2008-06-29

春山さんの「週末の定点観測」

週末の定点観測 : アメリカ①
> 日本でも、不動産投資用のSPC(ノン・リコース・ローンを使って資金調達)を、本体決算に連結しろという圧力がかかっています。
> 欧米銀行が、簿外の投資ファンド(SIV)を本体で引き取っており、世界的に『簿外バッシング』が広がっています。
> この簿外バッシングをはじめとして、規制強化の嵐は初期段階だと思います。
> 不祥事を契機に規制が強化されるのは世の常ですが、その後は経済活動が停滞するのも世の常です。
> 金を持ているのは、アジアの輸出黒字国と、OPECなど資源エネルギー輸出国です。
> こういう状況で、資源エネルギー価格が半値になったら、金が消えるだけです。
> 景気はすぐには良くなりません。先進国の国民は防空壕に入ってしまい、外に出て買い物三昧に戻るには時間を要するのです。
> 日本の消費者が防空壕から出ないのと同じです。
コメントでは
> 日本でも、95年だったと思うのですが、銀行株がぶち上った年がありました。その後再度、奈落の底に向かったのですが、、、
> ですから、定期的に『ここが大底!』という反発があると思いますが、私はまだ先だと思います。

週末の定点観測 : 中国
> 中国に対する悲観論が相当高まったようです。
> 今週は、ジム・ロジャースが投資家に向かって『中国をあきらめるのは早い』と語るなどしています。
> ジム・ロジャースのところにも、『資源高を主張しながら、資源の大消費国である中国に投資を主張するのはおかしいのでは?』といった質問が飛んできているのでしょう。
なるほど、ジムの発言の理由まで考えをめぐらせるのですね。
> 台湾が人民元の交換を完全自由化したと聞きました。
6月30日からです。
> 株式市場は荒れてますが、中国・台湾の連携はスピード・アップすると思います。
> 使う場所の無い台湾の資金が中国に流れ込むのです。
> 中国はしばらくは資金に困らないでしょう。
> ここが、中国とインドの違いでしょうね。
> インドは世界から金を集めて、10年規模のインフラの巨額投資をこれから始めなければならない。世界は金に余裕が無い、この08年に・・・・

mikeexpoさんがコメントを書かれました。
> 自分は金融商品販売の現場(でコンプライアンスの仕事)を預かっているのですが、現場にいるとほんと今の日本の金融資産がいかに老年層に偏っているかがよくわかります。ほんと、驚くような金額をまとまって持ってます。
> 年金しか安定収入がない層は、かつてのインフレ時代(70年代)はもとより、戦後のハイパーインフレの記憶がまだあるかも知れません。
> 彼らは現時点では個人向け国債のようなものばかり買ってます。とはいえ、金利にはシビアです。今月上旬10年国債金利が高騰したときに、今回の個人向け国債の金利が決定しました。
> 変化があったのは、10年国債の金利が市場で下がり始めた先々週くらい。突如、店頭でまとまった金額の国債が大量に約定し始めました。
> したがって、彼ら彼女らがもし「タンス預金(ないし預金、国債など)では、もうだめだ。株かなんかやらないと。」と思うような事態が起きたら、大変な動きになるだろうな、という直感のようなものは現場で感じます。
> わたしは↓の記事を読んで、そのきっかけは「年金のマクロ経済スライド」ではないかと思っています。
この記事は、先日、投資信託の分配金の件で引用したものです。年金に関しては
> 今まで年金は物価の優等生といわれていましたが、平成16年の年金改正でマクロ経済スライドが導入されてから、物価の劣等生となりました。マクロ経済スライドにより、物価上昇率から0.9%差し引いた額しか年金は上昇しないので、物価が1%上がったとしても、年金は0.1%しか増えないのです。なお、マクロ経済スライドは物価が0.9%以上上昇しないと発動されないため、今まで適用されたことはありません。おそらく、来年に初めて適用となり、今の後期高齢者医療制度のように大騒ぎになるのではないでしょうか。
その他のコメントで
> 人件費だけが優位というのではダメですね。
> そういう意味では、中国への投資は第二ステージに入ったと思います。そして、第二ステージで投資すべは、外需よりも中国の内部成長だと思っています。
> 先日発売された、某マネー誌で、一番人気がブラジル、二番人気がベトナムで、中国はベスト5にも入っていなかったと、昨日広瀬さんから聞きました。
> こんな人気の無いのも久しぶりです。やはり、中国株投資のチャンスの年だと再認識しました。

週末の定点観測 : 日本
> PE100倍でIPOした株を適正PERまで売って儲けるに類する投資手法は、まだ有効のようです。

> Jリートは安値面あわせまで反落してきました。
> 森ビルの社長の言うように09年3月の決算に向かって辛い時代が続くのかもしれません。
> であれば、09年秋~10年が不動産投資の時期なのかもしれません。
> 私は不動産はまったくの素人なので、勉強を始めてみようと感じています。今から1年程度勉強すれば、十分に2010年の投資に間に合います。

> 金融機関は、赤字で倒産するのではなく、運転資金の枯渇で消えるのです。
> ベアースターンズのように、07年~08年の欧米金融機関の消滅が、それを証明しています。
コメントでは
> 少し前にFTにデカデカとサラ金はダメ!、、、という記事が掲載されました。かつては欧州系はサラ金こそ利益率の高い良い投資対象!と誉めそやしていたので、サラ金全体に対して、彼らからの投げが出ているのと、ショートで儲けようという売りが出ていると思います。
> 武富士は銀行の軍門に下れ!という『ファンディング原資要求下落相場』だと思います。
> アイフルは親銀行(住友信託)の規模の小さい点を心配する連想安だと思います。
> 武富士の親が決まれば売り相場は終わると判断しています。

> 三和ファイナンスは、昨年5月に一回エントリーを描いたことがあります。
> 昨年春は、一旦は投資のチャンスかなと勘違いしていた時期なので、このエントリーを紹介するのは恥ずかしいのですが。。。。
恥ずかしいと言いつつ紹介なさるのが自分を鍛えるのでしょうね。
ここで引用された記事の直後に書かれた記事日本の消費者金融ビジネスの今後の推移の想定をしておこう(前編)
> サブ・プライム層は、家計が逼迫して困っているんだから、金利を高くしたら、返せない、借りられない、という悪循環になってしまう、、、金利を高くするなんて、、、そんな感情を持ちます。私もそう感じますが、、、
> しかし、
『あなた自身が、サブプライム層の赤の他人にお金を貸す場合、どんな条件だったら貸そうと思うか? それも一回だけでなく、毎週、毎月、毎年、貸し続けるとしたら、、、』、そう考えれば、かわいそうだからという理由で低金利で金を貸すことはできないと理解できるのです。
> かわいそうだから、誰か!貸してあげてよ!、、、その誰かとは、あなたから徴収した税金を使う役人しかいないのです。
> つまり、貸付金利は困っているか否かでは無く、信用力(=返済能力)で自動的に決まってしまうというルールは、甘受せざるを得ないのです。
mikeexpoさんのコメント
> 仕事柄(笑)、(不動産担保ローンの)過剰債務者の相談に乗ることも多かった(そういえば、最近減った(笑))のですが、何度「お客さん、自己破産して免責受けた方が、よっぽど楽だよ。」と口から出かかったことか。

長くなったので全体観は別に書きます。

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