2008-08-22

徒然 その1

徒然 その1
最近感ずる余談をば。
 以前にも書きましたが、私は見通しを8割外します。それでフロントから異動させられました。外した後の始末の良さと運にも恵まれて、通算では目標以上の利回りを確保していますし、年度でも勝っている年度の方が多いのですが、数回大きく勝って、何十回も細かく負けるのは、上司の心臓に負担をかけるので異動は仕方がないです(笑)。あと上げ相場で稼ぐよりも下げ相場の回避が上手かったのは、会社の期待にそぐわないのを管理職になってから分かりました。

 この構造はファンドマネージャー(FM)の評価にも当てはまります。
人間、棺おけの蓋を閉めた後でないと本当の評価はできないのですが、一生付き合うわけにはいかないので3年から5年の期間を区切り、評価せざるをえません。10年以上、運用をお願いしているFMはおらず、運用会社でも2社しかありません。5年後はいなくなるんだろうなと思いつつも、年1回、入れ替えの検討をするわけなのです。

 この下げ相場で、雑誌掲載のストラテジストやFM、ブロガーの見通しが外れたのを非難したり、見捨てる?人(その多くは意見を参考にして投資判断した方々で、分かっちゃいるけど愚痴を言わせてという方々。)がいますが、運用の世界では数回外したぐらいは、当たり前の世界なのを理解してもらいたいです。

 私の所属する組織では、FMの予測の的中度を集計しますが、3ヵ月後の上げ下げを当てるだけの場合では、当たる確率は1回5割(上下なので)。それを3ヶ月ごとに3年から5年集計しますが、上げ下げを当てられるのはトレンドが発生した時期を除くと的中率は平均6割です。つまり12回あたり7回程度しかあたりません。
さらに騰落率で計測すると予測と実際の相関係数は0.3を上回れば立派。逆相関というFMも結構います。
 一人当たりのサンプル数が少ないので、統計上は問題がありますし、何のことやらとお感じになる方もおられると思いますが、所謂プロと呼ばれる方々が努力しても、あまり当たらないのを理解してもらえればと思います。
 
 投資は自己判断でというのは、広く知れ渡りましたが、的中率がどれぐらいあれば評価すればいいのかというのは、まだ知られていないので、身近な例をご紹介しました。

 広範な研究論文があれば、ご紹介ください。なお今回のコメントのデータは会社に帰属しますので、研究目的でもご提供出来ませんので、信頼度合いは週刊誌程度に信じてください。週刊誌は週刊新潮か週刊実話かはお任せします(笑)。

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