2008-07-23

悲観主義がはびこるときこそ金持ちになるチャンスだ

ロバート・キヨサキ 金持ちがますます金持ちになる理由 第59回 悲観主義がはびこるときこそ金持ちになるチャンスだ - Yahoo!ファイナンス

第59回 悲観主義がはびこるときこそ金持ちになるチャンスだ

 もしあなたが金持ちになりたいと真剣に願っているなら、いまがその絶好のチャンスだ。悲観論が大量生産される時期に入ったからだ。どっちを向いても悪いニュースだらけで、楽観論者が悲観論者になるときが、投資の最高のタイミングになる。


猫も杓子も「プロ」になるとき

ロバート・キヨサキ ジャーナリストの故ハンターS.トンプソンはよくこう言っていた。「物事の状況がおかしくなると、おかしな人が『プロ』になる」このことは投資の世界にもあてはまる。どんな市場でもそうだが、相場が高騰するとおかしな人々がプロの投資家に変身する。2000年には何百万という人が「プロ」のデイトレーダーや投資家になり、IT企業に投資した。同じ年、投資信託にも純資産にして3,090億ドルという記録的な量の資金が流入した。

 以前のコラムで、不良資産になっている不動産はすべて売り払うべきときがきたと書いたことがある。私がそう判断したきっかけは、地元のスーパーで働いていたレジ係の女性だった。彼女は私に、自分の不動産エージェントの名刺を手渡した。レジ係をやめて不動産のプロになろうとしていたのだ。

 市場が強気から弱気に転じても、そういうプロになったばかりの人たちは楽観的で、相場はじきにまた上昇し、自分たちも救われるだろうと考え、そうなるようにと祈ることしかしない。だが、さらに下げ相場が続くと、楽観論者は悲観論者になり、「プロ」であることをやめ、以前の職場へ戻っていく。このとき、「本当のプロ」の投資家が再び参戦する。そういうことが、いままさに起こっている。


悲観主義と現実主義のちがい

 1987年、米国では史上最大級の株式市場の暴落が起こった。貯蓄貸付組合の業界は破綻した。不動産市場は暴落し、連邦政府は救済機関として整理信託公社(RTC)を設立した。RTCは、お金に関して愚かだった者たちが持っていたものを取り上げ、お金に関して賢い者たちに与えた。

 それからきっちり20年後のことだ。2007年7月、ダウ工業株30種平均とダウ運輸株20種平均が共に最後の高値をつけた。それ以降は悪いニュースばかりが続いている。2007年8月、世の中に新しい流行語が浮上した。「サブプライム」という言葉だ。その年の10月、私は多くのテレビ番組に出演していて、相場が回復して上昇に転じるのはいつ頃だと思うかとよく聞かれた。私の答えはこうだった。「今回の暴落は相当ひどいものです。最悪の事態が起こるのはこれからです」

 番組ホストの多くは楽観的な見方をしていたので、私のコメントに腹を立て、なぜあなたはそんなに悲観的なのかと聞いた。私は次のように答えた。「楽観主義者と悲観主義者の違いは、悲観主義者は現実主義者だということです。私は現実的になっているにすぎません」

 2008年の初め、状況が悪化の一途をたどったのは周知のとおりだ。ベアスターンズが破たんし、投資銀行を救済するために連銀が介入を始めた。2月になると、あれほど楽観的だったテレビや新聞雑誌の記者たちの多くが悲観論者になった。そして、ジャーナリストが悲観的になると、一般大衆もそれにならう。3月には投資家が大挙して市場から逃げ出し、投資信託から流出した純資産額は450億ドルにも達した。


極寒の時代を生き延びる

 1987年、貯蓄貸付組合が破たんし、株式や不動産といった投資家の資産が暴落したとき、私と妻のキムはオレゴン州ポートランドに住んでいた。暴落に落胆して、現実から目をそらしている人が大勢いた。翌年、私はキムにこう言った。「さあ、きみも投資を始めるときがきたよ」

 1989年、キムはベッドルームが2つ、バスルームが1つの一戸建てを45,000ドルで購入した。支払った頭金は5,000ドルで、毎月25ドルのプラスのキャッシュフローが生まれた。いまでは、保有する不動産は1,400戸を超え、彼女は1年間に何十万ドルものプラスのキャッシュフローを手にしている。とくに今は、家を買うより借りる人が増えているので、ビジネスはいっそう繁盛している。

 1987年から1995年にかけての期間は、裕福な人にとってさえ厳しい時期だった。私の友人であるドナルド・トランプは、その著書「敗者復活―不動産王ドナルド・トランプの戦い」の中で、当時は10億ドルもの借金で首がまわらなかったと書いている。だが彼は、決してあきらめることなく、生き延びるために闘い続けた。トランプと私は、あの困難な時期こそが自分たちの人格形成に大いに役立ったとよく語り合っている。


警告:猶予期間はあと2年

 いまは、今回の暴落の最悪の時期にあると私は見ている。暴落の後遺症はこれからも出てくるだろうし、悲観的な報道は最低でもあと2年、おそらくは2010年の夏までは続くだろう。

 しかし、不幸中の幸いと言えるのは、こうした事態によって、市場を研究して株式や不動産の次の大バーゲンセールを見つけるのに、少なくとも2年間の猶予が与えられていることだ。自分が買いたい資産がある人は、まずその資産をよく研究し、関係する本を読み、セミナーに参加したりしてさらに学ぶよう強くお勧めする。不動産なら、不動産に関するセミナーに行ってみよう。今は勉強すべきときだ。そうすれば、一般の人よりも多くの知識を得て、市況が変化したときに他の人よりも有利な位置に立つことができるだけでなく、同じような考え方の人たちに出会うこともできる。

 投資のスタートラインに着くのに2年間の猶予があるのだ。これほど大きなチャンスはそうそう巡ってくるものではない。だから、この機会にあなたにぜひ金持ちになってほしい。


強気市場はゆっくりと、弱気市場は一気に

 私が、長期的には市場を楽観視しているかって? とんでもない。それどころか私は、私達がとてつもない暴落に向かってまっしぐらに突き進んでいて、アメリカ経済は残されたわずかな時間を生きながらえているだけだと、いまも確信している。本当にわずかな時間だ。ベビーブーム世代の人のほとんどはお金に関して深刻な問題を抱えていると思うし、石油は1バレル200ドルを超えていくだろう。インフレも進行して、貧しい人々や中流階級をもっと苦しめることになる。

 連銀はほぼ1兆ドルにも及ぶマネーで市場をあふれさせており、だからこそ私は、金が1オンス1,200ドル未満、銀が1オンス30ドル未満なら、実にお買い得だと思う。金と銀は2020年までに最高値をつけてその後は下落し、2回目の20年周期を終えるはずだ。私は、2015年あたりに銀を売却するという出口戦略を立てている。金、収入を生む不動産、油田や株式は持ち続けるつもりだ。

 ほとんどの人が、強気市場は階段をゆっくり登るようにやってくるが、弱気市場は窓から飛び降りるようにやってくることを知っている。いまはまだ、強気市場が階段を登ってきているところで、弱気市場はまだ飛び降りていないと私は思っている。だが、弱気市場が窓から飛び降りる日は確実にやってくる。

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