2008-06-02

みずほFGに迫る金融危機の忘れ物

まず別件
売買頻度
> しかしトレードのタイムフレームを短くすればするほどこの経費比率が重くなるのも事実です。
システムの収益分断化

ヒット株式教室・日経平均の見通し ~ 1/f ゆらぎの世界
これ読んで空売りして担がれた人多いのでしょうね。【日経ヴェリタス】「1兆円増資優先株」、転換期限迫る みずほFGに売り圧力もにも書かれていたようですし。

 5年前の2003年の決算期はどの金融機関も日経平均が7000円台に突入したとあって、持ち株の評価損拡大などで自己資本比率がBIS規制に達しない可能性もあり、資本増強に必死でした。みずほフィナンシャル・グループも例外でなく、2003年3月に優先株を1兆円発行する荒業を断行し、危機を乗り越えました。この募集方法が融資や出資している関係先に行ったことが問題とされ、銀行の優先的な地位を利用したという批判が少なからずありました。

 その問題の優先株が5年の歳月を経て今年7月から2016年まで普通株へ転換請求の時期に入ります。なりふり構わず増資し、しばらく忘れていた厄介事が復活するわけです。優先株は非上場でしたから市場外で買い取るには限界があり、1兆円近い優先株がそのまま残存しているようです。

 普通株へ転換する株価を決める時期は今月24日から30営業日の引け値の平均値とされています。みずほフィナンシャル・グループの優先株の発行時の株価は10万円程度でしたから、全て転換すると発行株式数が2倍になるという株主にとって知らなければ大きな損失となった可能性がありました。幸いにも現在の株価は当時の4倍になりました。

 それでも、全株を転換すれば約20%の希薄化が生じます。決して小さな数字ではなく、個人株主は事情を良く理解しているかどうか心配になります。大株主は算定期間に株価が下げたとしても優先株を同時に持っていることが多く、普通株を多くもらえることになり、必ずしもマイナスばかりではありません。優先株は転換社債のような金利付きのコール・オプションと同じような仕組みで、一種の派生商品のようなものです。個人株主にとって理解し難い存在では無いでしょうか。

 大量に優先株を買い集めたと言われるヘッジファンドなどが三菱自動車と同じように株価を意図的に下げる手法を行うかどうか、会社側の自社株買いとの攻防戦が今後の見どころになりそうです。しかし、いずれの場合にも、既存のホールダーにとって、金融危機が過ぎてから5年後の難物の登場は歓迎できない状況でしょう。

 日経平均は寄り付きの弱気を踏み台にプラス圏で引けました。決算発表前に個別株の売買を避ける傾向があり、先物の相対的な影響度が高まり、不安定に動かざるを得ない状況です。全体として良い見通しが決算で出される可能性は期待できず、それにもかかわらず、売り物も少なく下げるわけでもないという中途半端な相場をしばらく我慢するしかないといったところでしょう。

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