昔からの格言で春の買い占めは成功しないというのがあります。
・いつかは落ちてくる、というスタンスで割と安い値段でも大きめの玉を建てるプロもいる。

Q:玉締め崩れ後の1000円以上の下げの反発は成功しやすいと思ったのですが?

・逆ざやは本来市場が不透明なときに発生しやすく、流通に異変が起きているときや誰かがイタズラをしているときに起こりやすい。それなら買うなら先限ではなく、モロ期近。当限でもOK。そのまま納会まで寝かして落としても可、というやつです。
・というのは崩れるときは先からの可能性が高いので、逃げ遅れることが多く、実は当限のほうがリスクが少なかったりする。
・よく引かされた玉を納会まで持って、とうとう損切るという経験はあっても、利が乗った玉を納会まで持つ人はまずいない。ここらへんがおもしろい。
・わざわざ当限になってから売買する必要もないですが、ああくまでもリスクとリターンの関係。意外とリターンが期待できないなら、リスクは先限につないで。
・これは仕掛けているやつにちょうちんを付けるという、仕手株に乗っているのと性質は同じ。暴落しても文句は言えないところが怖い。
・もっとも、相場全体が下がるときは先も下がりますので、確率的に割がある。過去の相場の春の天井パターンを洗い出すと解る。

Q:1989年納会で3000円下落しましたが。

・あるある。それが怖いなら納会前に手仕舞う。あの暴落は例外中の例外でしたが。
・さや取りのパターンその3というとき、買い本玉維持の売りつなぎという形で、純粋なさや取りではない。リズムで仕掛けているわけではない。
・ですから、12月から買い玉があって、それを先に売りつないだら、パターンその3、いわゆる逆ざやの時期の順ざやとりだな、というだけ。
・分解して言うと、1.買い玉を入れる、 2.売り玉でつなぐ(買い玉そのまま)、 3.買い玉手じまい、今度は売り玉が本玉になる  です。
・逆ざやの時はひたすら休んでいても良い。
・この1~3までのうち、2.の瞬間だけはさや取りと同じになり、端から見るとつなぎかさや取りかがわからない。さらに2.からはいって3.に移行しようと企んでも良いわけです。

Q:中源線の素人でも解る応用例を教えて下さい?

・中源線でも225より債券先物が儲かって、さらにそれより儲かるのが為替とわかっていますから、これに乗らない手はない。よく225がそこそこ成績がよいと言ってくるやつがいますが、実は為替がべらぼうによい。
・中源線建玉法で一番儲かる為替がドルーポンドらしいのですが、後藤はポンドの動きがよくわからないので、ドルー円でいいやと考えています。

Q:225も個別銘柄の指標ベータ値とかの世界は無理ですか?

・ベータ値で投資してもかまいませんが。それでカネもっているやつは見たことがない。
・脱アマ相場師列伝でさや取り屋のページがありますが、そこを読めば何をするべきかがわかります。実はそれだけで他にやることがない。

Q:大雄社

・業界のやつと喧嘩したくはないですが、客殺しばりばりの店です。金とプラチナのストラドル? それで稼いでいるやつが何人いるのか。いまどきそんな低レベルの話をする商品マンは、私は馬鹿ですと言っているのと同じです。
・実は被害者が知り合いに一杯居る。だまされてから知り合いになったひとばかりですが。

Q:ストラドルは別におかしくないはず?

・だまされる方が悪いと後藤は言い切りますが。金と白金のストラドルは、損をするさや取りもどきで有名な、非常に危険なさや取りです。
・さや取りでも大きく張るパターンは少なく、あとは取れたらラッキーくらいで少ない枚数で仕掛けているのも多い。さや取りで借金してでも大きく張らずにどうするんだというのが、パターンその1(b)。
・金と白金なら証拠金の倍率と手数料を計算して、実際どの程度さやが開閉するかをチェックすればよい。往復の手数料の3倍以上さやが開閉してくれるのが理想です。
・それなら乾繭と生糸のさや取りだといいはじめる輩が多いのですが、取引量の多かった昔はともかく、衰退市場では薄くて値が飛びやすい。机上の空論です。
・(b)は順ざや時期の順さやとりであり、期近もあがって期先もあがって、それも2段階以降が非常においしい。

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