2008-10-11

バイアスの掛かった欲望

クール・クリティーク : ル・クレジオのネタも書きたいんだけど - livedoor Blog(ブログ)

大引け後に届いた松井証券のメールを見たら、今日の信用買いの評価損率は40%を越えてるんだね~。そして、信用残額が極端に小さいことと言ったら...。もう痛々しいくらい。ネットトレード創世記の覇者だった松井証券の信用残がこんなに減ってるなんて...。

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08/10/10 信用残速報
信用残(億円) 評価損益率(%)
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売り残 145.42 14.020 ※倍率 8.317倍
買い残 1,209.40 -40.463

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ライブドア事件直前の06年の1月、相場が一番熱かった時期と比べてみましょうか。01月13日の松井証券での信用残のデータをアップしてみます。

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06/01/13 信用残速報
信用残(億円) 評価損益率(%)
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売り残 472.20 -18.785 ※ 倍率 14.682倍
買い残 6,933.06 4.233

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買い残が7,000億円近くから1,200億円への減少ですから、5分の1以下ですね。確かに売り残の評価損益率はプラスで14%を越えているが、145億円しかないって凄すぎ。ほとんどの投資家は退場済みだということがリアルな数字で分かってしまう。

「短期的なリバウンド狙い」で、仕掛けてる人が多いみたいだけど、それって怪しすぎスタンスだと思うね。
こんな相場なんだから、底値の目途なんてまったくたたないわけだし、チャートはとうの昔にぶっ壊れてるんだから、チャート分析も無意味。もはや「勘」だけのトレードになっているわけである。
そんな相場でも買いたいと思うのだとしたら、そうした気持ちを産む要因は、冷静なチャート分析や相場心理のクールな解析でもないはず。まず、自分の心の中にある「バイアスの掛かった欲望」をできる限り冷ややかな視線で分析する必要があるだろう。
まずは『「株価が上がって欲しい」という願望が、冷静な分析を凌いでしまい、気持ちを買いに向かわせるのではないのか』と疑った方がいい。「無意識的な願望」と「冷静な理性的判断」とはまったく別のものだと思うが、クールさを失ったトレーダーは、この違いが分からなくなっていたりするんだよ。
もう一つは、『「金を儲けたい」ではなく、「相場の転換点を確実に掴んで、自分の賢さを自他共に認めさせたい」という願望があるのではないか』と冷静に自分に問いかけた方がいい。転換点をつかんだからといってそれが必ずしも儲けに繋がるわけではない。大事なのは、トレンドが発生したときにしっかりそれについていくことで、こんな相場では「やや遅れ気味」に相場を追いかけたって、別に利益が小さくなるわけではないんだよ。
確かにリスクを取らない限り、リターンは期待できない。でも、自分が取ろうとしているリスクが、そのリターンの期待値に値するものなのかは考えなければいけない。

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