1999-01-01

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ、テクニカルを語る

リンダ・ブラドフォード・ラシユキ

本日はお招き頂きましてありがとうございます。冬にフロリダを訪れることほどすばらしいことはありませんね。聞くところによると、北部では2フィートも積雪があったそうです。皆さんの中にもフロリダまで逃れてきた方がいることでしょう。
 今夜私が話したいと考えていることは、、、まず、テクニカル分析について10分程短いプレゼンテーションを行いたいと考えています。通常、トレーダーがこのようなコンファレンスに参加する時、仮にトレード経験が全くない方でも結構ですが、常に他人とは異なるシステム、アイデア、何か革新的なこと、またテクニカル分析における元祖とも呼ぶべき4人の人達が使った手法についてリサーチしようとします。いつも斬新なアイデアを探しているだけでなく、常に自分のプログラムや売買モデルを改善するための方法を探り出そうとしているのです。ちょっとしたツールやアイデアでも、常に最新のものを取り入れ、モチベーションを高め、イノベーションを達成することができると考えるからです。
 そこで今夜私が話したいことは、まず「テクニカル分析の基本原則とは何か?」ということ、またそのテクニカル分析における元祖とも呼ぶべき4人の発見について、そして彼らのすばらしい貢献について話していきたいと考えています。このようなこと自体、いくつかの点で重要です。彼らは1900年代初頭に研究を行っていたのですが、その時代には大きな変化が起きており、とても興味深いことが起こっていた時代でもあります。もちろん、その時代にはコンピューターもまだ使われていませんし、今日行われているような類のリサーチなども行われていませんでした。ですから彼らが発見したことは、時代の変化とともに変わってしまうようなことではありませんし、今日のマーケットでも十分適用できるものです。そのような発見は最も永続性に優れ、ロバストで基本的なものです。
 私がフロアー・トレーダーを始めたのはもう19年程前のことですが、先程話したようなことを理解し、物事をシンプルに捉えることの重要性理解できるようになったのは、7年程前のことです。彼らの発見はすべてマーケットの基本的構造を簡素化したものであるため、現在でも我々がその恩恵にあずかることは可能です。ですから、まずテクニカル分析の発見についての歴史を振り返り、その後に彼ら4人のリサーチの中で見落とされていることについて紹介していきたいと思います。
 彼らは偉大なジャーナリスト、作家などとして生計を立てていました。彼らのリサーチの半分はマーケットにおけるテクニカル要因についてでしたが、彼らの書いた文章の行間に隠されたものを読み取ろうと努め、時間をかけて理解しようと試みれば、かなりの部分がトレーディングにおける心理、メンタルな面に割かれていることがわかるでしょう。また、活発にトレードされている方であれば、売買ルールを決め、ゲームプランをしっかり立てておくこと自体は、トレードというゲームの中で10%程度に過ぎないということを実感していることでしょう。
 実際にゲームプランを実行し、メンタル面で常にマーケットの次の動きに備えていることが残りの90%を占めると言えます。そうすれば、自ずと単純な結論が導かれることになります。損切りを余儀なくされたり、または上手く建玉できたとしても、、、。マーケットには常軌を逸した動きが現れることが多々あります。ですから、私は皆さんが成功するか失敗するかは、常に前を向き前進し続けることはできるかどうかにかかっていると考えています。直前に仕切ったトレードをすでに過去のものと見なし、常に次のトレードに神経を集中しておく必要があります。これは先程紹介したテクニカル分析における「元祖4人」の人達も指摘していることです。後ほどこのことについても考えていく予定です。そして 最後にトレーディングに必要なこれらの要素をすべてつなぎ合わせていくつもりでいます。
 3時間も話し続けてしまわないように、時計をはずしてここに置いておいた方が良さそうですね。最後に総括を行いたいと考えています。シンプルでどなたでも簡単に利用できるプログラムを紹介したいと思っています。それはS&P 500 をスカルピング、デイトレーディングするためにプログラムです。私自身のプログラム、また私が利用しているアプリケーション・ソフトのプログラムなど、3~4つの基本法則にまとめますが、それらが結局は同じことを根拠にしている事実を確認していきたいと思います。
 現在我々の手に入るアプリケーション・ソフトに組み込まれているツールの数々に圧倒される方もいらっしやるでしよう。しかし、必要なことは「なぜマーケットがこのように動くのか?」ということを考えることが重要であり、単にマーケットに現れるパターンを観察するだけではなく、そのパターンの裏に隠されているコンセプトを理解する必要があるのです。

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