2000-04-09

ツナギ売り

おお惚けものさま:
ツナギですか、うーむ。おお惚けものさまが真剣に尋ねてらっしゃるのかどうか
いまいちわからないのですが、いちおう自分なりの考えを述べてみます。

道草さまが
>私は現物を長期用と短期用に区別しており、長期用の現物でツナギ売りをします。
とおっしゃっておられましたが、私も基本的に同じです。
もう少し詳しく説明しますと、大きく4つの枠に売買を割り振り、全体として
ポジションのバランス(買いと売りに極端に偏らないようにして、全体相場の
急落・急騰リスクに備える)、セクター間のバランスが取れるように配慮しています。

1. 長期現物買い部門
2. ヘッジ売り部門
3. 短期現物買い部門
4. 短期信用売り部門

掲示板で主に売った、買ったと書いているのは3,4です。これは原則としてツナギは
しません。利食いになるか損切りになるか、どちらかです。
1は優良株が中心になっています。富士写・トヨタ・TDK・日立・三井物・東海上、等々。
(表のソフトバンク信者にはミソもクソも同じでボロ株扱いされてますが(笑))
2がいちばんわかりにくいのですけど、基本的に1のヘッジ目的の売りです。
同じ銘柄をツナギ売りすることもありますが、別の銘柄を見合いで売ることもあります。

さて、ではなぜ現物を売らず、ツナギ売りというややこしいことをするか、ですが。
これには大きく2つの理由があります。

A.はずれ銘柄を引かないようにするため

高値で利食い売りして、安くなったところで買い直せば良い。たしかにそのとおりなのですが、
現物を売ってまとまった現金を手にしたとき、はたしてその銘柄が安値をつけるまで我慢強く
待って同じ株数を買いなおすことができるでしょうか?
私なら、おそらく待ちきれずに、そのとき強そうに見える他の銘柄に手を出してしまうでしょう。

株で損をする行動パターンとして、ありがちなのが次のようなものです。
・まずおっかなびっくりいくつか買う。
・少し上がれば大喜びで利食い、休む間もなくいそいそと次の新しい株を買う。下がったものは
 我慢して持ち続け、値上がりを待つ。
・そうこうするうちに、手持ち株に塩漬け銘柄がだんだん増えて行き、利食える株が少なく
 なってきて、うっとおしい日々が続く。
・とつぜんの暴落が市場を襲う。しこりがあって需給が悪く上がらない株ばかり持っているので、
 そういう株は市場平均以上に大暴落する。
・怖くなって投げ売りし、二度と株に手を出さないことを誓う。
要するに、着実に値上がりする良い株をどんどん手放し、悪い株ばかり手元に残すので、なかなか
パフォーマンスが上がらず、リスクに弱くなるわけです。
こういうパターンに陥らないために、優良株はなるべく現物を手放さないように、目先の下げは
つなぎ売りで乗り越えるようにしています。

B.精神的な負担を軽減するため

例をあげて説明しますと・・・6501 日立、この株は私は2月に1600ぐらいでツナギの売りを入れ、
3月中旬に中期上昇トレンド割れが回避されたものとみて売り玉を買い戻しました。
さて、たとえばおお惚けものさまが取得原価数百円ぐらいの日立をたくさん持っていたとして、
2月ごろ、なんとなくヤバそう、という程度の段階で現物を全部利食うことができますか?
そこからさらに切り返して上がって行くことを考えると、ついそのまま持ち続けたくなるのでは。
あるいは、3月の段階で、もとの株数全部を買い直す決断ができるでしょうか?
もっと下がるかもしれない・・・と、躊躇してなかなか買えないのが普通ではないでしょうか。

やってみればわかりますが、下落の兆候をかぎとったとき、現物を背景に売り玉を建てるのと、
現物を売り切るのとでは、かかってくるストレスが全然違います。安くなった株を新規で買うのと、
売り玉を手仕舞うのとでも、同じことが言えますよね。
いざとなれば現物がある、という安心感のもとで、わりと気軽に売ったり買い戻したりできるのは、
大きな利点だと思います。

あと、
C.常に値動きを肌で感じるため
玉を持っていれば、値動きを日々実感でき、感覚が鈍らない、ということもあります。
普通、手放してしまった株の動向をその後も追いつづけることはあまりしなくなりますよね。
たとえ継続して帳面をつけていたとしても、玉をもっているのといないのとでは、値動きから受け取る
感覚に大きな違いがあります。

D.経理上の問題
要するに、あまりいっぺんに売却益を出すことは避けたい、ということなんですけど、これについては
コメントは控えさせてください。

・・・などの理由もありますが、主なものはAとBです。

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訂正:ひとつ前の書きこみで、
>客の買い注文で値段が上がったところですぐに買い戻します
と書いたのは、「すぐに売り抜けます」の間違いでした。

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