2008-03-05

効率的市場仮説

既に無くなったモーニングスターの掲示板で書いたことですが、
市場は、あらゆる情報を瞬時に正しく織り込むから、コンスタントに市場に勝ち続けることが出来ないのではなくて、
正しく織り込まないからこそ、美人投票よろしく、他人がどう間違うかまで当てないと(少なくとも短期的には)勝てないのだと思います。
その結果、凄く難しい○×試験のように、凄く出来る人でも正解率は6~7割程度、出鱈目に答えても5割は正解、という感じでしょうか。

昨日に続いて、一体いつどうすればモノラインが問題を抱えていると見抜けたか、ネタ。
まずEURO SELLERさんが注目なさったきっかけはバロンズのA Mortgage Meltdown for MBIA記事。
私が気付いたのは堀古さんの第206回 サブプライム問題の次は。。。 (2007年10月29日)
> このコラムで私の運用するファンドで空売りしている一部金融株についてご紹介しましたが、この金融株は記事を書いた5月28日以降55%以上下落し、今日も7年ぶりの安値を更新中です。
と書かれているのを見て、この条件に合う株で金融関係って何だろうね、と友人と話し合って、自分でも
> シティでもメリルリンチでもゴールドマンでもリーマンでもJPモルガンでも、騒ぎの発端ベアスターンズでも、そこまでは下がっていません。
って書いてました。その後、11月5日になってようやく昨日書いたメリルリンチ決算の衝撃と、別の巨大地雷の中に
> ちなみにアメリカのAmbacという会社はメザニンABSCDOのスーパーシニアを2481mm保有 しているが。
というのを見つけて、多分ここだろうって納得してました。ちなみに10月29日に堀古さんは
> 私はファンドマネジャーとして日頃、市場が今何をどれだけ怖がっているか、または怖がっていないか、何をどれだけ期待しているか、していないか、を出来るだけ把握するようにしています。
> 問題は現在、市場がそのような事が起こる可能性、そしてそのショックの規模を殆ど想定していないと見られる事です。
> 当面我々にできるのは、少なくとも国債以外の債券には手を出さない事、一部金融関連株に近付かない事、そして爆弾に火が付き始めたら市場の動きに逆らわない事だと考えています。
とも書かれています。

で、12月13日頃にはもう充分知られて、株価も下がっていたのですが第209回 サブプライム問題の本命は? (2) (2007年12月13日)では
> 我々が運用するファンドではこれらの銘柄については今も空売りで保有し続けています。
と書かれて「あれ、まだ出尽くしでは無いのか」と思っていたら、1月18日の格下げで

こういうわけです。
でも、このチャートを見れば分かるように、特にMBIAの方は売ってから半年くらい下がっていません。私だったら途中で諦めて買い戻しているか、そこそこの利益で手仕舞って居ると思います。ところが堀古さんは第214回 モノライン危機を巡る誤解 (2008年02月28日)
> 我々の計算では、仮にモノラインがトリプルAの格付けを失い、今後ビジネスが殆どなくなったとしても、過去の契約から来る保険料と保有している資産の価値は現在の時価総額を上回る計算になります。実際、私が運用するファンドで70ドル近辺から空売りしていたモノライン最大手のMBIAにおいては10ドル以下は行き過ぎの計算になるため、既に全て10ドルで買い戻しを実行しました。
ということで、きっちりとした計算に基づいて買い戻されています。(Ambacはどうなのでしょう?まだ買い戻していない?)

但し今後のアメリカ企業の利益に関する意見には私は疑問を持ち続けていて
第197回 長期金利の上昇を受けて (2007年6月11日)
> S&P500指数の益利回り6.6%に対して10年債の利回りは5.2%と、アメリカの株式は債券に対してまだまだ割安な状態が続いているのです。
第204回 0.5%の利下げを受けて (2007年9月24日)
> 重要な事は、この「超低金利」が解除され始めた、即ち利上げが始まった2004年6月の長期金利と、そして現在の長期金利は全く同じ水準(4.6%)だという事です。
> 2004年のS&P500指数の利益は、指数に引き直して67ドルでした。今は95ドルです。
ということで、利益と金利に基づいて割安と判断なさっていますが、利益の減少はどう考えていらっしゃるのでしょう?
アメリカの消費が借金に支えられている以上、住宅価格が下がれば消費も下がることは私でも考え付きました。
この点は春山さんの 週末の整理 : アメリカ株 (12月16日) 12月4日を振り返りつつ
> 企業の利益のトンガリ上昇ぶりを見ると、サブプライムがなくても、調整下落は時間の問題なのではと感じてしまう。

と同じ考えです。

さて昨日の相場。
「ブラジル株が強いですね。」と書いたそばから、原油などの値下がりで大きく下げました。

月曜日こそ上海市場に連れられて下げ幅が小さかった香港市場ですが、結局4日続落です。

今夜発表のISMの非製造業景況指数-2月の予想値は現在47.5だそうです。
誰が予想しているのか知りませんが。
先月44.6ですので、先月並みでも予想より下ということになりますから、買いの持越しは相当に度胸が要ると思います。

でも実際のところ、先月より良くなっていると予想している人が居るとは思えないのに、47.5って一体誰の予想なのでしょう?
それとも本当にそんな予想をしている人が多いから先週まで上がったのでしょうか?

まぁ分からないものは気にしても仕方ないですね。

[WSJ] 東芝社長が語る「次世代DVDなし」の成長戦略 - ITmedia News 西田厚聰氏の危機を乗り越えるための5つのTIPS
1. リスクのないビジネスは成長のないビジネスだと心に留めておく
2. 事実に基づいて動く。自分のエゴではなく、市場の声を聞く
3. 迅速に、決断力を持って行動する。遅れれば事態は悪化する。良くなることはない
4. 率先して動くリーダーとなり、決定を明確に伝える
5. 回復力を持ち、革新を続ける。成功も失敗も永遠ではない

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