2008-05-31

ベトナムは危機になるか?

この方は韓国がご専門ですので香港のことをご存じないのは仕方ないのかもしれませんが
http://kccn.konan-u.ac.jp/keizai/asia/01/06.html
> ・1ドル=7.8HKドルというドル・ペッグ制(固定相場制)に対し大量のHKドル売り。
> ・香港当局は、金利を急上昇させ対抗:ペッグ制は守ったが、金利上昇から株式市場急落
は誤りです。
中央銀行が自国通貨を発行しそれを中央銀行の信用でドルと連動させるドル・ペッグ制とは異なり、香港はカレンシー・ボード制といい保有する1USドルに対し7.8HKドルを発行する、言わば金本位制ならぬ米ドルの信用で支えられた米ドル本位制です。
従ってヘッジファンドなどにより大量のHKドル(HKドルを借りてそれを米ドルへ両替、つまり香港からの米ドル流出)が行われると、米ドルの減少に伴ってHKドル供給量が減ってしまい、結果的に金融引き締めと同じ効果で金利が上がってしまいます。
ドル・ペッグ制ならば「当局は、金利を急上昇させ対抗」となるのですが、カレンシーボード制の場合、ヘッジファンドのHKドル売りが金利を上昇させてしまったのです。

http://kccn.konan-u.ac.jp/keizai/asia/03/frame.html
はおそらく今回のベトナムにも当てはまると思います。
ベトナムもこれくらいは理解していて、これまでは過度の資本流入を制限しようとして、今回はその反動としての流出を制限しようとしているのでしょう。

貿易の赤字を投資で埋めているのは健全とは言えません。
今回「大丈夫、これは押し目だ」と思って追加投資する人が多かったならば、今回は危機にはならないでしょうけれど、実体経済が追いつかなければ次回はもっと大きな危機になります。
買値の2倍まで不動産が値上がりした理由は、その値段で買おうと思う人が居たからです。
日本経済が良いとは言いませんし、六本木ヒルズが使いやすいとも思いませんが、 それでもムンバイの方がオフィス賃料が高いというのは行き過ぎだと思います。

貿易の赤字を投資で埋める国は不健全だから絶対、投資に向かないとは言いません。
不健全さを上回る安値で買うなら成功するでしょう。
ですが不健全を高値で買って成功するには「より馬鹿」に売りつけるしかありません。
腕自慢の方には稼ぎ時だと思います。

アジア危機に関しては、春山さんの
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17202/1809535#1809535
http://www.doblog.com/weblog/myblog/17202/1810202#1810202
及びそこで紹介されている、ジョージ・ソロスの「グローバル資本主義の危機」も参考になります。

かんたん株式会社にも資料があります。

Bloomberg.com: Investment Tools多分1年もの先物

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