1998-01-05

林輝太郎・ダイワフューチャーズ講演

5.個人プレーにおける注意

 マネーゲームというのは『不特定多数×不特定多数のゲーム』と言われます。ただ、このゲームに参加するとか、退場するとかいうのは個人の自由ですから個人プレーと言っても良い。それから『ゼロサムゲーム』とも言われます。例えば、一対一で勝負するボクシング、または将棋や碁、或いは、チーム対チームで勝負する野球などでもいいですが、これらは全て点数を勘定しますが結果は勝ち負けで決めます。5対1でも10対1でも勝ちは勝ち、負けは負けです。ところが『ゼロサムゲーム』と言われる相場の特徴は、勝った点数と負けた点数は必ず同じになります。つまり、売り方が100億円損したら、買い方は1 0 0億円儲かるわけです。但し、人数は違います。ところが、点数が違うと思っている人がほとんどです。個人プレーであるということは、ゲームに参加するか、退場するかの選択は自由ですから、どうしてもわがままになります。
 わがままにならないようにするという注意点がいくつかありますが、そのうちの―つが月曜日に新規の売買をしないということです。ホームトレードというものが在りますが、その時に注意することは月曜日に新規の売買をしないということです。何故かというと、土曜日・日曜日の間にとにかく考えて、考えて、考え抜いて最悪な手を打つ(売買をする)のが月曜日だからです。だから、月曜日には新規の売買をしない方が良いのです。ホームトレードで売買するときに注意する一つですね。それだけでも随分救われます。絶対ということは無いのだから、常に反対意見を考えていく。
 それから、何故こういう場帖をお配りしたかというとですが、場帖は相場をやっていく上で大変重要な道具だからです。場帖で値動きを辿るのはデジタル感覚で、アナログ感覚のものとしてはグラフがあります。今日、参加した方のグラフが在りますので、後でそれを広げますが、これらは売買をするための道具の一つですから、例えば大工の『ノコギリ』やお料理の『包丁』などと同じです。また、道具は『業務用の道具』と『趣味用の道具』の二つにハッキリ分かれています。 日本料理だったら板前、フランス料理だったらシェフと言いますが、コックになるには家庭用の包丁で死ぬ程努力しても駄目です。だから、相場をするにあたっても『趣味用の道具』『アマチュア用の道具』でいくら死ぬ程努力しても利益には絶対につながらない。
 この場帖は『業務用の道具』の見本としてお配りしたんです。ここでの注意点としては、目が疲れないように場帖の線は薄いもので、字は濃い目の黒で書き込むことが大事です。また、終わり三桁の比較し易いように書くことも大事です。
 こういった道具に間しての詳しい説明は、10分休憩してからお話します。質問のある方は、何か紙に書いて先物情報クラブのスタッフに出しておいて下さい。休憩の後でお答えしたいと思いますが、時間の関係上、この会場でお答えできない場合は、後で手紙なりで返事を差し上げます。 
 それでは10分間休みます。

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