2008-11-09

恐れるものはマックの恐怖

PIMCO - Investment Outlook Gross October 2008 Fear JPN
マクドナルドのドライブスルーでビックマックを注文するところを想像してみてください。最初の窓口で注文を伝え支払いを済ませ、そこから数メートル進んで、品物を受け取ります。ところが、最初の窓口で支払いを済ませても、次の窓口でカロリーたっぷりのビッグマックを受け取ることができるかどうか、分からなくなった場合にはどうなるでしょうか。顧客は支払いを渋るようになり、通常通りに取引が成立しなくなる可能性があります。現在、資本市場ではまさにこうした事態が進行しています。資本市場はこの「マックの恐怖」に取り憑かれ、正常に機能していません。最初の窓口で注文を受け、別の窓口で「ビッグマック」を渡すと約束していた投資銀行、すなわちCDSやスワップ、その他のデリバティブ取引に関わる数兆ドルの支払いを約束していたリーマン・ブラザーズが破綻した後、機関投資家は資金をリスクに晒して「ビッグマック」を注文するよりも、家に籠もってピーナッツバター・サンドを食べる方が良いと意思表示するようになりました。そして、投資家の資金がマクドナルドのレジには入らず、タンスにしまわれたままになると、失業は増加し、企業収益は落込み、銀行ローンの借入れは一層困難になり、米国経済は支柱を失うことになります。

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