2008-06-12

ジム・ロジャーズ Bloomberg インタビュー ; 続き-2

【 ジム・ロジャーズ Bloomberg インタビュー ; 続き-2 】

Liu: それでは、ジム、話をFedと銀行、そしてそれらの色々について話を戻したいと思います。あなたは、いくつかの株について、空売り(ショート)されているとお話になりました。あなたは、Lehman Brothersをショートしていますか?

Rogers: 私はETFでショートしています。ベティ、投資銀行のETFです。つまり、彼らの全部(全体)についてショートしていることを意味します。私は、特定の投資銀行についてショートはしていません。第一に、私はあまりにも多くの友達がほとんど全ての場所(会社)にいます。私は、彼らの中の特定のところにショートしたくありません。

ですから、ETFでショートしているだけです。彼ら全体をショートしているのです。いくつかの企業はうまくいき、いくつかの企業は多分非常にまずいことになるでしょう。しかし、私の見方としては(投資銀行の)ETFは、もっと大きく下落することになると考えています。

Liu: 先週Lehman Brothersに対して起こったこと、それは、Citigroupと併せてLehmanをショートしたいといったあなたの気持ちに火をつけたりしないのですか?後、Fannieについてもショートしているとおっしゃいましたよね。

Rogers: 私は、既にFannie MaeとChitibankについてはショートしています。そして(ショートしてから)随分経っています。私は、ETF(の空売り)をそのままの様な形にしておくでしょう。一つの事柄について(この場合は、ある特定の投資銀行について)多くの時間を費やすことをしない、なまけものの私の様な人間にとっては、簡単だからです。ただし、CitibankとFannie Maeに関しては例外です。(コメント:冒頭にもいっている様に、ジムはFannie MaeとCitibankについては、以前から(ETFではなく、個別に)空売りをしていた様です。)

Liu: わかりました。先ほど既に少し話されたことですが、ジム、あなたは今、アジアに住んでいらっしゃいます。あなたは、ヨーロッパやアジアの銀行は、米国の銀行が行った様に、損失を計上しなければならなくなる、とおっしゃいましたよね。いつそれが起きるとお考えですか?、そして、どのくらいの額になるのでしょうか?

Rogers: ええ、アジアとヨーロッパの会計士達は何らかの理由から、銀行の企業と一緒になって、「これらの事柄が実際に悪くなるくなるかどうかは、なってみないと分からない。」と言っています。彼らは、損失を計上しています。誤解しないで下さい。彼らは、損失を計上してはいます。(コメント:計上の額、範囲、ペースが米国に比べると少なく、遅いことを指摘しているのだと思います。)

アメリカ人達、我々アメリカの銀行システムは、多少なりとももっと自発的です。前もってこれらの事について損失を先に計上し続けています。ヨーロッパとアジアの銀行はまだです。

状況が悪くなってくれば、彼らは、損失を計上しなければならなくなります。ですから、アジアとヨーロッパの銀行は、悪くなったら損失計上すると言うシナリオが続いています。

Liu: それでは、ジム。私は、手短にドルについての話をしたいと思います。今週の初めのバーナンキ氏のドルの下落についてのコメントについてどの様に思いますか? あなたは、バーナンキ氏のこのこと(ドル安)について、大変批判的な立場を通されていますよね。

Rogers: 本当に驚くべきことです。「ドルが下がったとしても、一般の人、殆どのアメリカ人には影響がない」と議会の宣誓で言ったのは、 この男です。ですから、私は、彼がそのことを言うのを見たとき、思わず椅子から落っこちそうになりました。

彼(その男)がマーケットのことを分かっていないことを我々は知っています。我々は、彼が為替(通貨)について分かっていないことを知っています。民間の経済学、単純な経済学すら彼が知らないことを 、今我々は知りました。それで、私は二三日前の彼を見て驚きました。

Liu: そうですか。

Rogers: (突然)「ドルが下がれば、我々全てに影響を及ぼします。それは、インフレーションと呼ばれるものです。ですから、誰かが彼に経済学を教えたはずです。彼は、(学校に戻って)もう一度経済の101を学ぶべき時が来ていると思います。

Liu: それでは、ジム。時間となってしまいました。あなたを番組にお迎えすることができ、大変光栄に思います。いつものことながら、またあなたとお迎えしたいと思っています。ジム・ロジャーズ氏でした。

*** トランスクリプト終了***
Source: Bloomberg,
Rogers Says Bull Market in Oil Has `Years to Go'(Transcript)
June 6th, 2008



'Fedには逆らうな/逆らわない'と言うのが、米国の投資業界の常識(掟)だと思うのですが、Fedに対して、辛辣なコメントを連発するロジャーズ氏、正直、そこまで言っちゃって大丈夫なのかと心配してしまいます。(余計なお世話)投資銀行に対してショートしている、と言う話も随分前からのこと(私のブログで最初にロジャーズ氏を取り上げた時にもその話をしています。)だと思いますが、特定の企業に対してでなくETFを使っていると言うのは初めて知りました。特定の企業にショートしていない理由として、自分はなまけものだから、知り合いがどこにもいるので、と言っています。実際のところどうなのかは、私には分かりませんが、(意外と)投資業界に友達も多いのでは、と思いました。(投資銀行に対しては、ちょっと遠慮している気がします。)

ジム・ロジャーズ氏は、素晴らしい実績を残しており、実力を周囲から認められているのだと思いますが、発言に対しての責任が常に問われる中で、ここまで踏み込んだ(いつものことなのでしょうが)発言ができるのは、本当にすごいと思います。

このインタビューが行われたのは、大幅な下落となった6月6日(金)の朝でした。原油価格と失業率の大幅な上昇が下落の主な原因でしたが、非常にタイムリーで興味深いインタビューでした。

私は、ジム・ロジャーズ氏の話をブログに書くのは今回で2度目なのですが、その時に話ていることと、今回のインタビューでの話とずれがほとんどないのが印象的でした。

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